† 福音書縦観 「ヨハネの証言」 マタイ3:11~12
マタイ3:11~12 マルコ1:7~8 ルカ3:15~17 ヨハネ1:19~27
Matt.3:12
また、箕を手に持って、打ち場の麦をふるい分け、麦は倉に納め、からは消えない火で焼き捨てるであろう」。口語訳聖書
† 日本語訳聖書 Matt.3:12
【漢訳聖書】
Matt.3:12 其手執箕、其將淨厥禾場、斂厥麥入倉、而燬糠以不滅之火。
【明治元訳】
Matt.3:12 手(て)には箕(み)を持(もち)て其(その)禾場(うちば)を淨(きよ)め麥(むぎ)は斂(あつめ)て其(その)倉(くら)にいれ糠(から)は熄(きえ)ざる火(ひ)にて燬(やく)べし
【大正文語訳】
Matt.3:12 手には箕を持ちて禾場をきよめ、その麥は倉に納め、殼は消えぬ火にて燒きつくさん』
【ラゲ訳】
Matt.3:12 彼の手に箕ありて其禾場を浄め、麦は倉に納め、糠は消えざる火にて焼き給ふべし、と。
【口語訳】
Matt.3:12 また、箕を手に持って、打ち場の麦をふるい分け、麦は倉に納め、からは消えない火で焼き捨てるであろう」。
【新改訳改訂3】
Matt.3:12 手に箕を持っておられ、ご自分の脱穀場をすみずみまできよめられます。麦を倉に納め、殻を消えない火で焼き尽くされます。」
【新共同訳】
Matt.3:12 そして、手に箕を持って、脱穀場を隅々まできれいにし、麦を集めて倉に入れ、殻を消えることのない火で焼き払われる。」
【バルバロ訳】
Matt.3:12 その方は手に箕を持って麦打ち場を清め、麦を倉に納め、もみがらは消えぬ火焼き尽くされるだろう」と言った。
【フランシスコ会訳】
Matt. 3:12 そのかたは手にみを持ち、麦打ち場の麦をふるい分け、麦は倉におさめ、もみがらは消えることのない火で焼き尽くされるであろう」。
【日本正教会訳】
Matt.3:12 其(その)箕(み)は其手に在り、彼は其(その)禾場(うちば)を淨(きよ)めて、其(その)麥(むぎ)を倉に斂(をさ)め、糠(から)を滅(き)えざる火に燬(や)かん。
【塚本虎二訳】
Matt.3:12 その手に箕をもっておられるので、(すぐ)脱穀場の掃除をされる。すなわち麦は集めて倉にいれ、籾殻は消えぬ火で焼きすてられるであろう。(聖霊と火の洗礼とはこれである。)」
【前田護郎訳】
Matt.3:12 彼は箕(み)をその手にし、その脱穀場を清め、麦をその倉に納め、籾殻(もみから)を消えぬ火で焼きつくされよう」。
【永井直治訳】
Matt.3:12 彼はその手に箕(み)を〔持ち〕て、その禾場(うちば)を淨めん。かくてその麥を集めて倉に納れ、また穀(から)をば熄えざる火にて焚きつくし給ふべし。
【詳訳聖書】
Matt.3:12 彼の箕<熊手>は彼のみ手にあり、彼はご自分の脱穀場を徹底的に掃除し<清め>、麦は納屋に集め<たくわえ>、もみ殻は消えることのない火で燃やしてしまわれる」。
† 聖書引照 Matt.3:12
Matt.3:12 手には箕を持ちて禾場をきよめ、その麥は倉に納め、殼は消えぬ火にて燒きつくさん』
[手には箕を持ちて] イザ30:24; 41:16; エレ4:11; 15:7; 51:2; ルカ3:17
[禾場をきよめ] マタ13:41,49,50; マラ3:2,3; 4:1; ヨハ15:2
[その麥は倉に納め] マタ13:30,43; アモ9:9
[殼は消えぬ火にて] ヨブ21:18; 詩篇1:4; 35:5; イザ5:24; 17:13; ホセ13:3; マラ4:1; ルカ3:17
[燒きつくさん] イザ1:31; 66:24; エレ7:20; 17:27; エゼ20:47,48; マル9:43~48
† ギリシャ語聖書 Matt.3:12
Stephens 1550 Textus Receptusου
το πτυον εν τη χειρι αυτου και διακαθαριει την αλωνα αυτου και συναξει τον σιτον αυτου εις την αποθηκην το δε αχυρον κατακαυσει πυρι ασβεστω
Scrivener 1894 Textus Receptus
ου το πτυον εν τη χειρι αυτου και διακαθαριει την αλωνα αυτου και συναξει τον σιτον αυτου εις την αποθηκην το δε αχυρον κατακαυσει πυρι ασβεστω
Byzantine Majority
ου το πτυον εν τη χειρι αυτου και διακαθαριει την αλωνα αυτου και συναξει τον σιτον αυτου εις την αποθηκην το δε αχυρον κατακαυσει πυρι ασβεστω
Alexandrian
ου το πτυον εν τη χειρι αυτου και διακαθαριει την αλωνα αυτου και συναξει τον σιτον αυτου εις την αποθηκην το δε αχυρον κατακαυσει πυρι ασβεστω
Hort and Westcott
ου το πτυον εν τη χειρι αυτου και διακαθαριει την αλωνα αυτου και συναξει τον σιτον αυτου εις την αποθηκην το δε αχυρον κατακαυσει πυρι ασβεστω
† ギリシャ語聖書 品詞色分け
Matt.3:12
οὗ τὸ πτύον ἐν τῇ χειρὶ αὐτοῦ καὶ διακαθαριεῖ τὴν ἅλωνα αὐτοῦ καὶ συνάξει τὸν σῖτον αὐτοῦ εἰς τὴν ἀποθήκην, τὸ δὲ ἄχυρον κατακαύσει πυρὶ ἀσβέστῳ.
† ラテン語聖書 Matt.3:12
Latin Vulgate
Matt.3:12
Cuius ventilabrum in manu sua: et permundabit aream suam: et congregabit triticum suum in horreum, paleas autem comburet igni inextinguibili.
His winnowing fan is in his hand. And he will thoroughly cleanse his threshing floor. And he will gather his wheat into the barn. But the chaff he will burn with unquenchable fire.”
~ The words ‘should’ and ‘shall’ are not ordinarily used about God. He does not do things because they are right, nor because he should do them, but rather the things He does are right because He does them.
† ヘブライ語聖書 Matt.3:12
Matt.3:12
בְּיָדוֹ קִלְשׁוֹן הַמִּזְרֶה לְנַקּוֹת אֶת גָּרְנוֹ וְהוּא יֶאֱסֹף אֶת דְּגָנוֹ אֶל הָאָסָם, אַךְ אֶת הַמּוֹץ יִשְׂרֹף בְּאֵשׁ בִּלְתִּי נִכְבֵּית
† 私訳(詳訳)Matt.3:12
【私訳】 「この方はその手に箕を〔持ち〕、そして、脱穀場<打ち場、穀物>をすっかりきれいに<掃除、すみずみまで清め>し、また、麦<穀物>は穀倉<倉、倉庫、納屋>に集める、しかし、殻<籾殻>は消えない火<審判の火>で焼きつくされる<燃やし尽くされる>」
† 新約聖書ギリシャ語語句研究
Matt.3:12
οὗ τὸ πτύον ἐν τῇ χειρὶ αὐτοῦ καὶ διακαθαριεῖ τὴν ἅλωνα αὐτοῦ καὶ συνάξει τὸν σῖτον αὐτοῦ εἰς τὴν ἀποθήκην, τὸ δὲ ἄχυρον κατακαύσει πυρὶ ἀσβέστῳ.
【この方は】 οὗ ὅς ホス hos {hos} (aprnn-s 関係代名詞・属男単)
1)この~ 2)これ 3)ところの、そして
【その】 ατοὐῦ αὐτός アウトス autos {ow-tos‘} (npgm3s 代名詞・属男3)
1)彼、彼女、それ(三人称の代名詞) 2)自身で、自分から、自分として(強調用法) 3)同じ同一の 4)まさに、ちょうど
【手】 χειρὶ χείρ けイル cheir {khire } (n-df-s 名詞・与女単)
1)手 2)行為、行動 3)人手、軍勢 4)(神の力、支配、活動をあらわす)手
マタ3:12; 4:6; 5:30: 8:3,15; 9:25; 12:10;,13,40; 15:2;,20; 17:22; 18:5; 19:13,15; 23:13; 26:23,45,50,51; 27:24 etc.
【に】 ἐν ἐν エン en {en} (pd 前置詞・属)
1)~の中に、~の間に 2)~の上に 3)ところに、のそばに 4)で 3)よって 5)に
【箕をもって】 πτύον πτύον プトゆオン ptuon {ptoo‘-on } (n-nn-s 名詞・主中単)
1)箕 (木製の熊手のような農具。打った穀物を空中にほうり上げて風で穀粒と籾殻を吹き分けた)
マタ3:12; ルカ:17
【そして】 καὶ καί カイ kai {kahee} (cc 接続詞・等位)
1)~と、~も、そして 2)~さえ、でさえも 3)しかし 4)しかも、それは 5)それでは、それだのに 6)そうすれば、すなわち 7)のみならず、もまた
【彼の】 ατοὐῦ αὐτός アウトス autos {ow-tos‘} (npgm3s 代名詞・属男3)
1)彼、彼女、それ(三人称の代名詞) 2)自身で、自分から、自分として(強調用法) 3)同じ同一の 4)まさに、ちょうど
【脱穀場を】 ἅλωνα ἅλων ハろーン halōn {hal‘-ohn } (n-af-s 名詞・対女単)
1)打穀場 2)脱穀場 3)打ち場 4)穀物 5)穀粒
マタ3:12; ルカ:17
【きれいにし】 διακαθαριεῖ διακαθαρίζω デイアカたリゾー diakatharizō {dee-ak-ath-ar-id‘-zo} (vifa–3s 動詞・直・未来・能・3単)
< διά 強意 + καθαρίζω きれいにする、きよめる
1)すっかり掃除する、きれいにする 2)徹底的にきよめる、すっかり清める 3)すみずみまできよめる
マタ3:12
【そして】 καὶ καί カイ kai {kahee} (cc 接続詞・等位)
1)~と、~も、そして 2)~さえ、でさえも 3)しかし 4)しかも、それは 5)それでは、それだのに 6)そうすれば、すなわち 7)のみならず、もまた
【彼の】 ατοὐῦ αὐτός アウトス autos {ow-tos‘} (npgm3s 代名詞・属男3)
1)彼、彼女、それ(三人称の代名詞) 2)自身で、自分から、自分として(強調用法) 3)同じ同一の 4)まさに、ちょうど
【麦を】 στονῖ σῖτος シトス sitos {see‘-tos } (n-am-s 名詞・対男単)
1)穀類、穀物、穀粒、食物 2)麦、小麦 3)飼料
マタ3:12; 13:25;,29,30; ルカ3:17; 16:7; 22:31; ヨハ12:24; Ⅰコリ15:37; 黙示6:6; 18:13 etc.
【倉】 ἀποθήκην ἀποθήκη アポてーケー apothēkē {ap-oth-ay‘-kay} (n-af-s 名詞・対女単)
< ἀποτίθημι 取っておく、しまう、片づける
1)倉 2)倉庫 3)納屋 4)穀倉 5)貯えられたもの
マタ3:12; 6:26; 13:30; ルカ3:17; 12:18,24
【に】 εςἰ εἰς エイス eis {ice} (pa 前置詞・対)
1)~の中へ 2)~へ 3)~まで 4)~のために 5)~に対して 6)~に向かって 7)~を目標にして 8)の間に
【集めて入れる】 συνάξει συνάγω スゆナゴー sunagō {soon-ag‘-o} (vifa–3s 動詞・直・未来・能・3単)
< σύν ~と一緒に + ἄγω 行く、来る
1)運ぶ 2)集める、寄せ集める、一つところにもってくる、持ち寄る 3)集まる、集合する 4)まとめる、取り入れる 5)結び合わせる、和解させる 6)招集する 7)家に迎える、厚くもてなす、歓待する
マタ2:4; 3:12; 6:26; 13:30,47; 22:10;25:24,26; ルカ15:12; ヨハ4:36; 6:12,13; 11:47; 15:6 使徒14:27;15:30; 黙示16:14,16; 20:8 etc.
【しかし】 δὲ δέ デ de {deh} (cc/ch 接続詞・等位/完等)
1)ところで、しかし、さて、そして 2)しかも、そしてまた、なお、すると、また 3)次に、さらに 4)否、むしろ
【殻は】 ἄχυρον a;curon アクロン achuron {akh‘-oo-ron} (n-an-s 名詞・対中単)
1)籾殻、外殻 2)ふすま 3)わら
マタ3:12; ルカ3:17
【消えない】 ἀσβέστῳ ἄσβεστος アスベストス asbestos {as‘-bes-tos} (a-dn-s 形容詞・与中単)
< α + σβέννυμι 消える
1)消すことのできない、消えない、消し難い 2)不滅の、無限の
(「ἄσβεστος アスベストス」は英語「アスベスト asbestos 石綿」の語源)
マタ3:12; マル9:43; ルカ3:17
【火で】 πυρὶ πῦρ プゆル pur {poor} (n-dn-s 名詞・与中単
1)火 2)審判の火 3)火祭に積み重ねた薪、燃えさかる火、薪の台の上で犠牲の供物を焼く 4)熱
マタ3:10,11,12; 5:22; 7:19; 13:40;,42,50; 17:15; 18:8,9; 25:41; マル9:22,43,48,49; ルカ3:9,16,17; 9:54;12:49; 17:29; 22:55; ヨハ15:6 etc.
【焼き払われる】 κατακαύσει κατακαίω カタカイオー katakaiō {kat-ak-ah‘ee-o } (vifa–3s 動詞・直・未来・能・3単)
< κατά 完全に + καίω 焼く
1)焼き尽くす 2)焼きすてる 3)燃え尽くす、燃やし尽くす
マタ3:12; ルカ3:17; 黙示17:16; 18:8 etc.
† 英語訳聖書 Matt.3:12
King James Version
3:12 Whose fan [is] in his hand, and he will throughly purge his floor, and gather his wheat into the garner; but he will burn up the chaff with unquenchable fire.
American Standard Version
3:12 whose fan is in his hand, and he will thoroughly cleanse his threshing-floor; and he will gather his wheat into the garner, but the chaff he will burn up with unquenchable fire.
New International Version
3:12 His winnowing fork is in his hand, and he will clear his threshing floor, gathering his wheat into the barn and burning up the chaff with unquenchable fire.”
Bible in Basic English
3:12 In whose hand is the instrument with which he will make clean his grain; he will put the good grain in his store, but the waste will be burned up in the fire which will never be put out.
Darby’s English Translation
3:12 whose winnowing fan is in his hand, and he shall thoroughly purge his threshing-floor, and shall gather his wheat into the garner, but the chaff he will burn with fire unquenchable.
Douay Rheims
3:12 Whose fan is in his hand, and he will thoroughly cleanse his floor and gather his wheat into the barn; but the chaff he will burn with unquenchable fire.
Noah Webster Bible
3:12 Whose fan is in his hand, and he will thoroughly cleanse his floor, and gather his wheat into the granary; but he will burn the chaff with unquenchable fire.
Weymouth New Testament
3:12 His winnowing-shovel is in His hand, and He will make a thorough clearance of His threshing-floor, gathering His wheat into the storehouse, but burning up the chaff in unquenchable fire.’
World English Bible
3:12 His winnowing fork is in his hand, and he will thoroughly cleanse his threshing floor. He will gather his wheat into the barn, but the chaff he will burn up with unquenchable fire.’
Young’s Literal Translation
3:12 whose fan is in his hand, and he will thoroughly cleanse his floor, and will gather his wheat to the storehouse, but the chaff he will burn with fire unquenchable.’
Amplified Bible
3:12 His [j]winnowing fork is in His hand, and He will thoroughly clear out His threshing floor; and He will gather His wheat (believers) into His barn (kingdom), but He will burn up the chaff (the unrepentant) with unquenchable fire.”
Footnotes:
[j]A tool roughly resembling a pitchfork, used to separate grains of wheat from the chaff by throwing the wheat into the air, and allowing the wind to blow away the lighter chaff.
† 細き聲 聖書研究ノート
<手には箕を持ちて禾場をきよめ、その麥は倉に納め、殼は消えぬ火にて燒きつくさん>
バプテスマのヨハネの後に来られるイエスの手には「箕」があり、収穫した麦を実と殻に吹き分けられる。麦は神の倉に納められ、殻は審判の火で焼かれる。
<禾場 うちば>
「禾場 うちば」の「禾」は「穀物」を意味する。「脱穀場」(新改訳、新共同訳)、「麦打ち場」(バルバロ訳、フランシスコ会訳)である。今は田でコンバインが刈り取った麦や稲を腹の中で穀粒と殻を吹き分け、殻は田に吐き出し、穀粒は太いアームを伸ばして軽トラに移す。軽トラが一杯になれば、そのまま農協に運ぶだけである。
「禾場 うちば」の光景がなくなり、苦労のない時代をむかえたが、その分、収穫にともなう実と殻を「吹き分ける」作業の意味が薄れたことは否めない。
<吹き分け>
農夫は「箕(熊手) πτύον プトゆオン」で、打った穀物を空中に放り上げ、穀粒と籾殻を吹き分ける。人はたえず自らに属するものとそうでないものを「吹き分け」なければならない。吹分けは慎重になされる。「実」と「殻」はかつては分かちがたく一体のものであったが、時が来れば分けるべきものとなる。
<心のきよい者>
「心のきよい者は幸いである」(マタイ5:8) 心の「καθαρός カたロス きよい人」で、「心がすっかり掃除された人」である。必要なものと不要なものが吹き分けられた人のことである。
<きよめ>
「きれいにし διακαθαρίζω デイアカたリゾー」は「διά 強意 + καθαρίζω きれいにする、きよめる」で「徹底的にきよめる」こと。「きよめ」は隅々まで徹底的に行われる。
「焼き捨てられた κατακαίω カタカイオー」ものを惜しむまい。「きれいに διακαθαρίζω デイアカたリゾー」なるのに避けることはできない。
<神の倉>
天には「神の倉」がある。地で獲れたものがそこに納められる。
† 心のデボーション
「手には箕を持ちて禾場をきよめ、その麥は倉に納め、殼は消えぬ火にて燒きつくさん」 マタイ3:12 大正文語訳聖書
「そして、手に箕を持って、脱穀場を隅々まできれいにし、麦を集めて倉に入れ、殻を消えることのない火で焼き払われる」 新共同訳聖書
「神の脱穀場」
人生は「神の脱穀場 ἅλων ハろーン」である。収穫した穀物で充ちている。神は「箕 ptu,on プツオン」を手に仕事をされる。「吹き分け」は過酷な作業ではなく、収穫の喜びになくてはならない仕事である。人生の後半では、脱穀場における神の仕事を目の当たりにすることになる。「収穫の主」(マタイ9:38)と生きる。
† 心のデボーション
「手には箕を持ちて禾場をきよめ、その麥は倉に納め、殼は消えぬ火にて燒きつくさん」 マタイ3:12 大正文語訳聖書
「そして、手に箕を持って、脱穀場を隅々まできれいにし、麦を集めて倉に入れ、殻を消えることのない火で焼き払われる」 新共同訳聖書
「麦と殻」
何が「麦」で、何が「殻」かは、神に尋ねなければならない。人の「麦」と「殻」は、しばしば、神の「麦」と「殻」ではない。思わないものが「実」として神の倉に納められ、意外なものが「殻」として吹き分けられる。
そこで、人は自らに属するものをすべて価値あるものとして扱うべきである。価値なしとして捨てようとしたものの中に宝が隠されている。「実」と考え大切にしたものが「殻」であり、「殻」として見捨てたものが取り入れるべき「実」であることがある。
† 心のデボーション
「手には箕を持ちて禾場をきよめ、その麥は倉に納め、殼は消えぬ火にて燒きつくさん」 マタイ3:12 大正文語訳聖書
「そして、手に箕を持って、脱穀場を隅々まできれいにし、麦を集めて倉に入れ、殻を消えることのない火で焼き払われる」 新共同訳聖書
「消えない火」
「消えない火」の「消えない」はギリシャ語「 ἄσβεστος アスベストス 消えない」で、英語「アスベスト asbestos 石綿」は燃えにくいことから、名づけられた言葉である。
「私」について、神は「実と殻」を吹分け、「殻」は「消えない火」で焼かれる。人は何が「私」の「実」で、何が「殻」かは、決めつけないがよい。それは神のなさることである。自分に属するすべてを大事に生きることである。しかし、神が吹分けられたら、それが「殻」である。遠くに吹き飛ばされるのでそれと分かる。不必要な「殻」は神が焼かれる。
† 心のデボーション
「手には箕を持ちて禾場をきよめ、その麥は倉に納め、殼は消えぬ火にて燒きつくさん」 マタイ3:12 大正文語訳聖書
「そして、手に箕を持って、脱穀場を隅々まできれいにし、麦を集めて倉に入れ、殻を消えることのない火で焼き払われる」 新共同訳聖書
「実」
何が実で、何が殻か? 実が何かを知るには、殻が何かをみる方法がある。遠くに吹き飛ばされたものが「殻」である。神が私から遠くに吹き飛ばされたものは、どんなに大切な「実」に思えても、「殻」である。
「殻」を取り除いて残ったものが「実」である。
† 心のデボーション
「手には箕を持ちて禾場をきよめ、その麥は倉に納め、殼は消えぬ火にて燒きつくさん」 マタイ3:12 大正文語訳聖書
「そして、手に箕を持って、脱穀場を隅々まできれいにし、麦を集めて倉に入れ、殻を消えることのない火で焼き払われる」 新共同訳聖書
「価値あるものを見いだす」
英語で separate the wheat from the chaff(殻から小麦をより分ける)は、農夫が苦労して殻(chaff)と実をより分ける姿から、転じて「価値あるものを見いだす」の意味になる。
イエスは手に箕を持ち、私のうちの価値あるものを見出される。
† 細き聲 説教
「先駆者ヨハネ」
「手には箕を持ちて禾場をきよめ、その麥は倉に納め、殼は消えぬ火にて燒きつくさん」 マタイ3:12 大正文語訳聖書
「そして、手に箕を持って、脱穀場を隅々まできれいにし、麦を集めて倉に入れ、殻を消えることのない火で焼き払われる」 新共同訳聖書
バプテスマのヨハネは来るべきイエスが神のメシアとして、その手に「箕」をもちイスラエルの民を「よき実」と「殻」に吹き分けられ、よき実は神の倉に納められ、殻は審判の火によって焼き払われると期待した。
しかし、ヨハネの激しいメッセージは、容易くは実現しなかった。ヨハネが望むような「神の審判」は始まらず、ヨハネ自身が国主ヘロデの怒りを受けて投獄されてしまう。
すると、ヨハネはイエスに使いを遣わし、「おいでになるはずの方は、あなたですか。それとも、私たちは別の方を待つべきでしょうか」と問いを発している。(マタイ11:2~4)
これに対してイエスはヨハネの弟子たちに「あなたがたは行って、自分たちの聞いたり見たりしていることをヨハネに報告しなさい」と答えられる。(マタイ11:4)「目の不自由な人が見、足の不自由な人が歩き、重い病の人が癒され、耳の聞こえない人が聞き、死んだ者が甦り、貧しい者に福音が伝えらる」ことが、「よき実」として神の倉に納められている。やがて、イエスは十字架の苦難を受けられ、死から甦られ、福音は完成し、神の国は実現する。「神の国」の到来こそが「神の審判」である。
バプテスマのヨハネは、神がヨハネに示されたメシアの到来が、そのようにして実現されることを知らなければならなかった。
バプテスマのヨハネはイエスが「女から生まれた者の中で、バプテスマのヨハネよりすぐれた人は出ませんでした」と告げられたように、偉大な宣教者である。(マタイ11:11)
ヨハネは投獄され、国主ヘロデの審判によって首を切られる。ヨハネの見る世界に神が審判者として地を裁かれる「神の国」はどこにも見られなかったが、イエスのみことばに従って、「神の国は来た」と信じ、イエスご自身がやがて十字架に死なれ復活されるまだ見ぬ神の御計画のうちに「神の国」の実現を予見する故に、ヨハネは真に神の先駆者であった。
(皆川誠)
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