マタイによる福音書23章38節

マタイによる福音書
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† 福音書縦観 「エルサレムへの嘆き」 マタイ23:37~39

マタイ23:37~39 ルカ13:34~35
マタイ23:37~39

Matt. 23:38見よ、おまえたちの家は見捨てられてしまう。(ルカ13:35) 口語訳聖書

† 日本語訳聖書 Matt.23:38 

【漢訳聖書】
Matt.23:38 視哉、爾之家、將爲墟遣於爾矣。

【明治元訳】
Matt.23:38 視よ爾曹の家は荒地となりて遺れん

【大正文語訳】
Matt.23:38 視よ、汝らの家は廢てられて汝らに遺らん。

【ラゲ訳】
Matt.23:38 看よ、汝等の家は荒廃れて汝等に遺されん。

【口語訳】
Matt.23:38 見よ、おまえたちの家は見捨てられてしまう。

【新改訳改訂3】
Matt.23:38 見なさい。あなたがたの家は荒れ果てたままに残される。

【新共同訳】
Matt.23:38 見よ、お前たちの家は見捨てられて荒れ果てる。

【聖書協会共同訳聖書】
Matt.23:38 見よ、お前たちの家は見捨てられて荒れ果てる。

【バルバロ訳】
Matt.23:38 おまえたちの家は荒れ果てたまま残される。

【フランシスコ会訳】
Matt.23:38 見よ。あなた方の家は荒れ果てたまま、見捨てられる。

【日本正教会訳】
Matt.23:38 視よ、爾等の家は虚しくして爾等に遺さる。

【塚本虎二訳】
Matt.23:38 そら、“お前たちの町は(宮もろとも神に)見捨てられ(て荒れ果て)るのだ。”

【前田護郎訳】
Matt.23:38 見よ、あなた方の家は捨てられる。

【永井直治訳】
Matt.23:38 見よ、汝等の家は荒れ廢れて汝等に差しおかれん。

【詳訳聖書】
Matt.23:38 見よ、あなたたちの家は捨てられ、荒れ果ててしまった<見放され、〔神の救助のないままに〕放置されてしまった>。

† 聖書引照 Matt.23:38

Matt.23:38 見よ、お前たちの家は見捨てられて荒れ果てる。

[見よ、お前たちの家は見捨てられて荒れ果てる] マタ24:2; Ⅱ歴代7:20,21; 詩篇69:24; イザ64:10~12; エレ7:9-14; ダニ9:26; ゼカ11:1,2,6; 14:1,2; マル13:14; ルカ13:35; 19:43,44; 21:6,20,24; 使徒6:13,14

† ギリシャ語聖書 Matt.23:38

Stephens 1550 Textus Receptus
ιδου αφιεται υμιν ο οικος υμων ερημος

Scrivener 1894 Textus Receptus
ιδου αφιεται υμιν ο οικος υμων ερημος

Byzantine Majority
ιδου αφιεται υμιν ο οικος υμων ερημος

Alexandrian
ιδου αφιεται υμιν ο οικος υμων ερημος

Hort and Westcott
ιδου αφιεται ο οικος υμων ερημος

† ヘブライ語聖書 Matt.23:38

Matt.23:38

הִנֵּה בֵּיתְכֶם יִנָּטֵשׁ לָכֶם

† ラテン語聖書 Matt.23:38

Latin Vulgate
Matt.23:38

Ecce relinquetur vobis domus vestra deserta.
Behold, your house shall be abandoned to you, having been deserted.

† 私訳(詳訳)Matt.23:38

【私訳】「見よ、あなた方の家は荒れ果てたままあなた方に残される<引き渡される、放置される>」

† 新約聖書ギリシャ語語句研究

Matt.23:38

ἰδοὺ ἀφίεται ὑμῖν ὁ οἶκος ὑμῶν ἔρημος.

聖書協会共同訳聖書

見よ、お前たちの家は見捨てられて荒れ果てる。

【見よ】ἰδοὺ ἰδού イドゥ idou {id-oo‘} (qs 不変化詞)

1)そら、ほら、さあ、まあ、それ 2)見よ、見よ驚くことに、ごらん注意を喚起する言葉「見よ、驚くことに」

(G2400  ἰδού Second person singular imperative middle voice of 1492 used as imperative lo!: – behold, lo, see.  Internet Sacred Text Archive)

【あなた方の】ὑμῖν σύ スゆ sou {soo} (npg-2p 代名詞・属2複)

1)あなた 2)汝 3)君

(G4771 σύ The personal pronoun of the second person singular; thou: – thou. See also 4571 4671 4675 and for the plur. 5209 5210 5213 5216.  Internet Sacred Text Archive)

【家は】οκος οἶκος オイコス oikos {oy‘-kos} (n-nm-s 名詞・主男単)

1)家、建物 2)家屋、住居、住家、住処 3)部屋 4)家の者、家族、家系、一族、一家、世帯 5)家財、財産

(G362 οἶκος Of uncertain affinity; a dwelling (more or less extensive, literally or figuratively); by implication a family (more or less related, literally or figuratively): – home, house (-hold), temple.  Internet Sacred Text Archive)

マタ2:11; 7:25,26; 8:6; 10:36; 12:25; 23:38; マル5:19; 8:3,26; ルカ2:49; 6:48,49; 10:7; 15:6,8; ヨハ12:3; 14:2; 19:27 etc.

【荒れ果てたまま】ἔρημος ἔρημος エレーモス erēmos {er‘-ay-mos} (a–nf-s 形容詞・主女単)

1)人の住まない所、荒野、砂漠、無人の地、だれもいない 2)荒れた、荒涼たる 3)寂しい、見捨てられた、孤独な、孤立した 4)群れをなさない、人里離れた 5)~のない、~を欠いた、~を奪われた、~を失った

「神の知識に欠けた土地、異邦人の地」(ユスティノス「ユダヤ人トリュフォンとの対話」)

(G2048  ἔρημος Of uncertain affinity; lonesome, that is, (by implication) waste (usually as a noun, 5561 being implied): – desert, desolate, solitary, wilderness.  Internet Sacred Text Archive)

マタ3:1,3; 4:1; 14:13,15; 24:26; マル1:3,4,12,13,35,45 ルカ1:80; 3:2,4; 4:1; 8:29; ヨハ1:23; 3:14; 6:31,49; 11:54; 使徒7:30,36,38,42,44; 13:18; 21:38 etc.

【あなたがたに】ὑμῶν σύ スゆ sou {soo} (npd-2p 代名詞・与2複)

1)あなた 2)汝 3)君

(G4771 σύ The personal pronoun of the second person singular; thou: – thou. See also 4571 4671 4675 and for the plur. 5209 5210 5213 5216.  Internet Sacred Text Archive)

【残される】ἀφίεται ἀφίημι アふィエーミ aphiēmi {af-ee‘-ay-mee} (vipp–3s 動詞・直・現・受・3単)

< ἀπό ~から + ἵημι 送る

1)あるものを放っておく、投げやる、投げ捨てる、放免する、見逃す、見放す、引き渡す 2)放す、手放す 3)捨てておく、~から去らせる、うっちゃっておく、許す、~させておく、解放する、構わずにおく、そのままにまかせる、許す、受ける、放棄する、置き去る、残す 4)見捨てる、免除する、放免する 5)放り出す、絶縁する

(G863  ἀφίημι From 575 and ἵημι hiēmi (to send; an intensive form of εἶμι eimi (to go)); to send forth, in various applications: – cry, forgive, forsake, lay aside, leave, let (alone, be, go, have), omit, put (send) away, remit, suffer, yield up.  Internet Sacred Text Archive)

マタ3:15; 6:12,14,15; 9:2,5,6; 12:31,32; 12:32; 18:21,27,32,33; 19:14; 23:13: マル1:34; 2:5,7,9,10; 3:28; 4:12; 5:19,37; 10:14; 11:6,16,25 etc.

† 英語訳聖書 Matt.23:38

King James Version
23:38 Behold, your house is left unto you desolate.

New King James Version
23:38 “See! Your house is left to you desolate;

American Standard Version
23:38 Behold, your house is left unto you desolate.

New International Version
23:38Look, your house is left to you desolate.

Bible in Basic English
23:38 See, your house is made waste.

Today’s English Version
23:38 And so your Temple will be abandoned and empty.

Darby’s English Translation
23:38 Behold, your house is left unto you desolate;

Douay Rheims
23:38 Behold, you house shall be left to you, desolate.

Noah Webster Bible
23:38 Behold, your house is left to you desolate.

Weymouth New Testament
23:38 See, your house will now be left to you desolate!

World English Bible
23:38 Behold, your house is left to you desolate.

Young’s Literal Translation
23:38 Lo, left desolate to you is your house;

† 細き聲 聖書研究ノート

Matt.23:38

ἰδοὺ ἀφίεται ὑμῖν ὁ οἶκος ὑμῶν ἔρημος.

聖書協会共同訳聖書

見よ、お前たちの家は見捨てられて荒れ果てる。

 <見よ、おまえたちの家は見捨てられてしまう>

神の翼の下に来ようとしなかったエルサレムは見捨てられ、その家に住む者もいなくなる。

 <視よ、汝らの家は廢てられて汝らに遺らん>

預言者を否定した「エルサレム」滅亡の預言である。「あなたがたの家」はエルサレム神殿を指す。

 <エルサレム陥落>

AD.70年にティトゥスの率いるローマ軍がエルサレムを包囲し、AD.66年以来立てこもっていたエルサレムを陥落させた。この戦争によってヘロデのエルサレム神殿は破壊され、西壁のみが残り現在も「嘆きの壁」として残されている。ヨセフスによれば、この攻囲戦で「110万人」が死亡し、9万7千人が捕虜となったとされる。

† 心のデボーション

「視よ、汝らの家は廢てられて汝らに遺らん」 マタイ23:38 大正文語訳聖書

「見よ。あなた方の家は荒れ果てたまま、見捨てられる」 フランシスコ会訳聖書

 「嘆きの壁」

エルサレムの旧市街に「嘆きの壁」がある。この壁は、BC.20年にヘロデ大王が、改築、拡張したエルサレム神殿を取り巻いていた外壁の西側の部分でAD.70年に起きたユダヤ戦争でヘロデの神殿は炎上し、 神殿を取り巻いていた外壁の西側の部分だけが残った。

以来、ユダヤ教徒はエルサレムへの立ち入りは許可されなかったが、4世紀になって、年に1日ヘロデ神殿崩壊の日だけに立ち入りが許可されるようになり、ユダヤ人は、失われたエルサレム神殿を悲しんで祈るために「嘆きの壁」と名付け、祖国の復興を祈念した。1967年に起こった第三次中東戦争で、イスラエル軍が東エルサレムをヨルダンから帰還し、「嘆きの壁」を解放した。

19世紀のヨーロッパの旅行者が、壁を「ユダヤ人が嘆く場所」(英語:wailing place of the Jews, フランス語:Mur des Lamentations, ドイツ語:Klagemauer)と呼んだことに由来する。(「嘆きの壁」の単語自体は古くからのアラビア語el-Mabka(「涙の場所」の意)の直訳である)

「嘆きの壁」で祈りをささげる人はユダヤ教の戒律を厳格に守る正統派の教えに従って男女必ず分離されたが、2016年1月31日、イスラエル政府は「嘆きの壁」に、男女が共に礼拝できる空間を新たに設置することを決めた。

「嘆きの壁」は全長490mに及ぶが、地上に見えているのは57mである。壁に手を触れて祈る人々のため、壁の人の背の高さまで黒ずんでいることが神殿を失った人々の悲しみを伝えている。

† 細き聲 説教 

 「真の礼拝」

「視よ、汝らの家は廢てられて汝らに遺らん」 マタイ23:38 大正文語訳聖書

「見よ。あなた方の家は荒れ果てたまま、見捨てられる」 フランシスコ会訳聖書

神の翼の下に来ようとしなかったエルサレムは見捨てられ、その家に住む者もいなくなる。

預言者を否定した「エルサレム」滅亡の預言である。「あなたがたの家」はエルサレム神殿を指す。AD.70年にティトゥスの率いるローマ軍がエルサレムを包囲し、AD.66年以来立てこもっていたエルサレムを陥落させた。この戦争によってヘロデのエルサレム神殿は破壊され、西壁のみが残り現在も「嘆きの壁」として残されている。ヨセフスによれば、この攻囲戦で「110万人」が死亡し、9万7千人が捕虜となったとされる。

エルサレムの回復は、神殿再建によってなされることではない。神が遣わされた預言者によって預言され、イエス・キリストの十字架と復活によって、神のエルサレムは立ちあがるのであるのである。

イエスはサマリヤの女に「わたしが与える水を飲む者は、いつまでも、かわくことがないばかりか、わたしが与える水は、その人のうちで泉となり、永遠の命に至る水が、わきあがるであろう」と告げられた(ヨハネ4:14 口語訳聖書)。すると、女はイエスを「預言者」と呼び、「わたしたちの先祖は、この山で礼拝をしたのですが、あなたがたは礼拝すべき場所は、エルサレムにあると言っています」(ヨハネ4:20 口語訳聖書)と答えると、いえすは「女よ、わたしの言うことを信じなさい。あなたがたが、この山でも、またエルサレムでもない所で、父を礼拝する時が来る」(ヨハネ4:21 口語訳聖書)、「しかし、まことの礼拝をする者たちが、霊とまこととをもって父を礼拝する時が来る。そうだ、今きている。父は、このような礼拝をする者たちを求めておられるからである。神は霊であるから、礼拝をする者も、霊とまこととをもって礼拝すべきである」(ヨハネ4:23,24 口語訳聖書)と語られた。

エルサレムによらず、他の山によらず、霊とまことをもって神を礼拝する時が来た。それが教会である。

(皆川誠)

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