† 福音書縦観 「地引網」 マタイ13:47~50
マタイ13:47~50
Matt.13:50そして炉の火に投げこむであろう。そこでは泣き叫んだり、歯がみをしたりするであろう。 口語訳聖書
† 日本語訳聖書 Matt.13:50
【漢訳聖書】
Matt.13:50 而投之於火爐、在彼有哀哭切齒者矣。
【明治元訳】
Matt.13:50 之(これ)をの火(ひ)に投(なげ)入(いる)べし其處(そこ)にて哀哭(かなしみ)切齒(はがみ)すること有(あら)ん
【大正文語訳】
Matt.13:50 之を火の爐に投げ入るべし。其處にて哀哭・切齒することあらん。
【ラゲ訳】
Matt.13:50 之を火の窯に入れん、其處には痛哭と切歯とあらん。
【口語訳】
Matt.13:50 そして炉の火に投げこむであろう。そこでは泣き叫んだり、歯がみをしたりするであろう。
【新改訳改訂3】
Matt.13:50 火の燃える炉に投げ込みます。彼らはそこで泣いて歯ぎしりするのです。
【新共同訳】
Matt.13:50 燃え盛る炉の中に投げ込むのである。悪い者どもは、そこで泣きわめいて歯ぎしりするだろう。」
【バルバロ訳】
Matt.13:50 悪人を燃えさかるかまどに投げ入れる。そこには、嘆きとは歯ぎしりがあろう。
【フランシスコ会訳】
Matt.13:50 燃え盛るかまどに投げ入れる。そこには嘆きと歯ぎしりがある」。
【日本正教会訳】
Matt.13:50 之を火の爐に投ぜん、彼處には哀哭と切齒とあらん。
【塚本虎二訳】
Matt.13:50 火の燃える炉に投げ込み、彼らはそこでわめき、歯ぎしりするであろう。
【前田護郎訳】
Matt.13:50 彼らを燃える炉に投げ入れる。そこではなげきと歯ぎしりがあろう。
【永井直治訳】
Matt.13:50 且つこれを火の爐に投げ入るべし。そこにて歎くこと、また切齒することあるならん。
【詳訳聖書】
Matt.13:50 燃える炉に悪人を投げ入れる。そこには必ず泣き声<号泣>と歯がみがある。
† 聖書引照 Matt.13:50
Matt.13:50 之を火の爐に投げ入るべし。其處にて哀哭・切齒することあらん。
[之を火の爐に投げ入るべし] マタ13:42.
[其處にて哀哭・切齒することあらん] マタ24:50,51; ルカ13:27,28; ロマ14:10,11; 黙示16:10,11
† ギリシャ語聖書 Matt.13:50
Stephens 1550 Textus Receptus
και βαλουσιν αυτους εις την καμινον του πυρος εκει εσται ο κλαυθμος και ο βρυγμος των οδοντων
Scrivener 1894 Textus Receptus
και βαλουσιν αυτους εις την καμινον του πυρος εκει εσται ο κλαυθμος και ο βρυγμος των οδοντων
Byzantine Majority
και βαλουσιν αυτους εις την καμινον του πυρος εκει εσται ο κλαυθμος και ο βρυγμος των οδοντων
Alexandrian
και βαλουσιν αυτους εις την καμινον του πυρος εκει εσται ο κλαυθμος και ο βρυγμος των οδοντων
Hort and Westcott
και βαλουσιν αυτους εις την καμινον του πυρος εκει εσται ο κλαυθμος και ο βρυγμος των οδοντων
† ギリシャ語聖書 品詞色分け
Matt.13:50
καὶ βαλοῦσιν αὐτοὺς εἰς τὴν κάμινον τοῦ πυρός· ἐκεῖ ἔσται ὁ κλαυθμὸς καὶ ὁ βρυγμὸς τῶν ὀδόντων.
† ヘブライ語聖書 Matt.13:50
Matt.13:50
וְיַשְׁלִיכוּ אוֹתָם אֶל תַּנוּר הָאֵשׁ; שָׁם יִהְיוּ הַיְלָלָה וַחֲרוֹק הַשִּׁנַּיִם
† ラテン語聖書 Matt.13:50
Latin Vulgate
Matt.13:50
et mittent eos in caminum ignis: ibi erit fletus, et stridor dentium.
And they shall cast them into the furnace of fire, where there will be weeping and gnashing of teeth.
† 私訳(詳訳)Matt.13:50
【私訳】 「そして、審判の火の炉<竈>の中に投げ込ませる。そこには、嘆き<泣き叫ぶ声>と、歯ぎしりがある」
† 新約聖書ギリシャ語語句研究
Matt.13:50
καὶ βαλοῦσιν αὐτοὺς εἰς τὴν κάμινον τοῦ πυρός· ἐκεῖ ἔσται ὁ κλαυθμὸς καὶ ὁ βρυγμὸς τῶν ὀδόντων.
【そして】 καὶ καί カイ kai {kahee} (ch 接続詞・完)
1)~と、~も、そして 2)~さえ、でさえも 3)しかし 4)しかも、それは 5)それでは、それだのに 6)そうすれば、すなわち 7)のみならず、もまた
(G2532 καί Apparently a primary particle, having a copulative and sometimes also a cumulative force; and, also, even, so, then, too, etc.; often used in connection (or composition) with other particles or small words: – and, also, both, but, even, for, if, indeed, likewise, moreover, or, so, that, then, therefore, when, yea, yet. Internet Sacred Text Archive)
【燃え盛る炉の中へ】 εἰς τὴν κάμινον τοῦ πυρός 原文「火の炉の中へ」
【火の】 πυρός πῦρ プゆル pur {poor} (n-gn-s 名詞・属中単)
1)火 2)審判の火 3)火祭に積み重ねた薪、燃えさかる火、薪の台の上で犠牲の供物を焼く 4)熱
(G4442 πῦρ A primary word; “fire” (literally or figuratively, specifically lightning): – fiery, fire. Internet Sacred Text Archive)
マタ3:10,11,12; 5:22; 7:19; 13:40;,42,50; 17:15; 18:8,9; 25:41; マル9:22,43,48,49; ルカ3:9,16,17; 9:54; 12:49; 17:29; 22:55; ヨハ15:6 etc.
【炉の】 κάμινον κάμινος カミノス kaminos {kam‘-ee-nos} (n-af-s 名詞・対女単)
1)炉 2)窯 3)かまど 4)溶鉱炉
(G2575 κάμινος Probably from 2545 a furnace: – furnace. Internet Sacred Text Archive)
マタ13:42,50; 黙示1:15; 9:2
【中に】 εἰς εἰς エイス eis {ice} (pa 前置詞・対)
1)~の中へ 2)~へ 3)~まで 4)~のために 5)~に対して 6)~に向かって 7)~を目標にして 8)の間に
(G1519 εἰς A primary preposition; to or into (indicating the point reached or entered), of place, time, or (figuratively) purpose (result, etc.); also in adverbial phrases.: – [abundant-] ly, against, among, as, at, [back-] ward, before, by, concerning, + continual, + far more exceeding, for [intent, purpose], fore, + forth, in (among, at unto, -so much that, -to), to the intent that, + of one mind, + never, of, (up-) on, + perish, + set at one again, (so) that, therefore (-unto), throughout, till, to (be, the end, -ward), (here-) until (-to), . . . ward, [where-] fore, with. Often used in composition with the same general import, but only with verbs (etc.) expressing motion (literallyor figuratively. Internet Sacred Text Archive)
【投げ込ませる】 βαλοῦσιν βάλλω バるろー ballō {bal‘-lo} (vifa–3p 動詞・直・未来・能・3複)
1)投げる、投げつける、投じる、投げ捨てる、落とす 2)撒く、ふりかける 3)打つ 4)突進する、ぶつかる 5)置く、入れる、横たえる 6)注ぐ 7)納める
(元来、武器や飛び道具を投げること)
(G906 βάλλω A primary verb; to throw (in various applications, more or less violent or intense): – arise, cast (out), X dung, lay, lie, pour, put (up), send, strike, throw (down), thrust. Compare 4496. Internet Sacred Text Archive)
マタ3:10; 4:6; 5:29; 6:30; 7:6,19; 13:42,50; 18:8,9; マル9:22,42,45,47,12:41,42,43,44; ルカ3:9; 4:9; 12:28,58; 21:1,2,3,4; ヨハ15:6 etc.
【そこで】 ἐκεῖ ἐκεῖ エケイ ekei {ek-i‘} (ab 副詞)
1)そこに、そこで、かしこに、そちらへ、あちらへ、その方へ 2)その場所で 3)その時、当時
(G1563 ἐκεῖ Of uncertain affinity; there; by extension thither: – there, thither (-ward), (to) yonder (place). Internet Sacred Text Archive)
【悪い者どもは】 原文になし
【泣きわめき】 κλαυθμὸς κλαυθμός クらウトモス klauthmos {klowth-mos‘} (n-nm-s 名詞・主男単)
< κλάω 泣き叫ぶ、なげく
1)声を出して泣く、泣くこと、泣き叫ぶこと、泣き悲しむ 2)死を嘆く 3)悼む、嘆く
(G2805 κλαυθμός From 2799 lamentation: – wailing, weeping, X wept. Internet Sacred Text Archive)
マタ2:18; 8:12; 13:42;50; 使徒20:37
【そして】 καὶ καί カイ kai {kahee} (ch 接続詞・完)
1)~と、~も、そして 2)~さえ、でさえも 3)しかし 4)しかも、それは 5)それでは、それだのに 6)そうすれば、すなわち 7)のみならず、もまた
(G2532 καί Apparently a primary particle, having a copulative and sometimes also a cumulative force; and, also, even, so, then, too, etc.; often used in connection (or composition) with other particles or small words: – and, also, both, but, even, for, if, indeed, likewise, moreover, or, so, that, then, therefore, when, yea, yet. Internet Sacred Text Archive)
【歯ぎしり】 ὁ βρυγμὸς τῶν ὀδόντων
【歯を】 ὀδόντων ὀδούς オドウス odous {od-ooce} (n-gm-p 名詞・属男複)
1)歯 2)牙 3)歯状のもの
(G3599 ὀδούς Perhaps from the base of 2068 a “tooth”: – tooth. Internet Sacred Text Archive)
マタ5:38; 8:12; 13:42;50; マル9:18; 使徒7:54; 黙示9:8
【噛む】 βρυγμὸς βρυγμός ブリゆグモス brugmos {broog-mos‘} (n-nm-s 名詞・主男単)
1)歯ぎしり 2)歯がみ 3)噛む
(G1030 βρυγμός From 1031 a grating (of the teeth): – gnashing. Internet Sacred Text Archive)
マタ8:12; 13:42,50; 22:13; 24:51; 25:30; ルカ13:28
【する】 ἔσται εἰμί エイミ eimi {i-mee‘} (vifd–3s 動詞・直・未来・能欠・3単)
1)ある、いる、~である、~です、~だ 2)行われる、おこる、生ずる、現れる、来る 3)いる、滞在する、とどまる 4)存在する 5)生きている
(G1510 εἰμί First person singular present indicative; a prolonged form of a primary and defective verb; I exist (used only when emphatic): – am, have been, X it is I, was. See also 1488 1498 1511 1527 2258 2071 2070 2075 2076 2771 2468 5600. Internet Sacred Text Archive)
† 英語訳聖書
King James Version
13:50 And shall cast them into the furnace of fire: there shall be wailing and gnashing of teeth.
New King James Version
13:50 “and cast them into the furnace of fire. There will be wailing and gnashing of teeth.”
American Standard Version
13:50 and shall cast them into the furnace of fire: there shall be the weeping and the gnashing of teeth.
New International Version
13:50 and throw them into the fiery furnace, where there will be weeping and gnashing of teeth.
Bible in Basic English
13:50 And will put them into the fire: there will be weeping and cries of sorrow.
Today’s English Version
13:50 and will throw them into the fiery furnace, where they will cry and gnash their teeth.
Darby’s English Translation
13:50 and shall cast them into the furnace of fire; there shall be the weeping and the gnashing of teeth.
Douay Rheims
13:50 And shall cast them into the furnace of fire: there shall be weeping and gnashing of teeth.
Noah Webster Bible
13:50 And shall cast them into the furnace of fire: there shall be wailing and gnashing of teeth.
Weymouth New Testament
13:50 and will throw them into the fiery furnace. There will be the weeping aloud and the gnashing of teeth.’
World English Bible
13:50 and will cast them into the furnace of fire. There will be the weeping and the gnashing of teeth.’
Young’s Literal Translation
13:50 and shall cast them to the furnace of the fire, there shall be the weeping and the gnashing of the teeth.’
Amplified Bible
13:50 and throw the wicked into the furnace of fire; in that place there will be weeping [over sorrow and pain] and grinding of teeth [over distress and anger].
† 細き聲 聖書研究ノート
<之を火の爐に投げ入るべし。其處にて哀哭・切齒することあらん>
その日、神の御使いが「正しい人の中の悪しき者」をえり分け、それを「火の炉」に投げ込まれると、投げ込まれたものたちは泣いは歯ぎしりをする。
<之を火の爐に投げ入るべし>
「火」はすべてを焼き尽くす破壊力をもつことから「神の怒り」に用いられる。
「ヱホバよ斯て幾何時をへたまふや 汝とこしへに怒たまふや なんぢのねたみは火のごとく燃るか」 詩篇79:5 明治元訳聖書
<其處にて哀哭・切齒することあらん>
「切齒 ὁ βρυγμὸς τῶν ὀδόντων」は「歯を噛む」で、英語ではthe grinding of the teeth である。
歯を強くかみあわせて悔しがる。
「切歯扼腕」は「史記」張儀伝から、「歯ぎしりをし腕を強く握り締めて怒り、くやしさ、無念さ」をあらわす。
† 心のデボーション
「之を火の爐に投げ入るべし。其處にて哀哭・切齒することあらん」 マタイ13:50 大正文語訳聖書
「燃え盛る炉の中に投げ込むのである。悪い者どもは、そこで泣きわめいて歯ぎしりするだろう」 新共同訳聖書
「燃えさかる炉」
「悪い者」は決して「後悔」などしない。しかし、「燃え盛る炉の中」では「悪い者」でさえもが「泣きわめいて、歯ぎしりする」。「悪い者」に起こる「泣きわめき、歯ぎしり」こそが「燃え盛る炉」である。
† 心のデボーション
「之を火の爐に投げ入るべし。其處にて哀哭・切齒することあらん」 マタイ13:50 大正文語訳聖書
「燃え盛る炉の中に投げ込むのである。悪い者どもは、そこで泣きわめいて歯ぎしりするだろう」 新共同訳聖書
「審判の炉」
「審判」は「燃えさかる炉」と表現される。それは「焼き尽くす火」である。燃えさかる火は一瞬にして「投ぜられたもの」を焼き尽くし、跡形もなく存在を消す。「嘆きと歯ぎしり」は火に焼かれる苦悩というよりも、その存在を瞬時に消されることへの自責の思いか。
† 心のデボーション
「之を火の爐に投げ入るべし。其處にて哀哭・切齒することあらん」 マタイ13:50 大正文語訳聖書
「燃え盛る炉の中に投げ込むのである。悪い者どもは、そこで泣きわめいて歯ぎしりするだろう」 新共同訳聖書
「哀哭・切齒する」
自分について「哀哭・切齒することある」ならば、希望はある。まだ「火の爐に投げ入れられて」はいないからだ。悪しき者は「火の爐に投げ入れられる」までは、何についても「哀哭・切齒すること」などしない。
† 細き聲 説教
「歯ぎしり」
「之を火の爐に投げ入るべし。其處にて哀哭・切齒することあらん」 マタイ13:50 大正文語訳聖書
「燃え盛る炉の中に投げ込むのである。悪い者どもは、そこで泣きわめいて歯ぎしりするだろう」 新共同訳聖書
その日、神の御使いが「正しい人の中の悪しき者」をえり分け、それを「火の炉」に投げ込まれると、投げ込まれたものたちは泣いは歯ぎしりをする。
「火」はすべてを焼き尽くす破壊力をもつことから「神の怒り」に用いられる。
しへに怒たまふや なんぢのねたみは火のごとく燃るか」 詩篇79:5 明治元訳聖書
「其處にて哀哭・切齒することあらん」
「切齒 ὁ βρυγμὸς τῶν ὀδόντων」は「歯を噛む」で、英語ではthe grinding of the teeth である。
歯を強くかみあわせて悔しがる。
「悪しき者」の「哀哭・切齒」は悔改めからのものではない。「正しい人々」の中「μέσος メソス 真中、中央」にいたのが、そこから「分かたれた」ことへの「歯ぎしり」であろう。
人には「正しき人」の真中にいる「悪しき人」の絆を解くことは誰にもできない。それをなされるのは神御自身である。そのとき、人は自らから分かたれて歯ぎしりする「内なる悪しき者」の泣く声を聞くだろう。
(皆川誠)
コメント