マタイによる福音書10章16節

マタイによる福音書
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† 福音書対観 「宣教 ⅱ」 マタイ10:16~23,24:9,23 マルコ13:9~13 ルカ21:12~19,10:3,12:11~12

マタイ10:16~23,24:9,23

Matt.10:16わたしがあなたがたをつかわすのは、羊をおおかみの中に送るようなものである。だから、へびのように賢く、はとのように素直であれ。(さあ、行きなさい。わたしがあなたがたをつかわすのは、小羊をおおかみの中に送るようなものである ルカ10:3

Matt.10:17人々に注意しなさい(あなたがたは自分で気をつけていなさい マルコ13:9)。彼らはあなたがたを(あなたがたは、わたしのために マルコ13:9)衆議所に引き渡し、会堂でむち打つであろう(しかし、これらのあらゆる出来事のある前に、人々はあなたがたに手をかけて迫害をし、会堂や獄に引き渡し、わたしの名のゆえに王や総督の前にひっぱって行くであろう ルカ21:12

Matt.10:18またあなたがたは、わたしのために長官たちや王たちの前に引き出されるであろう(彼らに対してあかしをさせられるであろう マルコ13:9)。それは、彼らと異邦人とに対してあかしをするためである。(それは、あなたがたがあかしをする機会となるであろう ルカ21:13

Matt.10:19彼らがあなたがたを引き渡したとき、何をどう言おうかと心配しないがよい。言うべきことは、その時に授けられるからである。 (そして、人々があなたがたを連れて行って引きわたすとき、何を言おうかと、前もって心配するな。その場合、自分に示されることを語るがよい マルコ13:11)(だから、どう答弁しようかと、前もって考えておかないことに心を決めなさい ルカ21:14)(12:11あなたがたが会堂や役人や高官の前へひっぱられて行った場合には、何をどう弁明しようか、何を言おうかと心配しないがよい。 12:12言うべきことは、聖霊がその時に教えてくださるからである ルカ12:11~12 あなたの反対者のだれもが抗弁も否定もできないような言葉と知恵とを、わたしが授けるから ルカ21:15)。

Matt.10:20語る者は、あなたがたではなく、あなたがたの中にあって語る父の霊である(語る者はあなたがた自身ではなくて、聖霊である マルコ13:11)。

Matt.10:21兄弟は兄弟を、父は子を殺すために渡し、また子は親に逆らって立ち、彼らを殺させるであろう。

Matt.10:22またあなたがたは、わたしの名のゆえにすべての人に憎まれるであろう。しかし、最後まで耐え忍ぶ者は救われる(21:16しかし、あなたがたは両親、兄弟、親族、友人にさえ裏切られるであろう。また、あなたがたの中で殺されるものもあろう。 21:17また、わたしの名のゆえにすべての人に憎まれるであろう。 21:18しかし、あなたがたの髪の毛一すじでも失われることはない。 21:19あなたがたは耐え忍ぶことによって、自分の魂をかち取るであろう ルカ21:16~19 )。

Matt.10:23一つの町で迫害されたなら、他の町へ逃げなさい。よく言っておく。あなたがたがイスラエルの町々を回り終らないうちに、人の子は来るであろう。

Matt.24:9そのとき人々は、あなたがたを苦しみにあわせ、また殺すであろう。またあなたがたは、わたしの名のゆえにすべての民に憎まれるであろう。

Matt.24:13しかし、最後まで耐え忍ぶ者は救われる。

Matt.24:14(こうして、福音はまずすべての民に宣べ伝えられねばならない マルコ13:10)そしてこの御国の福音は、すべての民に対してあかしをするために、全世界に宣べ伝えられるであろう。そしてそれから最後が来るのである。口語訳聖書

† 日本語訳聖書 Matt.10:16

【漢訳聖書】
Matt.10:16 我遣爾似羊入狼中、故宜智如蛇、馴如鴿、

【明治元訳】
Matt.10:16 われを遣(つかは)すは羊(ひつじ)を狼(おほかみ)の中(なか)に入(いる)るが如(ごと)し故(ゆゑ)に蛇(へび)の如(ごと)く智(さと)く鴿(はと)の如(ごと)く馴良(おとなし)かれ

【大正文語訳】
Matt.10:16 視よ、我なんぢらを遣すは、羊を豺狼のなかに入るるが如し。この故に蛇のごとく慧く、鴿のごとく素直なれ。

【ラゲ訳】
Matt.10:16 看よ、我が汝等を遣はすは、羊を狼の中に[入るるが]如し、故に蛇の如く敏く、鴿の如く素直なれ。

【口語訳】
Matt.10:16 わたしがあなたがたをつかわすのは、羊をおおかみの中に送るようなものである。だから、へびのように賢く、はとのように素直であれ。

【新改訳改訂3】
Matt.10:16 いいですか。わたしが、あなたがたを遣わすのは、狼の中に羊を送り出すようなものです。ですから、蛇のようにさとく、鳩のようにすなおでありなさい。

【新共同訳】
Matt.10:16 「わたしはあなたがたを遣わす。それは、狼の群れに羊を送り込むようなものだ。だから、蛇のように賢く、鳩のように素直になりなさい。

【バルバロ訳】
Matt.10:16 私があなたたちを送るのは、羊をおおかみの中に入れるようなものだ。だから、へびのようにさとくはとのように無邪気であれ。

【フランシスコ会訳】
Matt.10:16 今、わたしはあなたたちを遣わすが、それはあたかも羊をおおかみの中に送り入れるようなものである。だから、へびのように賢く、鳩のようにすなおになりなさい。

【日本正教会訳】
Matt.10:16 視よ、我が爾等を遣すは、羊を狼の中に入るるが如し、故に智きこと蛇の如く、傷なきこと鴿の如くなれ。

【塚本虎二訳】
Matt.10:16 いまわたしがあなた達を送り出すのは、羊を狼の中に入れるようなものだ。だから、蛇のように賢く、鳩のように純真であれ。

【前田護郎訳】
Matt.10:16 見よ、わたしがあなた方をつかわすのは羊を狼の中へも同然。それゆえ賢いこと蛇のよう、純なこと鳩のようであれ。

【永井直治訳】
Matt.10:16 見よ、われ汝等を使はさん、狼の眞中にある羊の如し。是の故に蛇の如くき者、また鴿の如く淳(すなほ)なる者たれよ。

【詳訳聖書】
Matt.10:16 見よ、私はあなたたちを、おおかみの中の羊のようなものとして送り出そうとしている。へびのように抜け目なく<賢明で>、はとのように無邪気で<悪意のない、たくらみのない、偽りのない者で>ありなさい。

† 聖書引照 Matt.10:16

Matt.10:16 視よ、我なんぢらを遣すは、羊を豺狼のなかに入るるが如し。この故に蛇のごとく慧く、鴿のごとく素直なれ。

[視よ、我なんぢらを遣すは、羊を豺狼のなかに入るるが如し] ルカ10:3; 使徒20:29
[この故に蛇のごとく慧く] 創世3:1,13; ルカ21:15; ロマ16:19; Ⅰコリ14:20; Ⅱコリ11:3,14; エペ5:15~17; コロ1:9; 4:5
[鴿のごとく素直なれ] or, simple. ロマ16:18,19; Ⅱコリ1:12; 8:20; 11:3; ピリ2:15; Ⅰテサ2:10; 5:22

† ギリシャ語聖書 Matt.10:16

Stephens 1550 Textus Receptus
ιδου εγω αποστελλω υμας ως προβατα εν μεσω λυκων γινεσθε ουν φρονιμοι ως οι οφεις και ακεραιοι ως αι περιστεραι

Scrivener 1894 Textus Receptus
ιδου εγω αποστελλω υμας ως προβατα εν μεσω λυκων γινεσθε ουν φρονιμοι ως οι οφεις και ακεραιοι ως αι περιστεραι

Byzantine Majority
ιδου εγω αποστελλω υμας ως προβατα εν μεσω λυκων γινεσθε ουν φρονιμοι ως οι οφεις και ακεραιοι ως αι περιστεραι

Alexandrian
ιδου εγω αποστελλω υμας ως προβατα εν μεσω λυκων γινεσθε ουν φρονιμοι ως οι οφεις και ακεραιοι ως αι περιστεραι

Hort and Westcott
ιδου εγω αποστελλω υμας ως προβατα εν μεσω λυκων γινεσθε ουν φρονιμοι ως οι οφεις και ακεραιοι ως αι περιστεραι

† ギリシャ語聖書 品詞色分け

Matt.10:16

᾽Ιδοὺ ἐγὼ ἀποστέλλω ὑμᾶς ὡς πρόβατα ἐν μέσῳ λύκων γίνεσθε οὖν φρόνιμοι ὡς οἱ ὄφεις καὶ ἀκέραιοι ὡς   αἱ  περιστεραί.

† ヘブライ語聖書 Matt.10:16

Matt.10:16

הִנֵּה אָנֹכִי שׁוֹלֵחַ אֶתְכֶם כִּכְבָשִׂים בֵּין זְאֵבִים. לָכֵן הֱיוּ עֲרוּמִים כִּנְחָשִׁים וּתְמִימִים כְּיוֹנִים

† ラテン語聖書 Matt.10:16

Latin Vulgate
Matt.10:16

Ecce ego mitto vos sicut oves in medio luporum. Estote ergo prudentes sicut serpentes, et simplices sicut columbæ.
Behold, I am sending you like sheep in the midst of wolves. Therefore, be as prudent as serpents and as simple as doves.

† 私訳(詳訳)Matt.10:16

【私訳】 「見よ、わたしはあなたがたを、狼の群れの真中の羊のように遣わす<送り出す、派遣する>。それで、蛇のように賢く<理解力鋭く、分別あり、思慮深く、利口、冷静、聡明、慎重>であれ。そして、鳩のように素直で<混じり気なく、純粋で、純潔、完全、無傷、無垢、素直>であれ」

† 新約聖書ギリシャ語語句研究

Matt.10:16

᾽Ιδοὺ ἐγὼ ἀποστέλλω ὑμᾶς ὡς πρόβατα ἐν μέσῳ λύκων γίνεσθε οὖν φρόνιμοι ὡς οἱ ὄφεις καὶ ἀκέραιοι ὡς   αἱ  περιστεραί.

原文「見よわたしはあなたがたを遣わす」

【見よ】 ᾽Ιδοὺ ἰδού イドゥ idou {id-oo‘} (qs 不変化詞)

1)そら、ほら、さあ、まあ、それ 2)見よ、見よ驚くことに、ごらん

注意を喚起する言葉「見よ、驚くことに」

(G2400  ἰδού Second person singular imperative middle voice of 1492 used as imperative lo!: – behold, lo, see.  Internet Sacred Text Archive)

【わたしは】 ἐγὼ  ἐγώ エゴー egō {eg-o‘} (npn-1s 代名詞・主1単)

1)私 2)わたし

(G1473  ἐγώ A primary pronoun of the first person, “I” (only expressed when emphatic): – I, me. For the other cases and the plural see 1691 1698 1700 2248 2249 2254 2257 etc.  Internet Sacred Text Archive)

【あなたがたを】 ὑμᾶς  σύ スゆ sou {soo} (npa-2p 代名詞・対2複)

1)あなた 2)汝 3)君

(G4771 σύ The personal pronoun of the second person singular; thou: – thou. See also 4571 4671 4675 and for the plur. 5209 5210 5213 5216.  Internet Sacred Text Archive)

【遣わす】 ἀποστέλλω  ἀποστέλλω アポステるろー  apostellō {ap-os-tel‘-lo} (vipa–1s 動詞・直・現・能・1単)

< ἀπό + στέλλω つかわす

1)使命を与えて遣わす、権限を委任して派遣する、派遣する、つかわす、送り出す、使いに出す 2)送付する、発送する、送る 3)追い出す、去らせる

(G649  ἀποστέλλω From 575 and 4724 set apart, that is, (by implication) to send out (properly on a mission) literally or figuratively: – put in, send (away, forth, out), set [at liberty].  Internet Sacred Text Archive)

マタ10:5,16; 21:36; 22:3; 24:31;27:19; マル1:2; 3:31; 6:7; 9:37; 12:2; 13:27; ルカ7:3; 9:52; 10:1,16; 14:32; 19:14; 22:35; ヨハ5:33,36; 11:3; 20:21 etc.

【それは狼の群れに羊を送り込むようなものだ】 原文「狼の真中にある羊のごとし」

【狼たちの】 λύκων  λύκος りゆコス  lukos {loo‘-kos} (n-gm-p 名詞・属男複)

1)狼 2)山犬

(G3074 λύκος Perhaps akin to the base of 3022 (from the whitish hair); a wolf: – wolf.  Internet Sacred Text Archive)

マタ7:15; 10:16; ルカ10:3; ヨハ10:12; 使徒20:29

【真中に】 ἐν μέσῳ

ἐν  ἐν エン en {en}  (pd 前置詞・属)

1)~の中に、~の間に 2)~の上に 3)ところに、のそばに 4)で 3)よって 5)に

(G1722  ἐν A primary preposition denoting (fixed) position (in place, time or state), and (by implication) instrumentality (medially or constructively), that is, a relation of rest (intermediate between 1519 and 1537 ; “in”at, (up-) onby, etc.: – about, after, against, + almost, X altogether, among, X as, at, before, between, (here-) by (+ all means), for (. . . sake of), + give self wholly to,(here-) in (-to, -wardly), X mightily, (because) of, (up-) on, [open-] ly, X outwardly, one, X quickly, X shortly, [speedi-] ly, X that, X there (-in, -on), through (-out), (un-) to(-ward), under, when, where (-with), while, with (-in). Often used in compounds, with substantially the same import; rarely with verbs of motion, and then not to indicate direction, except (elliptically) by a separate (and different) prep.  Internet Sacred Text Archive)

μέσῳ  μέσος メソス mesos {mes‘-os} (ap-dn-s 指示詞・中単)

1)真中に(の) 2)中央の 3)中間の 4)中の

(G3319 μέσος From 3326 middle (as adjective or [neuter] noun): – among, X before them, between, + forth, mid [-day, -night], midst, way.  Internet Sacred Text Archive)

【羊】 πρόβατα  πρόβατον プロバトン probaton {prob‘-at-on} (n-an-p 名詞・対中複)

1)家畜 2)羊、子羊、山羊 3)のろま、まぬけ

(G4263 πρόβατον Properly the neuter of a presumed derivative of 4260 something that walks forward (a quadruped), that is, (specifically) a sheep (literally or figuratively): – sheep ([-fold]).  Internet Sacred Text Archive)

マタ7:15; 9:36; 10:6,16; 12:11,12; 15:24; 18:12; 25:32,33; 26:31; マル6:34; 14:27; ルカ15:4;,6; ヨハ2:14,15; 10:1,2,3,4,7,8,11,12,13,15,16,26,27; etc.

【のように】 ὡς  ὡς ホース hōs {hoce} (cs 接続詞・従位)

1)~のように、ちょうど~のように 2)~なので 3)と同じように、~であるかのように 4)おおよそ、ほぼ 5)の時

(G5613  ὡς Probably adverb of compound from 3739 which how, that is, in that manner (very variously used as shown): – about, after (that), (according) as (it had been, it were), as soon (as), even as (like), for, how (greatly), like (as, unto), since, so (that), that, to wit, unto, when ([-soever]), while, X with all speed.  Internet Sacred Text Archive)

【それで】 οὖν οὖν ウーン oun {oon} (ch 接続詞・後置語)

1)それで、それから、それゆえ、そうゆうわけで、故に、さて、ところで、そこで 2)そのように、実際に、確かに、いずれにしても、とにかく 3)だから、その理由で、そんなわけで 4)すると、それでは

(G3767 οὖν Apparently a primary word; (adverbially) certainly, or (conjugationally) accordingly: – and (so, truly), but, now (then), so (likewise then), then, therefore, verily, wherefore.  Internet Sacred Text Archive)

【蛇】 ὄφεις  ὄφις オふィス  ophis {of‘-is} (n-nm-p 名詞・主男複)

1)へび

(G3789  ὄφις Probably from 3700 (through the idea of sharpness of vision); a snake, figuratively (as a type of sly cunning) an artful malicious person, especially Satan: – serpent.  Internet Sacred Text Archive)

マタ7:10; 10:16; 23:33; マル16:18; ルカ10:19; 11:11; ヨハ3:14; Ⅰコリ10:9; 11:3; 黙示9:19; 12:9,14,15; 20:2

【のように】 ὡς  ὡς ホース hōs {hoce} (cs 接続詞・従位)

1)~のように、ちょうど~のように 2)~なので 3)と同じように、~であるかのように 4)おおよそ、ほぼ 5)の時

(G5613  ὡς Probably adverb of compound from 3739 which how, that is, in that manner (very variously used as shown): – about, after (that), (according) as (it had been, it were), as soon (as), even as (like), for, how (greatly), like (as, unto), since, so (that), that, to wit, unto, when ([-soever]), while, X with all speed.  Internet Sacred Text Archive)

【賢く】  φρόνιμοι  φρόνιμος  ふロニモス phronimos {fron‘-ee-mos} (a–nm-p 形容詞・主男複)

1)物わかりのよい、わけの分かった、分別のある、冷静な 2)賢い、賢明な、思慮深い、理解力の鋭い 4)慎重な、利口な、抜け目のない、利口な、知力の備えた、見識のある

(G5429 φρόνιμος  From 5424 thoughtful, that is, sagacious or discreet (implying a cautious character; while 4680 denotes practical skill or acumen; and 4908 indicates rather intelligence or mental acquirement); in a bad sense conceited (also in the comparative): – wise (-r).  Internet Sacred Text Archive)

マタ7:24; 10:16; 24:45; 25:2,4,8,9; ルカ12:42; ロマ11:25; 12:16; Ⅰコリ4:10; 10:15; Ⅱコリ11:19;

【そして】 καὶ  καί カイ kai {kahee} (cc 接続詞・等位)

1)~と、~も、そして 2)~さえ、でさえも 3)しかし 4)しかも、それは 5)それでは、それだのに 6)そうすれば、すなわち 7)のみならず、もまた

(G2532 καί Apparently a primary particle, having a copulative and sometimes also a cumulative force; and, also, even, so, then, too, etc.; often used in connection (or composition) with other particles or small words: – and, also, both, but, even, for, if, indeed, likewise, moreover, or, so, that, then, therefore, when, yea, yet.  Internet Sacred Text Archive)

【鳩】 περιστεραί περιστερά ペリステラ peristera {per-is-ter-ah‘} (n-nf-p 名詞・主女複)

1)鳩 2)イエバト

鳩は「翼強き鳥」(詩篇55:7~9)であり、散らされた国から飛び帰ってくる(ホセア11:11)方舟から放たれた「鳩」は地を行き巡り、オリーブの葉をくわえてノアのところに戻ってくる

(G4058 περιστερά  Of uncertain derivation; a pigeon: – dove, pigeon.  Internet Sacred Text Archive)

マタ3:16; 10:16; 21:12; マル1:10; 11:15; ルカ2:24; 3:22; ヨハ1:32; 2:14,16

【のように】 ὡς  ὡς ホース hōs {hoce} (cs 接続詞・従位)

1)~のように、ちょうど~のように 2)~なので 3)と同じように、~であるかのように 4)おおよそ、ほぼ 5)の時

(G5613  ὡς Probably adverb of compound from 3739 which how, that is, in that manner (very variously used as shown): – about, after (that), (according) as (it had been, it were), as soon (as), even as (like), for, how (greatly), like (as, unto), since, so (that), that, to wit, unto, when ([-soever]), while, X with all speed.  Internet Sacred Text Archive)

【素直でありなさい】 ἀκέραιοι  ἀκέραιος アケライオス akeraios {ak-er‘-ah-yos} (a–nm-p 形容詞・主男複)

< α + κέραννυμι 混ぜる

1)混じりけのない、混ぜられていない、純血の 2)荒らされていない、手のつけられていない、純真な 3)無傷の、無垢の、完全な 4)純潔な、貞節な 5)すなおな、素直な

(G185  ἀκέραιος From 1 (as a negative particle) and a presumed derivative of 2767 unmixed, that is, (figuratively) innocent: – harmless, simple.  Internet Sacred Text Archive)

マタ10:16; ロマ16:19; ピリ2:15

† 英語訳聖書 Matt.10:16

King James Version
10:16 Behold, I send you forth as sheep in the midst of wolves: be ye therefore wise as serpents, and harmless as doves.

New King James Version
10:16 “Behold, I send you out as sheep in the midst of wolves. Therefore be wise as serpents and harmless as doves.

American Standard Version
10:16 Behold, I send you forth as sheep in the midst of wolves: be ye therefore wise as serpents, and harmless as doves.

New International Version
10:16I am sending you out like sheep among wolves. Therefore be as shrewd as snakes and as innocent as doves.

Bible in Basic English
10:16 See, I send you out as sheep among wolves. Be then as wise as snakes, and as gentle as doves.

Today’s English Version
10:16 “Listen! I am sending you out just like sheep to a pack of wolves. You must be as cautious as snakes and as gentle as doves.

Darby’s English Translation
10:16 Behold, I send you as sheep in the midst of wolves; be therefore prudent as the serpents, and guileless as the doves.

Douay Rheims
10:16 Behold I send you as sheep in the midst of wolves. Be ye therefore wise as serpents and simple as doves.

Noah Webster Bible
10:16 Behold, I send you forth as sheep in the midst of wolves: be ye therefore wise as serpents, and harmless as doves.

Weymouth New Testament
10:16 ‘Remember it is I who am sending you out, as sheep into the midst of wolves; prove yourselves as sagacious as serpents, and as innocent as doves.

World English Bible
10:16 Behold, I send you forth as sheep in the midst of wolves. Therefore be wise as serpents, and harmless as doves.

Young’s Literal Translation
10:16 ‘Lo, I do send you forth as sheep in the midst of wolves, be ye therefore wise as the serpents, and simple as the doves.

Amplified Bible
10:16 “Listen carefully: I am sending you out like sheep among wolves; so be wise as serpents, and innocent as doves [have no self-serving agenda].

† 細き聲 聖書研究ノート

 <視よ、我なんぢらを遣すは、羊を豺狼のなかに入るるが如し。この故に蛇のごとく慧く、鴿のごとく素直なれ>

主が弟子たちを派遣されるのは羊を狼の群れに遣わすようなものである。それ故に、蛇のごとく賢く、鳩のごとく素直でありなさい。

 <視よ、我なんぢらを遣すは、羊を豺狼のなかに入るるが如し>

ルカ並行記事では、「羊」は「子羊」である。ルカ10:3 その危うさは並みのものではない。

「狼 λύκος りゆコス」は狂暴な野獣で「荒い性質」をもち、しばしば「羊」を襲った。

 <蛇のように賢く>

生物としての「蛇」は、獲物をとらえる行動はすばやいが、決して「賢い」動物とは言えない。

しかし、創世記には「ヱホバ神の造りたまひし野の生物の中に蛇最も狡猾し」(創世記3:1)とあることから、「蛇のように賢く」が生まれたのかもしれない。

 <鳩のように素直であれ>

ノアは地が乾いたかどうかを知るために方舟から「鳩」を放った。(創世記8:8~12) 鳩は素直で信頼に足りる鳥とされる。鳩はまた、「美しい乙女」に例えられる。(雅歌1:15)

† 心のデボーション

「視よ、我なんぢらを遣すは、羊を豺狼のなかに入るるが如し。この故に蛇のごとく慧く、鴿のごとく素直なれ」 マタイ10:16 大正文語訳聖書

「今、わたしはあなたたちを遣わすが、それはあたかも羊をおおかみの中に送り入れるようなものである。だから、へびのように賢く、鳩のようにすなおになりなさい」 フランシスコ会訳聖書

 「狼」

「狼 λύκος りゆコス」は狂暴な野獣で「荒い性質」をもち、しばしば「羊」を襲った。イエスのことばを伝えるのは、羊が狼の真中に置かれるようなものである。狼への備えがなければ、たちまち格好な餌食になろう。

† 心のデボーション  

「視よ、我なんぢらを遣すは、羊を豺狼のなかに入るるが如し。この故に蛇のごとく慧く、鴿のごとく素直なれ」 マタイ10:16 大正文語訳聖書

「今、わたしはあなたたちを遣わすが、それはあたかも羊をおおかみの中に送り入れるようなものである。だから、へびのように賢く、鳩のようにすなおになりなさい」 フランシスコ会訳聖書

 「真実」

立教大学チャプレン長 ヨセフ飯田徳昭氏はチャペルで、キリスト教徒の受けた数々の迫害の歴史から、「こんな空恐ろしいキリスト教と対決せずに(立教大学の)4年間を過ごしていてよいものだろうか」と語っている。(2001年3月13日)

日本人がキリスト教に出会うとき、キリスト教の「空恐ろしさ」という側面に気づく必要がある。「愛の宗教」という美しい信仰への憧れだけで、聖書の信仰をとらえることはできない。真実はすべて「空恐ろしい」。

† 心のデボーション  

「視よ、我なんぢらを遣すは、羊を豺狼のなかに入るるが如し。この故に蛇のごとく慧く、鴿のごとく素直なれ」 マタイ10:16 大正文語訳聖書

「今、わたしはあなたたちを遣わすが、それはあたかも羊をおおかみの中に送り入れるようなものである。だから、へびのように賢く、鳩のようにすなおになりなさい」 フランシスコ会訳聖書

 「牛飼いの杖」

ギリシャ神話で商業の神とされるヘルメス Hermes はアポロンが与えた「牛飼いの杖 ケーリュケイオン」をもっている。ケーリュケイオンは二匹の蛇が巻きついた魔法の杖で頂に翼がついている。蛇は英知を、翼は世界にはばたくの意味である。

ヘルメスの英名はマーキュリー Mercury で、mercury は水銀の意味である。捕らえようとしても逃げ出すすばしこい金属という意味からこの名になった。

商売は、蛇のような賢さを神といただく世界である。

† 心のデボーション  

「視よ、我なんぢらを遣すは、羊を豺狼のなかに入るるが如し。この故に蛇のごとく慧く、鴿のごとく素直なれ」 マタイ10:16 大正文語訳聖書

「今、わたしはあなたたちを遣わすが、それはあたかも羊をおおかみの中に送り入れるようなものである。だから、へびのように賢く、鳩のようにすなおになりなさい」 フランシスコ会訳聖書

 「賢さと素直さ」

宣教に「蛇の賢さ」と「鳩の素直さ」が求められる。

パウロは「智者いづこにか在る、學者いづこにか在る、この世の論者いづこにか在る、神は世の智慧をして愚ならしめ給へるにあらずや。 世は己の智慧をもて神を知らず(これ神の智慧に適へるなり)この故に神は宣教の愚をもて、信ずる者を救ふを善しとし給へり。 ユダヤ人は徴を請ひ、ギリシヤ人は智慧を求む。
されど我らは十字架に釘けられ給ひしキリストを宣傳ふ。これはユダヤ人に躓物となり、異邦人に愚となれど、
召されたる者にはユダヤ人にもギリシヤ人にも、神の能力また神の智慧たるキリストなり。
神の愚は人よりも智く、神の弱は人よりも強ければなり。」 (1コリント1:20~25)と語っている。

「蛇の賢さ」と「鳩の素直さ」とは、世の智慧をして愚とされる「十字架に釘けられ給ひしキリスト」を宣べ伝える「賢さ」と「素直さ」である。

† 細き聲 説教 

 「蛇のように賢く」

「視よ、我なんぢらを遣すは、羊を豺狼のなかに入るるが如し。この故に蛇のごとく慧く、鴿のごとく素直なれ」 マタイ10:16 大正文語訳聖書

「今、わたしはあなたたちを遣わすが、それはあたかも羊をおおかみの中に送り入れるようなものである。だから、へびのように賢く、鳩のようにすなおになりなさい」 フランシスコ会訳聖書

「蛇」を嫌う人は多い。物陰から獲物を狙い、捕らえて丸呑みにするところから「狡猾な、ずる賢さ」がイメージされる。しかし、ここではアダムとエバを誘惑したほどの「蛇」の「賢さ」がとりあげられているのであろう。

「賢く φρόνιμος  ふロニモス」は「理解力の鋭い、物わかりのよい、分別のある、賢い、わけの分かった、賢明な、思慮深い、慎重な、利口な」の意味である。

同じことは「鳩」にもいえる。「鳩」はヘブル語で「יוֺנָה yona-h ヨナーア」で「אָנָה ana-h アナーア 嘆く」から来ている。「嘆くもの」の意味である。

しかし、ノアの洪水で、水が引いたかを知るために鳩を放したところ、オリーブの葉をくわえて戻ったことから鳩には「平和をもたらすもの」のイメージが与えられる。

「素直 ἀκέραιος アケライオス」は「α + κέραννυμι 混ぜる」で「混じりけのない、混ぜられていない、純真な、純血の、純潔な、素直な、荒らされていない、無傷の、完全な」を意味する。

「賢さ φρόνιμος  ふロニモス」と「素直さ ἀκέραιος アケライオス」は相反する二つの知恵でありながら、互をもって補う関係にある。

羊が狼の群れの真中に置かれて彼らの餌食になることを免れるためにはこの二つを身につけなければならない。

(皆川誠)

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