マタイによる福音書20章11節

マタイによる福音書
Generic selectors
完全一致
タイトルから
記事本文から
Post Type Selectors
カテゴリーで絞込

† 福音書縦観 「葡萄園の労働者」 マタイ20:1~16  

マタイ20:1~16
マタイ20:1~16

Matt.20:11もらったとき、家の主人にむかって不平をもらして  口語訳聖書

† 日本語訳聖書 Matt.20:11 

【漢訳聖書】
Matt.20:11 受之、則怨家主。

【明治元訳】
Matt.20:11 これをて主人(あるじ)を怨(うらみ)みつぶやきけるは

【大正文語訳】
Matt.20:11 受けしとき、家主にむかひ呟きて言ふ、

【ラゲ訳】
Matt.20:11 之を受け取りつつ家父に向ひて呟き、

【口語訳】
Matt.20:11 もらったとき、家の主人にむかって不平をもらして

【新改訳改訂3】
Matt.20:11 そこで、彼らはそれを受け取ると、主人に文句をつけて、

【新共同訳】
Matt.20:11 それで、受け取ると、主人に不平を言った。

【バルバロ訳】
Matt.20:11 もらったとき主人に向かい、

【フランシスコ会訳】
Matt.20:11 それを受け取ると、彼らは主人に不平をもらして言った。

【日本正教会訳】
Matt.20:11 之を受けて、家主を怨みて

【塚本虎二訳】
Matt.20:11 そこで貰ったとき、家の主人に向かって不平を

【前田護郎訳】
Matt.20:11 もらったとき彼らは家の主人に不平をいった、

【永井直治訳】
Matt.20:11 されば彼等の受けしとき、家の主人に逆らひ咳きて、

【詳訳聖書】
Matt.20:11 そこで彼らはそれを受け取った時、園主に不満を鳴らして、

† 聖書引照 Matt.20:11 

Matt.20:11 受けしとき、家主にむかひ呟きて言ふ、

[受けしとき、家主にむかひ呟きて言ふ]  ルカ5:30; 15:2,28~30; 19:7; 使徒11:2,3; 13:45; 22:21,22; Ⅰテサ2:16; ユダ1:16

† ギリシャ語聖書 Matt.20:11 

Stephens 1550 Textus Receptus
λαβοντες δε εγογγυζον κατα του οικοδεσποτου

Scrivener 1894 Textus Receptus 
λαβοντες δε εγογγυζον κατα του οικοδεσποτου

Byzantine Majority 
λαβοντες δε εγογγυζον κατα του οικοδεσποτου

Alexandrian 
λαβοντες δε εγογγυζον κατα του οικοδεσποτου

Hort and Westcott 
λαβοντες δε εγογγυζον κατα του οικοδεσποτου

† ギリシャ語聖書 品詞色分け 

Matt.20:11

λαβόντες δὲ ἐγόγγυζον κατὰ τοῦ οἰκοδεσπότου

† ヘブライ語聖書 Matt.20:11 

Matt.20:11

ְאַחַר שֶׁקִּבְּלוּ הִתְלוֹנְנוּ לִפְנֵי בַּעַל הַבַּיִת בְּאָמְרָם

† ラテン語聖書 Matt.20:11 

Latin Vulgate
Matt.20:11

Et accipientes murmurabant adversus patremfamilias,
And upon receiving it, they murmured against the father of the family, 

† 私訳(詳訳)Matt.20:11 

【私訳】 「それで彼らは受け取ると、〔ぶどう園の〕主人に逆らって、不平をいった<ぶつぶつつぶやいた、苦情を言った>」

† 新約聖書ギリシャ語語句研究 

Matt.20:11

λαβόντες δὲ ἐγόγγυζον κατὰ τοῦ οἰκοδεσπότου

【それで】 δὲ  δέ  デ de {deh} (ch 接続詞・完)

1)ところで、しかし、さて、そして 2)しかも、そしてまた、なお、すると、また 3)次に、さらに 4)否、むしろ

(G1161 δέ A primary particle (adversative or continuative); butand, etc.: – also, and, but, moreover, now [often unexpressed in English].  Internet Sacred Text Archive)

【受け取ると】 λαβόντες  λαμβάνω らムバノー lambanō {lam-ban‘-o} (vpaanm-p 分詞・2アオ能主男複)

1)取る、取り去る、捉える、得る、つかむ、つかまえる 2)握る、抱える、自分のものとする 3)奪い去る、取り上げる、引き取る、捕らえる、取り去る、取り立てる

(G2983 λαμβάνω A prolonged form of a primary verb, which is used only as an alternate in certain tenses; to take (in very many applications, literally and figuratively [probably objective or active, to get hold of; whereas 1209 is rather subjective or passive, to have offered to one; while 138 is more violent, to seize or remove]): – accept, + be amazed, assay, attain, bring, X when I call, catch, come on (X unto), + forget, have, hold, obtain, receive (X after), take (away, up).  Internet Sacred Text Archive)

マタ5:40; 10:38; 13:31,33; 16:19; 15:26;,36; 17:25;,27; 25:1,3; 26:26,27,52; 27:6,9,24,30,48,59; 28:15 etc.

【家の主人に】 οἰκοδεσπότου  οἰκοδεσπότης  オイコデスポテース  oikodespotēs {oy-kod-es-pot‘-ace}(n-gm-s 名詞・属男単)

< οἴκος  家 + δεσπότης  主人

1)一家の主人 2)家を治める主人 3)家長、戸主

(G3617 οἰκοδεσπότης From 3624 and 1203 the head of a family: – goodman (of the house), householder, master of the house.  Internet Sacred Text Archive)

マタ10:25; 13:37,52; 20:11; 21:33; 24:43;  マル14:14;  ルカ12:39; 13:25; 14:21;

【逆らって】 κατὰ  κατά カタ kata {kat-ah‘} ((pg 前置詞)

1)~から下へ、下まで 2)に従って、によって 3)に向って 4)~の向かい側に、の近くに  5)の間に 6)毎に 7)~に逆らって、反対して 8)~に誓って、~にかけて、~を指して 9)~の故に、~に関して、~の為に

(G2596 κατά A primary particle; (preposition) down (in place or time), in varied relations (according to the case [genitive, dative or accusative] with which it is joined): – about, according as (to), after, against, (when they were) X alone, among, and, X apart, (even, like) as (concerning, pertaining to, touching), X aside, at, before, beyond, by, to the charge of, [charita-] bly, concerning, + covered, [dai-] ly, down, every, (+ far more) exceeding, X more excellent, for, from . . . to, godly, in (-asmuch, divers, every, -to, respect of), . . . by, after the manner of, + by any means, beyond (out of) measure, X mightily, more, X natural, of (up-) on (X part), out (of every), over against, (+ your) X own, + particularly, so, through (-oughout, -oughout every), thus, (un-) to (-gether, -ward), X uttermost, where (-by), with. In composition it retains many of these applications, and frequently denotes oppositiondistribution or intensity.  Internet Sacred Text Archive)

【不平を言った】 ἐγόγγυζον  γογγύζω  ゴングゆゾー gogguzō {gong-good‘-zo} (viia–3p 動詞・直・未完・能・3複)

1)私語する、ささやく 2)つぶやく、不平をいう、ぶつぶついう、苦情を言う

(G1111 γογγύζω Of uncertain derivation; to grumble: – murmur.   Internet Sacred Text Archive)

マタ20:11;  ルカ5:30;  ヨハ6:42,43,61;  Ⅰコリ10:10;

† 英語訳聖書 Matt.20:11 

King James Version 
20:11 And when they had received [it], they murmured against the goodman of the house,

New King James Version
20:11 “And when they had received it, they complained against the landowner,

American Standard Version 
20:11 And when they received it, they murmured against the householder,

New International Version
20:11 When they received it, they began to grumble against the landowner.

Bible in Basic English 
20:11 And when they got it, they made a protest against the master of the house,

Today’s English Version
20:11 They took their money and started grumbling against the employer.

Darby’s English Translation 
20:11 And on receiving it they murmured against the master of the house,

Douay Rheims 
20:11 And receiving it they murmured against the master of the house,

Noah Webster Bible 
20:11 And when they had received it, they murmured against the master of the house.

Weymouth New Testament 
20:11 So when they had received it, they grumbled against the employer, saying,

World English Bible 
20:11 When they received it, they murmured against the master of the household,

Young’s Literal Translation 
20:11 and having received it, they were murmuring against the householder, saying,

Amplified Bible
20:11 When they received it, they protested and grumbled at the owner of the estate,

† 細き聲 聖書研究ノート 

 <受けしとき、家主にむかひ呟きて言ふ>

朝一番に雇われて一日働いた人は、ぶどう園の主人が一日の途中で雇われた人と同じ額の賃金を支払ったことに不満を抱き、主人に不平を言った。

 <受けしとき、家主にむかひ呟きて言ふ>

他の者たちは(早朝雇われた者に加えて、午前九時、正午、午後三時の人々を含めて)みな手元に渡された「一デナリオン」を見て、ぶどう園の主人に不平を漏らした。

詳訳聖書 「不満を鳴らして」
新改訳改訂3 「主人に文句をつけて」

† 心のデボーション   

「受けしとき、家主にむかひ呟きて言ふ」 マタイ20:11 大正文語訳聖書

「それで、受け取ると、主人に不平を言った」 新共同訳聖書

 「つぶやき」

「不平を言う γογγύζω  ゴングゆゾー」は「ぶつぶつ言う」ことで、公然と抗議したのではなく、あからさまな表情で互いにぶつぶつと、ぶどう園の主人への不満を口にしたのである。

「ぶつやき γογγύζω  ゴングゆゾー」は野火のように、はじめは小さくても伝わるのは早く、やがて手の付けられない猛火になる。

† 心のデボーション    

「受けしとき、家主にむかひ呟きて言ふ」 マタイ20:11 大正文語訳聖書

「それで、受け取ると、主人に不平を言った」 新共同訳聖書

 「報い」

自分が正しく評価されていないという感情が不満を生み出す。そのような不満がさらに評価を下げる。

自分が評価されるのを期待するよりも、人を評価するがよい。そのことこそが評価に値する行為である。

「報い」は直接には近づかず、別の方向からとぼけた顔をしてやってくるものだ。

† 細き聲 説教  

 「報い」

「受けしとき、家主にむかひ呟きて言ふ」 マタイ20:11 大正文語訳聖書

「それで、受け取ると、主人に不平を言った」 新共同訳聖書

朝一番に雇われて一日働いた人は、ぶどう園の主人が一日の途中で雇われた人と同じ額の賃金を支払ったことに不満を抱き、主人に不平を言った。

他の者たちは(早朝雇われた者に加えて、午前九時、正午、午後三時の人々を含めて)みな手元に渡された「一デナリオン」を見て、ぶどう園の主人に不平を漏らした。

朝一番に雇われた者は他人より少なく支払われたのではない。午前九時、正午、午後三時の人々が朝一番に雇われた者と同じ額の報酬を受けたのである。しかし、そのことが彼を怒らせる。自分が人よりも少なく報われたことに腹を立てるのである。

「不平を言う γογγύζω  ゴングゆゾー」は「ぶつぶつ言う」ことで、公然と抗議したのではなく、あからさまな表情で互いにぶつぶつと、不満を口にする。

「ぶつやき γογγύζω  ゴングゆゾー」は野火のように、はじめは小さくても伝わるのは早く、やがて手の付けられない猛火になる。

他人がどう報われるかを見る人は、自分が受けたものに満足することは決してない。自分はもっと報われるべきだと、受けたものが少ないと嘆く。

自分の受けたものをしっかりと見る者は、後から来た者のように自分も特別に報われたことを知るだろう。

人はすべて、「初めからの者」ではなく、「後から来た者」だからである。

(皆川誠)

コメント