† 福音書縦観 「忠実な僕と悪い僕」
マタイ24:45~51 ルカ12:41 ~48
Matt.24:49その僕仲間(男女の召使たちを ルカ12:45)をたたきはじめ、また酒飲み仲間と一緒に食べたり飲んだりしているなら、 口語訳聖書
† 日本語訳聖書 Matt.24:49
【漢訳聖書】
Matt.24:49 於是始撻其同儕、而偕酒徒食飮。
【明治元訳】
Matt.24:49 その朋輩を打撻きて酒に醉たる者どもと共に飮食し始なば
【大正文語訳】
Matt.24:49 その同輩を扑きはじめ、酒徒らと飮食を共にせば、
【ラゲ訳】
Matt.24:49 其同輩に殴掛り、酒徒と酒食を共にせば、
【口語訳】
Matt.24:49 その僕仲間をたたきはじめ、また酒飲み仲間と一緒に食べたり飲んだりしているなら、
【新改訳改訂3】
Matt.24:49 その仲間を打ちたたき、酒飲みたちと飲んだり食べたりし始めていると、
【新共同訳】
Matt.24:49 仲間を殴り始め、酒飲みどもと一緒に食べたり飲んだりしているとする。
【聖書協会共同訳】
Matt.24:49 仲間を叩き始め、酒飲みどもと一緒に食べたり飲んだりしているとする。
【バルバロ訳】
Matt.24:49 仲間を打ちたたき始め、酒飲みと一緒に飲食していれば、
【フランシスコ会訳】
Matt.24:49 仲間の僕たちを打ちたたき始め、酒飲みどもと一緒に飲んだり食べたりしていえると、
【日本正教会訳】
Matt.24:49 其同僚を打ち、酒徒と偕に食飮せば、
【塚本虎二訳】
Matt.24:49 仲間をなぐり始め、酔っぱらいどもと一しょに飲んだり食ったりしていると、
【前田護郎訳】
Matt.24:49 仲間を打ち、酔っぱらいと飲み食いすれば、
【永井直治訳】
Matt.24:49 侶の奴僕等を扑き、酒の侶等と共に食し且つ飮み始むるならんには、
【詳訳聖書】
Matt.24:49 仲間のしもべたちを打ちたたいたり、酒飲みどもと飲み食いしたりしはじめているなら、
† 聖書引照 Matt.24:49
Matt.24:49 仲間を叩き始め、酒飲みどもと一緒に食べたり飲んだりしているとする。
[仲間を叩き始め] イザ66:5; Ⅱコリ11:20; Ⅰペテ5:3; Ⅲヨハ1:9,10; 黙示13:7; 16:6; 17:6
[酒飲みどもと一緒に食べたり飲んだりしているとする] マタ7:15; Ⅰサム2:13-16,29; イザ56:12; エゼ34:3; ミカ3:5; ロマ16:18; ピリ3:19; テト1:11,12; Ⅱペテ2:13,14; ユダ1:12
† ギリシャ語聖書 Matt.24:49
Stephens 1550 Textus Receptus
και αρξηται τυπτειν τους συνδουλους εσθιειν δε και πινειν μετα των μεθυοντων
Scrivener 1894 Textus Receptus
και αρξηται τυπτειν τους συνδουλους εσθιειν δε και πινειν μετα των μεθυοντων
Byzantine Majority
και αρξηται τυπτειν τους συνδουλους εσθιειν δε και πινειν μετα των μεθυοντων
Alexandrian
και αρξηται τυπτειν τους συνδουλους αυτου εσθιη δε και πινη μετα των μεθυοντων
Hort and Westcott
και αρξηται τυπτειν τους συνδουλους αυτου εσθιη δε και πινη μετα των μεθυοντων
† ギリシャ語聖書 Interlinear
Matt.24:49
καὶ ἄρξηται τύπτειν τοὺς συνδούλους αὐτοῦ, ἐσθίῃ δὲ καὶ πίνῃ μετὰ τῶν μεθυόντων,
聖書協会共同訳聖書
仲間を叩き始め、酒飲みどもと一緒に食べたり飲んだりしているとする。
καὶ ἄρξηται τύπτειν τοὺς συνδούλους αὐτοῦ,
and begins to strike the fellow-slaves of him,
ἐσθίῃ δὲ καὶ πίνῃ μετὰ τῶν μεθυόντων,
and eats and drinks with the[ones] being drunk,
† ギリシャ語聖書 品詞色分け
Matt.24:49
καὶ ἄρξηται τύπτειν τοὺς συνδούλους αὐτοῦ, ἐσθίῃ δὲ καὶ πίνῃ μετὰ τῶν μεθυόντων,
† ヘブライ語聖書 Matt.24:49
Matt.24:49
וְיַתְחִיל לְהַכּוֹת אֶת חֲבֵרָיו הָעֲבָדִים וְיֹאכַל וְיִשְׁתֶּה עִם הַשִּׁכּוֹרִים
† ラテン語聖書 Matt.24:49
Latin Vulgate
Matt.24:49
et cœperit percutere conservos suos, manducet autem, et bibat cum ebriosis:
and so, he begins to strike his fellow servants, and he eats and drinks with the inebriated:
† 私訳(詳訳)Matt.24:49
【私訳】 「そして、その仲間たちと打ちたたき<殴り、傷つけ>はじめ、また酒に酔う者と共に食べたり、飲んだりしていると、」
† 新約聖書ギリシャ語語句研究
Matt.24:49
καὶ ἄρξηται τύπτειν τοὺς συνδούλους αὐτοῦ, ἐσθίῃ δὲ καὶ πίνῃ μετὰ τῶν μεθυόντων,
聖書協会共同訳聖書
仲間を叩き始め、酒飲みどもと一緒に食べたり飲んだりしているとする。
【そして】καὶ καί カイ kai {kahee} (cc 接続詞・等位) kai {kahee} (ch 接続詞・完)
1)~と、~も、そして 2)~さえ、でさえも 3)しかし 4)しかも、それは 5)それでは、それだのに 6)そうすれば、すなわち 7)のみならず、もまた
(G2532 καί Apparently a primary particle, having a copulative and sometimes also a cumulative force; and, also, even, so, then, too, etc.; often used in connection (or composition) with other particles or small words: – and, also, both, but, even, for, if, indeed, likewise, moreover, or, so, that, then, therefore, when, yea, yet. Internet Sacred Text Archive)
καί カイ kai {kahee} (cc 接続詞・等位)
1)~と、~も、そして 2)~さえ、でさえも 3)しかし 4)しかも、それは 5)それでは、れだのに 6)そうすれば、すなわち 7)のみならず、もまた
【その】αὐτοῦ αὐτός アウトス autos {ow-tos‘} 代名詞
1)彼、彼女、それ(三人称の代名詞) 2)自身で、自分から、自分として(強調用法) 3)同じ同一の 4)まさに、ちょうど
(G846 αὐτός From the particle αὖ au (perhaps akin to the base of 109 through the idea of a baffling wind; backward); the reflexive pronoun self, used (alone or in the compound of 1438 ofthe third person, and (with the proper personal pronoun) of the other persons: – her, it (-self), one, the other, (mine) own, said, ([self-], the) same, ([him-, my-, thy-]) self, [your-] selves, she, that, their (-s), them ([-selves]), there [-at, -by, -in, -into, -of, -on, -with], they, (these) things, this (man), those, together, very, which. Compare 848. Internet Sacred Text Archive)
αὐτός アウトス autos {ow-tos‘} (npgm3s 代名詞・属男3)
1) 彼、彼女、それ(三人称の代名詞) 2)自身で、自分から、自分として(強調用法) 3)同じ同一の 4)まさに、ちょうど
【仲間を】συνδούλους σύνδουλος スンドウローン sundoulos {soon‘-doo-los} (n-am-p 名詞・対男複)
<σύν 共に + δοῦλος 奴隷
1)仲間の奴隷、奴隷仲間、しもべ仲間、同じしもべ、共にいる 2)仲間の召使い 3)クリスチャン仲間、同士、同僚
【打ちたたき】τύπτειν τύπτω トゆプトー tuptō {toop‘-to} (vnpa 不定詞・現能)
1) 打ちたたく 2)殴る 3)つく 4)刺す 5)傷つける
【始め】ἄρξηται ἄρχω アルこー arch ō{ar‘-kh ō} (vsam–3s 動詞・仮・1アオ・中・3単)
1)始める、手を染める 2)第一の(最初の)者である 3)指導者である、支配者である、治める、支配する 4)案内する、先導する、先に立つ 5)指揮する、指導する
【そして】δὲ δέ デ de {deh} (cc 接続詞・等位) de {deh} (ch 接続詞・完)
1)ところで、しかし、さて、そして 2)しかも、そしてまた、なお、すると、また 3)次に、さらに 4)否、むしろ
(G1161 δέ A primary particle (adversative or continuative); but, and, etc.: – also, and, but, moreover, now [often unexpressed in English]. Internet Sacred Text Archive)
δέ デ de {deh} (cc 接続詞・等位)
1)ところで、しかし、さて、そして 2)しかも、そしてまた、なお、すると、また 3)次に、さらに 4)否、むしろ
【酒飲みと】μεθυόντων μεθύω メとゆオー methuō {meth-oo‘-o} (vppagm-p 分詞・現能属男複)
1) 酔っている 2)酔いしれる
【一緒に】μετὰ μετά メタ meta {met-ah‘} (pg 前置詞・属)
1)~の真中に、~の間に 2)~と共に、連結、交際、協力、関与、互いに 3)同行、同伴 4)共働、助力 5)一体になる 6)後に、後方に
(G3326 μετά A primary preposition (often used adverbially); properly denoting accompaniment; “amid” (local or causal); modified variously according to the case (genitive case association, or accusative case succession) with which it is joined; occupying an intermediate position between 575 or 1537 and 1519 or 4314 less intimate than 1722 and less close than 4862 : – after (-ward),X that he again, against, among, X and, + follow, hence, hereafter, in, of, (up-) on, + our, X and setting, since, (un-) to, + together, when, with (+ -out). Often used in composition, in substantially the same relations of participation or proximity, and transfer or sequence. Internet Sacred Text Archive)
μετά メタ meta {met-ah‘} (pg 前置詞・属)
1)~の真中に、~の間に 2)~と共に、連結、交際、協力、関与、互いに 3)同行、同伴 4)共働、助力 5)一体になる 6)後に、後方に
【食べたり】ἐσθίῃ ἐσθίω エスてィオー esthiō {es-thee‘-o} (vspa–3s 動詞・仮・現・能・3単)
1)食う、食べる、食事する 2)食い尽くす、焼き尽くす 3)摂取する 4)悩ます、苦しめる
【また】καὶ καί カイ kai {kahee} (cc 接続詞・等位) kai {kahee} (ch 接続詞・完)
1)~と、~も、そして 2)~さえ、でさえも 3)しかし 4)しかも、それは 5)それでは、それだのに 6)そうすれば、すなわち 7)のみならず、もまた
(G2532 καί Apparently a primary particle, having a copulative and sometimes also a cumulative force; and, also, even, so, then, too, etc.; often used in connection (or composition) with other particles or small words: – and, also, both, but, even, for, if, indeed, likewise, moreover, or, so, that, then, therefore, when, yea, yet. Internet Sacred Text Archive)
καί カイ kai {kahee} (cc 接続詞・等位)
1)~と、~も、そして 2)~さえ、でさえも 3)しかし 4)しかも、それは 5)それでは、れだのに 6)そうすれば、すなわち 7)のみならず、もまた
【飲んだりしていると】πίνῃ πίνω ピノー pinō {pee‘-no } (vspa–3s 動詞・仮・現・能・3単)
1)飲む 2)吸い込む 3)吸収する
† 英語訳聖書
King James Version
24:49 And shall begin to smite [his] fellowservants, and to eat and drink with the drunken;
New King James Version
24:49 “and begins to beat his fellow servants, and to eat and drink with the drunkards,
American Standard Version
24:49 and shall begin to beat his fellow-servants, and shall eat and drink with the drunken;
New International Version
24:49 and he then begins to beat his fellow servants and to eat and drink with drunkards.
Bible in Basic English
24:49 And is cruel to the other servants, taking his pleasure with those who are overcome with wine;
Today’s English Version
24:49 and he will begin to beat his fellow servants and to eat and drink with drunkards.
Darby’s English Translation
24:49 and begin to beat his fellow-bondmen, and eat and drink with the drunken;
Douay Rheims
24:49 And shall begin to strike his fellow servants, and shall eat and drink with drunkards:
Noah Webster Bible
24:49 And shall begin to beat his fellow-servants, and to eat and drink with the drunken;
Weymouth New Testament
24:49 and should begin to beat his fellow servants, while he eats and drinks with drunkards;
World English Bible
24:49 and began to beat his fellow-servants, and eat and drink with the drunken,
Young’s Literal Translation
24:49 and may begin to beat the fellow-servants, and to eat and to drink with the drunken,
† 細き聲 聖書研究ノート
Matt.24:49
καὶ ἄρξηται τύπτειν τοὺς συνδούλους αὐτοῦ, ἐσθίῃ δὲ καὶ πίνῃ μετὰ τῶν μεθυόντων,
聖書協会共同訳聖書
仲間を叩き始め、酒飲みどもと一緒に食べたり飲んだりしているとする。
<その僕仲間をたたきはじめ、また酒飲み仲間と一緒に食べたり飲んだりしているなら>
主人が「当分の間は戻らない」と思うと、僕と仲間たちは酒飲み仲間も引き入れて、食べたり飲んだりすることをはじめた。
<その同輩を扑きはじめ、酒徒らと飮食を共にせば>
悪しき僕は主人の姿が見えなくなると、仲間の男女を「棒で叩いて」苛酷な仕事に追いやり、定められた時間に食事もとらせず、むしろ酒飲み仲間を集めて宴会をひらき、飲み食いを始めた。
† 心のデボーション
「その同輩を扑きはじめ、酒徒らと飮食を共にせば」 マタイ24:49 大正文語訳聖書
「仲間の僕たちを打ちたたき始め、酒飲みどもと一緒に飲んだり食べたりしていえると」 フランシスコ会訳聖書
「悪しき僕の行為」
悪しき僕は主人の雇い人を「打ちたたき」苛酷な労働を強いる。休息も与えず食べ物も飲み物も与えようとしない。そればかりか、自分は酒飲み仲間を集めて宴会を開き、主人の食料庫から取り出して飲み食いする。
主イエスは「ならず者」のことではなく「教会」について語られているのである。聖なる所こそが汚されやすい。
† 細き聲 説教
「貪欲な僕」
「その同輩を扑きはじめ、酒徒らと飮食を共にせば」 マタイ24:49 大正文語訳聖書
「仲間の僕たちを打ちたたき始め、酒飲みどもと一緒に飲んだり食べたりしていえると」 フランシスコ会訳聖書
主人が「当分の間は戻らない」と思うと、僕と仲間たちは酒飲み仲間も引き入れて、食べたり飲んだりすることをはじめた。
ルカ福音書の平行記事によれば、悪しき僕は主人の姿が見えなくなると、仲間の男女を「棒で叩いて」苛酷な仕事に追いやり、定められた時間に食事もとらせず、むしろ酒飲み仲間を集めて宴会をひらき、飲み食いを始めたのである。(ルカ12:45)
「悪しき僕」の忠実は主人の前だけで、主人の姿のないところではやりたい放題の狼藉を働くのである。定められた時に、使用人たちに食事を出すどころか、善良な人々を棒で叩いてより過酷な労働を強制し、彼らに供すべき食物を自分たちと仲間で飲み食いし、酒蔵を開いて酒飲み仲間を集めて宴会をはじめたのである。
神の家である教会に「悪しき僕」の放縦な振る舞いが及ぶことを忘れるべきではない。彼らは教会の善良な人々に過酷な働きを強いるばかりか、自分たちは仲間と飲み食いし、神の酒蔵から酒を飲むのである。「悪しき僕」は見えるところでは「忠実な僕」を装う。その言葉は霊的ですらある。しかし、「悪しき僕」は、その貪欲な振る舞いから、容易に判別できよう。
(皆川誠)
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