マタイによる福音書17章13節

マタイによる福音書
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† 福音書縦観 「来るべきエリヤ」 マタイ17:9~13  

マタイ17:9~13 マルコ9:9~13
マタイ17:9~13

Matt.17:13そのとき、弟子たちは、イエスがバプテスマのヨハネのことを言われたのだと悟った。口語訳聖書

† 日本語訳聖書 Matt.17:13 

【漢訳聖書】
Matt.17:13 門徒方悟其所言、指施洗禮之約翰也。

【明治元訳】
Matt.17:13 是(ここ)にて弟子(でし)バプテスマのヨハネを指(さし)て曰(いひ)たまへるを悟(さと)れり

【大正文語訳】
Matt.17:13 ここに弟子たちバプテスマのヨハネを指して言ひ給ひしなるを悟れり。

【ラゲ訳】
Matt.17:13 是に於て弟子等、是洗者ヨハネを斥して曰ひしものなる事を暁れり。

【口語訳】
Matt.17:13  そのとき、弟子たちは、イエスがバプテスマのヨハネのことを言われたのだと悟った。

【新改訳改訂3】
Matt.17:13  そのとき、弟子たちは、イエスがバプテスマのヨハネのことを言われたのだと気づいた。

【新共同訳】
Matt.17:13  そのとき、弟子たちは、イエスが洗礼者ヨハネのことを言われたのだと悟った。

【バルバロ訳】
Matt.17:13 そこで、弟子たちはそれが洗者ヨハネのことを言われたのだと知った。

【フランシスコ会訳】
Matt.17:13 その時、弟子たちは、イエスが洗礼者ヨハネについて語られたのだと悟った。

【日本正教会訳】
Matt.17:13 是に於て門徒は、其授洗イオアンの事を彼等に言ひしを悟れり。

【塚本虎二訳】
Matt.17:13 その時弟子たちは、洗礼者ヨハネのことを指して(エリヤと)言われたのだと悟った。

【前田護郎訳】
Matt.17:13 そこで弟子たちは洗礼者ヨハネのことをいわれたと悟った。

【永井直治訳】
Matt.17:13 そのとき弟子等はバプテズマのヨハネに就きてひしことなるを悟れり。

【詳訳聖書】
Matt.17:13 その時、弟子たちは、彼がバプテスマのヨハネについて言われた、ということを悟った。

† 聖書引照  Matt.17:13 

Matt.17:13 ここに弟子たちバプテスマのヨハネを指して言ひ給ひしなるを悟れり。

[ここに弟子たちバプテスマのヨハネを指して言ひ給ひしなるを悟れり]  マタ11:14

† ギリシャ語聖書 Matt.17:13 

Stephens 1550 Textus Receptus
τοτε συνηκαν οι μαθηται οτι περι ιωαννου του βαπτιστου ειπεν αυτοις

Scrivener 1894 Textus Receptus 
τοτε συνηκαν οι μαθηται οτι περι ιωαννου του βαπτιστου ειπεν αυτοις

Byzantine Majority 
τοτε συνηκαν οι μαθηται οτι περι ιωαννου του βαπτιστου ειπεν αυτοις

Alexandrian 
τοτε συνηκαν οι μαθηται οτι περι ιωαννου του βαπτιστου ειπεν αυτοις

Hort and Westcott 
τοτε συνηκαν οι μαθηται οτι περι ιωαννου του βαπτιστου ειπεν αυτοις

† ギリシャ語聖書 品詞色分け 

Matt.17:13

τότε συνῆκαν οἱ μαθηταὶ ὅτι περὶ ἰωάννου τοῦ βαπτιστοῦ εἶπεν αὐτοῖς.

† ヘブライ語聖書 Matt.17:13 

Matt.17:13

אָז הֵבִינוּ הַתַּלְמִידִים כִּי עַל יוֹחָנָן הַמַּטְבִּיל דִּבֵּר אֲלֵיהֶם

† ラテン語聖書 Matt.17:13 

Latin Vulgate
Matt.17:13

Tunc intellexerunt discipuli, quia de Ioanne Baptista dixisset eis.
Then the disciples understood that he had spoken to them about John the Baptist. 

† 私訳(詳訳)Matt.17:13 

【私訳】 「そのとき、弟子たちは彼〔イエス〕が洗礼者ヨハネについて言われたのだと気づいた<理解した、悟った、認めた、了解した>」

† 新約聖書ギリシャ語語句研究 

Matt.17:13

τότε συνῆκαν οἱ μαθηταὶ ὅτι περὶ ἰωάννου τοῦ βαπτιστοῦ εἶπεν αὐτοῖς.

【そのとき】 τότε  τότε トテ tote {tot‘-eh}  (ab 副詞)

1)そのとき 2)それから 3)そうすれば 4)そのあとで 5)そこで 6)その時間に 7)次に 8)同時に

(G5119 τότε From (the neuter of) 3588 and 3753 the when, that is, at the time that (of the past or future, also in consecution): – that time, then.  Internet Sacred Text Archive)

【弟子たちは】 μαθηταὶ  μαθητής  マてーテース mathētēs {math-ay-tes‘} (n-nm-p 名詞・主男複)

< μανθάνω 学ぶ、覚える、聞き知る、尋ねる

1)学生、弟子、門弟 2)弟子、門人、帰依者 3)学ぶ者、師を見出した者

(G3101 μαθητής From 3129 a learner, that is, pupil: – disciple.  Internet Sacred Text Archive)

【洗礼者】 βαπτιστοῦ  βαπτιστής  パプティステース  Baptistēs {bap-tis-tace‘} (n-nm-s 名詞・属男単)

 < βαπτίζω 浸す

1)浸す人、浸人、洗礼者 2)バプテスマのヨハネの別名

(G910 βαπτιστής From 907 a baptizer, as an epithet of Christ’s forerunner: – Baptist.  Internet Sacred Text Archive)

マタ3:1; 11:11,12; 14:2,8; 16:14; 17:13;  マル6:25; 8:28;  ルカ7:20,33; 9:19

【ヨハネの】 ἰωάννου ᾽Ιωάννης  イオーアンネース Iōannēs {ee-o-an‘-nace} (n-gm-s 名詞・属男単)

ヨハネ  ヘブライ名「ヤーゥエの賜物」

(G2491 ᾽Ιωάννης Of Hebrew origin [3110 ; Joannes (that is, Jochanan), the name of four Israelites: – John.  Internet Sacred Text Archive)

(バプテスマのヨハネ マタ3:1,2,6,11; 14;1~12; マル1:4; 2:18; ルカ3:2,3; ヨハ3:23; 使徒10:37; 13:24,25; 19:3,4)

(ゼベダイの子ヨハネ マタ4:21; 10:2; 17:1;  マル1:19,29; 3:17; 5:37; 9:2,38; 10:35, 41; 13:3; 14:33;  ルカ5:10; 6:14; 8:51; 9:28, 49, 54; 22:8 etc.)

【について】 περὶ  περί ペリ peri {per-ee‘} (pg 前置詞・属)

1)~のこと、~について、~に関して、~に言及して、のことで、において 2)の周りに、周囲に 3)~のために、~をめぐって、~の故に 4)大体、約

(G4012 περί From the base of 4008 properly through (all over), that is, around; figuratively with respect to; used in various applications, of place, cause or time (with the genitive case denoting the subject or occasion or superlative point; with the accusative case the localitycircuitmattercircumstance or general period): – (there-) about, above, against, at, on behalf of,  X and his company, which concern, (as) concerning, for, X how it will go with, ([there-,where-])of, on, over, pertaining (to), for sake, X (e-) state, (as) touching, [where-] by (in), with. In compounds it retains substantially the same meaning of circuit (around), excess (beyond), or completeness (through).  Internet Sacred Text Archive)

【彼らに】 αὐτοῖς  αὐτός  アウトス autos {ow-tos‘}  (npdm3p 代名詞・与男3)

1)彼、彼女、それ(三人称の代名詞) 2)自身で、自分から、自分として(強調用法) 3)同じ同一の 4)まさに、ちょうど

(G846 αὐτός From the particle αὖ au (perhaps akin to the base of 109 through the idea of a baffling wind; backward); the reflexive pronoun self, used (alone or in the compound of 1438 of the third person, and (with the proper personal pronoun) of the other persons: – her, it (-self), one, the other, (mine) own, said, ([self-], the) same, ([him-, my-, thy-]) self, [your-] selves, she, that, their (-s), them ([-selves]), there [-at, -by, -in, -into, -of, -on, -with], they, (these) things, this (man), those, together, very, which. Compare 848.   Internet Sacred Text Archive)

【言われたのだ】 εἶπεν  εἶπον エイポン  eipon {i‘-pon}  (viaa–3s 動詞・直・2アオ・能・3)

εἶπον は ἔπω の2アオリスト形で実際には λέγω のアオリストとして用いられる

1)言う、話す、語る、告げる、言いあらわす、述べる、呼ぶ 2)命じる、願う、尋ねる 3)~と呼ぶ、称する 4)語られたこと、言葉、発言、発話、話の内容 5)出来事

(G2036 ἔπω A primary verb (used only in the definite past tense, the others being borrowed from 2046 4483 and 5346 ; to speak or say (by word or writting): – answer, bid, bring word, call, command, grant, say (on), speak, tell. Compare 3004.   Internet Sacred Text Archive)

【と】 ὅτι  ὅτι  ホティ hoti {hot‘-ee}  (cc 接続詞・等)

1)~ということ 2)なぜなら~だから、というのは~だから、すなわち 3)~であるから 4)というのは

(G3754  ὅτι Neuter of 3748 as conjugation; demonstrative that (sometimes redundant); causatively because: – as concerning that, as though, because (that), for (that), how (that), (in) that, though, why.  Internet Sacred Text Archive)

【悟った】 συνῆκαν  συνίημι  スゆニエーミ  suniēmi {soon-ee‘-ay-mee} (viaa–3p 動詞・直・1アオ・能・3複)

< σύν  共に + ἵημι 発する、しゃべる、送る、派遣する(一緒に統合すること)

1)合点する 2)分かる、理解する、察知する 3)悟る 4)気づく、認める 5)了解する 6)争わせる、闘わせる 7)聞く

(G4920 συνίημι From 4862 and ἵημι hiēmi (to send); to put together, that is, (mentally) to comprehend; by implication to act piously: – consider, understand, be wise.  Internet Sacred Text Archive)

マタ13.13,14,15m19,23,51; 15:10; 16:12; 17:13;  マル4:12; 6:52; 7:14; 8:17,21;  ルカ2:50; 8:10; 18:34; 24:45; etc.

† 英語訳聖書 Matt.17:13 

King James Version 
17:13 Then the disciples understood that he spake unto them of John the Baptist.

New King James Version
17:13 Then the disciples understood that He spoke to them of John the Baptist.

American Standard Version 
17:13 Then understood the disciples that he spake unto them of John the Baptist.

New International Version
17:13 Then the disciples understood that he was talking to them about John the Baptist.

Bible in Basic English 
17:13 Then the disciples saw that he was talking to them of John the Baptist.

Today’s English Version
17:13 Then the disciples understood that he was talking to them about John the Baptist.

Darby’s English Translation 
17:13 Then the disciples understood that he spoke to them of John the baptist.

Douay Rheims 
17:13 Then the disciples understood, that he had spoken to them of John the Baptist.

Noah Webster Bible 
17:13 Then the disciples understood that he spoke to them concerning John the Baptist.

Weymouth New Testament 
17:13 Then it dawned upon the disciples that it was John the Baptist about whom He had spoken to them.

World English Bible 
17:13 Then the disciples understood that he spoke to them of John the Baptizer.

Young’s Literal Translation 
17:13 Then understood the disciples that concerning John the Baptist he spake to them.

Amplified Bible
17:13 Then the disciples understood that He had spoken to them about John the Baptist.

† 細き聲 聖書研究ノート 

 <ここに弟子たちバプテスマのヨハネを指して言ひ給ひしなるを悟れり>

ここまで来てようやく弟子たちはイエスが語られる「来るべきエリヤ」が「バプテスマのヨハネ」であることを悟った。

 <ここに弟子たちバプテスマのヨハネを指して言ひ給ひしなるを悟れり>

弟子たちはイエスの言葉から、イエスが「来るべきエリヤ」は「バプテスマのヨハネ」とお考えになっていることに気づいた。

バプテスマのヨハネが荒野に「駱駝の毛織衣をまとひ、腰に皮の帶をしめ、蝗と野蜜とを食する」(マタイ3:4)のを見た人々は、預言者エリヤが「毛衣を着て、腰に革帯をしめて」(Ⅱ列王1:8)いたことを思い出すべきであった。バプテスマのヨハネは「来るべきエリヤ」の装束をまとって荒野に現れたのである。

† 心のデボーション   

 「ここに弟子たちバプテスマのヨハネを指して言ひ給ひしなるを悟れり」 マタイ17:13 大正文語訳聖書

「そのとき、弟子たちは、イエスが洗礼者ヨハネのことを言われたのだと悟った」 新共同訳聖書

 「暁れり」

「悟れり」はラゲ訳聖書では「暁(さと)れり」である。

「暁 あかつき」は古語「あかとき 明時」から転じた語である。「あかとき 明時」は「夜深い時刻、未明」をさす言葉であったが、「暁」は東の空が白む時刻をさす。

夜という準備期間、未完時期があって、ようやく空が明るく変化する。

「暁」は「さとり」とも読む。「暁 さとり」は長い暗黒の夜があり、やがて東の空が次第に闇を払うように薄日がひろがり、見えなかった景色が現れるような「悟り」である。

† 心のデボーション   

「ここに弟子たちバプテスマのヨハネを指して言ひ給ひしなるを悟れり」 マタイ17:13 大正文語訳聖書

「そのとき、弟子たちは、イエスが洗礼者ヨハネのことを言われたのだと悟った」 新共同訳聖書

 「主の御意を悟れ」

バプテスマのヨハネが荒野で「駱駝の毛織衣をまとひ、腰に皮の帶をしめ、蝗と野蜜とを食いた」のは「来るべきエリヤ」の証であった。しかし、目撃した弟子たちも、イエスが語られるまではそれと悟ることはなかった。

時のしるしは見るだけでは悟れない。

「この故に愚とならず、主の御意の如何を悟れ」 エペソ5:17 大正文語訳聖書

† 心のデボーション   

「ここに弟子たちバプテスマのヨハネを指して言ひ給ひしなるを悟れり」 マタイ17:13 大正文語訳聖書

「そのとき、弟子たちは、イエスが洗礼者ヨハネのことを言われたのだと悟った」 新共同訳聖書

 「認めたくない事柄」

弟子たちはイエスの言葉から、「来るべきエリヤ」が「バプテスマのヨハネ」であると気づいた。しかし、イエスがバプテスマのヨハネと同じように「あしらわれる」ことについては悟らなかった。弟子たちの「理解」は半分である。「認めたくない事柄」があり、それは認めたい事柄よりも常に重要な意味を持つ。

† 細き聲 説教  

 「真実への導き」

「ここに弟子たちバプテスマのヨハネを指して言ひ給ひしなるを悟れり」 マタイ17:13 大正文語訳聖書

「そのとき、弟子たちは、イエスが洗礼者ヨハネのことを言われたのだと悟った」 新共同訳聖書

ここまで来てようやく弟子たちはイエスが語られる「来るべきエリヤ」が「バプテスマのヨハネ」であることを悟った。

弟子たちはイエスの言葉から、イエスが「来るべきエリヤ」は「バプテスマのヨハネ」とお考えになっていることに気づいた。

バプテスマのヨハネが荒野に「駱駝の毛織衣をまとひ、腰に皮の帶をしめ、蝗と野蜜とを食する」(マタイ3:4)のを見た人々は、預言者エリヤが「毛衣を着て、腰に革帯をしめて」(Ⅱ列王1:8)いたことを思い出すべきであった。バプテスマのヨハネは「来るべきエリヤ」の装束をまとって荒野に現れたのである。

弟子たちも律法学者が説くようにメシアの前に預言者エリヤが現れると考えていた。しかし、イエスはそうではなくすでに荒野に現れてイエスを指さして「神のメシア」と教えたバプテスマのヨハネこそが「来るべきエリヤ」であると教えられた。

イエスのみことばは常に人の意表をつくものである。

イエスは人の「信仰の固定概念」を覆される。

真実は常に内なる聖霊によって説き起こされ、人は真実に導かれる。

(皆川誠)

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