マタイによる福音書17章27節

マタイによる福音書
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† 福音書縦観 「神殿税」 マタイ17:24~27  

マタイ17:24~27

Matt.17:27しかし、彼らをつまずかせないために、海に行って、つり針をたれなさい。そして最初につれた魚をとって、その口をあけると、銀貨一枚が見つかるであろう。それをとり出して、わたしとあなたのために納めなさい」。 口語訳聖書

† 日本語訳聖書 Matt.17:27 

【漢訳聖書】
Matt.17:27 但恐使之見怕礙、宜往於海垂釣、取先上之魚、啓其口、將得金一餅、取之、而我與爾収於彼焉。

【明治元訳】
Matt.17:27 然(され)どかれらをかせざる爲(ため)に爾(なんぢ)海(うみ)に往(ゆき)て釣(つり)を垂(たれ)よ初(はじめ)につる魚(うを)を取(とり)てその口(くち)を啓(ひら)かば金(きん)一(ひとつ)を得(う)べし其(それ)を取(とり)て我(われ)と爾(なんぢ)の爲(ため)に彼等(かれら)に納(をさめ)よ

【大正文語訳】
Matt.17:27 されど彼らを躓かせぬ爲に、海に往きて釣をたれ、初に上る魚をとれ、其の口をひらかば銀貨一つを得ん、それを取りて我と汝との爲に納めよ』

【ラゲ訳】
Matt.17:27 然れど彼等を躓かせざる為に、汝湖に往きて釣を垂れよ、さて初に上る魚を取りて其口を開かば、スタテル銀貨を得べし、之を取りて我と汝との為に彼等に納めよ、と。

【口語訳】
Matt.17:27  しかし、彼らをつまずかせないために、海に行って、つり針をたれなさい。そして最初につれた魚をとって、その口をあけると、銀貨一枚が見つかるであろう。それをとり出して、わたしとあなたのために納めなさい」。

【新改訳改訂3】
Matt.17:27  しかし、彼らにつまずきを与えないために、湖に行って釣りをして、最初に釣れた魚を取りなさい。その口をあけるとスタテル一枚が見つかるから、それを取って、わたしとあなたとの分として納めなさい。」

【新共同訳】
Matt.17:27  しかし、彼らをつまずかせないようにしよう。湖に行って釣りをしなさい。最初に釣れた魚を取って口を開けると、銀貨が一枚見つかるはずだ。それを取って、わたしとあなたの分として納めなさい。」

【バルバロ訳】
Matt.17:27 だが、彼らをつまずかせぬようにしよう。あなたは海に行って釣糸をたれ、最初に上がる魚を取り、その口を開けてスタテル貨を見つける。私とあなたのために、その金で彼らに税を納めよ」と言われた。

【フランシスコ会訳】
Matt.17:27 しかし、彼らをつまずかせないようにしよう。湖に行って釣り糸を垂れなさい。最初に釣れた魚を取って、その口を開けると、スタテル銀貨が一枚入っている。それを取って、わたしとあなたの分として彼らに与えなさい」。

【日本正教会訳】
Matt.17:27 然れども我等が彼等を惑さざらん爲に、爾海に往きて、釣を埀れよ、初に上る魚を取りて、其口を啓かば、「スタティル」を得ん、之を取りて、我と爾との爲に彼等に與へよ。

【塚本虎二訳】
Matt.17:27 しかし人々をつまずかせないため、湖に出かけていって釣針を垂れよ。最初に釣れた魚を取って口をあけるとスタテル銀貨(二千円)が一つあるから、それを取って、わたしとあなたの分として取立て人に渡しなさい。」

【前田護郎訳】
Matt.17:27 しかし、彼らをつまずかせぬために、湖へ行って釣針を投げ、かかった最初の魚をとれ。その口を開くとスタテル銀貨が見つかろう。それを取って、わたしとあなたの分として彼らに与えよ」と。

【永井直治訳】
Matt.17:27 されど彼等を躓かしめざるために、海に往きて釣針を投げよ、かくて一番に揚りし魚を取れ。かくてその口を開かば、汝は一スタテルを見出だすべし。それを取りて我と汝とのために彼等に與へよ。

【詳訳聖書】
Matt.17:27 けれども、彼らを怒らせない<つまずかせない>ように<すなわち、彼らが好意のない不正なさばきをしないように>、湖に降りて行って、釣りをしなさい。そして最初に釣り上げた魚を取りなさい。その口をあけると、そこにシケルがあるから、それを取って、私とあなたのための神殿税を払うために彼らに与えなさい」。

† 聖書引照 Matt.17:27 

Matt.17:27 されど彼らを躓かせぬ爲に、海に往きて釣をたれ、初に上る魚をとれ、其の口をひらかば銀貨一つを得ん、それを取りて我と汝との爲に納めよ』

[されど彼らを躓かせぬ爲に、海に往きて釣をたれ]  マタ15:12~14; ロマ14:21; 15:1~3; Ⅰコリ8:9,13; 9:19~2; 10:32,33; Ⅱコリ6:3; Ⅰテサ5:22; テト2:7,8
[初に上る魚をとれ]  創世1:28; Ⅰ列王17:4; 詩篇8:8; ヨハ1:17; 2:10; ヘブ2:7,8
[其の口をひらかば銀貨一つを得ん]  a piece of money   ‘Or, a stater, half an ounce of silver, value 2s. 6d., after 5s. the ounce.’
[それを取りて我と汝との爲に納めよ]  Ⅱコリ8:9; ヤコ2:5

† ギリシャ語聖書 Matt.17:27 

Stephens 1550 Textus Receptus
ινα δε μη σκανδαλισωμεν αυτους πορευθεις εις την θαλασσαν βαλε αγκιστρον και τον αναβαντα πρωτον ιχθυν αρον και ανοιξας το στομα αυτου ευρησεις στατηρα εκεινον λαβων δος αυτοις αντι εμου και σου

Scrivener 1894 Textus Receptus 
ινα δε μη σκανδαλισωμεν αυτους πορευθεις εις την θαλασσαν βαλε αγκιστρον και τον αναβαντα πρωτον ιχθυν αρον και ανοιξας το στομα αυτου ευρησεις στατηρα εκεινον λαβων δος αυτοις αντι εμου και σου

Byzantine Majority
ινα δε μη σκανδαλισωμεν αυτους πορευθεις εις την θαλασσαν βαλε αγκιστρον και τον αναβαινοντα πρωτον ιχθυν αρον και ανοιξας το στομα αυτου ευρησεις στατηρα εκεινον λαβων δος αυτοις αντι εμου και σου

Alexandrian
ινα δε μη σκανδαλισωμεν αυτους πορευθεις εις θαλασσαν βαλε αγκιστρον και τον αναβαντα πρωτον ιχθυν αρον και ανοιξας το στομα αυτου ευρησεις στατηρα εκεινον λαβων δος αυτοις αντι εμου και σου

Hort and Westcott 
ινα δε μη σκανδαλισωμεν αυτους πορευθεις εις θαλασσαν βαλε αγκιστρον και τον αναβαντα πρωτον ιχθυν αρον και ανοιξας το στομα αυτου ευρησεις στατηρα εκεινον λαβων δος αυτοις αντι εμου και σου

† ギリシャ語聖書 品詞色分け 

Matt.17:27

ἵνα δὲ μὴ σκανδαλίσωμεν αὐτούςπορευθεὶς εἰς θάλασσαν βάλε ἄγκιστρον καὶ τὸν ἀναβάντα πρῶτον ἰχθὺν ἆρονκαὶ ἀνοίξας τὸ στόμα αὐτοῦ εὑρήσεις στατῆρα· ἐκεῖνον λαβὼν δὸς αὐτοῖς ἀντὶ ἐμοῦ καὶ σοῦ.

† ヘブライ語聖書 Matt.17:27 

Matt.17:27

אֲבָל כְּדֵי שֶׁלֹּא נִהְיֶה לָהֶם לְמִכְשׁוֹל, לֵךְ אֶל הַיָּם, הַשְׁלֵךְ חַכָּה וְקַח אֶת הַדָּג שֶׁיַּעֲלֶה רִאשׁוֹנָה. כְּשֶׁתִּפְתַּח אֶת פִּיו תִּמְצָא מַטְבֵּעַ; קַח אוֹתוֹ וְתֵן לָהֶם בַּעֲדִי וּבַעַדְךָ

† ラテン語聖書 Matt.17:27 

Latin Vulgate 
17:27  本節は17:26に含まれている。

† 私訳(詳訳)Matt.17:27 

【私訳】 「しかし、彼らをつまずかせないために、湖に行って、釣り針を投げ込みなさい。そして、最初に釣れた魚を取って、その口を開けると、ステタル<ステタル銀貨>が見つかるので、それを取って私とあなたの分として彼らに与え<納め>なさい」

† 新約聖書ギリシャ語語句研究 

Matt.17:27

ἵνα δὲ μὴ σκανδαλίσωμεν αὐτούς, πορευθεὶς εἰς θάλασσαν βάλε ἄγκιστρον καὶ τὸν ἀναβάντα πρῶτον ἰχθὺν ἆρον, καὶ ἀνοίξας τὸ στόμα αὐτοῦ εὑρήσεις στατῆρα· ἐκεῖνον λαβὼν δὸς αὐτοῖς ἀντὶ ἐμοῦ καὶ σοῦ.

【しかし】 δὲ  δέ  デ de {deh} (ch 接続詞・完)

1)ところで、しかし、さて、そして 2)しかも、そしてまた、なお、すると、また 3)次に、さらに 4)否、むしろ

(G1161 δέ A primary particle (adversative or continuative); butand, etc.: – also, and, but, moreover, now [often unexpressed in English].  Internet Sacred Text Archive)

【彼らを】 αὐτούς  αὐτός  アウトス autos {ow-tos‘}  (npam3p 代名詞・対男3)

1)彼、彼女、それ(三人称の代名詞) 2)自身で、自分から、自分として(強調用法) 3)同じ同一の 4)まさに、ちょうど

(G846 αὐτός From the particle αὖ au (perhaps akin to the base of 109 through the idea of a baffling wind; backward); the reflexive pronoun self, used (alone or in the compound of 1438 of the third person, and (with the proper personal pronoun) of the other persons: – her, it (-self), one, the other, (mine) own, said, ([self-], the) same, ([him-, my-, thy-]) self, [your-] selves, she, that, their (-s), them ([-selves]), there [-at, -by, -in, -into, -of, -on, -with], they, (these) things, this (man), those, together, very, which. Compare 848.   Internet Sacred Text Archive)

【つまずかせ】 σκανδαλίσωμεν  σκανδαλίζω  スカンダリゾー  skandalizō {skan-dal-id‘-zo} (vsaa–1p 動詞・仮・1アオ・能・1複)

< σκάνδαλον 罠の餌をつける棒(鳥獣をひっかけて生け捕りにする罠のこと)、道に邪魔物をおく

1)つまずかせる、道にわなをしかける、わなにかける、わなに落とす、躓きの石を置く 2)罪を犯させる 3)罪の誘惑、罪に誘う 4)不快を与える、気を悪くする

英語 「scandal スキャンダル 恥ずべきこと」はギリシャ語「σκανδαλίζω スカンダリゾー 罠」が語源。自分で引き起こすというよりも、他人がしかけた罠によって信用を失墜させられること。

(G4624  σκανδαλίζω To “scandalize”; from 4625 to entrap, that is, trip up (figuratively stumble [transitively] or entice to sin, apostasy or displeasure): – (make to) offend.  Internet Sacred Text Archive)

マタ5:29,30; 11:6; 13:21,57; 15:12; 17:27; 18:6,8,9; 24:10; 26:31,33:  マル4:17; 6:3; 9:42,43,45,47; 14:27,39;  ルカ7:23; 17:2;  ヨハ6:61; 16:1 etc.

【ない】 μὴ  μή メー  mē {may} (qn 不変化詞・否定)

1)~ない

(G3361 μή A primary particle of qualified negation (whereas 3756 expresses an absolute denial); (adverbially) not, (conjugationally) lest; also (as interrogitive implying a negative answer [whereas 3756 expects an affirmative one]); whether: – any, but, (that), X forbear, + God forbid, + lack, lest, neither, never, no (X wise in), none, nor, [can-] not, nothing, that not, un [-taken], without. Often used in compounds in substantially the same relations. See also 3362 3363 3364 3372 3373 3375 3378.   Internet Sacred Text Archive)

【ために】 ἵνα  ἵνα ヒナ hina {hin‘-ah} (cs 接続詞・従)

1)そこに(へ) 2)~するために 3)~する事を 4)~ので 5)という事は 6)~であるところの 7)~するように 8)すなわち

(G2443  ἵνα Probably from the same as the former part of 1438 (through the demonstrative idea; compare 3588 ; in order that (denoting the purpose or the result): – albeit, because, to the intent (that), lest, so as, (so) that, (for) to. Compare 3363.   Internet Sacred Text Archive)

【湖】 θάλασσαν  θάλασσα  たらスサ  thalassa {thal‘-as-sah} (n-af-s 名詞・対女単)

1)海、湖 2)海洋、湖水、海水、塩井 3)紅海 4)地中海

(G2281 θάλασσα Probably prolonged from 251 the sea (generally or specifically): – sea.  Internet Sacred Text Archive)

マタ4:15,18; 8:24,26,27,32; 13:1,47; 14:25,26; 15:26; 17:27; 18:6; 21:21; 23:15; etc.

【に】 εἰς  εἰς エイス  eis {ice}  (pa 前置詞・対)

1)~の中へ 2)~へ 3)~まで 4)~のために 5)~に対して 6)~に向かって 7)~を目標にして 8)の間に

(G1519 εἰς  A primary preposition; to or into (indicating the point reached or entered), of place, time, or (figuratively) purpose (result, etc.); also in adverbial phrases.: – [abundant-] ly, against, among, as, at, [back-] ward, before, by, concerning, + continual, + far more exceeding, for [intent, purpose],  fore, + forth, in (among, at unto, -so much that, -to), to the intent that, + of one mind, + never, of, (up-) on, + perish, + set at one again, (so) that, therefore (-unto),throughout, till, to (be, the end, -ward), (here-) until (-to), . . . ward, [where-] fore, with. Often used in composition with the same general import, but only with verbs (etc.) expressing motion (literallyor figuratively.  Internet Sacred Text Archive)

【行って】 πορευθεὶς  πορεύομαι ポレウオマイ  poreuomai {por-yoo‘-om-ahee} (vraonm2s 動詞・命・1アオ・能欠・2単)

< πόρος 徒渉できる浅瀬、渡し

1)進ませる、歩かせる 2)渡す、越えていく、通り過ぎる 3)旅する、旅に出る、行く、歩く、進む、旅を続ける、~から去る 4)生きる、日を過ごす 5)去る、逝く、死ぬ

(G4198 πορεύομαι Middle voice from a derivative of the same as 3984 to traverse, that is, travel (literally or figuratively; especially to remove [figuratively die], live, etc.): – depart, go (away, forth, one’s way, up), (make a, take a) journey, walk.  Internet Sacred Text Archive)

マタ2:8; 17:27; 19:15; 24:1; 25:41;  マル16:12; ルカ1:39; 2:41; 4:42; 13:31; 22:39;  使徒8:39 etc.

【釣り針を】 ἄγκιστρον  ἄγκιστρον  アンキㇲㇳロン agkistron {ang‘-kis-tron} (n-an-s 名詞・対中単)

1)釣り針

(G44  ἄγκιστρον From the same as 43 a hook (as bent): – hook.  Internet Sacred Text Archive)

マタ17:27;

【投げ込みなさい】 βάλε  βάλλω  バるろー  ballō {bal‘-lo} (vmaa–2s 動詞・命・2アオ・能・2単)

1)投げる、投げつける、投じる、投げ捨てる、落とす 2)撒く、ふりかける 3)打つ 4)突進する、ぶつかる 5)置く、入れる、横たえる 6)注ぐ 7)納める

(元来、武器や飛び道具を投げること)

(G906 βάλλω A primary verb; to throw (in various applications, more or less violent or intense): – arise, cast (out), X dung, lay, lie, pour, put (up), send, strike, throw (down), thrust. Compare 4496.Internet Sacred Text Archive)

マタ3:10; 4:6; 5:29; 6:30; 7:6,19; 13:42,50; 18:8,9;  マル9:22,42,45,47,12:41,42,43,44;  ルカ3:9; 4:9; 12:28,58; 21:1,2,3,4;  ヨハ15:6 etc.

【そして】 καὶ  καί カイ kai {kahee} (cc 接続詞・等位)

1)~と、~も、そして 2)~さえ、でさえも 3)しかし 4)しかも、それは 5)それでは、それだのに 6)そうすれば、すなわち 7)のみならず、もまた

(G2532 καί Apparently a primary particle, having a copulative and sometimes also a cumulative force; andalsoevensothentoo, etc.; often used in connection (or composition) with other particles or small words: – and, also, both, but, even, for, if, indeed, likewise, moreover, or, so, that, then, therefore, when, yea, yet.  Internet Sacred Text Archive)

【最初に】 πρῶτον  πρῶτος  プロートス  prōtos {pro‘-tos} (abo/a-oam-s 副詞・序 /序・対男単)

1)(順序)第一の、第一に 2)(時間、程度、段階などについて)第一の、第一に 3)まず、先に、最初に、最初の、真先の、初めの、初めに 4)最高の、主要の

(G4413  πρῶτος  Contracted superlative of 4253 foremost (in time, place, order or importance): – before, beginning, best, chief (-est), first (of all), former.  Internet Sacred Text Archive)

【釣れた】 ἆρον  αἴρω   アイロー   airō {ah‘ee-ro} (vmaa–2s 動詞・命・1アオ・能・2単)

1)上へあげる、持ち上げる、引き上げる、拾い上げる 2)抱き上げる、差し上げる 3)取り上げる、下から持ち上げて支える、持ち上げて運ぶ、運ぶ、持って行く、移す、携行する、携える 4)支える、背負う、担ぐ、負う 5)取り除く、除去する、捨て去る、さらっていく、取り上げる

(G142 αἴρω A primary verb; to lift; by implication to take up or away; figuratively to raise (the voice), keep in suspense (the mind); specifically to sail away (that is, weigh anchor); by Hebraism (compare [5375 ) to expiate sin: – away with, bear (up), carry, lift up, loose, make to doubt, put away, remove, take (away, up).  Internet Sacred Text Archive)

マタ4:6; 13:12; 14:12; 17:27; 20:14; 21:43; 21:17,18; 25:28,29;  マル2:9,11; 4:25; 6:29; 13:15,16; 15:24; etc.

【魚を】 ἰχθὺν  ἰχθύς  イくとゆス  ichthus {ikh-thoos‘} (n-am-s 名詞・対男単)

1)魚

(G2486  ἰχθύς Of uncertain affinity; a fish: – fish.  Internet Sacred Text Archive)

マタ7:10; 14:17,19; 15:36; 17:27;  マル6:38,41,43;  ルカ5:6,9; 9:13,16; 11:11; 24:42;  ヨハ21:6,8,11;  Ⅰコリ15:39

【取って】 ἀναβάντα  ἀναβαίνω   アナバイノー anabainō {an-ab-ah‘ee-no } (vpaaam-s 分詞・1アオ能対男単)

< ἀνά 上に + βαίνω 歩を進める、歩む

1)登る、あがる、昇る、上にあがる 2)(ある結果に)なる 2)芽生える、成長する、伸びる 3)(噂などが)広まる 4)思い浮かぶ、思い立つ

(G305  ἀναβαίνω From 303 and the base of 939 to go up (literally or figuratively): – arise, ascend (up), climb (go, grow, rise, spring) up, come (up).  Internet Sacred Text Archive)

マタ13:7;  マル4:7,8,32; 15:8;  ルカ2;42; 24:38;  ヨハ10:1; 21:11;  使徒7:23; 21:31

【そして】 καὶ  καί カイ kai {kahee} (cc 接続詞・等位)

1)~と、~も、そして 2)~さえ、でさえも 3)しかし 4)しかも、それは 5)それでは、それだのに 6)そうすれば、すなわち 7)のみならず、もまた

(G2532 καί Apparently a primary particle, having a copulative and sometimes also a cumulative force; andalsoevensothentoo, etc.; often used in connection (or composition) with other particles or small words: – and, also, both, but, even, for, if, indeed, likewise, moreover, or, so, that, then, therefore, when, yea, yet.  Internet Sacred Text Archive.   Internet Internet Sacred Text Archive)

【その】 αὐτοῦ  αὐτός  アウトス autos {ow-tos‘}  (npgm3s 代名詞・属男3)

1)彼、彼女、それ(三人称の代名詞) 2)自身で、自分から、自分として(強調用法) 3)同じ同一の 4)まさに、ちょうど

(G846 αὐτός From the particle αὖ au (perhaps akin to the base of 109 through the idea of a baffling wind; backward); the reflexive pronoun self, used (alone or in the compound of 1438 of the third person, and (with the proper personal pronoun) of the other persons: – her, it (-self), one, the other, (mine) own, said, ([self-], the) same, ([him-, my-, thy-]) self, [your-] selves, she, that, their (-s), them ([-selves]), there [-at, -by, -in, -into, -of, -on, -with], they, (these) things, this (man), those, together, very, which. Compare 848.   Internet Sacred Text Archive)

【口を】 στόμα  στόμα  ストマ  stoma {stom‘-a}  (n-an-s 名詞・対中単)

1)口  2)先端 3)割れ目 4)刃(血を飲むので口という)

(G4750 στόμα Probably stregthened from a presumed derivative of the base of 5114 the mouth (as if a gash in the face); by implication language (and its relations); figuratively an opening (in the earth); specifically the front or edge (of a weapon): – edge, face, mouth.  Internet Sacred Text Archive)

マタ4:4; 5:2; 12:34; 13:35; 15:11,17,18; 17:27; 18:16; 21:16; etc.

【開けると】 ἀνοίξας  ἀνοίγω   アノイゴー  anoigō {an-oy‘-go} (vpaanm2s 分詞・1アオ能主男2単)

< ἀνά + οἴγω 開く

1)開く、ほどく、弛める、覆いをとる 2)明らかにする 3)(口、心、門、扉などを)開く、開ける 3)船が海にでていく

(G455  ἀνοίγω From 303 and οἴγω oigō (to open); to open up (literally or figuratively, in various applications): – open.  Internet Sacred Text Archive)

マタ2:11; 5:2; 13:35;  マル7:35;  ヨハ9:14; 10:21; 11:37  使徒5:19; 12:10,14; 14:2716:26;  コロ4:3 etc.

【スタテルが】 στατῆρα\  στατήρ  スタテール statēr {stat-air‘} (n-am-s 名詞・対男単)

< ἵστημι 目方を計る

1)ギリシャ銀貨 2)4ドラクマに相当する(2人分の神殿税)スタテル(1スタテル=4ドラクマ)

(G4715 στατήρ From the base of 2746 a stander (standard of value), that is, (specifically) a stater or certain coin: – piece of money.  Internet Sacred Text Archive)

マタ17:27;

【見つかるはずだ】 εὑρήσεις  εὑρίσκω ヘウリスコー  heuriskō {hyoo-ris‘-ko} (vifa–2s 動詞・直・未来・能・2単)

1)見出す、見つける、発見する、尋ね出す 2)探した末に見つける、捜し出す、判明する、見抜く、看破する、認める3)わかる、悟る 3)考え出す 4)手に入れる、獲得する、我がものとする

(G2147 εὑρίσκω A prolonged form of a primary word εὕρω heurō ; which (together with another cognate form, εὑρέω heureō ) is used for it in all the tenses except the present and imperfect; to find (literally or figuratively): – find, get, obtain, perceive, see.  Internet Sacred Text Archive)

マタ1:18;2:8: 7:7,8,14; 8:10; 13:14,46; 24:46;  マル11:2; 14:16;  ルカ2:12; 6:7;7:9; 9:36; 12:37; 17:18;18:8;  ヨハ2:14; 11:17; 18:38; 19:4,6  Ⅱテモ1:17;  Ⅱテモ1:17etc.

【それを】 ἐκεῖνον  ἐκεῖνος エケイノス  ekeinos {ek-i‘-nos} (apdam-s 指示代名詞・対男単)

1)それ 2)かの 3)あれ 4)あの 5)その

(G1565 ἐκεῖνος  From 1563 that one (or [neuter] thing); often intensified by the article prefixed: – he, it, the other (same), selfsame, that (same, very), X their, X them, they, this, those. See also 3778.   Internet Sacred Text Archive)

【取って】 λαβὼν  λαμβάνω らムバノー lambanō {lam-ban‘-o} (vraanm2s 動詞・命・2アオ・能欠・2単)

1)取る、取り去る、捉える、得る、つかむ、つかまえる 2)握る、抱える、自分のものとする 3)奪い去る、取り上げる、引き取る、捕らえる、取り去る、取り立てる

(G2983 λαμβάνω A prolonged form of a primary verb, which is used only as an alternate in certain tenses; to take (in very many applications, literally and figuratively [probably objective or active, to get hold of; whereas 1209 is rather subjective or passive, to have offered to one; while 138 is more violent, to seize or remove]): – accept, + be amazed, assay, attain, bring, X when I call, catch, come on (X unto), + forget, have, hold, obtain, receive (X after), take (away, up).  Internet Sacred Text Archive)

マタ5:40; 10:38; 13:31,33; 16:19; 15:26;,36; 17:25;,27; 25:1,3; 26:26,27,52; 27:6,9,24,30,48,59; 28:15 etc.

【私】 ἐμοῦ  ἐμός エモス  emos {em-os’}  (npg-1s 代名詞・属1単)

1)わたしの 2)わたしのもの

(G1700  ἐμοῦ  A prolonged form of 3449 of me: – me, mine, my.  Internet Sacred Text Archive)

【と】 καὶ  καί カイ kai {kahee} (cc 接続詞・等位)

1)~と、~も、そして 2)~さえ、でさえも 3)しかし 4)しかも、それは 5)それでは、それだのに 6)そうすれば、すなわち 7)のみならず、もまた

(G2532 καί Apparently a primary particle, having a copulative and sometimes also a cumulative force; andalsoevensothentoo, etc.; often used in connection (or composition) with other particles or small words: – and, also, both, but, even, for, if, indeed, likewise, moreover, or, so, that, then, therefore, when, yea, yet.  Internet Sacred Text Archive)

【あなたの】 σοῦ  σύ スゆ sou {soo} (npg-2s 代名詞・属2単)

1)あなた 2)汝 3)君

(G4771 σύ The personal pronoun of the second person singular; thou: – thou. See also 4571 4671 4675 and for the plur. 5209 5210 5213 5216.   Internet Sacred Text Archive)

【分として】 ἀντὶ  ἀντί   アンティ anti {an-tee‘} (pg 前置詞・属)

1)の代わりに、に代わって、~のために、ゆえに 2)~と交換して、~の代償として、~の報いとして 3)反対、相互、敵対、報い

(G473  ἀντί A primary particle; opposite, that is, instead or because of (rarely in addition to): – for, in the room of. Often used in composition to denote contrastrequitalsubstitutioncorrespondence, etc.  Internet Sacred Text Archive)

マタ2:22; 5:38; 17:27; 20:28;  マル10:45;  ルカ1:20; 11:11; 12:3; 19:44;  ヨハ1:16 etc.

【彼らに】 αὐτοῖ  αὐτός  アウトス autos {ow-tos‘}  (npdm3p 代名詞・与男3)

1)彼、彼女、それ(三人称の代名詞) 2)自身で、自分から、自分として(強調用法) 3)同じ同一の 4)まさに、ちょうど

(G846 αὐτός From the particle αὖ au (perhaps akin to the base of 109 through the idea of a baffling wind; backward); the reflexive pronoun self, used (alone or in the compound of 1438 of the third person, and (with the proper personal pronoun) of the other persons: – her, it (-self), one, the other, (mine) own, said, ([self-], the) same, ([him-, my-, thy-]) self, [your-] selves, she, that, their (-s), them ([-selves]), there [-at, -by, -in, -into, -of, -on, -with], they, (these) things, this (man), those, together, very, which. Compare 848.   Internet Sacred Text Archive)

【与えなさい】 δὸς  δίδωμι  ディドーミ  didōmi {did‘-o-mee} (vmaa–2s 動詞・命・2アオ・能・2単)

1)与える、あげる、差し出す、提供する、分け与える、賜う、施す、支払う 2)捧げる、供え る、提供する、授ける、賜る 3)ゆだねる、渡す、許す、かなえる、置く

(G1325 δίδωμι A prolonged form of a primary verb (which is used as an alternate in most of the tenses); to give (used in a very wide application, properly or by implication, literally or figuratively; greatly modified by the connection): – adventure, bestow, bring forth, commit, deliver (up), give, grant, hinder, make, minister, number, offer, have power, put, receive, set, shew, smite (+ with the hand), strike (+ with the palm of the hand), suffer, take, utter, yield.  Internet Sacred Text Archive)

† 英語訳聖書 Matt.17:27 

King James Version 
17:27 Notwithstanding, lest we should offend them, go thou to the sea, and cast an hook, and take up the fish that first cometh up; and when thou hast opened his mouth, thou shalt find a piece of money: that take, and give unto them for me and thee.

New King James Version
17:27 “Nevertheless, lest we offend them, go to the sea, cast in a hook, and take the fish that comes up first. And when you have opened its mouth, you will find a piece of money; take that and give it to them for Me and you.”

American Standard Version
17:27 But, lest we cause them to stumble, go thou to the sea, and cast a hook, and take up the fish that first cometh up; and when thou hast opened his mouth, thou shalt find a shekel: that take, and give unto them for me and thee.

New International Version
17:27 “But so that we may not offend them, go to the lake and throw out your line. Take the first fish you catch; open its mouth and you will find a four-drachma coin. Take it and give it to them for my tax and yours.”

Bible in Basic English 
17:27 But, so that we may not be a cause of trouble to them, go to the sea, and let down a hook, and take the first fish which comes up; and in his mouth you will see a bit of money: take that, and give it to them for me and you.

Today’s English Version
17:27 But we don’t want to offend these people. So go to the lake and drop in a line. Pull up the first fish you hook, and in its mouth you will find a coin worth enough for my Temple tax and yours. Take it and pay them our taxes.”

Darby’s English Translation 
17:27 But that we may not be an offence to them, go to the sea and cast a hook, and take the first fish that comes up, and when thou hast opened its mouth thou wilt find a stater; take that and give it to them for me and thee.

Douay Rheims 
17:27 But that we may not scandalize them, go to the sea, and cast in a hook: and that fish which shall first come up, take: and when thou hast opened its mouth, thou shalt find a stater: take that, and give it to them for me and thee.

Noah Webster Bible 
17:27 Notwithstanding, lest we should offend them, go thou to the sea, and cast a hook, and take the fish that first cometh up: and when thou hast opened his mouth, thou shalt find a piece of money: take that, and give to them for me and thee.

Weymouth New Testament 
17:27 ‘However, lest we cause them to sin, go and throw a hook into the Lake, and take the first fish that comes up. When you open its mouth, you will find a shekel in it: bring that coin and give it to them for yourself and me.’

World English Bible 
17:27 But, lest we cause them to stumble, go to the sea, and cast a hook, and take up the first fish that comes up. When you have opened his mouth, you will find a stater. Take that, and give it to them for me and you.’

Young’s Literal Translation 
17:27 but, that we may not cause them to stumble, having gone to the sea, cast a hook, and the fish that hath come up first take thou up, and having opened its mouth, thou shalt find a stater, that having taken, give to them for me and thee.’

Amplified Bible
17:27 However, so that we do not offend them, go to the sea and throw in a hook, and take the first fish that comes up; and when you open its mouth, you will find a shekel. Take it and give it to them [to pay the temple tax] for you and Me.”

† 細き聲 聖書研究ノート 

 <されど彼らを躓かせぬ爲に、海に往きて釣をたれ、初に上る魚をとれ、其の口をひらかば銀貨一つを得ん、それを取りて我と汝との爲に納めよ』>

イエスはパリサイ人たちや律法学者を躓かせないためにも、神殿税を支払うようにペテロに海で魚をとるように言われた。ペテロが海に釣り糸を下げると口に銀貨をくわえる魚が釣れたので、それで役人に神殿税を納めた。

 <されど彼らを躓かせぬ爲に>

「つまずき σκανδαλίζω  スカンダリゾー」は道にひそかに「躓きの石」を置くこと。

 <海に往きて釣をたれ、初に上る魚をとれ>

フィレンツェのサンタ・マリア・デル・カルミネ聖堂にはマザッチオの描いた「貢の銭」の絵が掲げられている。画面の中央にイエスと弟子たちが、その左端にかがんで魚を捕えるペテロと左端には取税人に銀貨を渡すペテロが描かれている。

ペテロが釣り上げた魚を「セント・ピーターズ・フィッシュ 聖ペテロの魚」という。ガリラヤ湖産の淡水魚で黒スズメダイの一種で「幸運の魚」として提供される。カファルナウムの町に建つペテロ像の足元の「魚」がそれかもしれない。

「ペテロの魚」は雀鯛で、口に卵を含んで孵化し、稚魚を口の中で育てる。稚魚が育つと吐き出すが、そのとき水とともに小石や砂を吸い込む習性から、水底の「銀貨」をくわえたのかもしれない。

† 心のデボーション   

「されど彼らを躓かせぬ爲に、海に往きて釣をたれ、初に上る魚をとれ、其の口をひらかば銀貨一つを得ん、それを取りて我と汝との爲に納めよ』」 マタイ17:27 大正文語訳聖書

「しかし、彼らをつまずかせないようにしよう。湖に行って釣り糸を垂れなさい。最初に釣れた魚を取って、その口を開けると、スタテル銀貨が一枚入っている。それを取って、わたしとあなたの分として彼らに与えなさい」 フランシスコ会訳聖書

 「躓きの石」

「つまずき σκανδαλίζω  スカンダリゾー」は道にひそかに「躓きの石」を置くこと。

「正しい主張」が「躓きの石」になるならば、人が躓く前に、それを取り除くのが「正しい行為」である。

熱心な信仰生活はしばしば人々の「躓き」になる。最大限の努力をもって「躓きの石」を取り除くべきである。

† 心のデボーション   

「されど彼らを躓かせぬ爲に、海に往きて釣をたれ、初に上る魚をとれ、其の口をひらかば銀貨一つを得ん、それを取りて我と汝との爲に納めよ』」 マタイ17:27 大正文語訳聖書

「しかし、彼らをつまずかせないようにしよう。湖に行って釣り糸を垂れなさい。最初に釣れた魚を取って、その口を開けると、スタテル銀貨が一枚入っている。それを取って、わたしとあなたの分として彼らに与えなさい」 フランシスコ会訳聖書

 「魚の口の銀貨」

ペトロが湖に釣り針を垂らすと、口にギリシャ銀貨をくわえた魚が釣れた。それは丁度イエスとペテロの2人分の神殿税に相当した。

ウイリアム・バークレイは「魚の口の銀貨」について、イエスは「一日だけ漁師の仕事をしなさい」と言われたのだと説明している。税金を支払う金は、一日漁をすれば、容易に得ることが出来る、納めるべき金は一日の労働から支払いなさいと教えられたのだという。(ウイリアム・バークレイ『マタイ福音書』)

† 心のデボーション    

「されど彼らを躓かせぬ爲に、海に往きて釣をたれ、初に上る魚をとれ、其の口をひらかば銀貨一つを得ん、それを取りて我と汝との爲に納めよ』」 マタイ17:27 大正文語訳聖書

「しかし、彼らをつまずかせないようにしよう。湖に行って釣り糸を垂れなさい。最初に釣れた魚を取って、その口を開けると、スタテル銀貨が一枚入っている。それを取って、わたしとあなたの分として彼らに与えなさい」 フランシスコ会訳聖書

 「銀貨をくわえた魚」

ペテロは漁師だったので、海に糸を垂れ、漁師としての労働によって「神殿税」を支払ったのである。

漁師でもない我々が海に釣り糸をたれて、銀貨をくわえた魚が釣れるというものではない。

† 心のデボーション   

「されど彼らを躓かせぬ爲に、海に往きて釣をたれ、初に上る魚をとれ、其の口をひらかば銀貨一つを得ん、それを取りて我と汝との爲に納めよ』」 マタイ17:27 大正文語訳聖書

「しかし、彼らをつまずかせないようにしよう。湖に行って釣り糸を垂れなさい。最初に釣れた魚を取って、その口を開けると、スタテル銀貨が一枚入っている。それを取って、わたしとあなたの分として彼らに与えなさい」 フランシスコ会訳聖書

 「ペテロの魚」

観光でカペナウムを訪れ、あるレストランで「ペテロの魚」を注文すると、焼かれた魚が口に本物の貨幣をくわえて出て来るという。もちろん「銀貨」ではない。

† 細き聲 説教  

 「ペテロの魚」

「されど彼らを躓かせぬ爲に、海に往きて釣をたれ、初に上る魚をとれ、其の口をひらかば銀貨一つを得ん、それを取りて我と汝との爲に納めよ』」 マタイ17:27 大正文語訳聖書

「しかし、彼らをつまずかせないようにしよう。湖に行って釣り糸を垂れなさい。最初に釣れた魚を取って、その口を開けると、スタテル銀貨が一枚入っている。それを取って、わたしとあなたの分として彼らに与えなさい」 フランシスコ会訳聖書

イエスはパリサイ人たちや律法学者を躓かせないためにも、神殿税を支払うようにペテロに海で魚をとるように言われた。

ペテロが海に釣り糸を下げると口に銀貨をくわえる魚が釣れたので、ペテロは役人に神殿税を納めた。

フィレンツェのサンタ・マリア・デル・カルミネ聖堂にはマザッチオの描いた「貢の銭」の絵が掲げられている。画面の中央にイエスと弟子たちが、その左端にかがんで魚を捕えるペテロと左端には取税人に銀貨を渡すペテロが描かれている。

ペテロが釣り上げた魚を「セント・ピーターズ・フィッシュ 聖ペテロの魚」という。ガリラヤ湖産の淡水魚で黒スズメダイの一種で「幸運の魚」として提供される。カペナウムの町に建つペテロ像の足元の「魚」がそれかもしれない。

「ペテロの魚」は雀鯛で、口に卵を含んで孵化し、稚魚を口の中で育てる。稚魚が育つと吐き出すが、そのとき水とともに小石や砂を吸い込む習性から、水底の「銀貨」をくわえたのかもしれない。

「つまずき σκανδαλίζω  スカンダリゾー」は道にひそかに「躓きの石」を置くこと。

「正しい主張」が「躓きの石」になるならば、人が躓く前に、それを取り除くのが「正しい行為」である。

熱心な信仰生活はしばしば人々の「躓き」になる。最大限の努力をもって「躓きの石」を取り除くべきである。

いたずらに争いを起こさないのが信仰である。

神はいつでもこの世に支払うべき「銀貨をくわえたペテロの魚」を備えられる。

(皆川誠)

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