マタイによる福音書14章32節

マタイによる福音書
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† 福音書縦観 「海を行かれるイエス」 マタイ14:22~33  

マタイ14:22~33 マルコ6:45~52 ヨハネ6:15~21
マタイ14:22~33

Matt.14:32ふたりが舟に乗り込むと、風はやんでしまった。(そして、彼らの舟に乗り込まれると、風はやんだ。彼らは心の中で、非常に驚いた。 6:52先のパンのことを悟らず、その心が鈍くなっていたからである。マルコ6:51~52) 口語訳聖書

† 日本語訳聖書 Matt.14:32 

【漢訳聖書】
Matt.14:32 甫登舟、而風息。

【明治元訳】
Matt.14:32 偕(とも)にに登(のり)ければ風(かぜ)しづまりぬ

【大正文語訳】
Matt.14:32 相共に舟に乘りしとき、風やみたり。

【ラゲ訳】
Matt.14:32 即共に小舟に乗りしに、風凪ぎたり。

【口語訳】
Matt.14:32  ふたりが舟に乗り込むと、風はやんでしまった。

【新改訳改訂3】
Matt.14:32  そして、ふたりが舟に乗り移ると、風がやんだ。

【新共同訳】
Matt.14:32  そして、二人が舟に乗り込むと、風は静まった。

【バルバロ訳】
Matt.14:32 二人が舟に乗ったとき、風がやんだ。

【フランシスコ会訳】
Matt.14:32 そして、二人が舟に乗り込むと、風はおさまった。

【日本正教会訳】
Matt.14:32 共に舟に登るに及びて、風息みたり。

【塚本虎二訳】
Matt.14:32 そして二人が舟に乗ると、風はやんだ。

【前田護郎訳】
Matt.14:32 彼らが舟にあがると、風は凪いだ。

【永井直治訳】
Matt.14:32 かくて船に彼等の乘りしとき風は落ちたり。

【詳訳聖書】
Matt.14:32 彼らが舟に乗り込むと、風がやんだ。

† 聖書引照 Matt.14:32 

Matt.14:32 相共に舟に乘りしとき、風やみたり。

[相共に舟に乘りしとき、風やみたり]  詩篇107:29,30; マル4:41; 6:51; ヨハ6:21

† ギリシャ語聖書 Matt.14:32 

Stephens 1550 Textus Receptus
και εμβαντων αυτων εις το πλοιον εκοπασεν ο ανεμος

Scrivener 1894 Textus Receptus 
και εμβαντων αυτων εις το πλοιον εκοπασεν ο ανεμος

Byzantine Majority 
και εμβαντων αυτων εις το πλοιον εκοπασεν ο ανεμος

Alexandrian 
και εμβαντων αυτων εις το πλοιον εκοπασεν ο ανεμος

Hort and Westcott 
και εμβαντων αυτων εις το πλοιον εκοπασεν ο ανεμος

† ギリシャ語聖書 品詞色分け 

Matt.14:32

καὶ ἀναβάντων αὐτῶν εἰς τὸ πλοῖον ἐκόπασεν ὁ ἄνεμος.

† ヘブライ語聖書 Matt.14:32 

Matt.14:32

בַּעֲלוֹתָם לַסִּירָה פָּסְקָה הָרוּחַ

† ラテン語聖書 Matt.14:32 

Latin Vulgate
Matt.14:32

Et cum ascendissent in naviculam, cessavit ventus.
And when they had ascended into the boat, the wind ceased. 

† 私訳(詳訳)Matt.14:32 

【私訳】 「こうして、彼らが舟に乗り込むと、風は力つきて止んだ<衰えた、弱まった>」

† 新約聖書ギリシャ語語句研究 

Matt.14:32

καὶ ἀναβάντων αὐτῶν εἰς τὸ πλοῖον ἐκόπασεν ὁ ἄνεμος.

【そして】 καὶ  καί カイ kai {kahee} (cc 接続詞・等位)

1)~と、~も、そして 2)~さえ、でさえも 3)しかし 4)しかも、それは 5)それでは、それだのに 6)そうすれば、すなわち 7)のみならず、もまた

(G2532 καί Apparently a primary particle, having a copulative and sometimes also a cumulative force; andalsoevensothentoo, etc.; often used in connection (or composition) with other particles or small words: – and,also,both, but, even, for, if, indeed, likewise, moreover, or, so, that, then, therefore, when, yea, yet.  Internet Sacred Text Archive)

【彼らが】 αὐτῶν  αὐτός  アウトス autos {ow-tos‘}  (npgn3p 代名詞・属男3)

1)彼、彼女、それ(三人称の代名詞) 2)自身で、自分から、自分として(強調用法) 3)同じ同一の 4)まさに、ちょうど

(G846 αὐτός From the particle αὖ au (perhaps akin to the base of 109 through the idea of a baffling wind; backward); the reflexive pronoun self, used (alone or in the compound of 1438 of the third person, and (with the proper personal pronoun) of the other persons: – her, it (-self), one, the other, (mine) own, said, ([self-], the) same, ([him-, my-, thy-]) self, [your-] selves, she, that, their (-s), them ([-selves]), there [-at, -by, -in, -into, -of, -on, -with], they, (these) things, this (man), those, together, very, which. Compare 848,   Internet Sacred Text Archive)

【舟】 πλοῖον  πλοῖον  プろイオン  ploion {ploy‘-on} (n-an-s 名詞・対中単)

1)舟、船 2)漁船、軍船

(G4143 πλοῖον From 4126 a sailer, that is, vessel: – ship (-ping).  Internet Sacred Text Archive)

マタ:21,22; 8:23,24; 9:1; 13:2; 14:13,22,24,29,32,33; 15:39 etc.

【に】 εἰς  εἰς エイス  eis {ice}  (pa 前置詞・対)

1)~の中へ 2)~へ 3)~まで 4)~のために 5)~に対して 6)~に向かって 7)~を目標にして 8)の間に

(G1519 εἰς  A primary preposition; to or into (indicating the point reached or entered), of place, time, or (figuratively) purpose (result, etc.); also in adverbial phrases.: – [abundant-] ly, against, among, as, at, [back-] ward, before, by, concerning, + continual, + far more exceeding, for [intent, purpose],  fore, + forth, in (among, at unto, -so much that, -to), to the intent that, + of one mind, + never, of, (up-) on, + perish, + set at one again, (so) that, therefore (-unto), throughout, till, to (be, the end, -ward), (here-) until (-to), . . . ward, [where-] fore, with. Often used in composition with the same general import, but only with verbs (etc.) expressing motion (literallyor figuratively.  Internet Sacred Text Archive)

【乗り込むと】 ἀναβάντων  ἀναβαίνω   アナバイノー anabainō {an-ab-ah‘ee-no } (vpaagm-p 分詞・2アオ能属男複)

 < ἀνά 上に + βαίνω 歩を進める、歩む

1)登る、あがる、昇る、上にあがる 2)(ある結果に)なる 2)芽生える、成長する、伸びる 3)(噂などが)広まる 4)思い浮かぶ、思い立つ

(G305  ἀναβαίνω From 303 and the base of 939 to go up (literally or figuratively): – arise, ascend (up), climb (go, grow, rise, spring) up, come (up).  Internet Sacred Text Archive)

マタ13:7;  マル4:7,8,32; 15:8;  ルカ2;42; 24:38;  ヨハ10:1; 21:11;  使徒7:23; 21:31

【風は】 ἄνεμος  ἄνεμος  アネモス  anemos {an‘-em-os}  (n-nm-s 名詞・主男単)

< ἄώ  ἄημι  吹く

1)風、嵐 2)四方(東西南北)3)方角

(G417  ἄνεμος From the base of 109 wind; (plural) by implication (the four) quarters (of the earth): – wind.  Internet Sacred Text Archive)

マタ7:25,27; 8:26,27; 11:7; 14:24,30,41;  マル4:37,39,41; 6:48,51;  ルカ7:24; 8:23,24,25;  ヨハ6:18;  使徒27:4,7,14,15;  ピリ4:14;  ヤコ3:4;  ユダ12;  黙示6:13;7:1

【静まった】 ἐκόπασεν  κοπάζω  コパゾー  kopazō {kop-ad‘-zo} (viaa–3s 動詞・直・1アオ・能・3単)

1)疲れる 2)(風が)静まる 3)おさまる 4)止む、力つきて止む 5)衰える、弱まる、へたる

(G2869 κοπάζω From 2873 to tire, that is, (figuratively) to relax: – cease.  Internet Sacred Text Archive)

マタ6:28; 11:28;  ルカ5:5;  ヨハ4:38;  ロマ16:6,12;  Ⅰコリ4:12; 16:16;  ピリ2:16;  コロ1:29 etc.

† 英語訳聖書 Matt.14:32 

King James Version 
14:32 And when they were come into the ship, the wind ceased.

New King James Version
14:32 And when they got into the boat, the wind ceased.

American Standard Version 
14:32 And when they were gone up into the boat, the wind ceased.

New International Version
14:32 And when they climbed into the boat, the wind died down.

Bible in Basic English 
14:32 And when they had got into the boat, the wind went down.

Today’s English Version
14:32 They both got into the boat, and the wind died down.

Darby’s English Translation 
14:32 And when they had gone up into the ship, the wind fell.

Douay Rheims 
14:32 And when they were come up into the boat, the wind ceased.

Noah Webster Bible 
14:32 And when they had come into the boat, the wind ceased.

Weymouth New Testament 
14:32 So they climbed into the boat, and the wind lulled;

World English Bible 
14:32 When they got up into the boat, the wind ceased.

Young’s Literal Translation 
14:32 and they having gone to the boat the wind lulled,

Amplified Bible
14:32 And when they got into the boat, the wind ceased.

† 細き聲 聖書研究ノート 

 <相共に舟に乘りしとき、風やみたり>

イエスとペテロが海から舟に乗り込むと、それまでの強風がおさまった。

 <相共に舟に乘りしとき、風やみたり>

イエスとペテロが舟に乗り込むと風はやんだ。弟子たちは「心の中で、非常に驚いた」、それは彼らが「先のパンのことを悟らず、その心が鈍くなっていたからである」。(マルコ6:51~52)

† 心のデボーション   

「相共に舟に乘りしとき、風やみたり」 マタイ14:32 大正文語訳聖書

「そして、彼らの舟に乗り込まれると、風はやんだ。彼らは心の中で、非常に驚いた。先のパンのことを悟らず、その心が鈍くなっていたからである」 マルコ6:51~52  口語訳聖書

 「心にたこ」

イエスとペテロが舟に乗り込むと風はおさまり、荒れた海は静かになった。弟子たちは非常に驚いた。

驚きは不信仰から来た。数時間前のパンの奇跡にもかかわらず、「その心が鈍くなっていた」からである。

「鈍い pwro,w ポーロオー」は「皮膚にできたたこ」のことで「無感覚で鈍い」を意味する。

心に「たこ」ができると、何事にも無感覚になり、やたらと驚くが的がはずれている。

† 心のデボーション   

「相共に舟に乘りしとき、風やみたり」 マタイ14:32 大正文語訳聖書

「かくて船に彼等の乗りしとき風は落ちたり」 永井直治訳聖書

 「おさまらない嵐はない」

イエスとペトロが舟に乗り込むと、さしもの風も「静まった κοπάζω  コパゾー 疲れ、力つきて止んだ」。おさまらない嵐はない。永井直治は「風は落ちたり」と訳す。

† 心のデボーション   

「相共に舟に乘りしとき、風やみたり」 マタイ14:32 大正文語訳聖書

「そして、二人が舟に乗り込むと、風は静まった」 新改訳聖書

 「安心、平安、平穏」

「安心、平安、平穏、無事、平静、安寧」は、イエスとともにある者に常にもたらされる祝福である。

「われ安然(やすらか)にして臥(ふし)またねぶらん ヱホバよわれを獨にて坦然(たひらか)にをらしむるものは汝なり」 詩篇4:8 明治元訳聖書

だが、静寂のなかにも「さわぎ」はある。

† 心のデボーション   

「相共に舟に乘りしとき、風やみたり」 マタイ14:32 大正文語訳聖書

「そして、二人が舟に乗り込むと、風は静まった」 新改訳聖書

 「十字架という木」

聖フランシスが自分の故郷に滞在中に、一人の女が井戸で水を汲み上げるのを見た。女はバケツをおろして水を汲み上げる度に小さな木切れ一つをバケツの中に投げ入れていた。理由を聞いたところ、こうすれば水の揺れを防ぎ、水が外にこぼれるのが最小限で済むという。

その説明を聞き感銘を受けた聖フランシスは、友人に宛てて、このような内容の手紙を送ったという。 
「私たちは、日々どれほど揺れる心の水槽を持っているのだろうか? 恐れで揺れる心、苦痛と絶望で崩れる心、これはまさに揺れる水槽と同様である。しかし、そこに十字架という木を投げ入れてみたらどうだろう。」

† 細き聲 説教  

 「鈍い心」

「相共に舟に乘りしとき、風やみたり」 マタイ14:32 大正文語訳聖書

「そして、二人が舟に乗り込むと、風は静まった」 新改訳聖書

イエスとペテロが海から舟に乗り込むと、それまでの強風がおさまった。

舟に乗っていた弟子たちは、それを見て、「心の中で、非常に驚いた」、それは彼らが「先のパンのことを悟らず、その心が鈍くなっていたからである」。(マルコ6:51~52)

人は力強い主の業を見ても、それによって信仰の悟りに至ることがない。「心が鈍くなっていた」からである。

「心を鈍い」はギリシャ語 ポーロオー でこの言葉は「石」を意味する「ポーロス」からきている。心を石のように硬くすることで、頑迷・無情な心を指す。悟ることのない鈍い心である。

「鈍い者は知ることができず、愚かな者はこれを悟ることができません」 詩篇92:6 口語訳聖書

主イエスは石のように「鈍い心」を砕かれる。

「しかし、イスラエルの人々の思いは鈍くなったのです。というのは、今日に至るまで、古い契約が朗読されるときに、同じおおいが掛けられたままで、取りのけられてはいません。なぜなら、それはキリストによって取り除かれるものだからです」 Ⅱコリ3:14 新改訳聖書

(皆川誠)

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