マタイによる福音書21章39節

マタイによる福音書
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† 福音書縦観 「葡萄園と農夫」

マタイ21:33~46  マルコ12:1~12  ルカ20:9~19
マタイ21:33~46

Matt.21:39そして彼をつかまえて、ぶどう園の外に引き出して殺した。(彼をつかまえて殺し、ぶどう園の外に投げ捨てた。マルコ12:8) 口語訳聖書

† 日本語訳聖書 Matt.21:39

【漢訳聖書】
Matt.21:39 遂執之、推出葡萄園、殺焉。

【明治元訳】
Matt.21:39 即(すなは)ちを執(とら)へ葡萄園(ぶどうばたけ)より逐(おひ)出(いだ)して殺(ころ)せり

【大正文語訳】
Matt.21:39 かくて之をとらへ、葡萄園の外に逐ひ出して殺せり。

【ラゲ訳】
Matt.21:39 斯て其子を捕へ、葡萄畑より逐出して殺せり。

【口語訳】
Matt.21:39 そして彼をつかまえて、ぶどう園の外に引き出して殺した。

【新改訳改訂3】
Matt.21:39 そして、彼をつかまえて、ぶどう園の外に追い出して殺してしまった。

【新共同訳】
Matt.21:39 そして、息子を捕まえ、ぶどう園の外にほうり出して殺してしまった。

【バルバロ訳】
Matt.21:39 その子を捕らえ、ぶどう畑から追い出して殺した。

【フランシスコ会訳】
Matt.21:39 息子を捕まえて、ぶどう園の外に放り出したうえ、殺してしまった。

【日本正教会訳】
Matt.21:39 乃彼を執へて、葡萄園の外に曳き出して殺せり。

【塚本虎二訳】
Matt.21:39 つかまえて葡萄畑の外に放り出した上、殺してしまった(と言う話。)

【前田護郎訳】
Matt.21:39 そして彼を捕えてぶどう園の外へ投げ出して殺した

【永井直治訳】
Matt.21:39 乃ちこれを執へ、葡萄園の外に掴み出だし、且つ殺せり。

【詳訳聖書】
Matt.21:39 そして彼らはそのむすこを捕らえ、ぶどう園の外に投げ出して、殺してしまった。

† 聖書引照 Matt.21:39

Matt.21:39 かくて之をとらへ、葡萄園の外に逐ひ出して殺せり。

[かくて之をとらへ]  マタ26:50,57; マル14:46-53; ルカ22:52-54; ヨハ18:12,24; 使徒2:23; 4:25-27
[葡萄園の外に逐ひ出して]  ヘブ13:11-13
[殺せり]  使徒2:23; 3:14,15; 4:10; 5:30; 7:52; ヤコ5:6

† ギリシャ語聖書 Matt.21:39

Stephens 1550 Textus Receptus
και λαβοντες αυτον εξεβαλον εξω του αμπελωνος και απεκτειναν

Scrivener 1894 Textus Receptus
και λαβοντες αυτον εξεβαλον εξω του αμπελωνος και απεκτειναν

Byzantine Majority
και λαβοντες αυτον εξεβαλον εξω του αμπελωνος και απεκτειναν

Alexandrian
και λαβοντες αυτον εξεβαλον εξω του αμπελωνος και απεκτειναν

Hort and Westcott
και λαβοντες αυτον εξεβαλον εξω του αμπελωνος και απεκτειναν

† ギリシャ語聖書 品詞色分け

Matt.21:39

καὶ λαβόντες αὐτὸν ἐξέβαλον ἔξω τοῦ ἀμπελῶνος καὶ ἀπέκτειναν

† ヘブライ語聖書 Matt.21:39

Matt.21:39

.הֵם תָּפְסוּ אוֹתוֹ, גֵּרְשׁוּהוּ אֶל מִחוּץ לַכֶּרֶם וַהֲרָגוּהוּ 

† ラテン語聖書 Matt.21:39

Latin Vulgate
Matt.21:39

Et apprehensum eum eiecerunt extra vineam, et occiderunt.
And apprehending him, they cast him outside the vineyard, and they killed him.
~ Christ was killed just outside Jerusalem, the holy city.

† 私訳(詳訳)Matt.21:39

【私訳】 「そして、彼〔息子〕を捕らえて葡萄園の外に放り出し<外に投げ捨て>、そして、殺して<死罪に、処刑して>しまった」

† 新約聖書ギリシャ語語句研究

Matt.21:39

καὶ λαβόντες αὐτὸν ἐξέβαλον ἔξω τοῦ ἀμπελῶνος καὶ ἀπέκτειναν

【そして】 καὶ.  καί カイ kai {kahee} (ch 接続詞・完)

1)~と、~も、そして 2)~さえ、でさえも 3)しかし 4)しかも、それは 5)それでは、それだのに 6)そうすれば、すなわち 7)のみならず、もまた

(G2532 καί Apparently a primary particle, having a copulative and sometimes also a cumulative force; and, also, even, so, then, too, etc.; often used in connection (or composition) with other particles or small words: – and, also, both, but, even, for, if, indeed, likewise, moreover, or, so, that, then, therefore, when, yea, yet.  Internet Sacred Text Archive)

【息子を】 αὐτὸν  αὐτός  アウトス autos {ow-tos‘}  (npam3s 代名詞・対男3)

1)彼、彼女、それ(三人称の代名詞) 2)自身で、自分から、自分として(強調用法) 3)同じ同一の 4)まさに、ちょうど

(G846 αὐτός From the particle αὖ au (perhaps akin to the base of 109 through the idea of a baffling wind; backward); the reflexive pronoun self, used (alone or in the compound of 1438 of the third person, and (with the proper personal pronoun) of the other persons: – her, it (-self), one, the other, (mine) own, said, ([self-], the) same, ([him-, my-, thy-]) self, [your-] selves, she, that, their (-s), them ([-selves]), there [-at, -by, -in, -into, -of, -on, -with], they, (these) things, this (man), those, together, very, which. Compare 848.  Internet Sacred Text Archive)

【捕まえ】 λαβόντες  λαμβάνω らムバノー lambanō {lam-ban‘-o} (vpaanm-p 分詞・2アオ能主男複)

1)取る、取り去る、捉える、得る、つかむ、つかまえる 2)握る、抱える、自分のものとする 3)奪い去る、取り上げる、引き取る、捕らえる、取り去る、取り立てる

(G2983 λαμβάνω A prolonged form of a primary verb, which is used only as an alternate in certain tenses; to take (in very many applications, literally and figuratively [probably objective or active, to get hold of; whereas 1209 is rather subjective or passive, to have offered to one; while 138 is more violent, to seize or remove]): – accept, + be amazed, assay, attain, bring, X when I call, catch, come on (X unto), + forget, have, hold, obtain, receive (X after), take (away, up).  Internet Sacred Text Archive)

マタ5:40; 10:38; 13:31,33; 16:19; 15:26;,36; 17:25;,27; 25:1,3; 26:26,27,52; 27:6,9,24,30,48,59; 28:15 etc.

【ぶどう園の】 ἀμπελῶνος  ἀμπελών    アムペろーン ampelōn {am-pel-ohn‘} (n-gm-s 名詞・属男単)

1)ぶどう園

(G290  ἀμπελών From 288 a vineyard: – vineyard.  Internet Sacred Text Archive)

マタ20:1,2,4,7,8; 21:28,33,39,40,41; ルカ12;1,2,8,9. etc.

【外に】 ἔξω  ἔξω  エクソー  exō {ex‘-o} (pg 前置詞・属)

1)外に、外へ、外部に、離れて、局外に 2)の外部に、の外の 3)~なしに、~を除いて

(G1854  ἔξω Adverb from 1537 out (sideof doors), literally or figuratively: – away, forth, (with-) out (of, -ward), strange.  Internet Sacred Text Archiv)

【ほうり出して】 ἐξέβαλον  ἐκβάλλω  エクバるろー  ekballō {ek-bal‘-lo} (viaa–3p 動詞・直・2アオ・能・3複)

1)追い出す、追放する、去らせる 2)抜き出す、たたき落とす、外に投げ出す、投げ捨てる、投げ出す、放り出す、放逐する 3)送り出す、取り出す 4)見捨てる、排斥する 5)拒絶する、斥ける、見捨てる 6)たたき落とす、伐り倒す、手放す

(G1544  ἐκβάλλω From 1537 and 906 to eject (literally or figuratively): – bring forth, cast (forth, out), drive (out), expel, leave, pluck (pull, take, thrust) out, put forth (out), send away (forth, out).  Internet Sacred Text Archive)

マタ7:22; 8:12,16,31; 9:33,34; 10:1,8; 12:24,26,27,28; 17:19; 21:12,39; 25:30;  マル1:34,39; 3:15,22,23;6:13; 7:26; 9:18,25, 38; 11:15; 16:9,17 etc.

【そして】 καὶ.  καί カイ kai {kahee} (cc 接続詞・等位)

1)~と、~も、そして 2)~さえ、でさえも 3)しかし 4)しかも、それは 5)それでは、それだのに 6)そうすれば、すなわち 7)のみならず、もまた

(G2532 καί Apparently a primary particle, having a copulative and sometimes also a cumulative force; and, also, even, so, then, too, etc.; often used in connection (or composition) with other particles or small words: – and, also, both, but, even, for, if, indeed, likewise, moreover, or, so, that, then, therefore, when, yea, yet.  Internet Sacred Text Archive)

【殺してしまった】 ἀπέκτειναν  ἀποκτείνω   アポクテイノー apokteinō {ap-ok-ti‘-no} (viaa–3p 動詞・

直・1アオ・能・3複)

< ἀπό + κτείνω  殺す

1)殺してしまう、殺す 2)滅ぼす 3)死刑にする、死罪にする

(G615  ἀποκτείνω From 575 and κτείνω kteinō (to slay); to kill outright; figuratively to destroy: – put to death, kill, slay.  Internet Sacred Text Archive)

マタ10:28; 14:5; 16:21; 17:23; 21:35,38,39; 22:6; 23:34,37; 24:9; 26:4;  マル3:4; 6:19; 8:31; 9:31; 10:34; 12:5,7,8; 14:1; etc.

† 英語訳聖書 Matt.21:39

King James Version
21:39 And they caught him, and cast [him] out of the vineyard, and slew [him].

New King James Version
21:39 “So they took him and cast him out of the vineyard and killed him.

American Standard Version
21:39 And they took him, and cast him forth out of the vineyard, and killed him.

New International Version
21:39 So they took him and threw him out of the vineyard and killed him.

Bible in Basic English
21:39 And they took him and, driving him out of the vine-garden, put him to death.

Today’s English Version
21:39 So they grabbed him, threw him out of the vineyard, and killed him.

Darby’s English Translation
21:39 And they took him, and cast him forth out of the vineyard, and killed him.

Douay Rheims
21:39 And taking him, they cast him forth out of the vineyard, and killed him.

Noah Webster Bible
21:39 And they caught him, and cast him out of the vineyard, and slew him.

Weymouth New Testament
21:39 ‘So they seized him, dragged him out of the vineyard, and killed him.

World English Bible
21:39 So they took him, and threw him out of the vineyard, and killed him.

Young’s Literal Translation
21:39 and having taken him, they cast him out of the vineyard, and killed him;

† 細き聲 聖書研究ノート

Matt.21:39 かくて之をとらへ、葡萄園の外に逐ひ出して殺せり。

 <かくて之をとらへ、葡萄園の外に逐ひ出して殺せり>

農夫たちは主人の息子を捕らえ、ぶどう園の外に引き出して殺した。マルコでは彼らは息子をぶどう園で殺害した後、遺体を葡萄園の外に投げ捨てている。(マルコ12:8)

 <外に逐ひ出して>

「この故にイエスも己が血をもて民を潔めんが爲に、門の外にて苦難を受け給へり」 ヘブル12:13

主人の息子は葡萄園の外に引き出されて殺される。やがてイエスはエルサレムの外で十字架に処刑される。

† 心のデボーション

「かくて之をとらへ、葡萄園の外に逐ひ出して殺せり」 マタイ21:39 大正文語訳聖書

「そして、息子を捕まえ、ぶどう園の外にほうり出して殺してしまった」 新共同訳聖書

 「武器を持たない者」

葡萄園の主人は先に送り出した僕たちが残忍な手段で殺害されたにもかかわらず、後からの僕たちや息子に「武器」をもたせなかった。世の人々は葡萄園の主人を愚かと笑うだろう。だが、武器によってもたらされる平和が平和であったためしはない。

† 心のデボーション

「かくて之をとらへ、葡萄園の外に逐ひ出して殺せり」 マタイ21:39 大正文語訳聖書

「そして、息子を捕まえ、ぶどう園の外にほうり出して殺してしまった」 新共同訳聖書

 「門の外へ」

イエスはエルサレムの「門の外」で苦難を受けられた。へブル書は「されば我らは彼の恥を負ひ、陣營より出でてその御許に往くべし」、「此處には永遠の都なし」と語る。

エルサレムを慕う者よ、エルサレムを出てよ。そこはエルサレムではない。

「大祭司、罪のために活物の血を携へて至聖所に入り、その活物の體は陣營の外にて燒かるるなり。 この故にイエスも己が血をもて民を潔めんが爲に、門の外にて苦難を受け給へり。されば我らは彼の恥を負ひ、陣營より出でてその御許に往くべし。われら此處には永遠の都なくして、ただ來らんとする者を求むればなり。 此の故に我らイエスによりて常に讃美の供物を神に献ぐべし、乃ちその御名を頌むる口唇の果なり」 ヘブル13:12~15

† 細き聲 説教

 「主人の息子の死」

「かくて之をとらへ、葡萄園の外に逐ひ出して殺せり」 マタイ21:39 大正文語訳聖書

「そして、息子を捕まえ、ぶどう園の外にほうり出して殺してしまった」 新共同訳聖書

農夫たちは主人の息子を捕らえ、ぶどう園の外に引き出して殺した。マルコでは彼らは息子をぶどう園で殺害した後、遺体を葡萄園の外に投げ捨てている。(マルコ12:8)

主人の息子は葡萄園の外に引き出されて殺される。

やがてイエスはエルサレムの外で十字架に処刑されるのである。

「この故にイエスも己が血をもて民を潔めんが爲に、門の外にて苦難を受け給へり」 ヘブル12:13

イエスはエルサレムの「門の外」で苦難を受けられた。へブル書は「されば我らは彼の恥を負ひ、陣營より出でてその御許に往くべし」、「此處には永遠の都なし」と語る。(ヘブル13:12~15)

悪しき農夫たちに殺された何人もの遣わされた僕たちと、息子の死は無駄であっただろうか?

「悪しき農夫の譬え」にはそのことは触れられていない。「譬え」が触れない事柄について考えるのは控えなければならない。しかし、この譬えを話されるイエス・キリストにはすべてがはっきりと理解されていたに違いない。

イエス・キリストの十字架の死も、預言者たちの殉教も、人間の救済のためにささげられた贖いの死であった。

やがて、イエス・キリストの復活により、われらは、「ぶどう園の主人の息子」を殺したのが、他ならぬ自分であることを知ることにおいて、「ぶどう園の主人の息子の死」がもつ決定的な意味を知るのである。

(皆川誠)

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