マタイによる福音書20章27節

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† 福音書縦観 「ゼベダイの子らの願い」 マタイ20:20~28  

マタイ20:20~28  マルコ10:35~45
マタイ20:20~28

Matt.20:27あなたがたの間でかしらになりたいと思う者は、僕とならねばならない。 口語訳聖書

† 日本語訳聖書 Matt.20:27 

【漢訳聖書】
Matt.20:27 又、爾中欲爲首者、當爲爾僕、

【明治元訳】
Matt.20:27 またのうち首(かしら)たらんと欲(おも)ふ者(もの)は爾曹(なんぢら)の僕(しもべ)となるべし

【大正文語訳】
Matt.20:27 首たらんと思ふ者は汝らの僕となるべし。

【ラゲ訳】
Matt.20:27 又汝等の中に第一の者たらんと欲する人は、汝等の奴隷となるべし。

【口語訳】
Matt.20:27 あなたがたの間でかしらになりたいと思う者は、僕とならねばならない。

【新改訳改訂3】
Matt.20:27 あなたがたの間で人の先に立ちたいと思う者は、あなたがたのしもべになりなさい。

【新共同訳】
Matt.20:27 いちばん上になりたい者は、皆の僕になりなさい。

【バルバロ訳】
Matt.20:27 第一の人になろうと望む者は奴隷にならぬばならぬ。

【フランシスコ会訳】
Matt.20:27 あなた方の中で第一の者になりたい者は、みなの僕になりなさい。

【日本正教会訳】
Matt.20:27 爾等中に首たらんと欲する者は、爾等の僕と爲るべし、

【塚本虎二訳】
Matt. 20:27 一番上になりたい者は奴隷になれ。

【前田護郎訳】
Matt.20:27 あなた方の間で一番になりたければあなた方の僕になれ、

【永井直治訳】
Matt.20:27 また誰にても汝等のうちにて、一番たらんと欲する者は、汝等のたるべし。

【詳訳聖書】
Matt.20:27 また、あなたたちの間で首位になりたいと欲する者は、あなたたちの奴隷でなければならない。

† 聖書引照 Matt.20:27 

Matt.20:27 首たらんと思ふ者は汝らの僕となるべし。

[首たらんと思ふ者は汝らの僕となるべし]  マタ18:4; マル9:33-35; ルカ22:26; 使徒20:34,35; ロマ1:14; Ⅰコリ9:19-23; Ⅱコリ4:5; 11:5,23-27; 12:15

† ギリシャ語聖書 Matt.20:27 

Stephens 1550 Textus Receptus
και ος εαν θελη εν υμιν ειναι πρωτος εστω υμων δουλος

Scrivener 1894 Textus Receptus 
και ος εαν θελη εν υμιν ειναι πρωτος εστω υμων δουλος

Byzantine Majority 
και ος εαν θελη εν υμιν ειναι πρωτος εστω υμων δουλος

Alexandrian 
και ος αν θελη εν υμιν ειναι πρωτος εστω υμων δουλος

Hort and Westcott 
και ος αν θελη εν υμιν ειναι πρωτος εστω υμων δουλος

† ギリシャ語聖書 品詞色分け 

Matt.20:27

καὶ ὃς ἂν θέλῃ ἐν ὑμῖν εἶναι πρῶτος ἔσται ὑμῶν δοῦλος

† ヘブライ語聖書 Matt.20:27 

Matt.20:27

וְהֶחָפֵץ לִהְיוֹת רִאשׁוֹן בֵּינֵיכֶם יְהֵא עֶבֶד לָכֶם

† ラテン語聖書 Matt.20:27 

Latin Vulgate
Matt.20:27

et qui voluerit inter vos primus esse, erit vester servus.
And whoever will want to be first among you, he shall be your servant, 

† 私訳(詳訳)Matt.20:27 

【私訳】 「そして、あなた方の間で先に立つ者<最初の者、第一の者、主要な者>とされたいと望む者は誰でも、あなたがたの奴隷<僕、下僕>になりなさい」

† 新約聖書ギリシャ語語句研究 

Matt.20:27

καὶ ὃς ἂν θέλῃ ἐν ὑμῖν εἶναι πρῶτος ἔσται ὑμῶν δοῦλος

【そして】 καὶ  καί カイ kai {kahee} (cc 接続詞・等位)

1)~と、~も、そして 2)~さえ、でさえも 3)しかし 4)しかも、それは 5)それでは、それだのに 6)そうすれば、すなわち 7)のみならず、もまた

(G2532 καί Apparently a primary particle, having a copulative and sometimes also a cumulative force; and, also, even, so, then, too, etc.; often used in connection (or composition) with other particles or small words: – and, also, both, but, even, for, if, indeed, likewise, moreover, or, so, that, then, therefore, when, yea, yet.  Internet Sacred Text Archive)

【あなた方】 ὑμῖν  σύ スゆ sou {soo} (npd-2p 代名詞・与2複)

1)あなた 2)汝 3)君

(G4771 σύ The personal pronoun of the second person singular; thou: – thou. See also 4571 4671 4675 and for the plur. 5209 5210 5213 5216.  Internet Sacred Text Archive)

【の中で】 ἐν  ἐν エン en {en}  (pd 前置詞・属)

1)~の中に、~の間に 2)~の上に 3)ところに、のそばに 4)で 3)よって 5)に

(G1722  ἐν A primary preposition denoting (fixed) position (in place, time or state), and (by implication) instrumentality (medially or constructively), that is, a relation of rest (intermediate between 1519 and 1537 ; “in”at, (up-) onby, etc.: – about, after, against, + almost, X altogether, among, X as, at, before, between, (here-) by (+ all means), for (. . . sake of), + give self wholly to, (here-) in (-to, -wardly), X mightily, (because) of, (up-) on, [open-] ly, X outwardly, one, X quickly, X shortly, [speedi-] ly, X that, X there (-in, -on), through (-out), (un-) to(-ward), under, when, where (-with), while, with (-in). Often used in compounds, with substantially the same import; rarely with verbs of motion, and then not to indicate direction, except (elliptically) by a separate (and different) prep.  Internet Sacred Text Archive)

【先に立つ者】 πρῶτος  πρῶτος  プロートス  prōtos {pro‘-tos} (a-onm-s 形容詞・序主男単)

1)(順序)第一の、第一に 2)(時間、程度、段階などについて)第一の、第一に 3)まず、先に、最初に、最初の、真先の、初めの、初めに 4)最高の、主要の

(G4413 πρῶτος Contracted superlative of 4253 foremost (in time, place, order or importance): – before, beginning, best, chief (-est), first (of all), former.  Internet Sacred Text Archive)

【とされたい】  εἶναι εἰμί エイミ  eimi {i-mee‘} (vnpa 不定詞・現能)

1)ある、いる、~である、~です、~だ 2)行われる、おこる、生ずる、現れる、来る 3)いる、滞在する、とどまる 4)存在する 5)生きている

(G1510 εἰμί  First person singular present indicative; a prolonged form of a primary and defective verb; I exist (used only when emphatic): – am, have been, X it is I, was. See also 1488 1498 1511 1527 2258 2071 2070 2075 2076 2771 2468 5600.  Internet Sacred Text Archive)

【と望む】 θέλῃ  θέλω  てろー  thelō ethelō {thel‘-o, eth-el‘-o} (vppanm-s 動詞・仮・現・能・3単)

1)欲する、望む、願望する、したいと思う、主張する 2)~の気がある、気が向く、用意がある、~しようとする、心に持つ、(~する)つもりである、志す、決意する 3)好む 4)心に持つ 5)惑わす、呪縛する

(G2309 θέλω Either the first or the second form may be used. In certain tenses θελέω theleō thel-eh‘-o (and ἐθέλέω etheleō eth-el-eh‘-o ) are used, which are otherwise obsolete; apparently strengthened from the alternate form of 138 to determine (as an active voice option from subjective impulse; whereas 1014 properly denotes rather a passive voice acquiescence in objective considerations), that is, choose or prefer (literally or figuratively); by implication to wish, that is, be inclined to (sometimes adverbially gladly); impersonally for the future tense, to be about to; by Hebraism to delight in: – desire, be disposed (forward), intend, list, love, mean, please, have rather, (be) will (have, -ling, -ling [ly]).  Internet Sacred Text Archive)

マタ1:19; 2:18; 5:40; 9:23; 12:38; 13:28; 23:4;  マル3:13; 6:22;  ルカ1:62; 10:29;15:28;  ヨハ5:21; etc.

【者は誰でも】 ὃς ἂν

ὃς  ὅς  ホス  hos {hos}  (-aprnm-s 関係代名詞・主男単)

1)この~ 2)これ 3)ところの、そして

(G3739  ὅς Probably a primary word (or perhaps a form of the article 3588 ; the relative (sometimes demonstrative) pronoun, whowhichwhatthat: – one, (an-, the) other, some, that, what, which, who (-m, -se), etc. See also 3757 Internet Sacred Text Archive)

ἂν  ἄν アン  an {an} (qv 不変化詞)

1)~まで 2)(~ならば~)です(仮定文で) 3)ともかく

事がある条件の元に起こることを示す

(G302  ἄν A primary particle, denoting a suppositionwishpossibility or uncertainty: – [what-, where-, whither-, who-]soever. Usually unexpressed except by the subjunctive or potential mood. Also contraction for 1437. Internet Sacred Text Archive)

【あなたがたの】 ὑμῶν  σύ スゆ sou {soo} (npg-2p 代名詞・属2複)

1)あなた 2)汝 3)君

(G4771 σύ The personal pronoun of the second person singular; thou: – thou. See also 4571 4671 4675 and for the plur. 5209 5210 5213 5216.  Internet Sacred Text Archive)

【奴隷に】 δοῦλος \  δοῦλος  ドウーろス  doulos {doo‘-los} (n-nm-s 名詞・主男単)

1)仕えている、従属する 2)奴隷、下僕 3)召使、従者

(G1401 δοῦλος From 1210 a slave (literally or figuratively, involuntarily or voluntarily; frequently therefore in a qualified sense of subjection or subserviency): – bond (-man), servant.  Internet Sacred

【なりなさい】 ἔσται  εἰμί エイミ  eimi {i-mee‘} (vifd–3s^vmpa–3s 動詞・直・未来・能欠・3単/命現)

1)ある、いる、~である、~です、~だ 2)行われる、おこる、生ずる、現れる、来る 3)いる、滞在する、とどまる 4)存在する 5)生きている

(G1510 εἰμί  First person singular present indicative; a prolonged form of a primary and defective verb; I exist (used only when emphatic): – am, have been, X it is I, was. See also 1488 1498 1511 1527 2258 2071 2070 2075 2076 2771 2468 5600.  Internet Sacred Text Archive)

† 英語訳聖書 Matt.20:27 

King James Version 
20:27 And whosoever will be chief among you, let him be your servant:

New King James Version
20:27 “And whoever desires to be first among you, let him be your slave-

American Standard Version 
20:27 and whosoever would be first among you shall be your servant:

New International Version
20:27 and whoever wants to be first must be your slave–

Bible in Basic English 
20:27 And whoever has a desire to be first among you, let him take the lowest place:

Today’s English Version
20:27 and if one of you wants to be first, you must be the slave of the others-

Darby’s English Translation 
20:27 and whosoever will be first among you, let him be your bondman;

Douay Rheims 
20:27 And he that will be first among you, shall be your servant.

Noah Webster Bible 
20:27 And whoever will be chief among you, let him be your servant:

Weymouth New Testament 
20:27 and whoever desires to be first among you shall be your bondservant;

World English Bible 
20:27 Whoever would be first among you will be your bondservant,

Young’s Literal Translation 
20:27 and whoever may will among you to be first, let him be your servant;

Amplified Bible
20:27 and whoever wishes to be first among you shall be your [willing and humble] slave;

† 細き聲 聖書研究ノート 

 <首たらんと思ふ者は汝らの僕となるべし>

もし、人の先に立ちたいと思うなら、「僕」になれ。

 <首たらんと思ふ者は汝らの僕となるべし>

「仕える者」は「δοῦλος  ドウーろス」で「奴隷、僕」である。ヨハネ13:1~20でイエスは弟子たちの足を洗われた。客の足を洗うのは「奴隷」の務めであった。

† 心のデボーション   

「首たらんと思ふ者は汝らの僕となるべし」 マタイ20:27 大正文語訳聖書

「あなた方の中で第一の者になりたい者は、みなの僕になりなさい」 フランシスコ会訳聖書

 「ある高慢」

自分は偉くも、第一の者にもなりたいとは思わないという高慢もある。彼もまた、「僕として仕える」ことを学ばなくてはいけない。

† 心のデボーション   

「首たらんと思ふ者は汝らの僕となるべし」 マタイ20:27 大正文語訳聖書

「あなた方の中で第一の者になりたい者は、みなの僕になりなさい」 フランシスコ会訳聖書

 「聖隷クリストファー大学」

静岡県浜松市にあるクリストファー大学(Seirei Christopher University)は、ヨハネ13:14「主であり、師であるわたしがあなたがたの足を洗ったのだから、あなたがたも互いに足を洗い合わなければならない」から、足を洗うのが奴隷の役割であったことから、「神の僕」を意味する「聖隷」と創設者長谷川保氏によって命名されたものである。「Christopherはキリストを背負う者」の意味。英国のホスピスに「聖クリストファー・ホスピス」(シシリー・ソンダースの創設)がある。

聖クリストファー(聖クリストフォロス)ギリシア語で「キリスト(クリスト)を運ぶ人(フォロス)」の意味で、人名ではない。

ヤコブス・デ・ヴォラギネ (Jacobus de Voragine, c. 1230 – 1298) の「レゲンダ・アウレア」(黄金伝説)によれば、クリストファーは恐ろしい顔をした身の丈6メートルのカナン人で、世界で最も強い主君に仕えたいという望みを持ち、カナンの王が悪魔を恐れていることを知り、悪魔に仕えるが、悪魔が十字架を恐れるのを見て、キリストを探す旅に出かける。

クリストファーは隠者にアドバイスを求め、巨体を活かして渡し守をはじめる。ある日、小さな男の子を向こう岸に渡していると、河の水かさが増え、男の子の体重は世界を背負っているのではないかと思うほど重くなった。やっとの思いで向こう岸にたどり着いたクリストファーが、世界を背負っているかと思うほどに重かったと男の子に言うと、男の子は「汝は世界を背負っただけでなく、世界を創造したキリストを背負ったのだ。私こそが汝の捜し求める王キリストである。」と答えて姿を消した。

クリストファーは小アジアの一地方リュキア (Lycia) を訪ね、数千人の人々をキリスト教に改宗させ、殉教者を励ましました。クリストファーはリュキアの王の前で異教の神々に供犠をすることを拒み、金銭によっても誘惑されず、2人の美女を送り込んでも彼女たちをキリスト教徒に改宗させる。王はクリストファーの処刑を命じ、幾度もの奇跡によって刑の執行が妨げられた後にようやく斬首されて殉教したという。

† 細き聲 説教  

 「謙遜な人」

「首たらんと思ふ者は汝らの僕となるべし」 マタイ20:27 大正文語訳聖書

「あなた方の中で第一の者になりたい者は、みなの僕になりなさい」 フランシスコ会訳聖書

もし、人の先に立ちたいと思うなら、「仕える者」になりなさい。

「仕える者」は「 δοῦλος  ドウーろス」で「奴隷、僕」である。

ヨハネ13:1~20でイエスは弟子たちの足を洗われた。客の足を洗うのは「奴隷」の務めであった。

「人の先に立ちたい」と思わないまでも、人の先に立たねばならないときもある。

そこで、自分は偉くも、第一の者にもなりたいとは思わないという高慢もある。彼もまた、「僕として仕える」ことを学ばなくてはいけない。

「偉くなりたい」「一番上になりたい」くて、皆に仕え、下僕になったところで意味はない。

謙遜にすれば認められるというのは嘘である。人は謙遜な人を「低い者」にしか見ない。

それを知った上で下僕になり切る人が真の偉い人である。

(皆川誠)

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