† 福音書縦観 「葡萄園の労働者」 マタイ20:1~16
マタイ20:1~16
マタイ20:1~16
Matt.20:9そこで、五時ごろに雇われた人々がきて、それぞれ一デナリずつもらった。 口語訳聖書
† 日本語訳聖書 Matt.20:9
【漢訳聖書】
Matt.20:9 傭於申盡者至、各受金一餞、
【明治元訳】
Matt.20:9 五ごろ雇(やと)はれし者(もの)ども來(きた)りて銀(ぎん)一枚(まい)づつを受(うけ)たり
【大正文語訳】
Matt.20:9 かくて五時ごろに雇はれしもの來りて、おのおの一デナリを受く。
【ラゲ訳】
Matt.20:9 五時頃來りし者至りて、各一デナリオを受けたり。
【口語訳】
Matt.20:9 そこで、五時ごろに雇われた人々がきて、それぞれ一デナリずつもらった。
【新改訳改訂3】
Matt.20:9 そこで、五時ごろに雇われた者たちが来て、それぞれ一デナリずつもらった。
【新共同訳】
Matt.20:9 そこで、五時ごろに雇われた人たちが来て、一デナリオンずつ受け取った。
【バルバロ訳】
Matt.20:9 五時ごろ雇われた人たちが来て、一人一デナリオずつもらった。
【フランシスコ会訳】
Matt.20:9 そこで、五時ごろに来た者たちが来て、それぞれ一デナリオンずつ受け取った。
【日本正教会訳】
Matt.20:9 第十一時の頃の者來りて各銀一枚を受けたり。
【塚本虎二訳】
Matt.20:9 そこで(まず)五時ごろの者が来て、一デナリずつ貰った。
【前田護郎訳】
Matt.20:9 五時ごろのものが来て一デナリずつもらった
【永井直治訳】
Matt.20:9 かくて第十一時の頃〔雇はれたる〕者到りて、おのおの一デナリを受けたり。
【詳訳聖書】
Matt.20:9 それで第十一時<午後五時>に雇われた者たちが来て、おのおの一デナリを受け取った。
† 聖書引照 Matt.20:9
Matt.20:9 かくて五時ごろに雇はれしもの來りて、おのおの一デナリを受く。
[かくて五時ごろに雇はれしもの來りて、おのおの一デナリを受く] マタ20:2,6,7; ルカ23:40~43; ロマ4:3~6; 5:20,21; エペ1:6~8; 2:8-10; Ⅰテモ1:14~16
† ギリシャ語聖書 Matt.20:9
Stephens 1550 Textus Receptus
και ελθοντες οι περι την ενδεκατην ωραν ελαβον ανα δηναριον
Scrivener 1894 Textus Receptus
και ελθοντες οι περι την ενδεκατην ωραν ελαβον ανα δηναριον
Byzantine Majority
και ελθοντες οι περι την ενδεκατην ωραν ελαβον ανα δηναριον
Alexandrian
και ελθοντες οι περι την ενδεκατην ωραν ελαβον ανα δηναριον
Hort and Westcott
ελθοντες οι περι την ενδεκατην ωραν ελαβον ανα δηναριον
† ギリシャ語聖書 品詞色分け
Matt.20:9
καὶ ἐλθόντες οἱ περὶ τὴν ἑνδεκάτην ὥραν ἔλαβον ἀνὰ δηνάριον.
† ヘブライ語聖書 Matt.20:9
Matt.20:9
בָּאוּ אֵלֶּה שֶׁנִּשְׂכְּרוּ בְּשָׁעָה חָמֵשׁ לִפְנוֹת עֶרֶב וְקִבְּלוּ אִישׁ אִישׁ דִּינָר אֶחָד
† ラテン語聖書 Matt.20:9
Latin Vulgate
Matt.20:9
Cum venissent ergo qui circa undecimam horam venerant, acceperunt singulos denarios.
And so, when those who had arrived about the eleventh hour came forward, each received a single denarius.
† 私訳(詳訳)Matt.20:9
【私訳】 「そこで、第十一番目の時間<午後五時>〔に雇われた〕人々が来て、一デナリオンずつ受け取った」
† 新約聖書ギリシャ語語句研究
Matt.20:9
καὶ ἐλθόντες οἱ περὶ τὴν ἑνδεκάτην ὥραν ἔλαβον ἀνὰ δηνάριον.
【そこで】 καὶ καί カイ kai {kahee} (cc 接続詞・等位)
1)~と、~も、そして 2)~さえ、でさえも 3)しかし 4)しかも、それは 5)それでは、それだのに 6)そうすれば、すなわち 7)のみならず、もまた
(G2532 καί Apparently a primary particle, having a copulative and sometimes also a cumulative force; and,also, even, so, then, too, etc.; often used in connection (or composition) with other particles or small words: – and, also, both, but, even, for, if, indeed, likewise, moreover, or, so, that, then, therefore, when, yea, yet. Internet Sacred Text Archive)
【第十一番目の】 ἑνδεκάτην ἑνδέκατος へンデカトス hendekatos {hen-dek‘-at-os} (a-oaf-s 形容詞・序対女単)
1)第十一の 2)第十一番目の
(G1734 ἑνδέκατος Ordinal from 1733 eleventh: – eleventh. Internet Sacred Text Archive)
【時間】 ὥραν ὥρα ホーラ hōra {ho‘-rah} (n-af-s 名詞・対女単)
1)(ある一定の)時、季節、年 2)(重大な)時、時期、危機 3)時間、時刻 4)昼間、日中
(G5610 ὥρα Apparently a primary word; an “hour” (literally or figuratively): – day, hour, instant, season, X short, [even-] tide, (high) time. Internet Sacred Text Archive)
マタ8:13; 9:22; 10:19; 14:15; 15:28; 17:18; 18:1; 24:36,44,50; 25:13; 26:40,45,55; マル6:35; 11:11; 13:11,32; 14:35,37,41; etc.
【に(雇われた人たちが)】 περὶ περί ペリ peri {per-ee‘} (pa 前置詞・対)
1)~のこと、~について、~に関して、~に言及して、のことで、において 2)の周りに、周囲に 3)~のために、~をめぐって、~の故に 4)大体、約
(G4012 περί From the base of 4008 properly through (all over), that is, around; figuratively with respect to; used in various applications, of place, cause or time (with the genitive case denoting the subject or occasion or superlative point; with the accusative case the locality, circuit, matter, circumstance or general period): – (there-) about, above, against, at, on behalf of, X and his company, which concern, (as) concerning, for, X how it will go with, ([there-,where-])of, on, over, pertaining (to), for sake, X (e-) state, (as) touching, [where-] by (in), with. In compounds it retains substantially the same meaning of circuit (around), excess (beyond), or completeness (through). Internet Sacred Text Archive)
【来て】 ἐλθόντες ἔρχομαι エルこマイ erchomai {er‘-khom-ahee} (vpaanm-p 分詞・2アオ能主男複)
1)来る、やってくる、~しにやってくる 2)近づく、臨む、達する 3)着く、到着する 4)現れる 5)上がる、下る
(G2064 ἔρχομαι Middle voice of a primary verb (used only in the present and imperfect tenses, the others being supplied by a kindred [middle voice] word, ἐλεύθομαι eleuthomai or ἕλθω elthō ; which do not otherwise occur); to come or go (in a great variety of applications, literally and figuratively): – accompany, appear, bring, come enter, fall out, go, grow, X light, X next, pass, resort, be set. Internet Sacred Text Archive)
【一デナリオン】 δηνάριον δηνάριον デーナリオン dēnarion {day-nar‘-ee-on} (n-an-p 名詞・対中単)
1)デナリ
ローマ帝国の銀貨で、ギリシャの通貨ドラクマとほぼ同額。成人労働者の一日分の労賃に相当する。
(G1220 δηνάριον Of Latin origin; a denarius (or ten asses ): – pence, penny [-worth]. Internet Sacred Text Archive)
マタ18:28; 20:2,9,10,13; 22;19; マル6:37; 12:15; 14:5; ルカ7:41; 10:35; 20:24; ヨハ6:7; 12:5; 黙示6:6
【ずつ】 ἀνὰ ἀνά アナ ana {an-ah‘} (ab 副詞)
1)下から上へ、上方へ、上に 2)真ん中に 3)間に 4)~ずつ
(G303 ἀνά A primary preposition and adverb; properly up; but (by extension) used (distributively) severally, or (locally) at (etc.): – and, apiece, by, each, every (man), in, through. In compounds (as a prefix) it often means (by implication) repetition, intensity, reversal, etc. Internet Sacred Text Archive)
【受け取った】 ἔλαβον λαμβάνω らムバノー lambanō {lam-ban‘-o} (viaa–3p 動詞・直・2アオ・能・3複)
1)取る、取り去る、捉える、得る、つかむ、つかまえる 2)握る、抱える、自分のものとする 3)奪い去る、取り上げる、引き取る、捕らえる、取り去る、取り立てる
(G2983 λαμβάνω A prolonged form of a primary verb, which is used only as an alternate in certain tenses; to take (in very many applications, literally and figuratively [probably objective or active, to get hold of; whereas 1209 is rather subjective or passive, to have offered to one; while 138 is more violent, to seize or remove]): – accept, + be amazed, assay, attain, bring, X when I call, catch, come on (X unto), + forget, have, hold, obtain, receive (X after), take (away, up). Internet Sacred Text Archive)
マタ5:40; 10:38; 13:31,33; 16:19; 15:26;,36; 17:25;,27; 25:1,3; 26:26,27,52; 27:6,9,24,30,48,59; 28:15 etc.
† 英語訳聖書 Matt.20:9
King James Version
20:9 And when they came that [were hired] about the eleventh hour, they received every man a penny.
New King James Version
20:9 “And when those came who were hired about the eleventh hour, they each received a denarius.
American Standard Version
20:9 And when they came that were hired about the eleventh hour, they received every man a shilling.
New International Version
20:9 “The workers who were hired about the eleventh hour came and each received a denarius.
Bible in Basic English
20:9 And when those men came who had gone to work at the eleventh hour, they were given every man a penny.
Today’s English Version
20:9 The men who had begun to work at five o’clock were paid a silver coin each.
Darby’s English Translation
20:9 And when they who came to work about the eleventh hour came, they received each a denarius.
Douay Rheims
20:9 When therefore they were come, that came about the eleventh hour, they received every man a penny.
Noah Webster Bible
20:9 And when they came that were hired about the eleventh hour, they received every man a penny.
Weymouth New Testament
20:9 ‘When those came who had begun at five o’clock, they received a shilling apiece;
World English Bible
20:9 When they who were hired at about the eleventh hour came, they each received a denarius.
Young’s Literal Translation
20:9 And they of about the eleventh hour having come, did receive each a denary.
Amplified Bible
20:9 Those who had been hired at the eleventh hour (5:00 p.m.) came and received a denarius each [a day’s wage].
† 細き聲 聖書研究ノート
<かくて五時ごろに雇はれしもの來りて、おのおの一デナリを受く>
ぶどう園の主人の命じたように、最後に来た者から賃金が支払われた。午後五時の人はわずか一時間の賃金として一日分の一デナリを受け取った。
<かくて五時ごろに雇はれしもの來りて、おのおの一デナリを受く>
夕刻五時に雇われて、僅かの時間働いた者が最初に呼ばれ、それぞれ「一デナリ」の給金を受け取った。
「一デナリオン δηνάριον デーナリオン」は労働者の一日分の労賃。
「第十一番目の時 (午後五時)に雇われた人々は僅か一時間の仕事をして一日分の労賃を受け取ったのである。
† 心のデボーション
「かくて五時ごろに雇はれしもの來りて、おのおの一デナリを受く」 マタイ20:9 大正文語訳聖書
「そこで、五時ごろに雇われた人たちが来て、一デナリオンずつ受け取った」 新共同訳聖書
「僅かの仕事をしたにすぎません」
「午後五時の人」は与えられた報酬に驚いたろう。天では僅かの仕事にも「完全な酬い」がある。これを受けた人たちは誰もが「わたしは僅かなことをしたにすぎません」という。
† 心のデボーション
「かくて五時ごろに雇はれしもの來りて、おのおの一デナリを受く」 マタイ20:9 大正文語訳聖書
「そこで、五時ごろに雇われた人たちが来て、一デナリオンずつ受け取った」 新共同訳聖書
「えこ贔屓」
「依怙贔屓」の「依怙」は「頼りにするもの」の意味で、「贔屓」は龍が生んだ九頭の神獣・竜生九子の一つで、姿は亀に似た伝説の生物である。重きを負うことを好み、石柱や石碑を背に乗せている。
神は平等ではなく、「えこ贔屓」なさる。最後の者である私を「負って」歩まれる。
† 心のデボーション
「かくて五時ごろに雇はれしもの來りて、おのおの一デナリを受く」 マタイ20:9 大正文語訳聖書
「そこで、五時ごろに雇われた人たちが来て、一デナリオンずつ受け取った」 新共同訳聖書
「後回し」
順番が後回しされることほど腹立たしいことはない。しかし、天国では後から来た者が先に受け取り、先に来た者は最後に回される。だが、彼らは待つ間、先に受けた者のうれしそうな顔が見られる。それも報酬の一部だろうか。
† 心のデボーション
「かくて五時ごろに雇はれしもの來りて、おのおの一デナリを受く」 マタイ20:9 大正文語訳聖書
「そこで、五時ごろに雇われた人たちが来て、一デナリオンずつ受け取った」 新共同訳聖書
「思わぬ報酬」
思わぬ報酬を受けるのは嬉しい。主はいつもそうやって私を驚かされる。「何故私のような者に」とは言わず、ただ、子どものように喜ぶ。
† 細き聲 説教
「共に喜ぶ」
「かくて五時ごろに雇はれしもの來りて、おのおの一デナリを受く」 マタイ20:9 大正文語訳聖書
「そこで、五時ごろに雇われた人たちが来て、一デナリオンずつ受け取った」 新共同訳聖書
ぶどう園の主人の命じたように、賃金が支払われた
夕刻五時に雇われて、僅か一時間働いた者が最初に呼ばれ、それぞれ「一デナリ」の給金を受け取った。
「一デナリオン δηνάριον デーナリオン」は労働者の一日分の労賃。
「第十一番目の時 (午後五時)に雇われた人々」は僅か一時間の仕事をして一日分の労賃を受け取ったのである。
「最後にぶどう園に来た人」は自分に「報酬」が支払われると知ることだけで喜んだろう。まして、実際に渡された「報酬」をみて心底驚いた。なんと、それは人が一日働いて得る金額だったからだ。
私は、自分が主から「報酬」が支払われることが信じられない。ましてや、私が、普通の人と同じ報酬を受けることなど、なおさらのことではないか?
しかし、人が主から受ける「報酬」は、いつも「思わぬ額」である。
主はいつもそうやって私を驚かされる。「何故私のような者に」とは言わず、ただ、子どものように喜ぶ。
さらに驚くのは、五時の人に続いて、三時の人にも、正午の人にも、同じように「一デナリ」が支払われたことである。五時の人、三時の人にも、正午の人は、労働時間に差があるにもかかわらず、それぞれに一日分の賃金が支払われたことを不満に思わなかったことである。彼らはみな肩を抱いて喜んだ。
後から来た者が先に来た自分と同じ報酬を受けるのをみて喜ぶことができるのも、彼らが受けた報酬の一部だった。
(皆川誠)
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