マタイによる福音書4章15節

マタイによる福音書
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† 福音書縦観 「宣教の初め」 マタイ4:12~17

マタイ4:12~17  マルコ1:14~15  ルカ4:14~15  ヨハネ4:1~3
マタイ4:12~17

Matt.4:15「ゼブルンの地、ナフタリの地、
海に沿う地方、ヨルダンの向こうの地、
異邦人のガリラヤ、

口語訳聖書

† 日本語訳聖書 Matt. 4:15

【漢訳聖書】
Matt. 4:15 西布倫地、納大利地、沿海在約但外異邦人之加利利、

【明治元訳】
Matt. 4:15 ゼブルンの地(ち)、ナフタリの地(ち)海(うみ)に沿(そひ)たる地(ち)ヨルダンの外(むかふ)の地(ち)異邦人(いはうじん)のガリラヤ

【大正文語訳】
Matt. 4:15 『ゼブルンの地、ナフタリの地、 海の邊、ヨルダンの彼方、 異邦人のガリラヤ、

【ラゲ訳】
Matt. 4:15 曰く「ザブロンの地、ネフタリムの地、ヨルダンの彼方なる湖辺の道、異邦人のガリレア、

【口語訳】
Matt. 4:15 「ゼブルンの地、ナフタリの地、海に沿う地方、ヨルダンの向こうの地、異邦人のガリラヤ、

【新改訳改訂3】
Matt. 4:15 「ゼブルンの地とナフタリの地、湖に向かう道、ヨルダンの向こう岸、異邦人のガリラヤ。

【新共同訳】
Matt. 4:15 「ゼブルンの地とナフタリの地、/湖沿いの道、ヨルダン川のかなたの地、/異邦人のガリラヤ、

【バルバロ訳】
Matt. 4:15 「ザブロンの地、ネフタリの地、海辺の道、ヨルダンのかなたの国、異邦人のガリラヤ、

【フランシスコ会訳】
Matt. 4:15 「ゼブルンの地、ナフタリの地、湖沿いの道、ヨルダンのかなた、異邦人のガリラヤ、

【日本正教会訳】
Matt. 4:15 曰く、ザワゥロンの地、ネファリムの地、海濱(かいひん)の路(みち)にイオルダンの外に在る異邦のガリレヤ、

【塚本虎二訳】
Matt. 4:15 “(ガリラヤの)湖に向かった、ゼブルン(族)の地とナフタリ(族)の地、ヨルダン川の向こう(のペレヤ)、異教人の(住む)ガリラヤ──

【前田護郎訳】
Matt. 4:15 「ゼブルンの地、ナフタリの地、海沿いの道、

【永井直治訳】
Matt. 4:15 ヨルダンの向側、海の道〔なる〕ゼブルンの地、またネフタリムの地、〔卽ち〕國人のガリラヤ、

【詳訳聖書】
Matt. 4:15 「ヨルダン川の向こう、湖への道にあるゼブルンの地とナフタリの地、異邦人[すなわち、イスラエルに属していない民]のガリラヤ、

† 聖書引照

Matt. 4:15 『ゼブルンの地、ナフタリの地、 海の邊、ヨルダンの彼方、 異邦人のガリラヤ、

[ゼブルンの地、ナフタリの地、 海の邊、ヨルダンの彼方、 異邦人のガリラヤ]  ヨシュ20:7; 21:32; Ⅰ列王9:11; Ⅱ列王15:29

† ギリシャ語聖書 Matt. 4:15

Stephens 1550 Textus Receptus
γη ζαβουλων και γη νεφθαλειμ οδον θαλασσης περαν του ιορδανου γαλιλαια των εθνων

Scrivener 1894 Textus Receptus
γη ζαβουλων και γη νεφθαλειμ οδον θαλασσης περαν του ιορδανου γαλιλαια των εθνων

Byzantine Majority
γη ζαβουλων και γη νεφθαλειμ οδον θαλασσης περαν του ιορδανου γαλιλαια των εθνων

Alexandrian
γη ζαβουλων και γη νεφθαλιμ οδον θαλασσης περαν του ιορδανου γαλιλαια των εθνων

Hort and Westcott
γη ζαβουλων και γη νεφθαλιμ οδον θαλασσης περαν του ιορδανου γαλιλαια των εθνων

† ギリシャ語聖書 Interlinear

Matt. 4:15

Γῆ Ζαβουλὼν καὶ γῆ Νεφθαλίμ, ὁδὸν θαλάσσης, πέραν τοῦ ᾽Ιορδάνου, Γαλιλαία τῶν ἐθνῶν,

Γῆ   Ζαβουλὼν   καὶ    γῆ   Νεφθαλίμ,    ὁδὸν  θαλάσσης,
Land of Zebulun,  and   land  of Naphtali,    way  of[the] sea,

πέραν  τοῦ  ᾽Ιορδάνου,  Γαλιλαία  τῶν   ἐθνῶν,
beyond the   Jordan,    Galilee   of the  nations;

† ギリシャ語聖書 品詞色分け

Matt. 4:15

Γῆ Ζαβουλὼν καὶ γῆ Νεφθαλίμὁδὸν θαλάσσης, πέραν τοῦ ᾽ΙορδάνουΓαλιλαία τῶν ἐθνῶν,

† ラテン語聖書 Matt. 4:15

Latin Vulgate
Matt. 4:15

Terra Zabulon, et terra Nephthalim, via maris trans Iordanem, Galilæa Gentium:
“Land of Zebulun and land of Naphtali, the way of the sea across the Jordan, Galilee of the Gentiles:

† ヘブライ語聖書 Matt. 4:15

Matt. 4:15

אַרְצָה זְבֻלוּן וְאַרְצָה נַפְתָּלִי, דֶּרֶךְ הַיָּם, עֵבֶר הַיַּרְדֵּן, גְּלִיל הַגּוֹיִם

† 私訳(詳訳)Matt. 4:15

【私訳】 「ヨルダン川の向こう岸、海の道<湖沿いの道>〔にある〕ゼブルンの地とナフタリの地、〔すなわち〕異邦人〔異教徒、非ユダヤ人、ヤーウェへの信仰をもたない異教徒〕のガリラヤ」

† 新約聖書ギリシャ語語句研究

Matt. 4:15

Γῆ Ζαβουλὼν καὶ γῆ Νεφθαλίμ, ὁδὸν θαλάσσης, πέραν τοῦ ᾽Ιορδάνου, Γαλιλαία τῶν ἐθνῶν,

【ゼブルンの】 Ζαβουλὼν  Ζαβουλών  ザブーろーン  Zaboulōn {dzab-oo-lone‘}  (n-gm-s 名詞・属男単)

ゼブルン ヘブライ地名「住処」  ヤコブの子ゼブルンがヨルダンの東に住み、海辺の民となった。ヤコブの第10子、ゼブロン(ゼブルン) ゼブロン族

マタ4:15;

【地】 Γῆ  γῆ ゲー  gē {ghay} (n-nf-s/n-vf-s 名詞・主女単/呼)

1)地、大地 2)土地、陸、陸地、地面、土壌 3)国、国土、領地 4)地域、地方 5)故郷、祖国、世界

(γῆ はヘブル語の אֶרֶץ エレツ で「エレツ イスラエル」は「イスラエルの地(約束地)」)

マタ10:29; 13:5,8,23; 15:35; 23:35; 27:51;  マル4:8,20,26,28,31; 8:6; 9:20; 14:35;  ルカ13:7; 14:35;22:44; 24:5;  ヨハ8:6,8: 12:24;  ヘブ6:7;  ヤコ5:5 etc.

【そして】 καὶ  καί カイ kai {kahee} (cc 接続詞・等位)

1)~と、~も、そして 2)~さえ、でさえも 3)しかし 4)しかも、それは 5)それでは、それだのに 6)そうすれば、すなわち 7)のみならず、もまた

【ナフタリの】 Νεφθαλίμ  Νεφθαλίμ  ネふたりム Nephthaleim {nef-thal-ime‘} (n-gm-s 名詞・属男単)

ナフタリ  ヘブル地名 「わが角力」 ヤコブの第6子、ナフタリ ナフタリ族

マタ4:13,15;  黙示7:6

【地】 γῆ  γῆ ゲー  gē {ghay} (n-nf-s/n-vf-s 名詞・主女単/呼)

1)地、大地 2)土地、陸、陸地、地面、土壌 3)国、国土、領地 4)地域、地方 5)故郷、祖国、世界

(γῆ はヘブル語の אֶרֶץ エレツ で「エレツ イスラエル」は「イスラエルの地(約束地)」)

マタ10:29; 13:5,8,23; 15:35; 23:35; 27:51;  マル4:8,20,26,28,31; 8:6; 9:20; 14:35;  ルカ13:7; 14:35;22:44; 24:5;  ヨハ8:6,8: 12:24;  ヘブ6:7;  ヤコ5:5 etc.

【湖沿いの道】 ὁδὸν θαλάσσης 「海の道」

【湖の】 θαλάσσης  θάλασσα  たらスサ  thalassa {thal‘-as-sah} (n-gf-s 名詞・属女単)

1)海、湖 2)海洋、湖水、海水、塩井 3)紅海 4)地中海

マタ4:15,18; 8:24,26,27,32; 13:1,47; 14:25,26; 15:26; 17:27; 18:6; 21:21; 23:15; etc.

【道】 ὁδὸν  ὁδός  ホドス  hodos {hod-os‘} (n-af-s 名詞・対女単)

1)道、道路、通路、通り 2)旅、旅路、行路、旅行、旅程、歩行 3)生き方、行為、やり方、方法

マタ3:3; 7:14; 13:4; 22:16;   マル1:2,3; 4:4; 12:14;  ルカ1:79; 3:4; 20:21;  ヨハ14:6;  使徒2:28; 9:27;16:17; 19:9;  ロマ1:10; 3:17;  Ⅰコリ10:13; 12:31  ヘブ10:20;  ヤコ5:20;  黙示15:3

【ヨルダン川の】 ᾽Ιορδάνου  ᾽Ιορδάνης   イオルダネース Iordanēs {ee-or-dan‘-ace} (n-gm-s 名詞・属男単)

1)ヨルダン(川) 2)古アラム語 「流れる」「河」

マタ3:5;,6,13; 4:15,25; 19:1;  マル1:5,9; 3:8; 10:1;  ルカ3:3; 4:1;  ヨハ1:28; 3:26; 10:40

【かなたの地】 πέραν  πέραν  ペラン  peran {per‘-an} (pg 前置詞・属)

1)向こうに、越えて向こう岸に、向こう側に 2)対岸、向こう岸 3)向き合って 4)境界、はて、終り、限度、限界、きわみ、端 5)ヨルダン川の向側

マタ4:15,25; 8:28; 19:1;  マル4:35; 5:1,21; 6:45; 8:13; 10:1;  ルカ8:22  etc.

【異邦人の】 ἐθνῶν  ἔθνος  エとノス  ethnos {eth‘-nos} (n-nf-s/n-vf-s 名詞・主女単/呼)

1)民族、部族、種族、住民、国民 2)異邦民族、異教徒、異教人、外国人 3)非ユダヤ人、ヤーウェへの信仰をもたない異教徒 4)一群の人、群衆

マタ4:15; 6:32; 10:5,18; 12:19,25;  マル10:33,42;  ルカ2:32; 12:30; 21:24; 22:25; etc.

【ガリラヤ】 Γαλιλαία  Γαλιλαία  ガりらイア  Galilaia {gal-il-ah-yah}  (n-nf-s/n-vf-s 名詞・主女単/呼)

ガリラヤ  ヘブル地名「周辺」 パレスチナ北部地域を指す。(バークレイは「ガリラヤ」はヘブル語「ガリル 環」からきているとする)ガリラヤ地方は異邦の民が多く居住し、ユダヤ人との混血も行なわれたところから「霊的暗黒の地」とされた。

マタ2:22; 3:13; 4:12,15,18,23,25; 15:29; 17:22; 19:1; 21:11; 26:32; 27:55; 28:7,10,16; マ1:9,14,16,28,39:3:7; 6:21: 7:31; 9:30; 14:28; 15:41; 16:7 etc.

† 英語訳聖書 Matt. 4:15

King James Version
4:15 The land of Zabulon, and the land of Nephthalim, [by] the way of the sea, beyond Jordan, Galilee of the Gentiles;

American Standard Version
4:15 The land of Zebulun and the land of Naphtali, Toward the sea, beyond the Jordan, Galilee of the Gentiles,

New International Version
4:15 “Land of Zebulun and land of Naphtali, the way to the sea, along the Jordan, Galilee of the Gentiles–

Bible in Basic English
4:15 The land of Zebulun and the land of Naphtali, by the way of the sea, the other side of Jordan, Galilee of the Gentiles,

Darby’s English Translation
4:15 Land of Zabulon and land of Nepthalim, way of the sea beyond the Jordan, Galilee of the nations:

Douay Rheims
4:15 Land of Zabulon and land of Nephthalim, the way of the sea beyond the Jordan, Galilee of the Gentiles:

Noah Webster Bible
4:15 The land of Zabulon, and the land of Nephthalim, by the way of the sea, beyond Jordan, Galilee of the Gentiles:

Weymouth New Testament
4:15 ‘Zebulun’s land and Naphtali’s land; the road by the Lake; the country beyond the Jordan; Galilee of the Nations!

World English Bible
4:15 ‘The land of Zebulun and the land of Naphtali, Toward the sea, beyond the Jordan, Galilee of the Gentiles,

Young’s Literal Translation
4:15 ‘Land of Zebulun and land of Naphtali, way of the sea, beyond the Jordan, Galilee of the nations! —

Amplified Bible
4:15 “The land of Zebulun and the land of Naphtali, By the way of the sea, beyond the Jordan, Galilee [in the district] of the Gentiles—

† 細き聲 聖書研究ノート

<『ゼブルンの地、ナフタリの地、 海の邊、ヨルダンの彼方、 異邦人のガリラヤ>

「ゼブルンの地とナフタリの地ははずかしめを受け」、「海の邊、ヨルダンの彼方、 異邦人のガリラヤ」は光栄をうけるとイザヤは預言した。(イサヤ9:1~2)

<ゼブルンの地、ナフタリの地、 海の邊、ヨルダンの彼方、 異邦人のガリラヤ>

イスラエルの王ペカの時代にアッシリアはゼブルンとナフタリの全地を占領し、その住民をアッシリアに捕え移し、ゼブルンの地とナフタリの地ははずかしめを受けた。(Ⅱ列王15:29)

「海の邊、ヨルダンの彼方、 異邦人のガリラヤ」はアッシリアの捕囚にはならなかったが、アッシリアの直轄の地として占領された。

<異邦人>

「異邦人 ἔθνος  エとノス」は「民族、国民」を意味し、ここでは「異邦民族」を指す。人はみな「異邦人」である。その自覚を抜きにして同胞を(そして人間を)語ることはできない。 「異邦人」としての自己認識は同時に「異邦人」としての他者認識である。

<辺境の者>

イエスの宣教はイザヤの預言した「異邦人のガリラヤ」から始まった。福音は中央からではなく辺境から始まった。辺境の者がイエスを求めた。彼らこそが「新しい革袋」だった。

<ガリラヤ>

ガリラヤの名は、ヘブライ語のガーリール(「輪」「周辺」「地域」の意)のギリシア音訳ガリライアGalilaia(「周囲」すなわち「地方」の意)に由来する。元来はガリラヤ湖西方の山岳地帯の名称であった。旧約時代には先住民カナン人が残存し、この地方は「異民族のガリラヤ」(イザヤ9:1)とよばれた。

† 心のデボーション

「ゼブルンの地、ナフタリの地、 海の邊、ヨルダンの彼方、 異邦人のガリラヤ」 マタイ4:15 大正文語訳聖書

「ゼブルンの地、ナフタリの地、湖沿いの道、ヨルダンのかなた、異邦人のガリラヤ」 フランシスコ会訳聖書

「ガリラヤ地方」

ガリラヤ地方はカナン征服後ユダヤ人の地になったが、多くのカナン人の先住民が暮らしていた。その後この地は、アッシリア、バビロニア、ペルシャ、マケドニア、エジプト、シリアなどに征服され、その都度、多民族の移住が繰り返され、ユダヤ人との混血がおこなわれ、ユダヤ人から「異民族のガリラヤ」と呼ばれた。

ユダヤ人は「神に選ばれた者」であり(イザヤ43:20~21)、異邦人との混血は何よりも蔑むべきことであった。イエスの時代には、異邦人とは食事も共にしない者も多くいたのである。

「異邦人 ἔθνος  エとノス」は「異邦人」であるとともに、「異教徒」であることを意味する。

民族と個人を切り離すことはできない。それはいかなる個人も民族の宗教と無縁ではいられないということである。人はだれでも「内なる宗教性」を持つ。それは内にあって光を与えられるのを待っている。

† 心のデボーション

「ゼブルンの地、ナフタリの地、 海の邊、ヨルダンの彼方、 異邦人のガリラヤ」 マタイ4:15 大正文語訳聖書

「ゼブルンの地、ナフタリの地、湖沿いの道、ヨルダンのかなた、異邦人のガリラヤ」 フランシスコ会訳聖書

「イースター島」

太平洋に浮かぶモアイ像で知られる「イースター島 Easter Island」には、ふるくから板に刻まれた絵文字「ロンゴロンゴ」が存在した。周囲の島々は文字をもたなかったがイースター島(スペイン語:Isla de Pascua)だけに発達した独自の文字であった。

1864年1月2日、イエズス・マリアの聖心会 (フランスのカトリック修道会) の平修道士、ユージーン・ユーロー (Eugène Eyraud) は、イースター島に上陸、その後9カ月間イースター島に滞在し、数百枚の絵文字の文字板を目撃し、報告している。

それから4年後の1868年、ヒッポリト・ルーセル神父 (Hippolyte Roussel)が、文字板を収集し、それらを翻訳できる先住民を見つけ出そうとしたところ、わずかの文字板しか発見できず、テキストの読み方についても住民の間で意見の食い違いがあった。

この貴重な「ロンゴロンゴ」は現在21枚しか残されておらず、解読ができなくなってしまった。

こ4年の間にイースター島から「ロンゴロンゴ」が消滅した理由について、「ロンゴロンゴは悪魔の文字である」として宣教師によって焼却されたという説があるが、定かではない。

俗説としても、そのような想像がなされる背景に、「異邦人」「異教徒」を異文化として、これを軽んじ、排斥する信仰の姿勢があることを認めなければならない。

イエスは「異邦人のカリラヤ」を本拠地とし、弟子を選び、宣教を開始されたが、それは「異邦人のガリラヤ」を破壊することでも、革命的に変革することでもなかった。

† 心のデボーション

「ゼブルンの地、ナフタリの地、 海の邊、ヨルダンの彼方、 異邦人のガリラヤ」 マタイ4:15 大正文語訳聖書

「ゼブルンの地、ナフタリの地、湖沿いの道、ヨルダンのかなた、異邦人のガリラヤ」 フランシスコ会訳聖書

「異邦人

「異邦人」を山浦玄嗣訳は「夷狄 えびす」となっている。

古代中国では文化の及ばない地を「夷」とし、東夷、西戎、北狄、南蛮と呼んだ。排斥された人々である。

日本では「都から遠く離れた地」をさし、京都からみれば東国武士は「あずまえびす」であった。荒々しき人々であった。

† 細き聲 説教

「暗黒のガリラヤ」

「ゼブルンの地、ナフタリの地、 海の邊、ヨルダンの彼方、 異邦人のガリラヤ」 マタイ4:15 大正文語訳聖書

「ゼブルンの地、ナフタリの地、湖沿いの道、ヨルダンのかなた、異邦人のガリラヤ」 フランシスコ会訳聖書

イザヤ9:1~2によれば、「ゼブルンの地、ナフタリの地、 海の邊、ヨルダンの彼方、 異邦人のガリラヤ」(マタイ4:15)の各地は二つの苦難を受けたイスラエルの忘れることの出来ない地である。、

1)「ゼブルンの地、ナフタリの地」

イスラエルの王ペカの時代にアッシリアはゼブルンとナフタリの全地を占領し、その住民をアッシリアに捕え移し、ゼブルンの地とナフタリの地ははずかしめを受けた。(Ⅱ列王15:29)

2)「海の邊、ヨルダンの彼方、 異邦人のガリラヤ」

「海の邊、ヨルダンの彼方、 異邦人のガリラヤ」はアッシリアの捕囚にはならなかったが、アッシリアの直轄の地として長く占領され、「異邦人のガリラヤ」と呼ばれる霊的暗黒時代を経験した。

アッシリアに捕囚として捕らわれて行く苦難と、捕囚にはならなかったが異教徒の支配をうける苦難は、どちらが重いか軽いかではなく、共に神の民イスラエルの忍び難い苦難であった。

やがて、アッシリアの捕囚から解放された人々は故郷に帰還をはたすが、彼らは「暗闇の中に座っていた民」として「死の地と死の陰に座る人々」と呼ばれたのである。

イエスは、エルサレム神殿からではなく、この「暗闇の中に座っていた民」、「死の地と死の陰に座る人々」から、神の国の福音を伝えることを始められたのである。

(皆川誠)

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