† 福音書縦観 「偉い者」 マタイ18:1~5
マタイ18:1~5 マルコ9:33~37 ルカ9:46~48
マタイ18:1~5
Matt.18:2すると、(イエスは彼らの心の思いを見抜き ルカ9:47 イエスはすわって十二弟子を呼び、そして言われた、「だれでも一ばん先になろうと思うならば、一ばんあとになり、みんなに仕える者とならねばならない」。 マルコ9:35)イエスは幼な子を呼び寄せ、彼らのまん中に立たせて(それを抱いて言われた マルコ9:36)言われた、 口語訳聖書
† 日本語訳聖書 Matt.18:2
【漢訳聖書】
Matt.18:2 耶穌召一孩提、立於其中、
【明治元訳】
Matt.18:2 イエスを召(よび)かれらの中(なか)に立(たて)て
【大正文語訳】
Matt.18:2 イエス幼兒を呼び、彼らの中に置きて言ひ給ふ
【ラゲ訳】
Matt.18:2 イエズス一人の幼兒を召寄せ、彼等の眞中に立たせて、
【口語訳】
Matt.18:2 すると、イエスは幼な子を呼び寄せ、彼らのまん中に立たせて言われた、
【新改訳改訂3】
Matt.18:2 そこで、イエスは小さい子どもを呼び寄せ、彼らの真ん中に立たせて、
【新共同訳】
Matt.18:2 そこで、イエスは一人の子供を呼び寄せ、彼らの中に立たせて、
【バルバロ訳】
Matt.18:2 イエズスは一人の子どもを呼んで、真ん中に立たせて言われた。
【フランシスコ会訳】
Matt.18:2 イエスは幼子を呼び寄せて、弟子たちの真ん中に立たせ、
【日本正教会訳】
Matt.18:2 イイスス幼兒を召して、彼等の中に立てて
【塚本虎二訳】
Matt.18:2 イエスはひとりの子供を呼びよせ、彼らの真中に立たせて
【前田護郎訳】
Matt.18:2 するとひとりの子どもを呼んで彼らの間に置いていわれた、
【永井直治訳】
Matt.18:2 乃ちイエス〔哨人の〕幼兒を召し、これを彼等の眞中に立て、
【詳訳聖書】
Matt.18:2 するとイエスはひとりの幼子を呼び、彼を彼らのまん中に置いて、
† 聖書引照 Matt.18:2
Matt.18:2 イエス幼兒を呼び、彼らの中に置きて言ひ給ふ
[イエス幼兒を呼び、彼らの中に置きて言ひ給ふ] マタ19:13,14; Ⅰ列王3:7; エレ1:7; マル9:36,37
† ギリシャ語聖書 Matt.18:2
Stephens 1550 Textus Receptus
και προσκαλεσαμενος ο ιησουσ παιδιον εστησεν αυτο εν μεσω αυτων
Scrivener 1894 Textus Receptus
και προσκαλεσαμενος ο ιησουσ παιδιον εστησεν αυτο εν μεσω αυτων
Byzantine Majority
και προσκαλεσαμενος ο ιησουσ παιδιον εστησεν αυτο εν μεσω αυτων
Alexandrian
και προσκαλεσαμενος παιδιον εστησεν αυτο εν μεσω αυτων
Hort and Westcott
και προσκαλεσαμενος παιδιον εστησεν αυτο εν μεσω αυτων
† ギリシャ語聖書 品詞色分け
Matt.18:2
καὶ προσκαλεσάμενος παιδίον ἔστησεν αὐτὸ ἐν μέσῳ αὐτῶν
† ヘブライ語聖書 Matt.18:2
Matt.18:2
יֵשׁוּעַ קָרָא אֵלָיו יֶלֶד, הֶעֱמִידוֹ בֵּינֵיהֶם
† ラテン語聖書 Matt.18:2
Latin Vulgate
Matt.18:2
Et advocans Iesus parvulum, statuit eum in medio eorum,
And Jesus, calling to himself a little child, placed him in their midst.
† 私訳(詳訳)Matt.18:2
【私訳】 「そこで、彼〔イエス〕は幼子を呼び寄せ、彼ら〔弟子たち〕の真中に立たせて」
† 新約聖書ギリシャ語語句研究
Matt.18:2
καὶ προσκαλεσάμενος παιδίον ἔστησεν αὐτὸ ἐν μέσῳ αὐτῶν
【そこで】 καὶ καί カイ kai {kahee} (ch 接続詞・完)
1)~と、~も、そして 2)~さえ、でさえも 3)しかし 4)しかも、それは 5)それでは、それだのに 6)そうすれば、すなわち 7)のみならず、もまた
(G2532 καί Apparently a primary particle, having a copulative and sometimes also a cumulative force; and, also, even, so, then, too, etc.; often used in connection (or composition) with other particles or small words: – and, also, both, but, even, for, if, indeed, likewise, moreover, or, so, that, then, therefore, when, yea, yet. Internet Sacred Text Archive)
【幼子を】 παιδίον παιδίον パイディオン paidion {pahee-dee‘-on} (n-nn-s 名詞・対中単)
1)小さな子ども、生まれたての子、幼児、幼子 2)少年、少女 3)しもべ、奴隷
「παῖς 子ども」の指小詞
(G3813 παιδίον Neuter diminutive of 3816 a childling (of either sex), that is, (properly) an infant, or (by extension) a half grown boy or girl; figuratively an immature Christian: – (little, young) child, damsel. Internet Sacred Text Archive)
マタ2:8,9,11,13,14,20,21; マル5:39; 9:24,36,37; 10:15; ルカ9:47,48; 18:17; ヨハ4:49 etc
【呼び寄せ】 προσκαλεσάμενος προσκαλέομαι プロスカれオマイ proskaleomai {pros-kal-eh‘-om-ahee} (vpadnm-s 分詞・1アオ能欠主男単)
< πρός 向かって + καλέω 呼ぶ
1)自らのもとに呼び寄せる 2)招く、召す、召還する 3)呼び集める、呼びつける、呼び出す、呼び入れる
(G4341 προσκαλέομαι Middle voice from 4314 and 2564 to call toward oneself, that is, summon, invite: – call (for, to, unto). Internet Sacred Text Archive)
マタ10:1; 15:32; マル3:13; 6:7; 8:1; 使徒2:39; 13:2; 16:10; etc.
【彼らの】 αὐτῶν αὐτός アウトス autos {ow-tos‘} (npgn3p 代名詞・属男3)
1)彼、彼女、それ(三人称の代名詞) 2)自身で、自分から、自分として(強調用法) 3)同じ同一の 4)まさに、ちょうど
(G846 αὐτός From the particle αὖ au (perhaps akin to the base of 109 through the idea of a baffling wind; backward); the reflexive pronoun self, used (alone or in the compound of 1438 of the third person, and (with the proper personal pronoun) of the other persons: – her, it (-self), one, the other, (mine) own, said, ([self-], the) same, ([him-, my-, thy-]) self, [your-] selves, she, that, their (-s), them ([-selves]), there [-at, -by, -in, -into, -of, -on, -with], they, (these) things, this (man), those, together, very, which. Compare 848. Internet Sacred Text Archive)
【真中に】 ἐν μέσῳ
ἐν ἐν エン en {en} (pd 前置詞・属)
1)~の中に、~の間に 2)~の上に 3)ところに、のそばに 4)で 3)よって 5)に
(G1722 ἐν A primary preposition denoting (fixed) position (in place, time or state), and (by implication) instrumentality (medially or constructively), that is, a relation of rest (intermediate between 1519 and 1537 ; “in”, at, (up-) on, by, etc.: – about, after, against, + almost, X altogether, among, X as, at, before, between, (here-) by (+ all means), for (. . . sake of), + give self wholly to, (here-) in (-to, -wardly), X mightily, (because) of, (up-) on, [open-] ly, X outwardly, one, X quickly, X shortly, [speedi-] ly, X that, X there (-in, -on), through (-out), (un-) to(-ward), under, when, where (-with), while, with (-in). Often used in compounds, with substantially the same import; rarely with verbs of motion, and then not to indicate direction, except (elliptically) by a separate (and different) prep. Internet Sacred Text Archive)
μέσῳ μέσος メソス mesos {mes‘-os} (ap-dn-s 指示詞・中単)
1)真中に(の) 2)中央の 3)中間の 4)中の
(G3319 μέσος From 3326 middle (as adjective or [neuter] noun): – among, X before them, between, + forth, mid [-day, -night], midst, way.)
【立たせて】 ἔστησεν ἵστημι ヒステーミ histēmi {his‘-tay-mee} (viaa–3s 動詞・直・1アオ・能・3)
1)立つ、立ち止まる、立たせる、直立する 2)生起させる、立てる 3)置く、据える、配置する 4)現われる 5)確立する、すえる 6)負わせる、任命する
(G2476 ἵστημι A prolonged form of a primary word στάω staō (of the same meaning, and used for it in certain tenses); to stand (transitively or intransitively), used in various applications (literally or figuratively): – abide, appoint, bring, continue, covenant, establish, hold up, lay, present, set (up), stanch, stand (by, forth, still, up). Compare 5087. Internet Sacred Text Archive)
† 英語訳聖書 Matt.18:2
King James Version
18:2 And Jesus called a little child unto him, and set him in the midst of them,
New King James Version
18:2 Then Jesus called a little child to Him, set him in the midst of them,
American Standard Version
18:2 And he called to him a little child, and set him in the midst of them,
New International Version
18:2 He called a little child and had him stand among them.
Bible in Basic English
18:2 And he took a little child, and put him in the middle of them,
Today’s English Version
18:2 So Jesus called a child to come and stand in front of them,
Darby’s English Translation
18:2 And Jesus having called a little child to him, set it in their midst,
Douay Rheims
18:2 And Jesus calling unto him a little child, set him in the midst of them,
Noah Webster Bible
18:2 And Jesus called a little child to him, and set him in the midst of them,
Weymouth New Testament
18:2 So He called a young child to Him, and, bidding him stand in the midst of them,
World English Bible
18:2 Jesus called a little child to himself, and set him in the midst of them,
Young’s Literal Translation
18:2 And Jesus having called near a child, did set him in the midst of them,
Amplified Bible
18:2 He called a little child and set him before them,
† 細き聲 聖書研究ノート
<イエス幼兒を呼び、彼らの中に置きて言ひ給ふ>
弟子たちが「大いなる者とは誰か?」と問うとイエスは「幼子」を呼び寄せられて、弟子たちの問いに答えられた。
<幼子を招かれる主>
イエスは「天の国で誰が偉大か」との問いに幼子を招かれる。
「幼子 παιδίον パイディオン」は「παῖς 子ども」の指小詞で、「小さな子ども、幼児」である。
イエスは幼子を呼び寄せ、腕に抱かれて(マルコ9:36)、弟子たちのまん中に立たせられた。
イエスは幼な子を呼び寄せ、彼らのまん中に立たせて(それを抱いて言われた マルコ9:36)言われた。
天の国で「大いなる者」とは「神の掟」を「守り、そうするようにと教える者」である。(マタイ5:19) 逆に、それを破り、また破るようにと教える者は天の国で「小さき者」と呼ばれる。
<アンテオケのイグナティウス>
このとき、イエスが抱かれた子どもは使徒教父の一人で、ローマで獣と戦う刑により殉教した「アンテオケのイグナティウス(67~110)」であるという伝説が生まれた。それはイグナティウスの姓が「ティオフロ」で「神に抱かれた者」の意味から来ているという。また、子どもはペテロの子であるという伝説もある。(バークレイは「ペテロの子」は「ありそうなこと」とする。バークレイ「マタイ福音書」)
† 心のデボーション
「イエス幼兒を呼び、彼らの中に置きて言ひ給ふ」 マタイ18:2 大正文語訳聖書
「そこで、イエスは小さい子どもを呼び寄せ、彼らの真ん中に立たせて」 新改訳聖書
「偉大な教師」
イエスは「小さい子ども」を呼び寄せ、腕に抱かれて、弟子たちの真ん中に立たせられた。
我々は「子ども」を見ることを忘れていることがある。幼子を真ん中に立たせよ。幼子は偉大な教師である。
† 心のデボーション
「イエス幼兒を呼び、彼らの中に置きて言ひ給ふ」 マタイ18:2 大正文語訳聖書
「そこで、イエスは小さい子どもを呼び寄せ、彼らの真ん中に立たせて」 新改訳聖書
「内なる子どもを抱く」
誰のうちにも「子ども」がいる。イエスがされたように、「内なる子ども」を腕に抱け。人から瑞々しい感性が失われるのは内なる子どもが放置されているためかもしれない。
イエスのように「内なる子ども」を胸に抱け。「内なる子ども」の顔を悲しみにくもらせてはいけない。
† 細き聲 説教
「内なる幼子」
「イエス幼兒を呼び、彼らの中に置きて言ひ給ふ」 マタイ18:2 大正文語訳聖書
「そこで、イエスは小さい子どもを呼び寄せ、彼らの真ん中に立たせて」 新改訳聖書
弟子たちが「大いなる者とは誰か?」と問うとイエスは「幼子」を呼び寄せられて、弟子たちの問いに答えられた。
イエスは「天の国で誰が偉大か」との問いに幼子を招かれる。
「幼子 παιδίον パイディオン」は「παῖς 子ども」の指小詞で、「小さな子ども、幼児」である。
イエスは幼子を呼び寄せ、腕に抱かれて(マルコ9:36)、弟子たちのまん中に立たせられた。
イエスは幼な子を呼び寄せ、彼らのまん中に立たせて(それを抱いて言われた マルコ9:36)言われた。
このとき、イエスが抱かれた子どもは使徒教父の一人で、ローマで獣と戦う刑により殉教した「アンテオケのイグナティウス(67~110)」であるという伝説が生まれた。それはイグナティウスの姓が「ティオフロ」で「神に抱かれた者」の意味から来ているという。また、子どもはペテロの子であるという伝説もある。(バークレイは「ペテロの子」は「ありそうなこと」とする。バークレイ「マタイ福音書」)
人が「幼子」から学ぶものは少なくない。「幼子」は神について多くを知っているのかもしれない。
誰にが「幼子」から自己を始めた。しかし、時を経るにつれ「幼子」の記憶が失われていく。
「内なる幼子」を取り戻すことが、神に近ずく道である。
(皆川誠)
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