マタイによる福音書4章16節

マタイによる福音書
Generic selectors
完全一致
タイトルから
記事本文から
Post Type Selectors
カテゴリーで絞込

† 福音書縦観 「宣教の初め」 マタイ4:12~17

マタイ4:12~17  マルコ1:14~15  ルカ4:14~15  ヨハネ4:1~3
マタイ4:12~17

Matt.4:16暗黒の中に住んでいる民は大いなる光を見、
死の地、死の陰に住んでいる人々に、光がのぼった」。

口語訳聖書

† 日本語訳聖書 Matt. 4:16

【漢訳聖書】
Matt. 4:16 處於暗之民、己見大光、處於死蔭之境者、有光爲之與起也。

【明治元訳】
Matt. 4:16 此等(これら)の幽暗(くらき)にをる民(たみ)は大(おほい)なる光(ひかり)をみ死(しの)地(ち)と死(しの)蔭(かげ)に坐(ざ)する者(もの)の上(うへ)に光(ひかり)いでたりと云(いひ)しに應(かなは)せん爲(ため)なり

【大正文語訳】
Matt. 4:16 暗きに坐する民は、大なる光を見、 死の地と死の蔭とに坐する者に、光のぼれり』

【ラゲ訳】
Matt. 4:16 暗黒に坐せる人民大なる光を見、死の陰の地に坐せる人々の上に光出たり」と。

【口語訳】
Matt. 4:16 暗黒の中に住んでいる民は大いなる光を見、死の地、死の陰に住んでいる人々に、光がのぼった」。

【新改訳改訂3】
Matt. 4:16 暗やみの中にすわっていた民は偉大な光を見、死の地と死の陰にすわっていた人々に、光が上った。」

【新共同訳】
Matt. 4:16   暗闇に住む民は大きな光を見、/死の陰の地に住む者に光が射し込んだ。」

【バルバロ訳】
Matt. 4:16 やみの中に座る民は大いなる光を見、死の暗き地に住む人々の上に光は上った」。

【フランシスコ会訳】
Matt. 4:16 闇に住むこれらの民はおおいなる光を見た。死のかげに覆われた地に住む人々に光が現われた」。

【日本正教会訳】
Matt. 4:16 幽暗(くらやみ)に坐する民は大なる光を見、死の地及び蔭(かげ)に坐する者に光は輝けりと。

【塚本虎二訳】
Matt. 4:16 暗闇に住まう(これらの地方の)民は大いなる光を見、死の陰の地に住まうこの人々に光がのぼった、”

【前田護郎訳】
Matt. 4:16 ヨルダン川のかなた、異邦人のガリラヤ、闇に座す民は偉大な光を見た。死の陰の里に座すものどもに光がのぼった」。

【永井直治訳】
Matt. 4:16 暗に坐する民は大なる光を見、また死の地と死の蔭に坐する彼等に光昇れり。

【詳訳聖書】
Matt. 4:16 やみの中にすわっている<やみに包まれて住んでいる>民は、大いなる光を見た。そして、死の陰の地に住む民に暁の光が上った」。

† 聖書引照 Matt. 4:16

Matt. 4:16 暗きに坐する民は、大なる光を見、 死の地と死の蔭とに坐する者に、光のぼれり』

[暗きに坐する民は、大なる光を見]   詩篇107:10~14; イザ42:6,7; 60:1~3; ミカ7:8; ルカ1:78,79; 2:32
[死の地と死の蔭とに坐する者に、光のぼれり]  ヨブ3:5; 10:22; 34:22; 詩篇44:19; エレ13:16; アモ5:8

† ギリシャ語聖書 Matt. 4:16

Stephens 1550 Textus Receptus
ο λαος ο καθημενος εν σκοτει ειδε φως μεγα και τοις καθημενοις εν χωρα και σκια θανατου φως ανετειλεν αυτοις

Scrivener 1894 Textus Receptus
ο λαος ο καθημενος εν σκοτει ειδε φως μεγα και τοις καθημενοις εν χωρα και σκια θανατου φως ανετειλεν αυτοις

Byzantine Majorityο
λαος ο καθημενος εν σκοτει ειδεν φως μεγα και τοις καθημενοις εν χωρα και σκια θανατου φως ανετειλεν αυτοις

Alexandrian
ο λαος ο καθημενος εν σκοτει ειδεν φως μεγα και τοις καθημενοις εν χωρα και σκια θανατου φως ανετειλεν αυτοις

Hort and Westcott
ο λαος ο καθημενος εν σκοτει ειδεν φως μεγα και τοις καθημενοις εν χωρα και σκια θανατου φως ανετειλεν αυτοις

† ギリシャ語聖書 Interlinear

Mat 4:16

ὁ λαὸς ὁ καθήμενος ἐν σκότει φῶς εἶδεν μέγα, καὶ τοῖς καθημένοις ἐν χώρᾳ καὶ σκιᾷ θανάτου φῶς ἀνέτειλεν αὐτοῖς.

ὁ    λαὸς   ὁ καθήμενος   ἐν   σκότει    φῶς  εἶδεν  μέγα,
the  people    sitting   in  darkness  light  saw   a great;

καὶ   τοῖς      καθημένοις   ἐν  χώρᾳ   καὶ  σκιᾷ   θανάτου   φῶς  ἀνέτειλεν  αὐτοῖς.
and  to the[ones]   sitting     in a land   and  shadow of death,  light  sprung up  to them.

† ギリシャ語聖書 品詞色分け

Matt. 4:16

ὁ λαὸς ὁ καθήμενος ἐν σκότει φῶς εἶδεν μέγα, καὶ τοῖς καθημένοις ἐν χώρᾳ καὶ σκιᾷ θανάτου φῶς ἀνέτειλεν αὐτοῖς.

† ラテン語聖書 Matt. 4:16

Latin Vulgate
Matt. 4:16

populus, qui sedebat in tenebris, vidit lucem magnam: et sedentibus in regione umbræ mortis, lux orta est eis.
A people who were sitting in darkness have seen a great light. And unto those sitting in the region of the shadow of death, a light has risen.”

† ヘブライ語聖書 Matt. 4:16

Matt. 4:16

הָעָם הַהֹלְכִים בַּחֹשֶׁךְ רָאוּ אוֹר גָּדוֹל, יֹשְׁבֵי בְּאֶרֶץ צַלְמָוֶת אוֹר נָגַהּ עֲלֵיהֶם

† 私訳(詳訳)Matt. 4:16

【私訳】 「闇<暗黒、死の暗黒、罪、無知>に住む<座っている、腰を据える、置かれている、落ち着く、滞在する>民は大きな<驚くべき、壮大な、激しい、偉大な>光を見、死の影<暗黒、生命の源泉(原理、原動力)との断絶の闇>の地に住む<座っている、腰を据える、置かれている、落ち着く、滞在する>彼らに光が昇った<もたらされた、輝いた>」

† 新約聖書ギリシャ語語句研究

Matt. 4:16

ὁ λαὸς ὁ καθήμενος ἐν σκότει φῶς εἶδεν μέγα, καὶ τοῖς καθημένοις ἐν χώρᾳ καὶ σκιᾷ θανάτου φῶς ἀνέτειλεν αὐτοῖς.

【暗闇】 σκότει  σκότος  スコトス  skotos {skot‘-os} (n-dn-s 名詞・与中単)

1)暗いこと、闇、暗黒、闇の中 2)秘密裏の、はっきりとわからない 3)無知、欺瞞 4)死後の刑罰の場所、死の暗黒、よみの闇 5)罪

マタ4:16; 6:23; 8:12; 22:13; 25:30; 27:45; マル15:33,  ルカ1:69; 11:35; 22:53; 23:44;  ヨハ3:19;

【に】 ἐν  ἐν エン en {en}  (pd 前置詞・属)

1)~の中に、~の間に 2)~の上に 3)ところに、のそばに 4)で 3)よって 5)に

【住む】 καθημένοις  κάθημαι  カてーマイ  kathēmai {kath‘-ay-mahee} (vppnnm-s 分詞・現能欠主男単)

< κατά + ἧμαι 座る

1)座っている、座り込む 2)何もしないでじっと座っている、休息をとる 3)腰を据える、陣を引く 4)置かれている、配置する、仕事に従事する 5)落ち着く 6)滞在する

マタ4:16; 11:]16; 13:1,2; 15:29; 19:28; 22:44; 23:22; 24:3; 26:58,64; 27:36; 28:2;  マル2:6; 3:32,34; 4:1;12:36; 13:3; 14:62; 16:5 etc.

【民は】 λαὸς  λαός  らオス laos {lah-os‘} (n-nm-s 名詞・主男単)

1)人々、人の群れ 2)群衆、民衆、大衆  3)民、民族 4)国民、種族 5)イスラエル民族

マタ1:21; 2:4; 4:23; 13:15; 21:23; 26:3,42; 27:1;  マル7:6;  ルカ1:17,68; 2:10; 19:47; 22:66;  ヨハ11:50;  使徒3:23; 4:8,10; 15:14;  ロマ9:23,26;  ヘブ4:9; 11:25;  Ⅰペテ2:10;  Ⅱペテ2:1;  黙示18:4 etc.

【大きな光を見】 φῶς εἶδεν μέγα 「大きな(偉大な)光を見る」

【大きな】 μέγα  μέγας  メガス megas {meg‘-as} (a–an-s 形容詞・対中単)

1)(大きさ、長さ、高さ、強さ、程度が)大きい、非常に、大いに 2)驚くべき 3)壮大な、広大な、偉大な、優れた 4)名高い、重要な 5)重要な 6)激しい

マタ2:10; 4:16; 7:27; 8:24,26; 20:31; 24:21,24,31; 27:46,50; 28:2,8;  マル4:37,39,41; 5:42; ルカ2:9,10;4:25,38; 8:37; 21:11,23; 23:23; 24:52;  ヨハ5:20; 6:18; 11:43; 14:12; 15:13 etc.

【光を】 φῶς  φῶς  ふォース phōs {foce} (n-an-s 名詞・対中単)

1)光、発光体 2)あかり、火、灯火 3)昼の光、日の出、光、発光体、天体 4)眼の光、心、理性、理解力

マタ4:16; 5:14,16; 6:23; 17:2;  ルカ2:32; 8:16; 11:35; 16:8 etc.

【見】 εἶδεν  εἶδον ὁράω エイドン ホラオー  eidon {i’-don}  (viaa–3s 動詞・直・2アオ・能・3単)

1)見る、~の方を見る、目で見る 2)感知する、知る、味わう、経験する、見て知る、洞察する、理解する、悟る、認める 3)探す、考える、心に調べる、分かる、見つける、発見する 4)注意する、心に調べる、探す 5)面会する、訪問する、行く

【そして】 καὶ  καί カイ kai {kahee} (cc 接続詞・等位)

1)~と、~も、そして 2)~さえ、でさえも 3)しかし 4)しかも、それは 5)それでは、それだのに 6)そうすれば、すなわち 7)のみならず、もまた

【死の陰の地に】 σκιᾷ θανάτου 「死の陰、死の暗黒」

【死の】 θανάτου  θάνατος  たナトス  thanatos {than‘-at-os} (n-gm-s 名詞・属男)

< θνήσκω  死ぬ

1)死 2)殺害 3)生命力を失った状態、生命の源泉(原理、原動力)との断絶

マタ4:16; 10:21; 16:25; 20:18; 26:66;  マル9:1; 10:33; 13:12; 14:64;  ルカ1:79; 2:26; 9:27; 22:33; 23:15,22 etc.

【陰の】 σκιᾷ  σκιά  スキア  skia {skee‘-ah } (n-df-s 名詞・与女単)

1)影、陰、木陰 2)暗黒 3)亡霊

「死の陰の地」は死の陰の領域、霊的暗黒の意味に用いられる。

マタ4:16;  マル4:32;  ルカ1:79;  使徒5:15;  コロ2:17  ヘブ8:5; 10:1

【地に】 χώρᾳ  χώρα  こーラ  chōra {kho‘-rah}  (n-df-s 名詞・与女単)

1)余地 2)所、場所、地点 3)国、地域、地;土地、領土

マタ2:12; 4:16; 8:28;  マル1:5; 5:1,10;6:55;  ルカ2:8; 3:1; 8:26; 12:16; 15:13,14,15; 19:12; 21:21;  ヨハ4:35; 11:54,55 etc.

【住む民】 καθημένοις  κάθημαι  カてーマイ  kathēmai {kath‘-ay-mahee} (vppnnm-s 分詞・現能欠与男複)

< κατά + ἧμαι 座る

1)座っている、座り込む 2)何もしないでじっと座っている、休息をとる 3)腰を据える、陣を引く 4)置かれている、配置する、仕事に従事する 5)落ち着く 6)滞在する

マタ4:16; 11:16; 13:1,2; 15:29; 19:28; 22:44; 23:22; 24:3; 26:58,64; 27:36; 28:2;  マル2:6; 3:32,34; 4:1; 12:36; 13:3; 14:62; 16:5 etc.

【に】 ἐν  ἐν エン en {en}  (pd 前置詞・属)

1)~の中に、~の間に 2)~の上に 3)ところに、のそばに 4)で 3)よって 5)に

【光が】 φῶς  φῶς  ふォース phōs {foce} (n-nn-s 名詞・主中単)

1)光、発光体 2)あかり、火、灯火 3)昼の光、日の出、光、発光体、天体 4)眼の光、心、理性、理解力

マタ4:16; 5:14,16; 6:23; 17:2;  ルカ2:32; 8:16; 11:35; 16:8 etc.

【彼らに】 αὐτοῖς  αὐτός  アウトス autos {ow-tos‘}  (npdm3p 代名詞・与男3)

1)彼、彼女、それ(三人称の代名詞) 2)自身で、自分から、自分として(強調用法) 3)同じ同一の 4)まさに、ちょうど

【射し込んだ】 ἀνέτειλεν  ἀνατέλλω  アナテるろー  anatellō {an-at-el‘-lo } (viaa–3s 動詞・直・1アオ・能・3単)

< ἀνά + τέλλω 上らす

1)昇らせる、上らせる、昇る 2)出る 生み出す、もたらす 3)太陽を昇らせる 4)輝く

マタ4:16; 5:45; 13:6;  マル4:6; 16:2;  ルカ12:54  ヘブ7:14;  ヤコ1:11;  Ⅱペテ1:19

† 英語訳聖書 Matt. 4:16

King James Version
4:16 The people which sat in darkness saw great light; and to them which sat in the region and shadow of death light is sprung up.

American Standard Version
4:16 The people that sat in darkness Saw a great light, And to them that sat in the region and shadow of death, To them did light spring up.

New International Version
4:16 the people living in darkness have seen a great light; on those living in the land of the shadow of death a light has dawned.”

Bible in Basic English
4:16 The people who were in the dark saw a great light, and to those in the land of the shade of death did the dawn come up.

Darby’s English Translation
4:16 — the people sitting in darkness has seen a great light, and to those sitting in the country and shadow of death, to them has light sprung up.

Douay Rheims
4:16 The people that sat in darkness, hath seen great light: and to them that sat in the region of the shadow of death, light is sprung up.

Noah Webster Bible
4:16 The people who sat in darkness, saw great light; and to them who sat in the region and shades of death, light hath arisen.

Weymouth New Testament
4:16 The people who were dwelling in darkness have seen a brilliant light; and on those who were dwelling in the region of the shadow of death, on them light has dawned.’

World English Bible
4:16 The people who sat in darkness saw a great light, To those who sat in the region and shadow of death, To them did light spring up.’

Young’s Literal Translation
4:16 the people that is sitting in darkness saw a great light, and to those sitting in a region and shadow of death — light arose to them.’

Amplified Bible
4:16 “The people who were sitting (living) in [spiritual] darkness have seen a great Light, And for those who were sitting (living) in the land and shadow of [spiritual and moral] death, Upon them a Light has dawned.”

† 細き聲 聖書研究ノート

<暗きに坐する民は、大なる光を見、 死の地と死の蔭とに坐する者に、光のぼれり』>

「ゼブルンの地、ナフタリの地、湖沿いの道、ヨルダンのかなた、異邦人のガリラヤ」など「暗黒の地に坐す民」は「大いなる光」を見、「死の地と死の蔭とに坐す者」の上に「大いなる光」が昇る。

<闇に座り込む人々>

「暗闇に住む民」は「暗黒に座り込む人々」の意味。「暗闇 σκότος  スコトス」の中に、「死の陰の領域 σκιᾷ θανάτου」に「座り込む κάθημαι  カてーマイ」人々である。彼らの頭上にこそ「大いなる光」は昇る。「大いなる光」はその冷えた体を温める。

<闇に坐する者>

「闇に住む民」は「闇に一人坐する民」である。そこに座り込んでしまった者は、もう動こうとはしない。行く所が見えないのだ。それは「死の陰の領域」である。しかし、光のとどかない闇はない。闇を突き進む光を見ることはできない。ただ、光が闇に座する者を照らすとき、その存在が現われるのである。

<暗黒の住民>

「暗闇の民」は「霊的暗黒の住民」である。彼らは「暗闇」を知るがゆえに「光」を知って喜ぶ。

暗黒で昇る光を見た人は、「光」から目をそらすことをしない。「心に調べ、探し、考え」分かろうとして「見る」。「暗闇に座り込む人々」よ、その頭上に「大いなる光」の昇るのを見たら、もう座り込むのを止めよ。そこは安住の地ではない。

† 心のデボーション

「暗きに坐する民は、大なる光を見、 死の地と死の蔭とに坐する者に、光のぼれり」 マタイ4:16 大正文語訳聖書

「闇に住むこれらの民はおおいなる光を見た。死のかげに覆われた地に住む人々に光が現われた」 フランシスコ会訳聖書

「闇と光」

闇に浸るな。光に溺れるな。

† 心のデボーション

「暗きに坐する民は、大なる光を見、 死の地と死の蔭とに坐する者に、光のぼれり」 マタイ4:16 大正文語訳聖書

「ぬばたまの闇にひそむ者どもは、おおいなる輝きを見、墓所の陰に坐する者どもにも光が昇った」 山浦玄嗣訳

「ぬばたまの闇」

山浦玄嗣訳は「暗きに坐する民」を「ぬばたまの闇にひそむ者ども」と訳す。「ぬばたま」はアヤメ科の多年草でヒオウギ(檜扇)の黒い実のことである。夜、髪などの枕詞に使われる。漆黒の闇にひそむ者が「おおいなる輝き」を見る。

† 心のデボーション

「暗きに坐する民は、大なる光を見、 死の地と死の蔭とに坐する者に、光のぼれり」 マタイ4:16 大正文語訳聖書

「闇に住むこれらの民はおおいなる光を見た。死のかげに覆われた地に住む人々に光が現われた」 フランシスコ会訳聖書

「暗闇に住む民」

「暗闇に住む民」(新共同訳)の「闇」は「門」+「音」で、門を閉ざすように「口」を閉じ、声をふさぐこと。

「住む」のギリシャ語は「κάθημαι  カてーマイ」で「何もしないでじっと座り込む」の意味である。

「暗闇に住む民」は、「座り込んでしまった人」であり、口を閉ざして声を塞ぐ。人はここに座り込んだら一歩も動けなくなる。

† 心のデボーション

「暗きに坐する民は、大なる光を見、 死の地と死の蔭とに坐する者に、光のぼれり」 マタイ4:16 大正文語訳聖書

「闇に住むこれらの民はおおいなる光を見た。死のかげに覆われた地に住む人々に光が現われた」 フランシスコ会訳聖書

「闇」

「暗闇に住む民」(新共同訳)の「闇」は暗いとは限らない。先が見えないところは、明るくても「暗闇の地」である。

† 心のデボーション

「暗きに坐する民は、大なる光を見、 死の地と死の蔭とに坐する者に、光のぼれり」 マタイ4:16 大正文語訳聖書

「闇に住むこれらの民はおおいなる光を見た。死のかげに覆われた地に住む人々に光が現われた」 フランシスコ会訳聖書

「死の陰」

「死の地と死の陰」はヨブ記に出てくる。

「我が往て復返ることなきその先に斯(かく)あらしめよ 我は暗き地死の蔭の地に往ん 。この地は暗くして晦冥(やみ)に等しく死の蔭にして區分(わいだめ)なし 彼處にては光明(ひかり)も黑暗(くらやみ)のごとし」 ヨブ記10:21~22

「死の陰」はへブル語 צַלְמָותֶ salmawet 「深い闇・暗黒の地」で、「往て復返ることなき」ところ、すなわち陰府をさす。そこは秩序なく、光も闇のようである。

「大いなる光」はヨブとともに苦しむ人々を照らす。

† 細き聲 説教

「大いなる光」

「暗きに坐する民は、大なる光を見、 死の地と死の蔭とに坐する者に、光のぼれり」 マタイ4:16 大正文語訳聖書

「闇に住むこれらの民はおおいなる光を見た。死のかげに覆われた地に住む人々に光が現われた」 フランシスコ会訳聖書

「ゼブルンの地、ナフタリの地、湖沿いの道、ヨルダンのかなた、異邦人のガリラヤ」など「暗黒の地に坐す民」は「光」を見、「死の地と死の蔭とに坐す者」の上に「大いなる光」が昇る。

「ゼブルンの地、ナフタリの地、湖沿いの道、ヨルダンのかなた、異邦人のガリラヤ」に住む民は霊的暗黒の中に取り残された「希望を失った民」であった。神への信仰も彼らを励まさなかった。

しかし、聖書は「望みなき地に、大いなる光は差し込み、そこに坐す者は光を見る」と告げる。

イエスはまず、「異邦人のガリラヤ」に行かれ、「死の地と死の蔭とに坐す民」に福音を伝えられた。

暗黒の雲間から射す日のように、イエスの福音の光は「絶望の淵に立つ者」に臨んだのである。

この希望は失望に終わることはない。

「希望は恥を來らせず、我らに賜ひたる聖靈によりて神の愛われらの心に注げばなり」 ロマ5:5 大正文語訳聖書

「絶望の時」が訪れるとも、恐れてはならない。イエスの時が訪れたのである。

(皆川誠)

コメント