マタイによる福音書5章2節

マタイによる福音書
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† 福音書縦観 「ガリラヤの山」 マタイ5:1~2

マタイ5:1~2  ルカ6:20
マタイ5:1~2

Matt.5:2そこで、イエスは口を開き、彼らに教えて言われた。 (そのとき、イエスは目をあげ、弟子たちを見て言われた ルカ6:20

† 日本語訳聖書 Matt.5:2

【漢訳聖書】
Matt.5:2 遂啓口教曰、

【明治元訳】
Matt.5:2 イエス口(くち)を啓(ひらき)て彼等(かれら)に教(をし)へ曰(いひ)けるは

【大正文語訳】
Matt.5:2 イエス口をひらき、教へて言ひたまふ、

【ラゲ訳】
Matt.5:2 口を開きて、彼等に教へて曰ひけるは、

【口語訳】
Matt.5:2 そこで、イエスは口を開き、彼らに教えて言われた。

【新改訳改訂3】
Matt.5:2 そこで、イエスは口を開き、彼らに教えて、言われた。

【新共同訳】
Matt.5:2 そこで、イエスは口を開き、教えられた。

【バルバロ訳】
Matt.5:2 イエズスは話し始めて、こう教えられた。

【フランシスコ会訳】
Matt.5:2 イエズスは口を開き、こう教えられた。

【日本正教会訳】
Matt.5:2 彼口を啓(ひら)きて、之を教へて曰へり、

【塚本虎二訳】
Matt.5:2 口を開き、こう言って教えられた。(群衆も集まってきて聞いた。)──

【前田護郎訳】
Matt.5:2 そこで口を開いて彼らを教えられた、いわく、

【永井直治訳】
Matt.5:2 乃ち彼はその口を開きて、彼等を敎へて、云ひ給ひけるは、

【詳訳聖書】
Matt.5:2 そこで彼は口を開いて、彼らに教えて言われた、

† 聖書引照 Matt.5:2

Matt.5:2 イエス口をひらき、教へて言ひたまふ、

[イエス口をひらき、教へて言ひたまふ]  マタ13:35; ヨブ3:1; 詩篇78:1,2; 箴言8:6; 31:8,9; ルカ6:20; etc.; 使徒8:35; 10:34; 18:14; エペ6:19

† ギリシャ語聖書 Matt.5:2

Stephens 1550 Textus Receptus
και ανοιξας το στομα αυτου εδιδασκεν αυτους λεγων

Scrivener 1894 Textus Receptus
και ανοιξας το στομα αυτου εδιδασκεν αυτους λεγων

Byzantine Majority
και ανοιξας το στομα αυτου εδιδασκεν αυτους λεγων

Alexandrian
και ανοιξας το στομα αυτου εδιδασκεν αυτους λεγων

Hort and Westcott
και ανοιξας το στομα αυτου εδιδασκεν αυτους λεγων

† ギリシャ語聖書 品詞色分け

Matt.5:2

καὶ ἀνοίξας τὸ στόμα αὐτοῦ ἐδίδασκεν αὐτοὺς λέγων,

† ヘブライ語聖書 Matt.5:2

Matt.5:2

:פָּתַח פִּיו וְלִמֵּד אוֹתָם בְּאָמְרוֹ

† ラテン語聖書 Matt.5:2

Latin Vulgate
Matt.5:2

et aperiens os suum docebat eos dicens:
and opening his mouth, he taught them, saying:

† 私訳(詳訳)Matt.5:2

【私訳】 「そして、彼〔イエス〕は彼の〔御自分の〕口を開き、彼ら〔弟子たち〕に教えて<知らせて、手ほどきし、訓練し、授けて、命じて>言われるには」

† 新約聖書ギリシャ語語句研究

Matt.5:2

καὶ ἀνοίξας τὸ στόμα αὐτοῦ ἐδίδασκεν αὐτοὺς λέγων,

【そして】 καὶ  καί カイ kai {kahee} (cc 接続詞・等位)

1)~と、~も、そして 2)~さえ、でさえも 3)しかし 4)しかも、それは 5)それでは、それだのに 6)そうすれば、すなわち 7)のみならず、もまた

G2532 καί Apparently a primary particle, having a copulative and sometimes also a cumulative force; andalsoevensothentoo, etc.; often used in connection (or composition) with other particles or small words: – and, also, both, but, even, for, if, indeed, likewise, moreover, or, so, that, then, therefore, when, yea, yet.  Internet Sacred Text Archive)

【彼の】 αὐτοῦ  αὐτός  アウトス autos {ow-tos‘}  (npgm3s 代名詞・属男3)

1)彼、彼女、それ(三人称の代名詞) 2)自身で、自分から、自分として(強調用法) 3)同じ同一の 4)まさに、ちょうど

(G846 αὐτός From the particle αὖ au (perhaps akin to the base of 109 through the idea of a baffling wind; backward); the reflexive pronoun self, used (alone or in the compound of 1438 of the third person, and (with the proper personal pronoun) of the other persons: – her, it (-self), one, the other, (mine) own, said, ([self-], the) same, ([him-, my-, thy-]) self, [your-] selves, she, that, their (-s), them ([-selves]), there [-at, -by, -in, -into, -of, -on, -with], they, (these) things, this (man), those, together, very, which. Compare 848.  Internet Sacred Text Archive)

【口を】 στόμα  στόμα  ストマ  stoma {stom‘-a} (n-an-s 名詞・対中単)

1)口  2)先端 3)割れ目 4)刃(血を飲むので口という)

(G4750 στόμα Probably stregthened from a presumed derivative of the base of 5114 the mouth (asif a gash in the face); by implication language (and its relations); figuratively an opening (in the earth); specifically the front or edge (of a weapon): – edge, face, mouth.  Internet Sacred Text Arachive)

マタ4:4; 5:2; 12:34; 13:35; 15:11,17,18; 17:27; 18:16; 21:16; etc.

【開き】 ἀνοίξας  ἀνοίγω  アノイゴー  anoigō {an-oy‘-go} (vpaanm-s 分詞・1アオ能主男単)

< ἀνά + οἴγω 開く

1)開く、ほどく、弛める、覆いをとる 2)明らかにする 3)(口、心、門、扉などを)開く、開ける 3)船が海にでていく

(G455  ἀνοίγω From 303 and οἴγω oigō (to open); to open up (literally or figuratively, in various applications): – open.  Internet Sacred Text Archive)

マタ2:11; 5:2; 13:35;  マル7:35;  ヨハ9:14; 10:21; 11:37  使徒5:19; 12:10,14; 14:2716:26;  コロ4:3 etc.

【彼らを】 αὐτοὺς  αὐτός  アウトス autos {ow-tos‘}  (npam3p 代名詞・対男3)

1)彼、彼女、それ(三人称の代名詞) 2)自身で、自分から、自分として(強調用法) 3)同じ同一の 4)まさに、ちょうど

(G846 αὐτός From the particle αὖ au (perhaps akin to the base of 109 through the idea of a baffling wind; backward); the reflexive pronoun self, used (alone or in the compound of 1438 of the third person, and (with the proper personal pronoun) of the other persons: – her, it (-self), one, the other, (mine) own, said, ([self-], the) same, ([him-, my-, thy-]) self, [your-] selves, she, that, their (-s), them ([-selves]), there [-at, -by, -in, -into, -of, -on, -with], they, (these) things, this (man), those, together, very, which. Compare 848.  Internet Sacred Text Archive)

【教えて】 ἐδίδασκεν  διδάσκω  ディダスコー  didaskō {did-as‘-ko} (viia–3s 動詞・直・未完・能・3単)

1)教える、教え説く、知らせる、説明する 2)訓練する、教え込む、手ほどきする、授ける 3)指示する、指図する、命令する

(G1321 διδάσκω A prolonged (causative) form of a primary verb δάω daō (to learn); to teach (in the same broad application): – teach.  Internet Sacred Text Archive)

マタ4:23; 5:2,19; 7:29; 9:35; 11:1; 13:54; 15:9; 21:23; 22:16; 26:55; 28:20;  マル1:21,22; 2:13; 4:1,2,6:2,6,30,34; 7:7; 8:31; 10:1; 11:17; 12:14;,35; 14:49 etc.

【言われた】 λέγων  λέγω れゴー legō {leg‘-o}  (vppanm-s 分詞・現能主男)

1)言う、告げる、語る、話す、言い表す、述べる 2)呼ぶ、命ずる、指図する、言いつける 3)名づける、称する、呼びかける 4)意味する、指す

G3004 λέγω  A primary verb; properly to “lay” forth, that is, (figuratively) relate (in words [usually of systematic or set discourse; whereas 2036 and 5346 generally refer to an individual expression or speech respectively; while 4483 is properly to break silence merely, and 2980 means an extended or random harangue]); by implication to mean: – ask, bid, boast, call, describe, give out, name, put forth, say (-ing, on), shew, speak, tell, utter.  Internet Sacred Text Archive)

マタ1:20; 2:23; 5:44; 9:14,34;  マル2:11; 5:9; 12:18;  ルカ5:39; 6:46; 20:41;  ヨハ1:29; 2:6; 16:12; etc.

† 英語訳聖書 Matt.5:2

King James Version
5:2 And he opened his mouth, and taught them, saying,

New King James Version
5:2 Then He opened His mouth and taught them, saying:

American Standard Version
5:2 and he opened his mouth and taught them, saying,

New International Version
5:2 and he began to teach them, saying:

Bible in Basic English
5:2 And with these words he gave them teaching, saying,

Today’s English Version
5:2 and he began to teach them:

Darby’s English Translation
5:2 and, having opened his mouth, he taught them, saying,

Douay Rheims
5:2 And opening his mouth, he taught them, saying:

Noah Webster Bible
5:2 And he opened his mouth, and taught them, saying,

Weymouth New Testament
5:2 He proceeded to teach them, and said:

World English Bible
5:2 He opened his mouth and taught them, saying,

Young’s Literal Translation
5:2 and having opened his mouth, he was teaching them, saying:

Amplified Bible
5:2 Then He began to teach them, saying,

† 細き聲 聖書研究ノート

<イエス口をひらき、教へて言ひたまふ>

イエスは多くの群衆が集まると、彼らから離れて山に登り、少数の弟子たちを招いて教えられた。

<イエス口をひら>

イエスは集まった弟子たちにむけて「口を開かれ」た。

「口を開き ἀνοίγω  アノイゴー」は口、心、門、扉などを「開く」こと。イエスが口を開かれると、「天の門、扉」が開き、「私」の心も開かれる。ヨブも七日七夜の沈黙を破って「口を開いて」く。(ヨブ3:1~2)

「口を開いて言われた」という表現は「これから述べられる教えが重要であるということを強調するものである」(スランシスコ会訳注)。

<教へて言ひたまふ>

「教えて διδάσκω  ディダスコー  」は「手ほどきする、訓練する、授ける、命じる」等の意味がある。

イエスの教えは弟子たちに直接授けられ、訓練し、命じるかたちでなされる。

<山上の垂訓>

内村鑑三は、山上の垂訓を「イエスがガリラヤ中を回って、諸会堂で教えられた(マタイ4:23)天国の福音の概要である」とする。「イエスはいたる所にかかる福音を宣べたもうたのである」(内村鑑三「聖書注解全集8」) イエスの教えは「弟子」のみでなく、すべての人々に語られたものである。

† 心のデボーション

「イエス口をひらき、教へて言ひたまふ」 マタイ5:2 大正文語訳聖書

「そこで、イエスは口を開き、彼らに教えて、言われた」 新改訳聖書

「口を開き」

「口を開き ἀνοίγω  アノイゴー」は「開く、ほどく、弛める、覆いをとる」で、「明らかにする」「船が海に出て行く」などの意味もある。

日本正教会訳は「彼口を啓(ひら)きて」とする。「啓」は「戸」+「手」+「口」で閉じた戸を手で開くこと。

イエスが閉じた口をひらかれると、言葉は「港から出航し」「すべてを明らかにし」、口と手で「閉ざされた私の心の戸を開いてくださる」のである。

† 心のデボーション

「イエス口をひらき、教へて言ひたまふ」 マタイ5:2 大正文語訳聖書

「そこで、イエスは口を開き、彼らに教えて、言われた」 新改訳聖書

「傾聴」

イエスが口を開かれることから、人の心に「傾聴」がはじまる。その逆ではない。

「傾聴」は自分の聞きたいことを聞くのではなく、相手が語り伝えようとしていることを共感的に聞く力である。

我らには、イエスが「口を開かれる」経験がある。私にむかって真っ直ぐにイエスのことばが発せられる。この経験から信仰がはじまる。

† 心のデボーション

「イエス口をひらき、教へて言ひたまふ」 マタイ5:2 大正文語訳聖書

「そこで、イエスは口を開き、彼らに教えて、言われた」 新改訳聖書

「新しき地」

「口を開き」の「開く ἀνοίγω  アノイゴー」には(口、心、門、扉などを)開く、船が海にでていく」の意味がある。

イエスの口からの言葉とともに、門を開き、港から出航せよ。幾多の困難あるも、新しき地にむかえ。

† 細き聲 説教

「わたしに従いなさい」

「イエス口をひらき、教へて言ひたまふ」 マタイ5:2 大正文語訳聖書

「そこで、イエスは口を開き、彼らに教えて、言われた」 新改訳聖書

イエスは常に顔の見える距離で、目と目を合わせて、弟子たちと対話するかのように教えられる。

イエスの弟子はイエスの口から語られる御言葉に一つ一つ応答しながら聞かなければならない。

イエスの言葉は、すべて「聞く者自身、個人」に対して語られているのであって、聞き流すことのできる言葉はひとつとしてない。

復活のイエスがペテロに「わたしに従いなさい」と殉教の死を予告されたとき、ペテロはイエスの愛した弟子ヨハネをみて「主よ、この人はどうなるのでしょう?」と質問した。イエスは「あなたに何の関係があるか。あなたは、わたしに従いなさい」と答えられている。(ヨハネ21:15~23)

イエスは顔と顔を合わせて「私」に語られる。そこに「この人はどうですか」という問いが入る余地もない。

「私」としてお答えし、お従いするのみである。

(皆川誠)

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