† 福音書縦観 「祈りと信仰」
マタイ21:20~22 マルコ11:20~26 ルカ17:5~6
マタイ21:20~22
Matt.21:21イエスは答えて言われた、「よく聞いておくがよい。もしあなたがたが信じて疑わないならば、このいちじくにあったようなことが、できるばかりでなく、この山にむかって、動き出して海の中にはいれと言っても、そのとおりになるであろう。 (イエスは答えて言われた、「神を信じなさい。 11:23よく聞いておくがよい。だれでもこの山に、動き出して、海の中にはいれと言い、その言ったことは必ず成ると、心に疑わないで信じるなら、そのとおりに成るであろう。マルコ11:22)口語訳聖書
† 日本語訳聖書 Matt.21:21
【漢訳聖書】
Matt.21:21 耶穌答之曰、我誠告爾、若有信不疑、則不獨可行此於無花果樹、雖命此山云、移去投海、亦必成焉。
【明治元訳】
Matt.21:21 イエスて彼等(かれら)に曰(いひ)けるは我(われ)まことに爾曹(なんぢら)に告(つげ)んもし信仰(しんかう)ありて疑(うたが)はずば此(この)無花果(いちじく)に於(おけ)るが如(ごとき)耳(のみ)ならず此(この)山(やま)に命(めい)じ此(ここ)より移(うつ)されて海(うみ)に入(いれ)よと云(いふ)とも亦(また)成(なら)ん
【大正文語訳】
Matt.21:21 イエス答へて言ひ給ふ『まことに汝らに告ぐ、もし汝ら信仰ありて疑はずば、啻に此の無花果の樹にありし如きことを爲し得るのみならず、此の山に「移りて海に入れ」と言ふとも亦成るべし。
【ラゲ訳】
Matt.21:21 イエズス答へて曰ひけるは、我誠に汝等に告ぐ、汝等若信仰ありて躊躇せずば、啻に之を無花果樹に為すべき耳ならず、假令此山に向ひて、汝自抜けて海に入れと云ふとも亦然成らん。
【口語訳】
Matt.21:21 イエスは答えて言われた、「よく聞いておくがよい。もしあなたがたが信じて疑わないならば、このいちじくにあったようなことが、できるばかりでなく、この山にむかって、動き出して海の中にはいれと言っても、そのとおりになるであろう。
【新改訳改訂3】
Matt.21:21 イエスは答えて言われた。「まことに、あなたがたに告げます。もし、あなたがたが、信仰を持ち、疑うことがなければ、いちじくの木になされたようなことができるだけでなく、たとい、この山に向かって、『動いて、海に入れ』と言っても、そのとおりになります。
【新共同訳】
Matt.21:21 イエスはお答えになった。「はっきり言っておく。あなたがたも信仰を持ち、疑わないならば、いちじくの木に起こったようなことができるばかりでなく、この山に向かい、『立ち上がって、海に飛び込め』と言っても、そのとおりになる。
【バルバロ訳】
Matt.21:21 イエズスは答えられた、「まことに私は言う。「あなたたちにためらることのない信仰さえあったら、私がいちじくの木にしたようなことができるばかりでなく。あの山に向かって<動いて海に入れ>と命じてもそのとおりになる。
【フランシスコ会訳】
Matt.21:21 イエスはお答えになった、「あなた方によく言っておく。もしあなた方が信仰をもち、疑わないなら、いちじくの木に起こったことが、あなた方にもできるばかりでなく、この山に向かって『立ち上がって、海に飛び込め』と言えば、そのとおりになる。
【日本正教会訳】
Matt.21:21 イイスス答へて彼等に謂へり、我誠に爾等に語ぐ、爾等若し信ありて疑はずば、惟無花果樹に於ける事を行はんのみならず、乃此の山に、移りて海に投ぜよと、云ふとも、亦成らん。
【塚本虎二訳】
Matt.21:21 イエスは答えられた、「アーメン、わたしは言う、もしあなた達に信仰があって疑わないならば、この無花果におこった(と同じ)ことをすることができるばかりか、この山にむかい『立ち上がって海に飛び込め』と言っても、その通りになる。
【前田護郎訳】
Matt.21:21 イエスは答えていわれる、「本当にいう、もしあなた方が信仰を持って疑わなければ、いちじくのことを行なえるばかりか、この山に向かって、『立ちあがって海に入れ』といってもそうなろう。
【永井直治訳】
Matt.21:21 乃ちイエス答へて彼等にへり、誠にわれ汝等に云はん、汝等もし信仰を保ちて疑はずば、唯に無花果樹に〔爲されたる〕ことを汝等も爲すのみならず、尚ほ此の山に、汝取り去られよ、且つ海に投げ入れられよ、と云ふとも應(かな)ふべし。
【詳訳聖書】
Matt.21:21 イエスは彼らに答えられた、「私は、真実をあなたたちに言う、もしあなたたちが信仰<確固とした信仰>を持っていて、疑うことがないならば、あなたたちはこのいちじくの木にされた事をするだけでなく、この山に向かって、『持ち上げられて海に投げ込まれよ』と言っても、そのとおりに成る。
† 聖書引照 Matt.21:21
Matt.21:21 イエス答へて言ひ給ふ『まことに汝らに告ぐ、もし汝ら信仰ありて疑はずば、啻に此の無花果の樹にありし如きことを爲し得るのみならず、此の山に「移りて海に入れ」と言ふとも亦成るべし。
[イエス答へて言ひ給ふ『まことに汝らに告ぐ、もし汝ら信仰ありて疑はずば、啻に此の無花果の樹にありし如きことを爲し得るのみならず』] マタ17:20; マル11:22,23; ルカ17:6,7; ロマ4:19,20; Ⅰコロ13:2; ヤコ1:6
[此の山に「移りて海に入れ」と言ふとも亦成るべし] マタ8:12
† ギリシャ語聖書 Matt.21:21
Stephens 1550 Textus Receptus
αποκριθεις δε ο ιησους ειπεν αυτοις αμην λεγω υμιν εαν εχητε πιστιν και μη διακριθητε ου μονον το της συκης ποιησετε αλλα καν τω ορει τουτω ειπητε αρθητι και βληθητι εις την θαλασσαν γενησεται
Scrivener 1894 Textus Receptus
αποκριθεις δε ο ιησους ειπεν αυτοις αμην λεγω υμιν εαν εχητε πιστιν και μη διακριθητε ου μονον το της συκης ποιησετε αλλα καν τω ορει τουτω ειπητε αρθητι και βληθητι εις την θαλασσαν γενησεται
Byzantine Majority
αποκριθεις δε ο ιησους ειπεν αυτοις αμην λεγω υμιν εαν εχητε πιστιν και μη διακριθητε ου μονον το της συκης ποιησετε αλλα καν τω ορει τουτω ειπητε αρθητι και βληθητι εις την θαλασσαν γενησεται
Alexandrian
αποκριθεις δε ο ιησους ειπεν αυτοις αμην λεγω υμιν εαν εχητε πιστιν και μη διακριθητε ου μονον το της συκης ποιησετε αλλα καν τω ορει τουτω ειπητε αρθητι και βληθητι εις την θαλασσαν γενησεται
Hort and Westcott
αποκριθεις δε ο ιησους ειπεν αυτοις αμην λεγω υμιν εαν εχητε πιστιν και μη διακριθητε ου μονον το της συκης ποιησετε αλλα καν τω ορει τουτω ειπητε αρθητι και βληθητι εις την θαλασσαν γενησεται
† ギリシャ語聖書 品詞色分け
Matt.21:21
ἀποκριθεὶς δὲ ὁ ἰησοῦς εἶπεν αὐτοῖς, ἀμὴν λέγω ὑμῖν, ἐὰν ἔχητε πίστιν καὶ μὴ διακριθῆτε, οὐ μόνον τὸ τῆς συκῆς ποιήσετε, ἀλλὰ κἂν τῶ ὄρει τούτῳ εἴπητε, ἄρθητι καὶ βλήθητι εἰς τὴν θάλασσαν, γενήσεται·
† ヘブライ語聖書 Matt.21:21
Matt.21:21
הֵשִׁיב לָהֶם יֵשׁוּעַ: “אָמֵן אוֹמֵר אֲנִי לָכֶם, אִם יֵשׁ לָכֶם אֱמוּנָה וְאֵינְכֶם מְפַקְפְּקִים, לֹא רַק כְּמַעֲשֵׂה הַתְּאֵנָה הַזֹּאת תַּעֲשׂוּ, אֶלָּא גַּם אִם תַּגִּידוּ לָהָר הַזֶּה ‘הֵעָקֵר וְהִזָּרֵק לְתוֹךְ הַיָּם’, יִתְקַיֵּם הַדָּבָר.
† ラテン語聖書
Latin Vulgate
Matt.21:21
Respondens autem Iesus, ait eis: Amen dico vobis, si habueritis fidem, et non hæsitaveritis, non solum de ficulnea facietis, sed et si monti huic dixeritis, Tolle, et iacta te in mare, fiet.
And Jesus responded to them by saying: “Amen I say to you, if you have faith and do not hesitate, not only shall you do this, concerning the fig tree, but even if you would say to this mountain, ‘Take and cast yourself into the sea,’ it shall be done.
† 私訳(詳訳)
【私訳】 「しかし、イエスは彼らにお答えになって言われた。『まことに<アーメン>あなたがたに言います。もし、あなたたちが信仰をもち、そして疑わなければ、いちじくの木に起こったようなことだけでなく、たとえこの山に向かって『引き上げられて<持ち上げられて>、そして海に投げ入れられよ』と言ってもそのようになる』」
† 新約聖書ギリシャ語語句研究
Matt.21:21
ἀποκριθεὶς δὲ ὁ ἰησοῦς εἶπεν αὐτοῖς, ἀμὴν λέγω ὑμῖν, ἐὰν ἔχητε πίστιν καὶ μὴ διακριθῆτε, οὐ μόνον τὸ τῆς συκῆς ποιήσετε, ἀλλὰ κἂν τῶ ὄρει τούτῳ εἴπητε, ἄρθητι καὶ βλήθητι εἰς τὴν θάλασσαν, γενήσεται·
【しかし】 δὲ δέ デ de {deh} (ch 接続詞・完)
1)ところで、しかし、さて、そして 2)しかも、そしてまた、なお、すると、また 3)次に、さらに 4)否、むしろ
(G1161 δέ A primary particle (adversative or continuative); but, and, etc.: – also, and, but, moreover, now [often unexpressed in English]. Internet Sacred Text Archive)
【イエスは】 ἰησοῦς ᾽Ιησοῦς イエースウース Iēsous {ee-ay-sooce‘ } (n-nm-s 名詞・主男単)
イエス 意味は「ヤㇵウェは救いである」
「イエス」はヘブル語「 יְהוֺשׁוּעַ イェホーシュア Yehowshuwa` {yeh-ho-shoo’-ah} ”Jehovah is salvation” 主は救い、ヨシュア」の ギリシャ名
(G2424 ᾽Ιησοῦς Of Hebrew origin [3091; Jesus (that is, Jehoshua), the name of our Lord and two (three) other Israelites: – Jesus. H3091 יְהוֹשׁוַּע יְהוֹשׁוַּע yehôshûa‛ yehôshûa‛ yeh-ho-shoo‘-ah,yeh-ho-shoo‘-ah From 3068 and 3467 Jehovah-saved; Jehoshua (that is, Joshua), the Jewish leader: – Jehoshua, Jehoshuah, Joshua. Compare 1954 3442. Internet Sacred Text Archive)
マタ16:16; マル5:7; ルカ1:32; ヨハ1:29,36; 14:6; 6:33,51; ロマ1:16; 3:29; 11:26; 14:9; Ⅰコリ1:24; 2:8; 15:45; Ⅰテモ6:15; ヘブ2:10; 3:6; 9:11,15; 12:24; 黙示1:5,8; 2:8; 3:14 etc.
【彼らに】 αὐτοῖς αὐτός アウトス autos {ow-tos‘} (npdm3p 代名詞・与男3)
1)彼、彼女、それ(三人称の代名詞) 2)自身で、自分から、自分として(強調用法) 3)同じ同一の 4)まさに、ちょうど
(G846 αὐτός From the particle αὖ au (perhaps akin to the base of 109 through the idea of a baffling wind; backward); the reflexive pronoun self, used (alone or in the compound of 1438 of the third person, and (with the proper personal pronoun) of the other persons: – her, it (-self), one, the other, (mine) own, said, ([self-], the) same, ([him-, my-, thy-]) self, [your-] selves, she, that, their (-s), them ([-selves]), there [-at, -by, -in, -into, -of, -on, -with], they, (these) things, this (man), those, together, very, which. Compare 848. Internet Sacred Text Archive)
【お答えになって】 ἀποκριθεὶς ἀποκρίνομαι アポクリノマイ apokrinomai {ap-ok-ree‘-nom-ahee} (vpaonm-s 分詞・1アオ能欠主男単)
< ἀπό + κρίνω 審く、分ける
1)分離する、分ける、区別する、退ける 2)離れる、分かれる、帰着する 3)答える、返答する、答弁する、弁明する、言葉を続ける 4)選ぶ、選び出す
(G611 ἀποκρίνομαι From 575 and κρινω krino ; to conclude for oneself, that is, (by implication) to respond; by Hebraism (compare [6030 ) to begin to speak (where an address is expected): – answer. Internet Sacred Text Archive)
【言われた】 εἶπεν εἶπον エイポン eipon {i‘-pon} (viaa–3s 動詞・直・2アオ・能・3)
1)言う、話す、語る、告げる、言いあらわす、述べる、呼ぶ 2)命じる、願う、尋ねる 3)~と呼ぶ、称する 4)語られたこと、言葉、発言、発話、話の内容 5)出来事
εἶπον は ἔπω の2アオリスト形で実際には λέγω のアオリストとして用いられる
(G2036 ἔπω A primary verb (used only in the definite past tense, the others being borrowed from 2046 4483 and 5346 ; to speak or say (by word or writting): – answer, bid, bring word, call, command, grant, say (on), speak, tell. Compare 3004. Internet Sacred Text Archive)
【はっきり言っておく】
【はっきり】 ἀμὴν ἀμήν アメーン amēn {am-ane‘} (qs 不変化詞)
1)まことに、真実に、本当に、たしかに 2)はっきりと 3)おごそかに 3)アーメン 4)(文の終わりで)かくあれ、かくあれかし、そうでありますように
ギリシャ語「ἀμήν アーメン」はヘブル語の「a-me-n アーメーン」で、動詞「a-mam アーマン たよりになる」からくる
(G281 ἀμήν Of Hebrew origin [543 ; properly firm, that is, (figuratively) trustworthy; adverbially surely (often as interjection so be it): – amen, verily. Internet Sacred Text Archive)
【あなたがたに】 ὑμῖν σύ スゆ sou {soo} (npd-2p 代名詞・与2複)
1)あなた 2)汝 3)君
(G4771 σύ The personal pronoun of the second person singular; thou: – thou. See also 4571 4671 4675 and for the plur. 5209 5210 5213 5216. Internet Sacred Text Archive)
【言っておく】 λέγω λέγω れゴー legō {leg‘-o} (vipa–1s 動詞・直・現・能・1)
1)言う、告げる、語る、話す、言い表す、述べる 2)呼ぶ、命ずる、指図する、言いつける 3)名づける、称する、呼びかける 4)意味する、指す
(G3004 λέγω A primary verb; properly to “lay” forth, that is, (figuratively) relate (in words [usually of systematic or set discourse; whereas2036 and 5346 generally refer to an individual expression or speech respectively; while 4483 is properly to break silence merely, and 2980 means an extended or random harangue]); by implication to mean: – ask, bid, boast, call, describe, give out, name, put forth, say (-ing, on), shew, speak, tell, utter. Internet Sacred Text Archive)
マタ1:20; 2:23; 5:44; 9:14,34; マル2:11; 5:9; 12:18; ルカ5:39; 6:46; 20:41; ヨハ1:29; 2:6; 16:12; etc.
【もし】 ἐὰν ἐάν エアン ean {eh-an‘} (cs 接続詞・従位)
1)もし、もし~ならば 2)~であれ 3)ひょっとして、万一
(G1437 ἐάν From 1487 and 302 a conditional particle; in case that, provided, etc.; often used in connection with other particles to denote indefiniteness or uncertainty: – before, but, except, (and) if, (if) so, (what-, whither-) soever, though, when (-soever), whether (or), to whom, [who-] so (-ever). See 3361 Internet Sacred Text Archive)
【信仰を】 πίστιν πίστις ピスティス pistis {pis‘-tis} (n-af-s 名詞・対女単)
1)信ずること、信 2)信用、信任 3)信頼 4)信義 5)納得 6)信仰、確信 7)誠実、忠実 8)保証、証拠、誓約 9)論証、立証、証明
(G4102 πίστις From 3982 persuasion, that is, credence; moral conviction (of religious truth, or the truthfulness of God or a religious teacher), especially reliance upon Christ for salvation; abstractly constancy in such profession; by extension the system of religious (Gospel) truth itself: – assurance, belief, believe, faith, fidelity. Internet Sacred Text Archive)
マタ8:10; 9:2,22,29; 15:28; 17:20; 21:21; マル2:5; 4:40; 5:34; 10:52; etc.
【持ち】 ἔχητε ἔχω エこー echō {ekh‘-o} (vspa–2p 動詞・仮・現・能・2複)
1)持っている、保持している、保存する、保管する、所有する、保つ 2)身につける、帯びる、具備している、着る 3)含んでいる、抱く、とどめる、しっかり捕らえている 4)~とみなす、思う
(G2192 ἔχω A primary verb (including an alternate form σχέω scheō skheh‘-o used in certain tenses only); to hold (used in very various applications, literally or figuratively, direct or remote; such as possession,ability, contiguity, relation or condition): – be (able, X hold, possessed with), accompany, + begin to amend, can (+ -not), X conceive, count, diseased, do, + eat, + enjoy, + fear, following, have, hold, keep, + lack, + go to law, lie, + must needs, + of necessity, + need, next, + recover, + reign, + rest, return, X sick, take for, + tremble, + uncircumcised, use. Internet Sacred Text Archive)
【そして】 καὶ καί カイ kai {kahee} (cs 接続詞・従)
1)~と、~も、そして 2)~さえ、でさえも 3)しかし 4)しかも、それは 5)それでは、それだのに 6)そうすれば、すなわち 7)のみならず、もまた
(G2532 καί Apparently a primary particle, having a copulative and sometimes also a cumulative force; and, also, even, so, then, too, etc.; often used in connection (or composition) with other particles or small words: – and, also, both, but, even, for, if, indeed, likewise, moreover, or, so, that, then, therefore, when, yea, yet. Internet Sacred Text Archive)
【疑う】 διακριθῆτε διακρίνω ディアクリノー diakrinō {dee-ak-ree‘-no} (vsap–2p 動詞・仮・1アオ・受・2複)
< διά + κρίνω 離れさす
1)分け隔てをする、差別する、別々にする、分離する、分解する 2)批判する、評価する、判定する、見分ける、決定する、区別する 3)疑う、躊躇する 4)議論をふきかける
(G1252 διακρίνω From 1223 and 2919 to separate thoroughly, that is, (literally and reflexively) to withdraw from, or (by implication) oppose; figuratively to discriminate (by implication decide), or (reflexively) hesitate: – contend, make (to) differ (-ence), discern, doubt, judge, be partial, stagger, waver. Internet Sacred Text Archive)
マタ16:3; 使徒11:2; 15:9; Ⅰコリ4:7; 6:6; ヤコ2:4; ユダ9;
【ないならば】 μὴ μή メー mē {may} (qn 不変化詞・否定)
1)~ない
(G3361 μή A primary particle of qualified negation (whereas 3756 expresses an absolute denial); (adverbially) not, (conjugationally) lest; also (as interrogitive implying a negative answer [whereas 3756 expects an affirmative one]); whether: – any, but, (that), X forbear, + God forbid, + lack, lest, neither, never, no (X wise in), none, nor, [can-] not, nothing, that not, un [-taken], without. Often used in compounds in substantially the same relations. See also 3362 3363 3364 3372 3373 3375 3378. Internet Sacred Text Archive)
【いちじくの木に】 συκῆς συκῆ スゆケー sukē {soo-kay‘} (n-gf-s 名詞・属女単)
1)いちじく 2)いちじくの樹 3)いちじくの実
(G4808 συκῆ From 4810 a fig tree: – fig tree. Internet Sacred Text Archiv)
マタ21:19,20,21; 24:32; マル11:13,20,21; 13:31; etc.
【起こったようなこと】 ποιήσετε πνέω プネオー pneō {pneh‘-o} (vifa–2p 動詞・直・未来・能・2複)
1)息をする、呼吸する、生きている 2)(風が)吹く 3)(笛が)鳴る
(G4154 πνέω A primary word; to breathe hard, that is, breeze: – blow. Compare 5594. Internet Sacred Text Archive)
使徒27:4,7,14,15; ピリ4:14; ヤコ3:4; ユダ12; 黙示6:13;7:1
【だけで】 μόνον μόνος モノス monos {mon‘-os} (ab 副詞)
1)ひとりの、孤独の 2)唯一の 3)だけ、一つだけの、一つしかない、単独の 4)~だけで、ただ単に、たけ、のみ
(「μόνος モノス」は「単独で生きる人」、「修道士 monk μοναχός」の語源)
(G3441 μόνος Probably from 3306 remaining, that is, sole or single; by implication mere: – alone, only, by themselves. Internet Sacred Text Archive)
マタ14:23; 17:8; マル6:47; ルカ10:40; 21:18; ヨハ6:15; 8:16,29; 16:32
【なく】 ouv οὐ ウー ou {oo} (qn 不変化詞・否定)
1)否 2)~ない 3)~でない
(G3756 οὐ Also οὐκ ouk ook used before a vowel and οὐχ ouch ookh before an aspirate. A primary word; the absolutely negative (compare 3361 adverb; no or not: – + long, nay, neither, never, no (X man), none, [can-] not, + nothing, + special, un ([-worthy]), when, + without, + yet but. See also 3364 3372. Internet Sacred Text Archive)
【むしろ】 ἀλλὰ ἀλλά アるら alla {al-lah‘} (ch 接続詞・完)
1)けれども、たしかに 2)しかし、それでも 3)かえって 4)むしろ、むしろ反対に、それのみか 5)以外に、そうではなくて、それどころか
(G235 ἀλλά Neuter plural of 243 properly other things, that is, (adverbially) contrariwise (in many relations): – and, but (even), howbeit, indeed, nay, nevertheless, no, notwithstanding, save, therefore, yea, yet. Internet Sacred Text Archive)
【たとえ】 κἂν κἄν カン kan {kan} (ab&cs 副詞&接続詞・従位)
1)またもし 2)たとえ~でも 3)せめて 4)少なくとも 5)もし~するだけでも
κἄν = καί ἄν
(G2579 κἄν From 2532 nad 1437 and (or even) if: – and (also) if (so much as), if but, at the least, though, yet. Internet Sacred Text Archive)
【この】 τούτῳ οὗτος フートス houtos {hoo‘-tos} (a-ddn-s 指示代名詞・与中単)
1)その、この、これ 2)この者、この男・女 2)そんな、こんな 3)すなわち、だから 4)そこで、それ故
(G3779 οὗτος Or, before a vowel, οὕτως houtōs hoo‘-toce . From 3778 in this way (referring to what precedes or follows): – after that, after (in) this manner, as, even (so), for all that, like (-wise), no more, on this fashion (-wise), so (in like manner), thus, what. Internet Sacred Text Archive)
【山に】 ὄρει ὄρος オロス oros {or‘-os} (n-dn-s 名詞・与中単)
1)境界 2)国境 3)山、丘 4)限られた場所、限界、限度 5)境界の標柱、柵 6)基準
(G3735 ὄρος Probably a from an obsolete word ὄρω orō (to rise or “rear”; perhaps akin to 142 compare 3733 ; a mountain (as lifting itself above the plain): – hill, mount (-ain). Internet Sacred Text Archive)
マタ4:8; 5:1,14; 8:1; 14:23; 15:29; 17:1,9,20; 18:12; 21:1,21; 24:3,16; 26:30; 28:16; マル3:13; 5:5,11; 6:46; 9:2,9; 11:1,23: 13:3,14: 14:26 etc.
【引き上げられて】 ἄρθητι αἴρω アイロー airō {ah‘ee-ro} (vmap–2s 動詞・命・1アオ・受・2単)
1)上へあげる、持ち上げる、引き上げる、拾い上げる 2)抱き上げる、差し上げる 3)取り上げる、下から持ち上げて支える、持ち上げて運ぶ、運ぶ、持って行く、移す、携行する、携える 4)支える、背負う、担ぐ、負う 5)取り除く、除去する、捨て去る、さらっていく、取り上げる
(G142 αἴρω A primary verb; to lift; by implication to take up or away; figuratively to raise (the voice), keep in suspense (the mind); specifically to sail away (that is, weigh anchor); by Hebraism (compare [5375 ) to expiate sin: – away with, bear (up), carry, lift up, loose, make to doubt, put away, remove, take (away, up). Internet Sacred Text Archive)
マタ4:6; 13:12; 14:12; 17:27; 20:14; 21:43; 21:17,18; 25:28,29; マル2:9,11; 4:25; 6:29; 13:15,16; 15:24; etc.
【そして】 καὶ καί カイ kai {kahee} (cc 接続詞・等位)
1)~と、~も、そして 2)~さえ、でさえも 3)しかし 4)しかも、それは 5)それでは、それだのに 6)そうすれば、すなわち 7)のみならず、もまた
(G2532 καί Apparently a primary particle, having a copulative and sometimes also a cumulative force; and, also, even, so, then, too, etc.; often used in connection (or composition) with other particles or small words: – and, also, both, but, even, for, if, indeed, likewise, moreover, or, so, that, then, therefore, when, yea, yet. Internet Sacred Text Archive)
【海】 θάλασσαν θάλασσα たらスサ thalassa {thal‘-as-sah} (n-af-s 名詞・対女単)
1)海、湖 2)海洋、湖水、海水、塩井 3)紅海 4)地中海
(G2281 θάλασσα Probably prolonged from 251 the sea (generally or specifically): – sea. Internet Sacred Text Archive)
【に】 εἰς εἰς エイス eis {ice} (pa 前置詞・対)
1)~の中へ 2)~へ 3)~まで 4)~のために 5)~に対して 6)~に向かって 7)~を目標にして 8)の間に
(G1519 εἰς A primary preposition; to or into (indicating the point reached or entered), of place, time, or (figuratively) purpose (result, etc.); also in adverbial phrases.: – [abundant-] ly, against, among, as, at, [back-] ward, before, by, concerning, + continual, + far more exceeding, for [intent, purpose], fore, + forth, in (among, at unto, -so much that, -to), to the intent that, + of one mind, + never, of, (up-) on, + perish, + set at one again, (so) that, therefore (-unto), throughout, till, to (be, the end, -ward), (here-) until (-to), . . . ward, [where-] fore, with. Often used in composition with the same general import, but only with verbs (etc.) expressing motion (literallyor figuratively. Internet Sacred Text Archive)
【入れられよ】 βλήθητι βάλλω バるろー ballō {bal‘-lo} (vipp–3s 動詞・命・1アオ・受・2単)
1)投げる、投げつける、投じる、投げ捨てる、落とす 2)撒く、ふりかける 3)打つ 4)突進する、ぶつかる 5)置く、入れる、横たえる 6)注ぐ 7)納める(元来、武器や飛び道具を投げること)
(G906 βάλλω A primary verb; to throw (in various applications, more or less violent or intense): – arise, cast (out), X dung, lay, lie, pour, put (up), send, strike, throw (down), thrust. Compare 4496. Internet Sacred Text Archive)
マタ3:10; 4:6; 5:29; 6:30; 7:6,19; 13:42,50; 18:8,9; マル9:22,42,45,47,12:41,42,43,44; ルカ3:9; 4:9; 12:28,58; 21:1,2,3,4; ヨハ15:6 etc.
【と言っても】 εἴπητε εἶπον エイポン eipon {i‘-pon} (vsaa–2p 動詞・仮・2アオ・能・2)
1)言う、話す、語る、告げる、言いあらわす、述べる、呼ぶ 2)命じる、願う、尋ねる 3)~と呼ぶ、称する 4)語られたこと、言葉、発言、発話、話の内容 5)出来事
εἶπον は ἔπω の2アオリスト形で実際には λέγω のアオリストとして用いられる
(G2036 ἔπω A primary verb (used only in the definite past tense, the others being borrowed from 2046 4483 and 5346 ; to speak or say (by word or writting): – answer, bid, bring word, call, command, grant, say (on), speak, tell. Compare 3004. Internet Sacred Text Archive)
【そのとおりになる】 γενήσεται\ γίνομαι ギノマイ ginomai {ghin‘-om-ahee} (vifd–3s 動詞・直・未来・能欠・3単)
1)存在するようになる、存在するにいたる、存在を始める 2)生じる、生ずる、生まれる 3)現れる、おこる、発生する、始まる、になる、ふりかかる、成る、登場する、来る 4)~とされる、仕上げられる、作られる、行われる、なされる 5)出る、起こる
(G1096 γίνομαι A prolonged and middle form of a primary verb; to cause to be (“gen” -erate), that is, (reflexively) to become (come into being), used with great latitude (literally, figuratively, intensively, etc.): – arise be assembled, be (come, -fall, -have self), be brought (to pass), (be) come (to pass), continue, be divided, be done, draw, be ended, fall, be finished, follow, be found, be fulfilled, + God forbid, grow, happen, have, be kept, be made, be married, be ordained to be, partake, pass, be performed, be published, require, seem, be showed, X soon as it was, sound, be taken, be turned, use, wax, will, would, be wrought. Internet Sacred Text Archive)
マタ10:29; 13:5,8,23; 15:35; 23:35; 27:51; マル4:8,20,26,28,31; 8:6; 9:20; 14:35; ルカ13:7;14:35; 22:44; 24:5; ヨハ8:6,8: 12:24; ヘブ6:7; ヤコ5:5 etc.
† 英語訳聖書 Matt.21:21
King James Version
21:21 Jesus answered and said unto them, Verily I say unto you, If ye have faith, and doubt not, ye shall not only do this [which is done] to the fig tree, but also if ye shall say unto this mountain, Be thou removed, and be thou cast into the sea; it shall be done.
American Standard Version
21:21 And Jesus answered and said unto them, Verily I say unto you, If ye have faith, and doubt not, ye shall not only do what is done to the fig tree, but even if ye shall say unto this mountain, Be thou taken up and cast into the sea, it shall be done.
New King James Version
21:21 So Jesus answered and said to them, “Assuredly, I say to you, if you have faith and do not doubt, you will not only do what was done to the fig tree, but also if you say to this mountain, ‘Be removed and be cast into the sea,’ it will be done.
New International Version
21:21 Jesus replied, “I tell you the truth, if you have faith and do not doubt, not only can you do what was done to the fig tree, but also you can say to this mountain, `Go, throw yourself into the sea,’ and it will be done.
Bible in Basic English
21:21 And Jesus in answer said to them, Truly I say to you, If you have faith, without doubting, not only may you do what has been done to the fig-tree, but even if you say to this mountain, Be taken up and put into the sea, it will be done.
Today’s English Version
21:21 Jesus answered, “I assure you that if you believe and do not doubt, you will be able to do what I have done to this fig tree. And not only this, but you will even be able to say to this hill, “Get up and throw yourself in the sea,’ and it will
Darby’s English Translation
21:21 And Jesus answering said to them, Verily I say unto you, If ye have faith, and do not doubt, not only shall ye do what is done to the fig-tree, but even if ye should say to this mountain, Be thou taken away and be thou cast into the sea, it shall come to pass.
Douay Rheims
21:21 And Jesus answering, said to them: Amen, I say to you, if you shall have faith, and stagger not, not only this of the fig tree shall you do, but also if you shall say to this mountain, Take up and cast thyself into the sea, it shall be done.
Noah Webster Bible
21:21 Jesus answered and said to them, Verily I say to you, If ye have faith, and doubt not, ye shall not only do this which is done to the fig-tree, but also, if ye shall say to this mountain, Be thou removed, and be thou cast into the sea; it shall be done.
Weymouth New Testament
21:21 ‘I solemnly tell you,’ said Jesus, ‘that if you have an unwavering faith, you shall not only perform such a miracle as this of the fig-tree, but that even if you say to this mountain, ‘Be thou lifted up and hurled into the sea,’ it shall be done;
World English Bible
21:21 Jesus answered them, ‘Most assuredly I tell you, if you have faith, and don’t doubt, you will not only do what is done to the fig tree, but even if you will tell this mountain, ‘Be taken up and cast into the sea,’ it will be done.
Young’s Literal Translation
21:21 And Jesus answering said to them, ‘Verily I say to you, If ye may have faith, and may not doubt, not only this of the fig-tree shall ye do, but even if to this mount ye may say, Be lifted up and be cast into the sea, it shall come to pass;
† 細き聲 聖書研究ノート
<イエス答へて言ひ給ふ『まことに汝らに告ぐ、もし汝ら信仰ありて疑はずば、啻に此の無花果の樹にありし如きことを爲し得るのみならず、此の山に「移りて海に入れ」と言ふとも亦成るべし>
いちじくの樹が枯れたのを見て、弟子たちが「どうしたらそのようなことが出来るのか?」と問う弟子たちに、イエスは「もし汝ら信仰ありて疑はずば、啻に此の無花果の樹にありし如きことを爲し得るのみならず、此の山に『移りて海に入れ』と言ふとも亦成るべし」と答えられた。
<まことに汝らに告ぐ、もし汝ら信仰ありて疑はずば、啻に此の無花果の樹にありし如きことを爲し得るのみならず>
イエスは弟子たちに「信じて疑わない」信仰があれば、無花果の木にあったようなことが「できる」と仰せられる。
一読して、この箇所をイエスが弟子たちに「無花果の木をたちどころに枯らす力」の秘密を教えられていると理解するのが一般的であるが、イエスが無花果の木に何を求められたかを確認すべきであろう。
イエスは空腹をおぼえ無花果の木に「実」を求められたのであって、無花果の木を枯らそうとされたのではない。
とすれば、イエスは「信じて疑わない」信仰があれば、実をつけない無花果の木に「実」を見出すことが「できる」と仰せになられたのではないか。
<此の山に「移りて海に入れ」と言ふとも亦成るべし>
イエスはマタイ17:20でも同じ意味の言葉を語られている。
「彼らに言ひ給ふ『なんぢら信仰うすき故なり。まことに汝らに告ぐ、もし芥種一粒ほどの信仰あらば、この山に「此處より彼處に移れ」と言ふとも移らん、かくて汝ら能はぬこと無かるべし』」 マタイ17:20
17章において、「山を移す」信仰は悪霊を追い出すことができなかった弟子たちに語られている。21章の信仰も「善き業」を行う力に関連して語られるのは明らかである。「山を移す」は「不可能な事」を意味する言葉である。
ルカ並行記事では「使徒たちは主に「わたしたちの信仰を増してください」と言ったのに対して、イエスは「もし、からし種一粒ほどの信仰があるなら、この桑の木に、『抜け出して海に植われ』と言ったとしても、その言葉どおりになるであろう」(ルカ17:5~6)と答えられている。
† 心のデボーション
「イエス答へて言ひ給ふ『まことに汝らに告ぐ、もし汝ら信仰ありて疑はずば、啻に此の無花果の樹にありし如きことを爲し得るのみならず、此の山に「移りて海に入れ」と言ふとも亦成るべし』」 マタイ21:21 大正文語訳聖書
「イエスはお答えになった、「あなた方によく言っておく。もしあなた方が信仰をもち、疑わないなら、いちじくの木に起こったことが、あなた方にもできるばかりでなく、この山に向かって『立ち上がって、海に飛び込め』と言えば、そのとおりになる」 フランシスコ会訳聖書
「実をつけない無花果の木」
イエスは空腹をおぼえ無花果の木に「実」を求められたのであって、無花果の木を枯らそうとされたのではない。
イエスは「信じて疑わない」信仰があれば、実をつけない無花果の木に「実」を見出すことが「できる」と仰せになられたのではないか。
私は、実をつけない「私」を信じようと思う。それには「山を移す」ほどの「信じて疑わない信仰」がいる。
† 心のデボーション
「イエス答へて言ひ給ふ『まことに汝らに告ぐ、もし汝ら信仰ありて疑はずば、啻に此の無花果の樹にありし如きことを爲し得るのみならず、此の山に「移りて海に入れ」と言ふとも亦成るべし』」 マタイ21:21 大正文語訳聖書
「イエスはお答えになった、「あなた方によく言っておく。もしあなた方が信仰をもち、疑わないなら、いちじくの木に起こったことが、あなた方にもできるばかりでなく、この山に向かって『立ち上がって、海に飛び込め』と言えば、そのとおりになる」 フランシスコ会訳聖書
「愚公(ぐこう)山を移す」
『列子』に次のような話がある。
愚公という老人が自宅近くの山を邪魔に思い、家族総出で山を崩し始めた。それを見た智叟(ちそう)という人物が、「山を人力で崩せるはずがない」と批判すると、愚公は「山は増えないから、子々孫々この事業を続ければ、いつかは山を移動できる」と答えた。それを聞いた天帝が山を動かしたという。
愚公の確信は天帝を動かしたが、動員された家族や民の中には愚公に協力させられ迷惑に思う者もいただろう。
信仰者はときどき同じような「山を崩す」ビジョンにとりつかれることがある。望まずに巻き込まれる者は不幸である。
† 細き聲 説教
「山を移す信仰」
「イエス答へて言ひ給ふ『まことに汝らに告ぐ、もし汝ら信仰ありて疑はずば、啻に此の無花果の樹にありし如きことを爲し得るのみならず、此の山に「移りて海に入れ」と言ふとも亦成るべし』」 マタイ21:21 大正文語訳聖書
「イエスはお答えになった、「あなた方によく言っておく。もしあなた方が信仰をもち、疑わないなら、いちじくの木に起こったことが、あなた方にもできるばかりでなく、この山に向かって『立ち上がって、海に飛び込め』と言えば、そのとおりになる」 フランシスコ会訳聖書
いちじくの樹が枯れたのを見て、弟子たちが「どうしたらそのようなことが出来るのか?」と問う弟子たちに、イエスは「もし汝ら信仰ありて疑はずば、啻に此の無花果の樹にありし如きことを爲し得るのみならず、此の山に『移りて海に入れ』と言ふとも亦成るべし」と答えられた。
イエスは弟子たちに「信じて疑わない」信仰があれば、無花果の木にあったようなことが「できる」と仰せられる。
一読して、この箇所をイエスが弟子たちに「無花果の木をたちどころに枯らす力」の秘密を教えられていると理解するのが一般的であるが、イエスが無花果の木に何を求められたかを確認すべきであろう。
イエスは空腹をおぼえ無花果の木に「実」を求められたのであって、無花果の木を枯らそうとされたのではない。
とすれば、イエスは「信じて疑わない」信仰があれば、実をつけない無花果の木に「実」を見出すことが「できる」と仰せになられたのではないか。
「山を移す信仰」とは、大地にそびえる山に「海に入れ」と命じることではない。また、不可能なことを可能にする力が与えられたと信じることでもない。
信仰とは「望むものの根底に存する、見えざる事柄」を吟味すること。すなわち、「もろもろの世は神の詞にて組み立てられ、視るところの事物は、現はれたる〔事物〕より出づるにあらざることを理解する」ことである。(ヘブル11:1~3 永井直治訳聖書)神の真実
「されば信仰は望むことの根底に存するものにして、視ざる事柄の吟味なり。
古の人これをもて證せられたり。
我等は信仰をもて、もろもろの世は神の詞にて組み立てられ、視るところの事物は、現はれたる〔事物〕より出づるにあらざることを理解す。」 ヘブル11:1~3 永井直治訳聖書
(皆川誠)
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