マタイによる福音書22章6節

マタイによる福音書
Generic selectors
完全一致
タイトルから
記事本文から
Post Type Selectors
カテゴリーで絞込

† 福音書縦観 「婚宴の譬え」  

マタイ22:1~14   ルカ14:15~24  
マタイ22:1~14 

Matt.22:6またほかの人々は、この僕たちをつかまえて侮辱を加えた上、殺してしまった。  (ほかの人は、『わたしは五対の牛を買いましたので、それをしらべに行くところです。どうぞ、おゆるしください』、 14:20もうひとりの人は、『わたしは妻をめとりましたので、参ることができません』と言った。ルカ14:19~20)口語訳聖書 

† 日本語訳聖書 Matt.22:6 

【漢訳聖書】  
Matt.22:6 餘者、執其僕凌辱而殺之。 

【明治元訳】  
Matt.22:6 他(ほか)の等(ども)はその僕(しもべ)を執(とら)へ辱(はづか)しめて殺(ころ)せり 

【大正文語訳】  
Matt.22:6 また他の者は僕を執へて、辱しめかつ殺したれば、 

【ラゲ訳】  
Matt.22:6 其他は僕等を捕へ甚く辱めて殺ししかば、 

【口語訳】  
Matt.22:6 またほかの人々は、この僕たちをつかまえて侮辱を加えた上、殺してしまった。 

【新改訳改訂3】  
Matt.22:6 そのほかの者たちは、王のしもべたちをつかまえて恥をかかせ、そして殺してしまった。 

【新共同訳】  
Matt.22:6 また、他の人々は王の家来たちを捕まえて乱暴し、殺してしまった。 

【バルバロ訳】  
Matt.22:6 またほかの人は下男を捕らえて辱め、しかも殺してしまったので、 

【フランシスコ会訳】  
Matt.22:6 ほかの者たちは王の僕たちを捕まえて辱め、殺してしまった。 

【日本正教会訳】  
Matt.22:6 餘の者は彼の諸僕を執へ辱しめて、之を殺せり。 

【塚本虎二訳】  
Matt.22:6 ほかの者は家来たちを捕らえてひどい目にあわせた上、殺してしまった。 

【前田護郎訳】  
Matt.22:6 あとのものは僕を捕えて虐待して殺した。 

【永井直治訳】  
Matt.22:6 またその餘の者は奴僕をへて辱しめ、且つ殺せり。 

【詳訳聖書】  
Matt.22:6 またそのほかの者たちは、王のしもべたちを捕らえ、恥をかかせ、そして殺してしまった。 

† 聖書引照 Matt.22:6 

Matt.22:6 また他の者は僕を執へて、辱しめかつ殺したれば、 

[また他の者は僕を執へて、辱しめかつ殺したれば]  マタ5:10-12; 10:12-18,22-25; 21:35-39; 23:34-37; ヨハ15:19,20; 16:2,3; 使徒4:1-3; 5:40,41; 7:51-57; 8:1; Ⅰテサ2:14,15 

† ギリシャ語聖書 Matt.22:6 

Stephens 1550 Textus Receptus 
οι δε λοιποι κρατησαντες τους δουλους αυτου υβρισαν και απεκτειναν  

Scrivener 1894 Textus Receptus 
οι δε λοιποι κρατησαντες τους δουλους αυτου υβρισαν και απεκτειναν 

Byzantine Majority 
οι δε λοιποι κρατησαντες τους δουλους αυτου υβρισαν και απεκτειναν 

Alexandrian 
οι δε λοιποι κρατησαντες τους δουλους αυτου υβρισαν και απεκτειναν 

Hort and Westcott 
οι δε λοιποι κρατησαντες τους δουλους αυτου υβρισαν και απεκτειναν 

† ギリシャ語聖書 品詞色分け 

Matt.22:6 

οἱ δὲ λοιποὶ κρατήσαντες τοὺς δούλους αὐτοῦ ὕβρισαν καὶ ἀπέκτειναν. 

† ヘブライ語聖書 Matt.22:6 

Matt.22:6 

וְהַנּוֹתָרִים תָּפְסוּ אֶת עֲבָדָיו, הִתְעַלְּלוּ בָּהֶם וַהֲרָגוּם. 

† ラテン語聖書 Matt.22:6 

Latin Vulgate 
Matt.22:6 

reliqui vero tenuerunt servos eius, et contumeliis affectos occiderunt. 
Yet truly, the rest took hold of his servants and, having treated them with contempt, killed them. 

† 私訳(詳訳)Matt.22:6 

【私訳】 「また、他の人々は彼〔王〕の家来<奴隷、下僕>たちを捕らえて乱暴し<侮辱し>、そして殺して<死刑にして>しまった」 

† 新約聖書ギリシャ語語句研究 

Matt.22:6 

οἱ δὲ λοιποὶ κρατήσαντες τοὺς δούλους αὐτοῦ ὕβρισαν καὶ ἀπέκτειναν. 

【また】 δὲ  δέ  デ de {deh} (cc 接続詞・等位) 

1)ところで、しかし、さて、そして 2)しかも、そしてまた、なお、すると、また 3)次に、さらに 4)否、むしろ 

(G1161 δέ A primary particle (adversative or continuative); butand, etc.: – also, and, but, moreover, now [often unexpressed in English].  Internet Sacred Text Archive) 

【他の人々は】 λοιποὶ  λοιπός  ろイポス loipos {loy-pos‘} (ap-nm-p 形容詞・主男複)  

1)ほかの 2)残りの 3)余りの  

(G3062 λοιπός Masculine plural of a derivative of 3007 remaining ones: – other, which remain, remnant, residue, rest. Internet Sacred Text Archive) 

マタ22:6; 25:11; 27:21;  マル16:13;  ルカ8:10; 12:26; 18:11; 21:9,10;  etc.  

【王の】 λοιποὶ   αὐτός  アウトス autos {ow-tos‘}  (npgm3s 代名詞・属男3) 

1)彼、彼女、それ(三人称の代名詞) 2)自身で、自分から、自分として(強調用法) 3)同じ同一の 4)まさに、ちょうど  

(G846 αὐτός From the particle αὖ au (perhaps akin to the base of 109 through the idea of a baffling wind; backward); the reflexive pronoun self, used (alone or in the compound of 1438 of the third person, and (with the proper personal pronoun) of the other persons: – her, it (-self), one, the other, (mine) own, said, ([self-], the) same, ([him-, my-, thy-]) self, [your-] selves, she, that, their (-s), them ([-selves]), there [-at, -by, -in, -into, -of, -on, -with], they, (these) things, this (man), those, together, very, which. Compare 848.  Internet Sacred Text Archive) 

【家来たちを】 δούλους  δοῦλος  ドウーろス  doulos {doo‘-los} (n-am-p 名詞・対男複)  

1)仕えている、従属する 2)奴隷、下僕 3)召使、従者 

(G1401 δοῦλος From 1210 a slave (literally or figuratively, involuntarily or voluntarily; frequently therefore in a qualified sense of subjection or subserviency): – bond (-man), servant.  Internet Sacred Text Archive) 

【捕まえて】 κρατήσαν  κρατέω  クラティオー  krateō {krat-eh‘-o} (vpaanm-p 分詞・1アオ能主男)  

1)力がある、支配する、思い通りになる、力強くある、自由にする 2)取る、支配する、捕える、達成する、保持する、固執する 3)(目的を)得る、遂げる 4)つかむ、捕らえる、捕まえる 5)打ち勝つ、征服する 6)指図する、定める 

(G2902 κρατέω From 2904 to use strength, that is, seize or retain (literally or figuratively): – hold (by, fast), keep, lay hand (hold) on, obtain, retain, take (by).  Internet Sacred Text Archive) 

マタ9:25; 12:11; 14:3;  マル1:31; 5:41; 9:27;  ルカ8:34; etc. 

【乱暴し】 ὕβρισαν  ὑβρίζω  フゆリゾー  hubrizō {hoo-brid‘-zo} (viaa–3p 動詞・直・1アオ・能・3複)  

1)恥をかかせる 2)暴行する 3)侮辱する、辱しめる 4)乱暴する、ひどい目に遭わせる 5)無礼な仕打ちをする 6)勝手気儘に振舞う 

(G5195  ὑβρίζω From 5196 to exercise violence, that is, abuse: – use despitefully, reproach, entreat shamefully (spitefully).  Internet Sacred Text Archive) 

マタ22:6;  ルカ11:45; 18:32;  使徒14:5;  Ⅰテサ2:2; 

【そして】 καὶ.  καί カイ kai {kahee} (cc 接続詞・等位) 

1)~と、~も、そして 2)~さえ、でさえも 3)しかし 4)しかも、それは 5)それでは、それだのに 6)そうすれば、すなわち 7)のみならず、もまた 

(G2532 καί Apparently a primary particle, having a copulative and sometimes also a cumulative force; and, also, even, so, then, too, etc.; often used in connection (or composition) with other particles or small words: – and, also, both, but, even, for, if, indeed, likewise, moreover, or, so, that, then, therefore, when, yea, yet.  Internet Sacred Text Archive) 

【殺してしまった】 ἀπέκτειναν  ἀποκτείνω   アポクテイノー apokteinō {ap-ok-ti‘-no} (viaa–3p 動詞・直・1アオ・能・3複)  

< ἀπό + κτείνω  殺す 

1)殺してしまう、殺す 2)滅ぼす 3)死刑にする、死罪にする 

(G615  ἀποκτείνω From 575 and κτείνω kteinō (to slay); to kill outright; figuratively to destroy: – put to death, kill, slay.  Internet Sacred Text Archive) 

マタ10:28; 14:5; 16:21; 17:23; 21:35,38,39; 22:6; 23:34,37; 24:9; 26:4;  マル3:4; 6:19; 8:31; 9:31; 10:34; 12:5,7,8; 14:1; etc. 

† 英語訳聖書 Matt.22:6 

King James Version 
22:6 And the remnant took his servants, and entreated [them] spitefully, and slew [them]. 

New King James Version  
22:6 “And the rest seized his servants, treated them spitefully, and killed them. 

American Standard Version 
22:6 and the rest laid hold on his servants, and treated them shamefully, and killed them. 

New International Version 
22:6 The rest seized his servants, mistreated them and killed them. 

Bible in Basic English 
22:6 And the rest put violent hands on his servants, and did evil to them, and put them to death. 

Today’s English Version  
22:6 while others grabbed the servants, beat them, and killed them. 

Darby’s English Translation 
22:6 And the rest, laying hold of his bondmen, ill-treated and slew them. 

Douay Rheims 
22:6 And the rest laid hands on his servants, and having treated them contumeliously, put them to death. 

Noah Webster Bible 
22:6 And the remnant took his servants, and treated them spitefully, and slew them. 

Weymouth New Testament 
22:6 and the rest seized the king’s servants, maltreated them, and murdered them. 

World English Bible 
22:6 and the rest grabbed his servants, and treated them shamefully, and killed them. 

Young’s Literal Translation 
22:6 and the rest, having laid hold on his servants, did insult and slay them. 

† 細き聲 聖書研究ノート  

 <また他の者は僕を執へて、辱しめかつ殺したれば> 

多くの招待状を受けた人々は適当な言い訳を述べて王の息子の婚礼への参加を断った。しかし、それでも王の求めを伝える僕たちをある者たちが捕まえて屈辱を与えたうえで殺害してしまった。 

 <また他の者は僕を執へて、辱しめかつ殺したれば> 

農夫は畑に、商人は行商にでかけてしまった。しかし、他の者の一人は王の使者を捕らえて暴力をくわえたうえで殺した。 

「辱め ὑβρίζω  フゆリゾー 」は 「恥をかかせる、暴行する、侮辱する、辱しめる、ひどい目に遭わせる」の意味。 

† 心のデボーション 

「また他の者は僕を執へて、辱しめかつ殺したれば」 マタイ22:6 大正文語訳聖書 

「ほかの者たちは王の僕たちを捕まえて辱め、殺してしまった」 フランシスコ会訳聖書 

 「突発的な悲劇」 

「婚宴の支度が整いました。どうぞおいでください」とやってきた王の使者を、ある者は捕らえて殺害してしまった。それは計画的な行為ではなかったろう。 

カインがアベルを殺害したのも、突然の行為だった。(創世記4:8) 

人は些細なことからも殺害に及ぶ。 

† 心のデボーション 

「また他の者は僕を執へて、辱しめかつ殺したれば」 マタイ22:6 大正文語訳聖書 

「ほかの者たちは王の僕たちを捕まえて辱め、殺してしまった」 フランシスコ会訳聖書 

 「無視の罪」 

王の婚宴に招待された者のうち、ある者はそれを無視し、ある者は拒絶の行為に及んだ。 

無視することと、使者を殺害することには決定的な違いがある。しかし、両者はそう離れていない。 

無視は一つの行為である。行為に及ばないことで自分を守る意味では、行為より悪質である。 

† 心のデボーション  

「また他の者は僕を執へて、辱しめかつ殺したれば」 マタイ22:6 大正文語訳聖書 

「ほかの者たちは王の僕たちを捕まえて辱め、殺してしまった」 フランシスコ会訳聖書 

 「神の使者」 

アブラハムは知らずして神の使者を接待した。(創世18:1~8)  

神の使者は一目でそれとわかる姿をしていない。そこでアブラハムのように訪れる人をすべて丁寧に迎えるのがよい。そうでないと、知らずして、神の使者を追い返すか、ひどい目に合わせて殺してしまう。 

一目で神の使者とわかる者を直ちに信じるのは危険である。偽使者はそのような者に紛れている。 

† 細き聲 説教  

 「贖いの業」  

「また他の者は僕を執へて、辱しめかつ殺したれば」 マタイ22:6 大正文語訳聖書 

「ほかの者たちは王の僕たちを捕まえて辱め、殺してしまった」 フランシスコ会訳聖書 

多くの招待状を受けた人々は適当な言い訳を述べて王の息子の婚礼への参加を断った。 

しかし、それでも王の求めを伝える僕たちをある者たちが捕まえて屈辱を与えたうえで殺害してしまった。 

「辱め ὑβρίζω  フゆリゾー 」は 「恥をかかせる、暴行する、侮辱する、辱しめる、ひどい目に遭わせる」の意味。 

再度派遣された「僕」は、バプテスマのヨハネであろう。ヨハネは悔い改めのメッセージを伝えたが、ヘロデアンテパスとヘロデヤの不正な婚姻を批判したことで捕らえられ、ヘロデアンテパスの誕生日の宴での余興の褒美に処刑された。 

祭司長、律法学者たちはバプテスマのヨハネの宣教を退けて、悔い改めを拒んでいた。バプテスマのヨハネの死は、悔い改めを拒む祭司長、律法学者たちの意志でもあった。 

しかし、イエスは「捕まえて屈辱を与えたうえで殺害される」が、そのこと自体が「贖いの業」となる。 

祭司長、律法学者たちは、知らずして、自らが拒絶する神の御計画を実現する手立てになっていくのである。 

(皆川誠) 

コメント