† 福音書縦観 「昔の人の言い伝え」 マタイ15:1~20
マタイ15:1~20 マルコ7:1~23
マタイ15:1~20
Matt.15:8『この民は、口さきではわたしを敬うが、その心はわたしから遠く離れている。口語訳聖書
† 日本語訳聖書 Matt.15:8
【漢訳聖書】
Matt.15:8 斯民以口近我、以唇敬我、而其心遠我矣。
【明治元訳】
Matt.15:8 此(この)民(たみ)はにて我(われ)に近(ちかづ)き唇(くちびる)にて我(われ)を敬(うやま)へども其(その)心(こころ)は我(われ)に遠(とほざ)かり
【大正文語訳】
Matt.15:8 「この民は口唇にて我を敬ふ、 されど其の心は我に遠ざかる。
【ラゲ訳】
Matt.15:8 云らく「此人民は唇に我を敬へども、其心は我に遠ざかり、
【口語訳】
Matt.15:8 『この民は、口さきではわたしを敬うが、その心はわたしから遠く離れている。
【新改訳改訂3】
Matt.15:8 『この民は、口先ではわたしを敬うが、その心は、わたしから遠く離れている。
【新共同訳】
Matt.15:8 『この民は口先ではわたしを敬うが、/その心はわたしから遠く離れている。
【バルバロ訳】
Matt.15:8 <この民は口先で私を敬うが、その心は遠く離れている。
【フランシスコ会訳】
Matt.15:8 『この民は口先でわたしを畏れ敬うが、その心は、わたしから遠く離れている。
【日本正教会訳】
Matt.15:8 斯の民は口にて我に近づき、唇にて我を敬へども、其心は遠く我に離る、
【塚本虎二訳】
Matt.15:8 “この民は口先でわたし[神]を敬いながら、その心は遠くわたしから離れている。
【前田護郎訳】
Matt.15:8 『この民は口でわたしを敬うが、心はわたしから遠い。
【永井直治訳】
Matt.15:8 此の民はその口にて我に近づき、また唇にて我を敬ふ。されどその心は我より遠ざかる。
【詳訳聖書】
Matt.15:8 『この民はこの口では私に近づいてそのくちびるで私を敬う。けれどもその心は私から離れている<遠く隔たっている>。
† 聖書引照 Matt.15:8
Matt.15:8 「この民は口唇にて我を敬ふ、 されど其の心は我に遠ざかる。
[この民は口唇にて我を敬ふ] イザ29:13; エゼ33:31; ヨハ1:47; Ⅰペテ3:10
[されど其の心は我に遠ざかる] 箴言23:26; エレ12:2; 使徒8:21; ヘブ3:12
† ギリシャ語聖書 Matt.15:8
Stephens 1550 Textus Receptus
εγγιζει μοι ο λαος ουτος τω στοματι αυτων και τοις χειλεσιν με τιμα η δε καρδια αυτων πορρω απεχει απ εμου
Scrivener 1894 Textus Receptus
εγγιζει μοι ο λαος ουτος τω στοματι αυτων και τοις χειλεσιν με τιμα η δε καρδια αυτων πορρω απεχει απ εμου
Byzantine Majority
εγγιζει μοι ο λαος ουτος τω στοματι αυτων και τοις χειλεσιν με τιμα η δε καρδια αυτων πορρω απεχει απ εμου
Alexandrian
ο λαος ουτος τοις χειλεσιν με τιμα η δε καρδια αυτων πορρω απεχει απ εμου
Hort and Westcott
ο λαος ουτος τοις χειλεσιν με τιμα η δε καρδια αυτων πορρω απεχει απ εμου
† ギリシャ語聖書 品詞色分け
Matt.15:8
ὁ λαὸς οὖτος τοῖς χείλεσίν με τιμᾷ, ἡ δὲ καρδία αὐτῶν πόρρω ἀπέχει ἀπ᾽ ἐμοῦ·
† ヘブライ語聖書 Matt.15:8
Matt.15:8
הָעָם הַזֶּה בִּשְׂפָתָיו כִּבְּדוּנִי וְלִבּוֹ רִחַק מִמֶּנִּי
† ラテン語聖書 Matt.15:8
Latin Vulgate
Matt.15:8
Populus hic labiis me honorat: cor autem eorum longe est a me.
‘This people honors me with their lips, but their heart is far from me.
† 私訳(詳訳)Matt.15:8
【私訳】 「この民<人々、民衆、大衆>は唇<口先>ではわたしを敬う<尊敬する、尊ぶ、称える、大切にする>、しかし、彼らの心はわたしから遠く離れ<遠ざかる、拒む>ている」
† 新約聖書ギリシャ語語句研究
Matt.15:8
ὁ λαὸς οὖτος τοῖς χείλεσίν με τιμᾷ, ἡ δὲ καρδία αὐτῶν πόρρω ἀπέχει ἀπ᾽ ἐμοῦ·
【この】 οὖτος οὗτος フートス houtos {hoo‘-tos} (apdnm-s 指示代名詞・主男単)
1)その、この、これ 2)この者、この男・女 2)そんな、こんな 3)すなわち、だから 4)そこで、それ故
(G3779 οὗτος Or, before a vowel, οὕτως houtōs hoo‘-toce . From 3778 in this way (referring to what precedes or follows): – after that, after (in) this manner, as, even (so), for all that, like (-wise), no more, on this fashion (-wise), so (in like manner), thus, what. Internet Sacred Text Archive)
【民は】 λαὸς λαός らオス laos {lah-os‘} (n-nm-s 名詞・主男単)
1)人々、人の群れ 2)群衆、民衆、大衆 3)民、民族 4)国民、種族 5)イスラエル民族
(G2992 λαός Apparently a primary word; a people (in general; thus differing from 1218 which denotes one’s own populace): – people. Internet Sacred Text Archive)
マタ1:21; 2:4; 4:23; 13:15; 21:23; 26:3,42; 27:1; マル7:6; ルカ1:17,68; 2:10; 19:47; 22:66; ヨハ11:50; 使徒3:23; 4:8,10; 15:14; ロマ9:23,26; ヘブ4:9; 11:25; Ⅰペテ2:10; Ⅱペテ2:1; 黙示18:4 etc.
【口先では】 χείλεσίν χεῖλος けイろス cheilos {khi‘-los} (n-dn-p 名詞・与中複)
1)唇 2)口先 3)縁、辺、岸辺
(G5491 χεῖλος From a form of the same as 5490 a lip (as a pouring place); figuratively a margin (of water): – lip, shore.)
マタ15:8; マル7:6; ロマ3:13; Ⅰコリ14:21; ヘブ13:15; Ⅰペテ3:11
【わたしを】 με ἐγώ エゴー egō {eg-o‘} (npa-1s 代名詞・対1単)
1)私 2)わたし
(G1473 ἐγώ A primary pronoun of the first person, “I” (only expressed when emphatic): – I, me. For the other cases and the plural see 1691 1698 1700 2248 2249 2254 2257 etc. Internet Sacred Text Archive)
【敬う】 τιμᾷ τιμάω ティマオー timaō {tim-ah‘-o} (vipa–3s 動詞・直・現・能・3単)
1)評価する 2)値踏みする、見積もる、値をつける 3)名誉を与える、敬う、尊敬する、尊ぶ、称える、大切にする、(敬意、愛情のしるしとして)提供する
(G5091 τιμάω From 5093 to prize, that is, fix a valuation upon; by implication to revere: – honour, value. Internet Sacred Text Archive)
マタ15:4,6,8; 19:19; マル7:6,10; 10:19; ルカ18:20; ヨハ5:23; 8:40; 使徒28:10; エペ6:2; Ⅰテサ5:3; Ⅰテモ2:17
【しかし】 δὲ. δέ デ de {deh} (ch 接続詞・完)
1)ところで、しかし、さて、そして 2)しかも、そしてまた、なお、すると、また 3)次に、さらに 4)否、むしろ
(G1161 δέ A primary particle (adversative or continuative); but, and, etc.: – also, and, but, moreover, now [often unexpressed in English]. Internet Sacred Text Archive)
【彼らの】 αὐτῶν αὐτός アウトス autos {ow-tos‘} (npgn3p 代名詞・属男3)
1)彼、彼女、それ(三人称の代名詞) 2)自身で、自分から、自分として(強調用法) 3)同じ同一の 4)まさに、ちょうど
(G846 αὐτός From the particle αὖ au (perhaps akin to the base of 109 through the idea of a baffling wind; backward); the reflexive pronoun self, used (alone or in the compound of 1438 of the third person, and (with the proper personal pronoun) of the other persons: – her, it (-self), one, the other, (mine) own, said, ([self-], the) same, ([him-, my-, thy-]) self, [your-] selves, she, that, their (-s), them ([-selves]), there [-at, -by, -in, -into, -of, -on, -with], they, (these) things, this (man), those, together, very, which. Compare 848. Internet Sacred Text Archive)
【心は】 καρδία καρδία カルディア kardia {kar-dee‘-ah} (n-nf-s 名詞・主女単)
1)心、精神生活の中心、内的生命 2)理解力、感情、気持ち 3)精神、思考、真情、心 4)人格、性格、たましい、意思、活力 5)中心 6)心臓
(G2588 καρδία Prolonged from a primary κάρ kar (Latin cor , “heart”); the heart, that is, (figuratively) the thoughts or feelings (mind); also (by analogy) the middle: – (+ broken-) heart (-ed).)
マタ5:8,28; 6:21; 9:4; 11:29; 12:34; 13:15,19; 15:8,13,19; 18:35;: 22:37; 24:48; マル2:6,8; 3:5; 6:52; 7:6,19,21; 8:17; 11:23; 13:30,33 etc.
【私】 ἐμοῦ ἐμός エモス emos {em-os’} (npg-1s 代名詞・属1単)
1)わたしの 2)わたしのもの
(G1700 ἐμοῦ A prolonged form of 3449 of me: – me, mine, my. Internet Sacred Text Archive)
【から】 ἀπ᾽ ἀπό アポ apo {apo‘} (pg 前置詞・属)
1)~から 2)~から離れて 3)~の中から、~のうちの、~のうちから 4)~以来、~の後で 5)によって 6)(人、物、状態から)自由にする、取り去る
(G575 ἀπό A primary particle; “off”, that is, away (from something near), in various senses (of place, time, or relation; literally or figuratively): – (X here-) after, ago, at, because of, before, by (the space of), for (-th), from, in, (out) of, off, (up-) on (-ce), since, with. In composition (as a prefix) it usually denotes separation, departure, cessation, completion, reversal, etc. Internet Sacred Text Archive)
【遠く】 πόρρω πόρρω ポルロー porrhō {por‘-rho} (ab 副詞)
1)前方へ 2)先に 3)遠くに、遠く離れて、遠方に 4)遥かに
(G4206 πόρρω Adverb from 4253 forwards, that is, at a distance: – far, a great way off. See also 4207 Internet Sacred Text Archive)
【離れている】 ἀπέχει ἀπέχω アペこー apechō {ap-ekh‘-o} (vipa–3s 動詞・直・現・能・3単)
1)~から遠ざかる、退ける、拒む、分つ 2)離れている、遠くにいる 3)受け取る、領収する 4)十分に得ている 5)避ける、慎む
(G568 ἀπέχω From 575 and 2192 (active) to have out, that is, receive in full; (intransitive) to keep (oneself) away, that is, be distant (literally or figuratively): – be, have, receive. Internet Sacred Text Archive)
マタ6:2,5,16; 14:24; 15:8; マル7:6; 14:41; etc.
† 英語訳聖書 Matt.15:8
King James Version
15:8 This people draweth nigh unto me with their mouth, and honoureth me with [their] lips; but their heart is far from me.
New King James Version
15:8 ‘These people draw near to Me with their mouth,And honor Me with their lips,But their heart is far from Me.
American Standard Version
15:8 This people honoreth me with their lips; But their heart is far from me.
New International Version
15:8 “`These people honor me with their lips, but their hearts are far from me.
Bible in Basic English
15:8 These people give me honour with their lips, but their heart is far from me.
Today’s English Version
15:8 “These people, says God, honor me with their words, /but their heart is really far away from me.
Darby’s English Translation
15:8 This people honour me with the lips, but their heart is far away from me;
Douay Rheims
15:8 This people honoureth me with their lips: but their heart is far from me.
Noah Webster Bible
15:8 This people draw nigh to me with their mouth, and honor me with their lips; but their heart is far from me.
Weymouth New Testament
15:8 ”This is a People who honour Me with their lips, while their heart is far away from Me;
World English Bible
15:8 ‘These people draw near to me with their mouth, And honor me with their lips; But their heart is far from me.
Young’s Literal Translation
15:8 This people doth draw nigh to Me with their mouth, and with the lips it doth honour Me, but their heart is far off from Me;
Amplified Bible
15:8 ‘This people honors Me with their lips, But their heart is far away from Me.
† 細き聲 聖書研究ノート
<「この民は口唇にて我を敬ふ、 されど其の心は我に遠ざかる>
偽善者は「口では神を敬うが、心では神から遠ざかって」いる。
<口で敬う>
本節はイザヤからの引用である。 「この民は、口ではわたしに近づき、唇でわたしを敬うが、心ではわたしから遠く離れている」(イザヤ29:13)
† 心のデボーション
「この民は口唇にて我を敬ふ、 されど其の心は我に遠ざかる」 マタイ15:8 大正文語訳聖書
「この民は口先でわたしを畏れ敬うが、その心は、わたしから遠く離れている」 フランシスコ会訳聖書
「口唇にて我を敬ふ」
口先で神に近づく者の唇にも神への賛美がある。しかし、賛美が高まるだけ、その心は神から遠く離れる。離れた心で賛美するからだ。
† 心のデボーション
「この民は口唇にて我を敬ふ、 されど其の心は我に遠ざかる」 マタイ15:8 大正文語訳聖書
「この民は口先でわたしを畏れ敬うが、その心は、わたしから遠く離れている」 フランシスコ会訳聖書
「口の門守」
詩人は「ヱホバよねがはくはわが口に門守をおきて わがくちびるの戸をまもりたまへ」(詩篇141:3 明治元訳聖書)と祈る。
私の「口の門守」は平気で敵に門を開そうになる。何か賂を受けたに違いない。
† 細き聲 説教
「口先の信仰」
「この民は口唇にて我を敬ふ、 されど其の心は我に遠ざかる」 マタイ15:8 大正文語訳聖書
「この民は口先でわたしを畏れ敬うが、その心は、わたしから遠く離れている」 フランシスコ会訳聖書
偽善者は「口では神を敬うが、心では神から遠ざかって」いる。
本節はイザヤからの引用である。
「この民は、口ではわたしに近づき、唇でわたしを敬うが、心ではわたしから遠く離れている」(イザヤ29:13)
人は言葉と行いの間に隔たりを置こうとする。しかし、「口では神を敬うが、心では神から遠ざかる」信仰を当然のこととしてはならない。
なぜなら、神の口から出た「ことば」は即実体となって、その言葉を完全に成し遂げずにはおかないからである。
「このように、わが口から出る言葉も、むなしくわたしに帰らない。わたしの喜ぶところのことをなし、わたしが命じ送った事を果す。」 イザヤ55:11 口語訳聖書
すべての「神の知恵と悟り」はこの神のみ言葉から生み出され、人は真に生きる者とな。
「これは、主が知恵を与え、知識と悟りとは、み口から出るからである。」 箴言2:6 口語訳聖書
「人はパンだけでは生きず、人は主の口から出るすべてのことばによって生きる」 申命8:3 口語訳聖書
人は神の口から出る「ことば」を「くちびるをもって言い現わす。
「わたしはくちびるをもって、あなたの口から出る/もろもろのおきてを言いあらわします。」 詩篇119:13 口語訳聖
したがって、神を畏れる者は偽善者のごとく、くちびるをもって神を汚してはならない。彼は自らのくちびるをもって神から遠ざかっている。
「しかし今は、これらいっさいのことを捨て、怒り、憤り、悪意、そしり、口から出る恥ずべき言葉を、捨ててしまいなさい。」 コロサイ3:8 口語訳聖書
(皆川誠)
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