マタイによる福音書6章1節

マタイによる福音書
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C ガリラヤ及び北方地域の宣教 (023~133)

(ⅱ) 山上の説教 (032~051)

† 福音書対観 「施し」 マタイ6:1~4

マタイ6:1~4

6:1自分の義を、見られるために人の前で行わないように、注意しなさい。もし、そうしないと、天にいますあなたがたの父から報いを受けることがないであろう。

6:2だから、施しをする時には、偽善者たちが人にほめられるため会堂や町の中でするように、自分の前でラッパを吹きならすな。よく言っておくが、彼らはその報いを受けてしまっている。 6:3あなたは施しをする場合、右の手のしていることを左の手に知らせるな。 6:4それは、あなたのする施しが隠れているためである。すると、隠れた事を見ておられるあなたの父は、報いてくださるであろう。

口語訳聖書

† 福音書縦観 「施し」 マタイ6:1~4

マタイ6:1~4
マタイ6:1~4

Matt.6:1自分の義を、見られるために人の前で行わないように、注意しなさい。もし、そうしないと、天にいますあなたがたの父から報いを受けることがないであろう。

Matt.6:2だから、施しをする時には、偽善者たちが人にほめられるため会堂や町の中でするように、自分の前でラッパを吹きならすな。よく言っておくが、彼らはその報いを受けてしまっている。

Matt.6:3あなたは施しをする場合、右の手のしていることを左の手に知らせるな。

Matt.6:4それは、あなたのする施しが隠れているためである。すると、隠れた事を見ておられるあなたの父は、報いてくださるであろう。

口語訳聖書

† 日本語訳聖書 Matt.6:1

【漢訳聖書】
Matt.6:1 愼勿於人前施濟、欲令人見之、若然、則不獲賞於爾天父也。

【明治元訳】
Matt.6:1 なんぢら人(ひと)に見(み)せんために其(その)義(ただしき)を人(ひと)の前(まへ)に行(なす)ことを愼(つつしめ)もし然(しから)ずば天(てん)に在(いま)す爾曹(なんぢら)の父(ちち)より報賞(むくい)を得(え)

【大正文語訳】
Matt.6:1 汝ら見られんために己が義を人の前にて行わぬよう心せよ。然らずば、天にいます汝らの父より報いを得じ。

【ラゲ訳】
Matt.6:1 人に見られんとて人の前に汝等の義を為さざる様慎め。然らずば天に在す汝等の父の御前に報を得じ。

【口語訳】
Matt.6:1 自分の義を、見られるために人の前で行わないように、注意しなさい。もし、そうしないと、天にいますあなたがたの父から報いを受けることがないであろう。

【新改訳改訂3】
Matt.6:1 人に見せるために人前で善行をしないように気をつけなさい。そうでないと、天におられるあなたがたの父から、報いが受けられません。

【新共同訳】
Matt.6:1 「見てもらおうとして、人の前で善行をしないように注意しなさい。さもないと、あなたがたの天の父のもとで報いをいただけないことになる。

【バルバロ訳】
Matt.6:1 他人の前でよい業を行って人に見せびらかさぬように気をつけよ。そんなことをすれば天にまします父からの報いはいっさい受けられぬ。

【フランシスコ会訳】
Matt.6:1 あなたがたは、人々の前で自分のよい行ないを見せびらかさないように気をつけなさい。さもないと、天におられるあながたがの父のもとで報いを受けることはできないであろう。

【日本正教会訳】
Matt.6:1 爾等愼(つつし)みて、人に見られん爲に、施濟(ほどこし)を其前に爲す勿れ、然らずば天に在す爾等の父より賞(むくい)を獲(え)ざらん。

【塚本虎二訳】
Matt.6:1 (しかし戒めだけでなく、行ないにおいても聖書学者、パリサイ人以上でなければならない。すなわち)見せびらかすために、人の見ている前で善行をしないように気をつけよ。そうでないと、あなた達の天の父上の所で褒美をいただくことはできない。

【前田護郎訳】
Matt.6:1 心せよ、あなた方は義を行なうとき、人々に見られるために彼らの目の前でするな。さもないと、天にいますあなた方の父のもとで報いを得られまい。

【永井直治訳】
Matt.6:1 看られんがために人々の前に、汝等の施を爲さざるやう心せよ。されどもし然らずば、天に〔おはす〕汝等の父の前に報を得じ。

【詳訳聖書】
Matt.6:1 あなたたちは人に見せるためにあからさまに<人の前で>自分の善行をしないように気をつけなさい。そうでないと、天におられるあなたたちのみ父の[あなたたちのために用意され、あなたたちを待っている]報い<み父からの報い>を受けることはない。

† 聖書引照 Matt.6:1

Matt.6:1 汝ら見られんために己が義を人の前にて行わぬよう心せよ。然らずば、天にいます汝らの父より報いを得じ。

[汝ら見られんために]  マタ6:5,16; 5:16; 23:5,14,28~30; Ⅱ列王10:16,31; エゼ33:31; ゼカ7:5; 13:4; ルカ16:15; ヨハ5:44; 12:43; ガラ6:12
[己が義を人の前にて行わぬよう]  or, righteousness. 申命24:13; 詩篇112:9; ダニ4:27; Ⅱコリ9:9,10
[心せよ]  マタ16:6; マル8:15; ルカ11:35; 12:1,15; ヘブ2:1
[然らずば、天にいます汝らの父より報いを得じ]  マタ6:4,6; 5:46; 10:41,42; 16:27; 25:40; Ⅰコリ9:17,18; ヘブ6:10; 11:26; Ⅱヨハ1:8
[天にいます汝らの父より]  or, with your. マタ6:9; 5:48

† ギリシャ語聖書 Matt.6:1

Stephens 1550 Textus Receptus
προσεχετε την ελεημοσυνην υμων μη ποιειν εμπροσθεν των ανθρωπων προς το θεαθηναι αυτοις ει δε μηγε μισθον ουκ εχετε παρα τω πατρι υμων τω εν τοις ουρανοις

Scrivener 1894 Textus Receptus
προσεχετε την ελεημοσυνην υμων μη ποιειν εμπροσθεν των ανθρωπων προς το θεαθηναι αυτοις ει δε μηγε μισθον ουκ εχετε παρα τω πατρι υμων τω εν τοις ουρανοις

Byzantine Majority
προσεχετε την ελεημοσυνην υμων μη ποιειν εμπροσθεν των ανθρωπων προς το θεαθηναι αυτοις ει δε μηγε μισθον ουκ εχετε παρα τω πατρι υμων τω εν τοις ουρανοις

Alexandrian
προσεχετε [δε] την δικαιοσυνην υμων μη ποιειν εμπροσθεν των ανθρωπων προς το θεαθηναι αυτοις ει δε μη γε μισθον ουκ εχετε παρα τω πατρι υμων τω εν τοις ουρανοις

Hort and Westcott
προσεχετε δε την δικαιοσυνην υμων μη ποιειν εμπροσθεν των ανθρωπων προς το θεαθηναι αυτοις ει δε μη γε μισθον ουκ εχετε παρα τω πατρι υμων τω εν τοις ουρανοις

† ギリシャ語聖書 品詞色分け

Matt.6:1

Προσέχετε [δὲ] τὴν δικαιοσύνην ὑμῶν μὴ ποιεῖν ἔμπροσθεν τῶν ἀνθρώπων πρὸς τὸ θεαθῆναι αὐτοῖς εἰ δὲ μή γε, μισθὸν οὐκ ἔχετε παρὰ τῷ πατρὶ ὑμῶν τῷ ἐν τοῖς οὐρανοῖς.

† ヘブライ語聖書 Matt.6:1

Matt.6:1

ו “הִשָּׁמְרוּ מִלַּעֲשׂוֹת אֶת צִדְקַתְכֶם לִפְנֵי בְּנֵי אָדָם מִתּוֹךְ כַּוָּנָה שֶׁיִּרְאוּ אֶתְכֶם; אִם תַּעֲשׂוּ כֵן, אֵין לָכֶם שָׂכָר אֵצֶל אֲבִיכֶם שֶׁבַּשָּׁמַיִם

† ラテン語聖書 Matt.6:1

Latin Vulgate
Matt.6:1

Attendite ne iustitiam vestram faciatis coram hominibus, ut videamini ab eis: alioquin mercedem non habebitis apud Patrem vestrum, qui in cælis est.
“Pay attention, lest you perform your justice before men, in order to be seen by them; otherwise you shall not have a reward with your Father, who is in heaven.

† 私訳(詳訳)Matt.6:1

【私訳】 「また、彼らに<人に>見て<見てもらうために、驚きの目で見て、観察して、見つけて、じっくりと眺めて、感づいて>もらおうとして、人々の面前<人の見えるところ、人の顔面、目の前>で、あなたがたの義<善行、正しさ、神の御言葉を守ること>を行わないように注意しなさい。もし本当にそうでなければ、天にいますあなた方の父から報い<労賃、賃銀、報酬、返報、神からの報い>をいただくことはできない」

† 新約聖書ギリシャ語語句研究

Matt.6:1

Προσέχετε [δὲ] τὴν δικαιοσύνην ὑμῶν μὴ ποιεῖν ἔμπροσθεν τῶν ἀνθρώπων πρὸς τὸ θεαθῆναι αὐτοῖς εἰ δὲ μή γε, μισθὸν οὐκ ἔχετε παρὰ τῷ πατρὶ ὑμῶν τῷ ἐν τοῖς οὐρανοῖς.

【また】 δὲ  δέ  デ de {deh} (cc 接続詞・等位)

1)ところで、しかし、さて、そして 2)しかも、そしてまた、なお、すると、また 3)次に、さらに 4)否、むしろ

(G1161 δέ A primary particle (adversative or continuative); butand, etc.: – also, and, but,moreover, now [often unexpressed in English].  Internet Sacred Text Archive)

【彼らに】 αὐτοῖς  αὐτός  アウトス autos {ow-tos‘} (npdm3p 代名詞・与男3)

1)彼、彼女、それ(三人称の代名詞) 2)自身で、自分から、自分として(強調用法) 3)同じ同一の 4)まさに、ちょうど

(G846 αὐτός From the particle αὖ au (perhaps akin to the base of 109 through the idea of a baffling wind; backward); the reflexive pronoun self, used (alone or in the compound of 1438 of the third person, and (with the proper personal pronoun) of the other persons: – her, it (-self), one, the other, (mine) own, said, ([self-], the) same, ([him-, my-, thy-]) self, [your-] selves, she, that, their (-s), them ([-selves]), there [-at, -by, -in, -into, -of, -on, -with], they, (these) things, this (man), those, together, very, which. Compare 848.  Internet Sacred Text Archive)

【見て】 θεαθῆναι   θεάομαι  てアオマイ  theaomai {theh-ah‘-om-ahee} (vnapa 不定詞・1アオ受対)

1)驚きの目で見る 2)観察する 3)じっくりと眺める、観察する、視察する、偵察する、見物する 4)感づく、見つける 5)会う 6)感づく、見つける、看取する

(G2300 θεάομαι A prolonged form of a primary verb; to look closely at, that is, (by implication) to perceive (literally or figuratively); by extension to visit: – behold, look (upon), see. Compare 3700.  Internet Sacred Text Archive)

マタ6:1; 22:11; 23:5;  マル16:14;  ルカ5:27; 23:5;  ヨハ1:14,32,28; 4:35; 6:5; 8:10; 11:45 etc.

【もらおうとして】 πρὸς  πρός プロス pros {pros} (pa 前置詞・対)

1)~のところへ、~の方へ、~に向かって 2)~の近くに、~の側に、~に接して 3)~のために 4)~に対して 5)~について 6)~の面前で

(G4314 πρός A strengthened form of 4253 a preposition of direction; forward to, that is, toward (with the genitive case the side of, that is, pertaining to; with the dative case by the side of, that is, near to; usually with the accusative case the place, time, occasion, or respect, which is the destination of the relation, that is, whither or for which it is predicated): – about, according to, against, among, at, because of, before, between, ([where-]) by, for, X at thy house, in, for intent, nigh unto, of, which pertain to, that, to (the end that), + together, to ([you]) -ward, unto, with (-in). In compounds it denotes essentially the same applications, namely, motion towards, accession to, or nearness at.  Internet Sacred Text Archive)

【人々の】 ἀνθρώπων  ἄνθρωπος  アンとローポス anthrōpos {anth‘-ro-pos} (n-gm-p 名詞・属男)

< ἄνήρ  人 +ὤψ  顔

1)人間、人、人類 2)男、夫 3)ある人、或る者、この人

(G444  ἄνθρωπος From 435 and ὤψ ōps (the countenance; from 3700 ; manfaced, that is, a human being: – certain, man.  Internet Sacred Text Archive)

【前で】 ἔμπροσθεν  ἔμπροσθεν  エムプロスてン  emprosthen {em‘-pros-then} (pg 前置詞・属)

< ἐν + πρόσθεν 前に、面前に、見えるところに

1)前に、前で 2)人の顔面に、人の見えるところに、人の前に、面前で、の目の前で、みまえに 3)

先頭に 4)以前に、古く、昔

(G1715  ἔμπροσθεν From 1722 and 4314 in front of (in place [literally or figuratively] or time): – against, at, before, (in presence, sight) of.  Internet Sacred Text Archive)

マタ5:16,24; 6:1,2; 7:6; 10:32,33; 11:10; 17:2; 23:13; 25:32; 26:70; 27:11,29;  マル9:2 etc.

【あなたがたの】 ὑμῶν  σύ スゆ sou {soo} (npg-2p 代名詞・属2複)

1)あなた 2)汝 3)君

G4771 σύ The personal pronoun of the second person singular; thou: – thou. See also 4571 4671 4675 and for the plur. 5209 5210 5213 5216.  Internet Sacred Text Archive)

【義を】 δικαιοσύνην  δικαιοσύνη  ディカイオスゆネー  dikaiosunē {dik-ah-yos-oo‘-nay} (n-af-s 名詞・対女単)

1)義、正義、公正、正直、正しい 2)神の目から見て正しい、神に嘉納される義、神の義と合致してること、信仰の義 3)神のことばを守る

「δίκαιος 正しい」は元来 「δίκη 正義」を遵守する者の意味で、「δίκη 正義」はギリシャ神話のゼウスとテミスの娘で刑罰と復讐を司る正義の女神「Δίκη ディケー 正義」からきている。

G1343 δικαιοσύνη From 1342 equity (of character or act); specifically (Christian) justification: – righteousness.  Internet Sacred Text Archive)

マタ3:15; 5:6,10,20; 6:1,33; 21:32;  ルカ1:75; ヨハ10:8,10;  使徒10:35; 13:10; 17:31;  ロマ1:17; 3:5,21,22,25,26; 4:3,5,6,9,11,13,22; 5:17,21; 6:13,16,18,19,20; 8:10; 9:30,31; 10:3,5,6; 14:17 etc.

【~する】 ποιεῖν  ποιέω  ポイエオー poieō {poy-eh‘-o } (vnpa 不定詞・現能)

1)造る、こしらえる、建てる 2)創造する、原因となる、準備する、生み出す 3)やる、なす、行う~にならせる、~にする、こしらえる、準備する、~を~とする、ある状態にする 4)発芽する、結ぶ 5)行う、為す、行動する 6)過ごす 7)守る

(G4160 ποιέω Apparently a prolonged form of an obsolete primary; to make or do (in a very wide application, more or less direct): – abide, + agree, appoint, X avenge, + band together, be, bear, + bewray, bring (forth), cast out, cause, commit, + content, continue, deal, + without any delay, (would) do (-ing), execute, exercise, fulfil, gain, give, have, hold, X journeying, keep, + lay wait, + lighten the ship, make, X mean, + none of these things move me, observe, ordain, perform, provide, + have purged, purpose, put, + raising up, X secure, shew, X shoot out, spend, take, tarry, + transgress the law, work, yield. Compare 4238.  Internet Sacred Text Archive)

【しないように】 μὴ  μή メー  mē {may} (qn 不変化詞・否定)

1)~ない

G3361 μή A primary particle of qualified negation (whereas 3756 expresses an absolute denial); (adverbially) not, (conjugationally) lest; also (as interrogitive implying a negative answer [whereas 3756 expects an affirmative one]); whether: – any, but, (that), X forbear, + God forbid, + lack, lest, neither, never, no (X wise in), none, nor, [can-] not, nothing, that not, un [-taken], without. Often used in compounds in substantially the same relations. See also 3362 3363 3364 3372 3373 3375 3378.  Internet Sacred Text Archive)

【注意しなさい】 Προσέχετε  προσέχω  プロセこー  prosechō {pros-ekh‘-o} (vmpa–2p 動詞・命・現・能・2複)

< πρός + ἔχω 持つ

1)差し出す、寄せる、着ける、心を向ける、注意する、目をとめる、耳を傾ける、傾聴する 2)ある方向に向ける、心を~に向ける、注意する 用心する、注意深くする、~しないように注意する、自分を見つめる、気をつける、寄せる、目を留める 3)愛着する、執着する、専念する、熱中する、心をとらわれる

(G4337 προσέχω From 4314 and 2192 (figuratively) to hold the mind (3563 implied) towards, that is, payattention tobe cautious aboutapply oneself toadhere to: – (give) attend (-ance, -ance at, -ance to, unto), beware, be given to, give (take) heed (to, unto) have regard.  Internet Sacred Text Archive)

マタ6:1; 7:15; 10:17; 16:6;,11,12;  ルカ12:1; 17:3; 20:46; 21:34 etc.

【さもないと】 εἰ δὲ μή γε

εἰ  εἰ エイ  ei {i } (cs 接続詞・従位)

1)もし 2)もしも、かりに 3)もし~であれば 4)~かどうか 5)~ならば 6)決して~ない

(G1487 εἰ A primary particle of conditionality; ifwhetherthat, etc.: – forasmuch as, if, that, ([al-]) though, whether. Often used in connection or composition with other particles, especially as in 1489 1490 1499 1508 1509 1512 1513 1536 and 1537 See also 1437.  Internet Sacred Text Archive)

δὲ  δέ  デ de {deh}  (cs 接続詞・従位)

1)ところで、しかし、さて、そして 2)しかも、そしてまた、なお、すると、また 3)次に、さらに 4)否、むしろ

G1161 δέ A primary particle (adversative or continuative); butand, etc.: – also, and, but, moreover, now [often unexpressed in English].  Internet Sacred Text Archive)

γε  γέ   ゲ  ge {gheh} (qs 不変詞)

1)本当に 2)まことに 3)実に

(G1065 γέ A primary particle of emphasis or qualification (often used with other particles prefixed): – and besides, doubtless, at least, yet.  Internet Sacred Text Archive

μή  μή メー  mē {may} (qn 不変化詞・否定)

1)~ない

(G3361 μή A primary particle of qualified negation (whereas 3756 expresses an absolute denial); (adverbially) not, (conjugationally) lest; also (as interrogitive implying a negative answer [whereas 3756 expects an affirmative one]); whether: – any, but, (that), X forbear, + God forbid, + lack, lest, neither, never, no (X wise in), none, nor, [can-] not, nothing, that not, un [-taken], without. Often used in compounds in substantially the same relations. See also 3362 3363 3364 3372 3373 3375 3378.  Internet Sacred Text Archive)

【天の父から】
【天】 οὐρανοῖς  οὐρανός  ウーラノス ouranos {oo-ran-os‘} (n-dm-p 名詞・与男複)

1)空、大空、蒼穹、丸天井 2)天の、天にある、天、天界  3)神の座、神のいますところ、神のみ住まい 4)王権 5)宇宙

ユダヤ人は天が幾層もあると考えた

G3772 οὐρανός Perhaps from the same as 3735 (through the idea of elevation); the sky; by extension heaven (as the abode of God); by implication happinesspowereternity; specifically the Gospel (Christianity): – air, heaven ([-ly]), sky.  Internet Sacred Text Archive)

マタ3:2,17; 5:35,48; 6:9,20,26; 7:11; 24:29;  マル1:11; 13:25; 16:19;  ルカ2:1311:13; 12:33; 15:18; 24:51;  ヨハ1:51 etc.

【の】 ἐν  ἐν エン en {en}  (pd 前置詞・属)

1)~の中に、~の間に 2)~の上に 3)ところに、のそばに 4)で 3)よって 5)に

G1722  ἐν A primary preposition denoting (fixed) position (in place, time or state), and (by implication) instrumentality (medially or constructively), that is, a relation of rest (intermediate between 1519 and 1537 ; “in”at, (up-) onby, etc.: – about, after, against, + almost, X altogether, among, X as, at, before, between, (here-) by (+ all means), for (. . . sake of), + give self wholly to, (here-) in (-to, -wardly), X mightily, (because) of, (up-) on, [open-] ly, X outwardly, one, X quickly, X shortly, [speedi-] ly, X that, X there (-in, -on), through (-out), (un-) to(-ward), under, when, where (-with), while, with (-in). Often used in compounds, with substantially the same import; rarely with verbs of motion, and then not to indicate direction, except (elliptically) by a separate (and different) prep.  Internet Sacred Text Archive)

【あなたがたの】 ὑμῶν  σύ スゆ sou {soo} (npg-2p 代名詞・属2複)

1)あなた 2)汝 3)君

(G4771 σύ The personal pronoun of the second person singular; thou: – thou. See also 4571 4671 4675 and for the plur. 5209 5210 5213 5216.  Internet Sacred Text Archive)

【父】 πατρὶ  πατήρ  パテール patēr {pat-ayr‘} (n-dm-s 名詞・与男単)

1)父、父親、おとうさん 2)(複数)祖先、祖父、創始者、元祖 3)(複数)両親 4)父なる神

(G3962 πατήρ Apparently a primary word; a “father” (literally or figuratively, near or more remote): – father, parent.  Internet Sacred Text Archive)

マタ2:22; 5:48: 6:8,9,32; 7:21; 10:37; 11:25; 18:10; 23:9; 25:34;  マル10:7; 11:25; 14:36; ルカ2:49; 6:36; 10:21; 11:2; 12:30,31; 14:26; 15:12; 16:24; 22:42; 23:34,46 etc.

【から】 παρὰ  παρά パラ para {par-ah‘} (pd 前置詞・与)

1)~から 2)の傍らで 3)の所へ

G3844 παρά A primary preposition; properly near, that is, (with genitive case) from beside (literally or figuratively), (with dative case) at (or in) the vicinity of (objectively or subjectively), (with accusative case) to the proximity with (local [especially beyond or opposed to] or causal [onaccount of]).

In compounds it retains the same variety of application: – above, against, among, at, before, by, contrary to, X friend, from, + give [such things as they], + that [she] had, X his, in, more than, nigh unto, (out) of, past, save, side . . . by, in the sight of, than, [there-] fore, with. In compounds it retains the same variety of application.  Internet Sacred Text Archive)

【報いをいただけない】 原文直訳「報いを持たない」

【報い】 μισθὸν  μισθός  ミスとス  misthos {mis-thos‘} (n-am-s 名詞・対男単)

1)労賃、賃銀、報酬、給料、手当 2)代償、報い、返報 3)雇用 4)むくい、神の報い

(G3408 μισθός Apparently a primary word; pay for service (literally or figuratively), good or bad: – hire, reward, wages.  Internet Sacred Text Archive)

マタ5:12,46; 6:1,2,5,16; 10:41,42;  マル9:41;  ルカ6:23,35;  ロマ4:4;  Ⅰコリ9:17,18;  Ⅱコリ2:15;  Ⅱヨハ8;  黙示11:18; 22:12 etc.

【持つ】 ἔχετε  ἔχω エこー  echō {ekh‘-o} (vipa–2p 動詞・直・現・能・2複)

1)持っている、保持している、保存する、保管する、所有する、保つ 2)身につける、帯びる、具備している、着る 3)含んでいる、抱く、とどめる、しっかり捕らえている 4)~とみなす、思う

(G2192  ἔχω A primary verb (including an alternate form σχέω scheō skheh‘-o used in certain tenses only); to hold (used in very various applications, literally or figuratively, direct or remote; such as possessionabilitycontiguityrelation or condition): – be (able, X hold, possessed with), accompany, + begin to amend, can (+ -not), X conceive, count, diseased, do, + eat, + enjoy, + fear, following, have, hold, keep, + lack, + go to law, lie, + must needs, + of necessity, + need, next, + recover, + reign, + rest, return, X sick, take for, + tremble, + uncircumcised, use.  Internet Sacred Text Archive)

【ない】 οὐκ  οὐ  ウー ou {oo} (qn 不変化詞・否定)

1)否 2)~ない 3)~でない

G3756 οὐ Also οὐκ ouk ook used before a vowel and οὐχ ouch ookh before an aspirate. A primary word; the absolutely negative (compare 3361 adverb; no or not: – + long, nay, neither, never, no (X man), none, [can-] not, + nothing, + special, un ([-worthy]), when, + without, + yet but. See also 3364 3372.  Internet Sacred Text Archive)

† 英語訳聖書 Matt.6:1

King James Version
6:1 Take heed that ye do not your alms before men, to be seen of them: otherwise ye have no reward of your Father which is in heaven.

New King James Version
6:1 “Take heed that you do not do your charitable deeds before men, to be seen by them. Otherwise you have no reward from your Father in heaven.

American Standard Version
6:1 Take heed that ye do not your righteousness before men, to be seen of them: else ye have no reward with your Father who is in heaven.

New International Version
6:1 “Be careful not to do your `acts of righteousness’ before men, to be seen by them. If you do, you will have no reward from your Father in heaven.

Bible in Basic English
6:1 Take care not to do your good works before men, to be seen by them; or you will have no reward from your Father in heaven.

Today’s English Version
6:1 “Make certain you do not perform your religious duties in public so that people will see what you do. If you do these things publicly, you will not have any reward from your Father in heaven.

Darby’s English Translation
6:1 Take heed not to do your alms before men to be seen of them, otherwise ye have no reward with your Father who is in the heavens.

Douay Rheims
6:1 Take heed that you do not your justice before men, to be seen by them: otherwise you shall not have a reward of your Father who is in heaven.

Noah Webster Bible
6:1 Take heed that ye do not your alms before men, to be seen by them: otherwise ye have no reward from your Father who is in heaven.

Weymouth New Testament
6:1 ‘But beware of doing your good actions in the sight of men, in order to attract their gaze; if you do, there is no reward for you with your Father who is in Heaven.

World English Bible
6:1 ‘Be careful that you don’t do your charitable giving before men, to be seen by them, or else you have no reward with your Father who is in heaven.

Young’s Literal Translation
6:1 ‘Take heed your kindness not to do before men, to be seen by them, and if not — reward ye have not from your Father who is in the heavens;

Amplified Bible
6:1 “Be [very] careful not to do your [a]good deeds publicly, to be seen by men; otherwise you will have no reward [prepared and awaiting you] with your Father who is in heaven.

Footnotes:
[a]Lit righteousness before men.

† 細き聲 聖書研究ノート

<汝ら見られんために己が義を人の前にて行わぬよう心せよ。然らずば、天にいます汝らの父より報いを得じ>

マタイ6:1∼4は「施し」をするときへの注意が語られる。「見られようとして人の前で行わないように」というそ原則は施しに限らずすべての良き行為にあてはまる。

<汝ら見られんために>

「見てもらおうとして θεάομαι  てアオマイ」は「驚きの目で見る」で「じっくりと眺め」「観察」してもらおうとすること。良きことをするとき、その心に「「驚きの目で、じっくりと眺めてもらいたい」という思いがよこぎるのは恥ずべきことである。

<己が義を>

「義 δικαιοσύνη  ディカイオスゆネー」は「神の目から見ての正しさ」である。「神の義と合致してること、信仰の義」であり、「神のことばを守る」からくる。

およそ、信仰の行為がかかる「見られる」ことへの対象になる。人は見られるために信じることがある。その人は見られないところでは信じない。

<人の前で>

「人々の前で ἔμπροσθεν  エムプロスてン」は「ἐν + πρόσθεν 前に、面前に、見えるところに」で「人の顔面に、人の見えるところに、面前で」の意味である。ただの「人の前」ではなく、「人々の視線のあるところで」である。

<人の前にて行わぬよう心せよ>

「己が義を人の前にて行わぬよう心せよ」 大正文語訳

「其義(ただしき)を人の前(まへ)に行(なす)ことを愼(つつしめ)」 明治元訳

「行わぬよう心せよ」は、明治元訳聖書「行(なす)ことを愼(つつしめ)」である。より強いすすめとなっている。

<然らずば、天にいます汝らの父より報いを得じ>

「報い μισθός  ミスとス」は「労賃、賃銀、報酬、報い、給料、手当」で「支払い」の意味である。あらゆる行為には神の「支払い」がある。

見られんとしてなされる善き行いはすでに報われており、神の報いは失われている。

† 心のデボーション

「汝ら見られんために己が義を人の前にて行わぬよう心せよ。然らずば、天にいます汝らの父より報いを得じ」マタイ6:1 大正文語訳聖書

「見てもらおうとして、人の前で善行をしないように注意しなさい。さもないと、あなたがたの天の父のもとで報いをいただけないことになる」 新共同訳聖書

「報い」

「報い μισθός  ミスとス」は「労賃、賃銀、報酬、報い、給料、手当、代償」。「善行 δικαιοσύνη  ディカイオスゆネー 正義、正直、信仰の義」に対して神は「労賃」を支払われる。それ以外のものは何もいらない。「信仰の義」としての「善行」は、「神の労賃」以外に期待するものはなにもない。神がくださる「報い μισθός  ミスとス」に対して、「それもいらない」と言ってはならない。

† 心のデボーション

「汝ら見られんために己が義を人の前にて行わぬよう心せよ。然らずば、天にいます汝らの父より報いを得じ」マタイ6:1 大正文語訳聖書

「見てもらおうとして、人の前で善行をしないように注意しなさい。さもないと、あなたがたの天の父のもとで報いをいただけないことになる」 新共同訳聖書

「神の労賃」

ゼベダイ(ヤコブとヨハネの父)の母は息子たちと一緒にイエスに来て「王座に着かれるとき、自分の二人の息子の一人を右に、一人を左に座らせると約束してください」と密かに願った。(マタイ20:21)。そして、これを知った残りの10人の弟子はそのことで「腹を立て」た。

「神の労賃」が何かを考えるべきでない。それは考える途端にどこかに消えてしまう。

† 心のデボーション

「汝ら見られんために己が義を人の前にて行わぬよう心せよ。然らずば、天にいます汝らの父より報いを得じ」マタイ6:1 大正文語訳聖書

「見てもらおうとして、人の前で善行をしないように注意しなさい。さもないと、あなたがたの天の父のもとで報いをいただけないことになる」 新共同訳聖書

「他人の視線」

人が感じる他人の「視線」は、その人自身の内にある。自分の目が自分に向ける視線に他ならない。この内なる視線に「見られようとして」善行をしないようにとイエスは言われるのである。

内なる視線から解放されれば、外の視線に行動が影響を受けることはなくなる。

† 心のデボーション

「汝ら見られんために己が義を人の前にて行わぬよう心せよ。然らずば、天にいます汝らの父より報いを得じ」マタイ6:1 大正文語訳聖書

「見てもらおうとして、人の前で善行をしないように注意しなさい。さもないと、あなたがたの天の父のもとで報いをいただけないことになる」 新共同訳聖書

「見てもらおうとして」

「見てもらおうとして θεάομαι  てアオマイ」は「驚きの目で見る、観察する、じっくりと眺める、感づく、見つけ」られようとして。彼はただ「見られる」だれでは満足しない、「驚き見られる」でなくてはならない。そこで、人々の前に出て、その面前で「善行」を行う。

しかし、人の目があるという理由で善行を止めるのは、見られている所でことさらになされる善行よりもたちが悪い。

† 心のデボーション

「汝ら見られんために己が義を人の前にて行わぬよう心せよ。然らずば、天にいます汝らの父より報いを得じ」マタイ6:1 大正文語訳聖書

「見てもらおうとして、人の前で善行をしないように注意しなさい。さもないと、あなたがたの天の父のもとで報いをいただけないことになる」 新共同訳聖書

「天からの報い」

「天からの報い」とは何か?

自分が落ち込んで動けなくなったとき、自分の背を後ろからそっと押してくれるものがいる。それが天から与えられる私への「報い」なのではないか?

† 心のデボーション

「汝ら見られんために己が義を人の前にて行わぬよう心せよ。然らずば、天にいます汝らの父より報いを得じ」マタイ6:1 大正文語訳聖書

「見てもらおうとして、人の前で善行をしないように注意しなさい。さもないと、あなたがたの天の父のもとで報いをいただけないことになる」 新共同訳聖書

「虫唾(虫酸)が走る」

「虫唾(虫酸)が走る」の「虫唾(虫酸)」は、吐き気をもよおしたときなどに口に逆流する胃液、胃酸のことである。昔から胃酸は身体に寄生する虫が出す「酸っぱい液体(虫酸)」「虫のよだれ(虫唾)」と考えられた。

「見られんために己が義を人の前にて行う人」には、お腹の虫も不快感から苦いよだれを出すものらしい。

† 細き聲 説教

「見てもらおうとして」

「汝ら見られんために己が義を人の前にて行わぬよう心せよ。然らずば、天にいます汝らの父より報いを得じ」マタイ6:1 大正文語訳聖書

「見てもらおうとして、人の前で善行をしないように注意しなさい。さもないと、あなたがたの天の父のもとで報いをいただけないことになる」 新共同訳聖書

「人に見てもらおうとして πρὸς τὸ θεαθῆναι」は「見てもらうために、驚きの目で見て、観察して、見つけて、じっくりと眺めて、感づいてもらおうとして」の意味である。

しばしば、人の為になされる良き行為は「人に見てもらおうとして、見る人の目の前でなされようとする。しかも、「驚きの目で見て、観察して、見つけて、じっくりと眺めて、感づいてもらいたい」のである。

それだけでなく、「見てもらおうとして」は祈りや断食という信仰の営みにも及ぶ。神に「見てもらう」ことよりも、人に「驚きの目で見て、観察して、見つけて、じっくりと眺めて、感づいてもらいたくて」大声で祈り、人前で断食などの行為をおこなうのである。

しかし、「人の目に触れない」信仰を目指すのも間違いである。

人は他者との関係の中で生き、生きた関わりの中に自己を確認する存在だからである。人との関わりを否定したところで営まれる信仰は無益である。

「人に見てもらおうとする」問題を解決するには「見る姿勢」を回復することである。他者の視線の中の自己ではなく、他者を見、自己を見る者としての自己をこそ形成するべきである。

「見る目」をもち、「聞く耳」をもつ者は幸いである。

(皆川誠)

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