マタイによる福音書3章8節

マタイによる福音書
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† 福音書縦観 「ヨハネの宣教」 マタイ3:7~10

マタイ3:7~10  ルカ3:7~14
マタイ3:7~10

Matt.3:8だから、悔改めにふさわしい実を結べ。 口語訳聖書

† 日本語訳聖書 Matt. 3:8

【漢訳聖書】
Matt. 3:8 故當結果、以符合悔改、

【明治元訳】
Matt. 3:8 然(され)ば悔(くい)改(あらため)に符(かな)ふ果(み)を結(むす)べよ

【大正文語訳】
Matt. 3:8 さらば悔改に相應しき果を結べ

【ラゲ訳】
Matt. 3:8 然れば改心の相當なる果を結べよ。

【口語訳】
Matt. 3:8 だから、悔改めにふさわしい実を結べ。

【新改訳改訂3】
Matt. 3:8 それなら、悔い改めにふさわしい実を結びなさい。

【新共同訳】
Matt. 3:8 悔い改めにふさわしい実を結べ。

【バルバロ訳】
Matt. 3:8 悔い改めにふさわしい実を結べ。

【フランシスコ会訳】
Matt. 3:8 悔い改めにふさわしい実を結べ。

【日本正教会訳】
Matt. 3:8 然らば悔改(くわいかい)に合(かさ)ふ果を結べ、

【塚本虎二訳】
Matt. 3:8 (ほんとうに悔改めたのか。)それなら(洗礼を受けるだけでなく)、悔改めにふさわしい実を結べ。

【前田護郎訳】
Matt. 3:8 悔い改めにふさわしい実を結べ。

【永井直治訳】
Matt. 3:8 是の故に悔い改に値する實を出だせ。

【詳訳聖書】
Matt. 3:8 悔い改めにふさわしい実を結べ<心の変化を生活によって証明してみよ>。

† 聖書引照 Matt. 3:8

Matt. 3:8 さらば悔改に相應しき果を結べ

[さらば悔改に相應しき果を結べ]  マタ21:28~30,32; イザ1:16,17; ルカ3:8,10~14; 使徒26:20; ロマ2:4~7; Ⅱコリ7:10,11; Ⅱペテ1:4~8
[相應しき果]  ガラ5:22,23; エペ5:9; ピリ1:11
[悔改]  エレ7:3~7; 26:13; 36:3

† ギリシャ語聖書 Matt. 3:8

Stephens 1550 Textus Receptus
ποιησατε ουν καρπουσ αξιουσ της μετανοιας

Scrivener 1894 Textus Receptus
ποιησατε ουν καρπουσ αξιουσ της μετανοιας

Byzantine Majority
ποιησατε ουν καρπον αξιον της μετανοιας

Alexandrian
ποιησατε ουν καρπον αξιον της μετανοιας

Hort and Westcott
ποιησατε ουν καρπον αξιον της μετανοιας

† ギリシャ語聖書 Matt. 3:8

Matt. 3:8

ποιήσατε οὖν καρπὸν ξιον τἄῆς μετανοίας

† ラテン語聖書 Matt. 3:8

Latin Vulgate
Matt. 3:8

Facite ergo fructum dignum pœnitentiæ.
Therefore, produce fruit worthy of repentance.

† ヘブライ語聖書  Matt. 3:8

Matt. 3:8

לָכֵן עֲשׂוּ פְּרִי רָאוּי לִתְשׁוּבָה

† 私訳(詳訳)Matt. 3:8

【私訳】 「それゆえに、悔い改め<心を変える、思考(理解力・理性・知性・思考)の根源を変える>にかなった<ふさわしい>実<実り、成果、行為、結実>を結べ<生み出せ、創り出せ、為せ>」

† 新約聖書ギリシャ語語句研究

Matt. 3:8

ποιήσατε ον καρπὖὸν ξιον τἄῆς μετανοίας

【それゆえに】 ονὖ οὖν  ウーン  oun {oon} (ch 接続詞・後置語)

1)それで、それから、それゆえ、そうゆうわけで、故に、さて、ところで、そこで 2)そのように、実際に、確かに、いずれにしても、とにかく 3)だから、その理由で、そんなわけで 4)すると、それでは

【悔い改めに】 μετανοίας  μετάνοια  メタノイア  metanoia {met-an‘-oy-ah} (n-gf-s 名詞・属女単)

< μερανοῶ メタノオー μετά  共に + νοῦς こころ、理解力、理性、知性

1)心を変える 理解力・理性・知性・思考の根源を変える 2)悔改め 3)改心 4)後悔

マタ3:8,11;  マル1:4; 2:17;  ルカ3:3,8; 5:32; 15:7; 24:47;  使徒5:31; 11:18; 13:24; 19:4; 20:21; 26:20;  ロマ2:4; Ⅱコリ7:9,10;  Ⅱテモ2:25;  ヘブ6:1,6; 12:17;  Ⅱペテ3:9

【ふさわしい】 ἄξιον  ἄξιος  アクシオス axios {ax‘-ee-os} (a–am-s 形容詞・対男単)

< ἄγω 重さを量る、目方がある

1)重さがある、価値がある、適当な 2)~にふさわしい、~にかなった 3)同じ重さの、等価値の

マタ3:8; 10:10,11,13,37,38; 20:8;  ルカ3:8; 7:4; 10:7; 15:19,21;  使徒13:46;  Ⅰテモ5:18:  黙示3:4; 5:2,4,9,12; 16:6

【実を】 καρπὸ  καρπός  カルポス  karpos {kar-pos‘} (n-am-s 名詞・対男単)

1)木の実、果実、実、果物 2)田畑の作物、収穫物 3)収穫、作物、実り、成果、行為、結実、結果 4)益、利益、もうけ、利息

マタ3:8,10; 7:16,17,18,19; 12:33; 13:8; 21:19,34,41,43;  マル4:7,8,29; 11:14;  ルカ1:42; 3:8,9; 6:43;,44;8:8; 13:6;,7,9;  ヨハ4:36; 12:24; 15:2,4,5,8,16 etc.

【結べ】 ποιήσατε  ποιέω  ポイエオー poieō {poy-eh‘-o } (vmaa–2p 動詞・命・1アオ・能・2複)

1)造る、こしらえる、建てる 2)創造する、原因となる、準備する、生み出す 3)やる、なす、行う~にならせる、~にする、こしらえる、準備する、~を~とする、ある状態にする 4)発芽する、結ぶ 5)行う、為す、行動する 6)過ごす 7)守る

† 英語訳聖書 Matt. 3:8

King James Version
3:8 Bring forth therefore fruits meet for repentance:

American Standard Version
3:8 Bring forth therefore fruit worthy of repentance:

New International Version
3:8 Produce fruit in keeping with repentance.

Bible in Basic English
3:8 Let your change of heart be seen in your works:

Darby’s English Translation
3:8 Produce therefore fruit worthy of repentance.

Douay Rheims
3:8 Bring forth therefore fruit worthy of penance.

Noah Webster Bible
3:8 Bring forth therefore fruits meet for repentance:

Weymouth New Testament
3:8 Therefore let your lives prove your change of heart;

World English Bible
3:8 Therefore bring forth fruit worthy of repentance!

Young’s Literal Translation
3:8 bear, therefore, fruits worthy of the reformation,

Amplified Bible
3:8 So produce fruit that is consistent with repentance [demonstrating new behavior that proves a change of heart, and a conscious decision to turn away from sin];

† 細き聲 聖書研究ノート

<さらば悔改に相應しき果を結べ>

「悔改め」は方向を転換することである。方向を転換することによって結ばれる「実」がある。ヨハネは人びとに「悔改に相應しき果」を結ぶように求めた。

<悔い改め>

「悔改め μετάνοια  メタノイア」は「心を変える」で、魂(ψυχή プスゆけー)の知的部分としての「理解力、理性、知性、思考」の根源を変えること。

<悔改めにふさわしい実>

「悔改めにふさわしい実を結ぶ」は、悔改めと同じ重さの「実」を結ぶこと。この「実」は自然の結実のようでない。「悔改め」が「実」を内包しており、「悔改め」がすでに「実」である。

<実を結べ>

実を「結べ ποιέω  ポイエオー」には「創り出す、創出する」の意味がある。創造的結実である。思考の根源が変わるとき、いのちは新しく創出される。その「悔い改め」が何かを生み出し、何かを創り出さないならば、我々は悔い改めてはいないのである。

「悔い改めの実」として大切なのは、存在の根源的な変化である。変化は「私」として現れる。他の存在になるのではなく、神に創られた「私」になることが根源的変化である。それを生き、そこから生み出されるものこそが「人生の実」である。「人生の実」は「私」という存在に個別に与えられている存在の実であって、「私」にしか結ぶことのできない固有のいのちである。

永井訳 「この故に悔い改めに値する実を出だせ」

† 心のデボーション

「さらば悔改に相應(ふさは)しき果を結べ」 マタイ3:8 大正文語訳聖書

「それなら、悔い改めにふさわしい実を結びなさい」 新改訳聖書

「悔い改めに値する実」

永井訳は「この故に悔い改めに値する実を出だせ」である。「悔い改め」と同じ量と質の「実」を「出だせ」と訳す。どのような「悔い改め」にも「相應(ふさは)しき果」は、すでに来ている。ただ、この「実」は「出だす」意志がなければ育たない。

(†心のデボーション00050)

† 心のデボーション

「然(され)ば悔改(くいあらため)に符(かな)ふ果(み)を結(むす)べよ」 マタイ3:8 明治元訳聖書

「悔い改めにふさわしい実を結べ」 新共同訳聖書

「悔改に符(かな)ふ」

「悔い改めに相應(ふさは)しい」を明治元訳聖書は「悔改(くいあらため)に符(かな)ふ」とする。「符」は割符のことで、竹札を二つに割り、その片方をそれぞれが所有し、後日、両片がぴたりとあうことをもって証拠とした。

バプテスマのヨハネは「悔い改め」とぴたりと合う「果」を結べと述べる。

「悔い改め」と同量の「実」を結ぶこと。我々の「実」はいつも「悔い改め」の内容に対して少なすぎはすまいか? それでは「割符」は合わない。

(†心のデボーション00160)

† 心のデボーション

「然(され)ば悔改(くいあらため)に符(かな)ふ果(み)を結(むす)べよ」 マタイ3:8 明治元訳聖書

「然れば改心の相當なる果を結べよ」 ラゲ訳聖書

「改心の相當なる果」

「果(み)」は「成長したあげくに実るもの」、「事柄が進んで生じたもの」の意味である。「悔い改め」はすぐに「果(み)」とはならない。「悔い改め」の成長というものがあり、「悔い改め」が進むのでなければならない。

他の訳では「果(み)」は「実」の漢字があてられる。「実」は「實」であり、「宀 やね」+「周 いっぱい」+「貝 たから」で「家の中に財宝を満たす」こと。

「悔い改めの実(實、果)」とは「悔い改め」が進み、その結果、内に尊きものが欠けなく満ち、内容で一杯になることである。

(†心のデボーション00175)

† 心のデボーション

「然(され)ば悔改(くいあらため)に符(かな)ふ果(み)を結(むす)べよ」 マタイ3:8 明治元訳聖書

「然れば改心の相當なる果を結べよ」 ラゲ訳聖書

「悔い改めの場所」

英語で「悔い改め」はrepentance(King James Version)である。repentance はラテン語 paenitere 「後悔する」に re 「再び」がついたもの。「再び、後悔する」の意味。

カトリックでは「告解室」を「penitentiary」と呼ぶが、米国では「刑務所」をさす。刑に服するというよりも、「repent 悔い改める場所」である。

† 細き聲 説教

「悔改めの実」

「然(され)ば悔改(くいあらため)に符(かな)ふ果(み)を結(むす)べよ」 マタイ3:8 明治元訳聖書

「然れば改心の相當なる果を結べよ」 ラゲ訳聖書

「悔改めの実」は、木が結実するように、「悔改め」が進み「実」として結ばれることである。

ガラテヤ書には「御霊の実」が列記される。

「されど御靈の果は愛・喜悦・平和・寛容・仁慈・善良・忠信・ 柔和・節制なり。斯かるものを禁ずる律法はあらず」 ガラテヤ5:22~23  大正文語訳聖書

これらの「御霊の実」は神が人に与えられた「神のかたち」(創世1:27)として創られ、祝福された人間の品性である。

「悔改め」は人のよき品性にまで及び、努力によらず、祝福としてその人に結ばれるものである。

(皆川誠)

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