† 福音書縦観 「昔の人の言い伝え」 マタイ15:1~20
マタイ15:1~20 マルコ7:1~23
マタイ15:1~20
Matt.15:10それからイエスは群衆を呼び寄せて言われた、「聞いて悟るがよい。(7:14それから、イエスは再び群衆を呼び寄せて言われた、「あなたがたはみんな、わたしの言うことを聞いて悟るがよい。マルコ7:14) 口語訳聖書
† 日本語訳聖書 Matt.15:10
【漢訳聖書】
Matt.15:10 耶穌召衆、謂之曰、宜聽而悟焉、
【明治元訳】
Matt.15:10 イエスを召(よび)て彼等(かれら)に曰(いひ)けるは聽(きき)て悟(さと)れ
【大正文語訳】
Matt.15:10 かくて群衆を呼び寄せて言ひたまふ『聽きて悟れ。
【ラゲ訳】
Matt.15:10 イエズス群衆を召集めて曰ひけるは、汝等聞きて暁れ、
【口語訳】
Matt.15:10 それからイエスは群衆を呼び寄せて言われた、「聞いて悟るがよい。
【新改訳改訂3】
Matt.15:10 イエスは群衆を呼び寄せて言われた。「聞いて悟りなさい。
【新共同訳】
Matt.15:10 それから、イエスは群衆を呼び寄せて言われた。「聞いて悟りなさい。
【バルバロ訳】
Matt.15:10 そして群衆を呼び寄せ、「聞いて悟れ。
【フランシスコ会訳】
Matt.15:10 それから、イエスは群衆を呼び寄せて仰せになった、「聞いて悟りなさい。
【日本正教会訳】
Matt.15:10 是に於て衆を召して彼等に謂へり、聽きて悟れ。
【塚本虎二訳】
Matt.15:10 それから群衆を呼びよせて言われた、「聞いて悟れ。
【前田護郎訳】
Matt.15:10 群衆を呼んでいわれた、「聞いて悟れ、
【永井直治訳】
Matt.15:10 かくて群衆を彼の許に召し、これにへり、聞け且つ悟れ。
【詳訳聖書】
Matt.15:10 そして、イエスは人々を自分のところに呼び寄せて、彼らに言われた、「聞きなさい。そしてこの事を悟りなさい<理解しなさい>。
† 聖書引照 Matt.15:10
Matt.15:10 かくて群衆を呼び寄せて言ひたまふ『聽きて悟れ。
[かくて群衆を呼び寄せて言ひたまふ] Ⅰ列王22:28; マル7:14,16; ルカ20:45~47
[聽きて悟れ] マタ13:19; 24:15; イザ6:9; 55:3; ルカ24:45; エペ1:17; コロ1:9; ヤコ1:5
† ギリシャ語聖書 Matt.15:10
Stephens 1550 Textus Receptus
και προσκαλεσαμενος τον οχλον ειπεν αυτοις ακουετε και συνιετε
Scrivener 1894 Textus Receptus
και προσκαλεσαμενος τον οχλον ειπεν αυτοις ακουετε και συνιετε
Byzantine Majority
και προσκαλεσαμενος τον οχλον ειπεν αυτοις ακουετε και συνιετε
Alexandrian
και προσκαλεσαμενος τον οχλον ειπεν αυτοις ακουετε και συνιετε
Hort and Westcott
και προσκαλεσαμενος τον οχλον ειπεν αυτοις ακουετε και συνιετε
† ギリシャ語聖書 品詞色分け
Matt.15:10
καὶ προσκαλεσάμενος τὸν ὄχλον εἶπεν αὐτοῖς, ἀκούετε καὶ συνίετε·
† ヘブライ語聖書 Matt.15:10
Matt.15:10
הוּא קָרָא לָעָם וְאָמַר לָהֶם: שִׁמְעוּ וְהָבִינוּ
† ラテン語聖書 Matt.15:10
Latin Vulgate
Matt.15:10
Et convocatis ad se turbis, dixit eis: Audite, et intelligite.
And having called the multitudes to him, he said to them: “Listen and understand.
† 私訳(詳訳)Matt.15:10
【私訳】 「それから、彼〔イエス〕は群集を呼び寄せて彼らに言われた。『聞ききなさい<傾聴しなさい、聞き従いなさい>。そして理解しなさい<悟りなさい、気づきなさい、認めなさい>」
† 新約聖書ギリシャ語語句研究
Matt.15:10
καὶ προσκαλεσάμενος τὸν ὄχλον εἶπεν αὐτοῖς, ἀκούετε καὶ συνίετε·
【そして】 καὶ καί カイ kai {kahee} (ch 接続詞・完)
1)~と、~も、そして 2)~さえ、でさえも 3)しかし 4)しかも、それは 5)それでは、それだのに 6)そうすれば、すなわち 7)のみならず、もまた
(G2532 καί Apparently a primary particle, having a copulative and sometimes also a cumulative force; and, also, even, so, then, too, etc.; often used in connection (or composition) with other particles or small words: – and, also, both, but, even, for, if, indeed, likewise, moreover, or, so, that, then, therefore, when, yea, yet. Internet Sacred Text Archive)
【群衆を】 ὄχλον ὄχλος オくろス ochlos {okh‘-los} (n-am-s 名詞・対男単)
1)群衆、集団、群れ、大勢の人々 2)軍勢 3)大衆、民衆、人民、市民、 4)人だかり、雑踏 5)ごたごた、煩わしさ、迷惑、厄介、面倒
(G3793 ὄχλος From a derivative of 2192 (meaning a vehicle); a throng (as borne along); by implication the rabble; by extension a class of people; figuratively a riot: – company, multitude, number (of people), people, press. Internet Sacred Text Archive)
【呼び寄せ】 προσκαλεσάμενος προσκαλέομαι プロスカれオマイ proskaleomai {pros-kal-eh‘-om-ahee} (vpadnm-s 分詞・1アオ能欠主男単)
< πρός 向かって + καλέω 呼ぶ
1)自らのもとに呼び寄せる 2)招く、召す、召還する 3)呼び集める、呼びつける、呼び出す、呼び入れる
(G4341 προσκαλέομαι Middle voice from 4314 and 2564 to call toward oneself, that is, summon, invite: – call (for, to, unto). Internet Sacred Text Archive)
マタ10:1; 15:32; マル3:13; 6:7; 8:1; 使徒2:39; 13:2; 16:10; etc.
【彼らに】 αὐτοῖς αὐτός アウトス autos {ow-tos‘} (npdm3p 代名詞・与男3)
1)彼、彼女、それ(三人称の代名詞) 2)自身で、自分から、自分として(強調用法) 3)同じ同一の 4)まさに、ちょうど
(G846 αὐτός From the particle αὖ au (perhaps akin to the base of 109 through the idea of a baffling wind; backward); the reflexive pronoun self, used (alone or in the compound of 1438 of the third person, and (with the proper personal pronoun) of the other persons: – her, it (-self), one, the other, (mine) own, said, ([self-], the) same, ([him-, my-, thy-]) self, [your-] selves, she, that, their (-s), them ([-selves]), there [-at, -by, -in, -into, -of, -on, -with], they, (these) things, this (man), those, together, very, which. Compare 848. Internet Sacred Text Archive)
【言われた】 εἶπεν εἶπον エイポン eipon {i‘-pon} (viaa–3s 動詞・直・2アオ・能・3)
εἶπον は ἔπω の2アオリスト形で実際には λέγω のアオリストとして用いられる
1)言う、話す、語る、告げる、言いあらわす、述べる、呼ぶ 2)命じる、願う、尋ねる 3)~と呼ぶ、称する 4)語られたこと、言葉、発言、発話、話の内容 5)出来事
(G2036 ἔπω A primary verb (used only in the definite past tense, the others being borrowed from 2046 4483 and 5346 ; to speak or say (by word or writting): – answer, bid, bring word, call, command, grant, say (on), speak, tell. Compare 3004. Internet Sacred Text Archive)
【聞け】 ἀκούετε ἀκούω アクーオー akouō {ak-oo‘-o} (vmpa–2p 動詞・命・現・能・2)
1)聞く、傾聴する、伝え聞く 2)耳に入る、知らせを受け取る、聞こえる 3)耳を傾ける、聞き従う、理解する 4)~と呼ばれる
(G191 ἀκούω A primary verb; to hear (in various senses): – give (in the) audience (of), come (to the ears), ([shall]) hear (-er, -ken), be noised, be reported, understand. Internet Sacred Text Archive)
マタ2:3,9; 7:24; 13:15; 17:5; マル7:14; 8:18; ルカ2:46; 5:1; 7:22; 8:18; 9:35; 19:48; 20:45; ヨハ5:24; 9:31; 使徒3:22; 4:19; 12:13; 13:16; 15:12; 22:1; ロマ10:17; ガラ3:2,5; etc.
【そして】 καὶ καί カイ kai {kahee} (cc 接続詞・等位)
1)~と、~も、そして 2)~さえ、でさえも 3)しかし 4)しかも、それは 5)それでは、それだのに 6)そうすれば、すなわち 7)のみならず、もまた
(G2532 καί Apparently a primary particle, having a copulative and sometimes also a cumulative force; and, also, even, so, then, too, etc.; often used in connection (or composition) with other particles or small words: – and, also, both, but, even, for, if, indeed, likewise, moreover, or, so, that, then, therefore, when, yea, yet. Internet Sacred Text Archive)
【理解せよ】 συνίετε\ συνίημι スゆニエーミ suniēmi {soon-ee‘-ay-mee} (vmpa–2p 動詞・命・現・能・2複)
< σύν 共に + ἵημι 発する、しゃべる、送る、派遣する(一緒に統合すること)
1)合点する 2)分かる、理解する、察知する 3)悟る 4)気づく、認める 5)了解する 6)争わせる、闘わせる 7)聞く
(G4920 συνίημι From 4862 and ἵημι hiēmi (to send); to put together, that is, (mentally) to comprehend; by implication to act piously: – consider, understand, be wise. Internet Sacred Text Archive)
マタ13.13,14,15m19,23,51; 15:10; 16:12; 17:13; マル4:12; 6:52; 7:14; 8:17,21; ルカ2:50; 8:10; 18:34; 24:45; etc.
† 英語訳聖書 Matt.15:10
King James Version
15:10 And he called the multitude, and said unto them, Hear, and understand:
American Standard Version
15:10 And he called to him the multitude, and said unto them, Hear, and understand:
New King James Version
15:10 When He had called the multitude to Himself, He said to them, “Hear and understand:
New International Version
15: 10 Jesus called the crowd to him and said, “Listen and understand.
Bible in Basic English
15:10 And he got the people together and said to them, Give ear, and let my words be clear to you:
Today’s English Version
15:10 Then Jesus called the crowd to him and said to them, “Listen and understand!
Darby’s English Translation
15:10 And having called to him the crowd, he said to them, Hear and understand:
Douay Rheims
15:10 And having called together the multitudes unto him, he said to them: Hear ye and understand.
Noah Webster Bible
15:10 And he called the multitude, and said to them, Hear, and understand:
Weymouth New Testament
15:10 Then, when He had called the people to Him, Jesus said, ‘Hear and understand.
World English Bible
15:10 He called the multitude to himself, and said to them, ‘Hear, and understand.
Young’s Literal Translation
15:10 And having called near the multitude, he said to them, ‘Hear and understand:
Amplified Bible
15:10 After Jesus called the crowd to Him, He said, “Listen and understand this:
† 細き聲 聖書研究ノート
<かくて群衆を呼び寄せて言ひたまふ『聽きて悟れ>
イエスは群衆を呼び寄せられ、パリサイ人や律法学者たちの教えに迷わされないように警告される。
<聞いて悟れ>
「聞く ἀκούω アクーオー 傾聴する、伝え聞く、耳を傾ける、聞き従う」は、「理解する συνίημι スゆニエーミ 合点する、理解する、悟る、気づく、了解する」である。「聞いても悟らない」のは「見ても見ず、聞いても聞かない」(マタイ13:13)のである。
† 心のデボーション
「かくて群衆を呼び寄せて言ひたまふ『聽きて悟れ』」 マタイ15:10 大正文語訳聖書
「それから、イエスは群衆を呼び寄せて言われた。『聞いて悟りなさい』」 新共同訳聖書
「悟り」
仏語の「悟り」は「迷いを去って物事の本質を見極める」ことである。ギリシャ語の「悟り συνίημι スゆニエーミ」は「σύν 共に + ἵημι (言葉を)発する」で、「争う、闘う」の意味を含む。
「悟り συνίημι スゆニエーミ」は共に言葉を交わし、厳しい闘いの末に起こる「気づき、認め、理解する、分かる」である。
「傾聴」は黙して聴きながら、神と厳しい言葉を交わしている。
† 心のデボーション
「かくて群衆を呼び寄せて言ひたまふ『聽きて悟れ』」 マタイ15:10 大正文語訳聖書
「それから、イエスは群衆を呼び寄せて言われた。『聞いて悟りなさい』」 新共同訳聖書
「双子の兄姉」
「なんぢ智慧にむかひて汝はわが姉妹なりといひ 明理(さとり)にむかひて汝はわが友なりといへ」 箴言7:4 明治元訳聖書
「知恵」を姉妹として愛し、「悟り」を友として交わる。「知恵」と「悟り」は双子の兄姉である。この兄姉のあるところ笑いあり。
† 細き聲 説教
「聞いて悟れ」
「かくて群衆を呼び寄せて言ひたまふ『聽きて悟れ』」 マタイ15:10 大正文語訳聖書
「それから、イエスは群衆を呼び寄せて言われた。『聞いて悟りなさい』」 新共同訳聖書
イエスは群衆を呼び寄せられ、パリサイ人や律法学者たちの教えに迷わされないように警告される。
「聞いて悟れ」
「聞いて ἀκούω アクーオー 傾聴する、伝え聞く、耳を傾ける、聞き従う」は、「理解する συνίημι スゆニエーミ 合点する、理解する、悟る、気づく、了解する」である。「聞いても悟らない」のは「見ても見ず、聞いても聞かない」(マタイ13:13)のである。
「悟れ συνίημι スゆニエーミ」は共に言葉を交わし、厳しい闘いの末に起こる「気づき、認め、理解する、分かる」である。
イエスは群衆に神の言葉を聞き、そして、悟れと語られる。
「知恵ある人はこれを悟れ。主の口が語られることを告げよ。何故、この地は滅びたのか。焼き払われて荒れ野となり/通り過ぎる人もいない。」 エレミヤ9:11 新改訳聖書
しかし、ダニエルは「終わり」のことについてミカエルから「終わりの時まで、このことばを秘めておくように」と命じられる。(ダニエル12:1~4)
すべてのことが人に現わされているのではない。私たちには「聞く」が「隠されている」ことがある。
「わたしはこれを聞いたけれども悟れなかった。わたしは言った、『わが主よ、これらの事の結末はどんなでしょうか』」 ダニエル12:8 新改訳聖書
隠されているのは求める為である。
「知恵ある者はこれらのことをわきまえよ。わきまえある者はそれを悟れ。主の道は正しい。神に従う者はその道に歩み/神に背く者はその道につまずく。」 ホセア14:10 新共同訳聖書
「民のうちの鈍き者よ、悟れ。愚かな者よ、いつ賢くなるだろうか。」 詩篇94:8 新改訳聖書
「悟り」とは、神の恵みを見出すことである。それは聖霊の解き明かしによる。
「知恵のある者はだれか。その者はこれらのことに心を留め、主の恵みを悟れ。」 詩篇107:43 新改訳聖書
(皆川誠)
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