† 福音書縦観 「ヨハネの出現」 マタイ3:1~6
マタイ3:1~6 マルコ1:1~6 ルカ3:1~6 ヨハネ1:6,23
マタイ3:1~6
Matt.3:4このヨハネは、らくだの毛ごろもを着物にし、腰に皮の帯をしめ、いなごと野蜜とを食物としていた。口語訳聖書
† 日本語訳聖書 Matt. 3:4
【漢訳聖書】
Matt. 3:4 夫約翰衣駝毛、腰束皮帶、食則蝗蟲野蜜。
【明治元訳】
Matt. 3:4 此(この)ヨハネは身(み)に駱駝(らくだ)の毛衣(けごろも)をき腰(こし)に皮(かは)の帶(おび)をつかね蝗蟲(いなご)と野蜜(のみつ)を食物(しよくもつ)とせり
【大正文語訳】
Matt. 3:4 このヨハネは駱駝の毛織衣をまとひ、腰に皮の帶をしめ、蝗と野蜜とを食とせり。
【ラゲ訳】
Matt. 3:4 ヨハネは駱駝の毛衣を着、腰に皮帯を締め、蝗と野蜜とを常食と為し居たりき。
【口語訳】
Matt. 3:4 このヨハネは、らくだの毛ごろもを着物にし、腰に皮の帯をしめ、いなごと野蜜とを食物としていた。
【新改訳改訂3】
Matt. 3:4 このヨハネは、らくだの毛の着物を着、腰には皮の帯を締め、その食べ物はいなごと野蜜であった。
【新共同訳】
Matt. 3:4 ヨハネは、らくだの毛衣を着、腰に革の帯を締め、いなごと野蜜を食べ物としていた。
【バルバロ訳】
Matt. 3:4 ヨハネはらくだの毛の衣をまとい、腰に皮帯をしめ、いなごと野蜜を食べていた。
【フランシスコ会訳】
Matt. 3:4 ヨハネは、身にらくだの毛衣をまとい、腰には皮の帯をしめていた。食べ物はいなごと野蜜であった。
【日本正教会訳】
Matt. 3:4 イオアンは駱駝(らくだ)の毛衣(けごろも)を衣、腰に皮の帶を束(つか)ね、蝗蟲(いなご)と野蜜とを其(その)食とせり。
【塚本虎二訳】
Matt. 3:4 このヨハネは駱駝の毛の外套を着、腰のまわりに皮の腰衣をつけ、蝗と野蜜とがその食べ物であった。
【前田護郎訳】
Matt. 3:4 彼ヨハネはらくだの毛の衣を着、腰に皮の小袴(こばかま)をし、食べ物はいなごと野蜜(のみつ)であった。
【永井直治訳】
Matt. 3:4 また彼ヨハネは駱駝の毛の衣を着け、また皮の帶をその腰に卷けり。またその食物は蝗(いなご)と野蜜なりき。
【詳訳聖書】
Matt. 3:4 このヨハネの着物はらくだの毛で造られていた。また彼は腰に皮の帯を締め、彼の食物はいなごと野蜜であった。
† 聖書引照 Matt. 3:4
Matt. 3:4 このヨハネは駱駝の毛織衣をまとひ、腰に皮の帶をしめ、蝗と野蜜とを食とせり。
[このヨハネは駱駝の毛織衣をまとひ、腰に皮の帶をしめ] マタ11:8; Ⅱ列王1:8; ゼカ13:4; マラ4:5; マル1:6; ルカ1:17; 黙示11:3
[蝗と野蜜とを食とせり] マタ11:18; レビ11:22
[野蜜] 申命32:13; Ⅰサム14:25~27
† ギリシャ語聖書 Matt. 3:4
Stephens 1550 Textus Receptus
αυτος δε ο ιωαννης ειχεν το ενδυμα αυτου απο τριχων καμηλου και ζωνην δερματινην περι την οσφυν αυτου η δε τροφη αυτου ην ακριδες και μελι αγριον
Scrivener 1894 Textus Receptus
αυτος δε ο ιωαννης ειχεν το ενδυμα αυτου απο τριχων καμηλου και ζωνην δερματινην περι την οσφυν αυτου η δε τροφη αυτου ην ακριδες και μελι
Byzantine Majority
αυτος δε ο ιωαννης ειχεν το ενδυμα αυτου απο τριχων καμηλου και ζωνην δερματινην περι την οσφυν αυτου η δε τροφη αυτου ην ακριδες και μελι
Alexandrian
αυτος δε ο ιωαννης ειχεν το ενδυμα αυτου απο τριχων καμηλου και ζωνην δερματινην περι την οσφυν αυτου η δε τροφη ην αυτου ακριδες και μελι αγριον
Hort and Westcott
αυτος δε ο ιωαννης ειχεν το ενδυμα αυτου απο τριχων καμηλου και ζωνην δερματινην περι την οσφυν αυτου η δε τροφη ην αυτου ακριδες και μελι αγριον
† ギリシャ語聖書 品詞色分け
Matt. 3:4
Αὐτὸς δὲ ὁ ᾽Ιωάννης εἶχεν τὸ ἔνδυμα αὐτοῦ ἀπὸ τριχῶν καμήλου καὶ ζώνην δερματίνην περὶ τὴν ὀσφὺν αὐτοῦ, ἡ δὲ τροφὴ ἦν αὐτοῦ ἀκρίδες καὶ μέλι ἄγριον.
† ラテン語聖書 Matt. 3:4
Latin Vulgate
Matt. 3:4
Ipse autem Ioannes habebat vestimentum de pilis camelorum, et zonam pelliceam circa lumbos suos: esca autem eius erat locustæ, et mel silvestre.
Now the same John had a garment made from the hair of camels, and a leather belt around his waist. And his food was locusts and wild honey.
~ The waistline in those days was above the navel, around the kidneys and lower back (lumbos), not at the hips as is so common today.
† ヘブライ語聖書 Matt. 3:4
Matt. 3:4
.אוֹתוֹ יוֹחָנָן לְבוּשׁוֹ הָיָה מִשְֹעַר גְּמַלִּים וַחֲגוֹרַת עוֹר עַל מָתְנָיו, וּמַאֲכָלוֹ חֲגָבִים וּדְבַשׁ הַיַּעַר
† 私訳(詳訳)Matt. 3:4
【私訳】 「また、ヨハネ自身は<自分から>彼のラクダの毛の衣を着<身につけて、帯びて>、その腰に皮製の腰紐<ベルト、帯>をまいた。そして、その食物はイナゴと野生の蜜<蜂蜜>であった」
† 新約聖書ギリシャ語語句研究
Matt. 3:4
Αὐτὸς δὲ ὁ ᾽Ιωάννης εἶχεν τὸ ἔνδυμα αὐτοῦ ἀπὸ τριχῶν καμήλου καὶ ζώνην δερματίνην περὶ τὴν ὀσφὺν αὐτοῦ, ἡ δὲ τροφὴ ἦν αὐτοῦ ἀκρίδες καὶ μέλι ἄγριον.
【また】 δὲ δέ デ de {deh} (cc 接続詞・等位)
1)ところで、しかし、さて、そして 2)しかも、そしてまた、なお、すると、また 3)次に、さらに 4)否、むしろ
【ヨハネ】 ᾽Ιωάννης ᾽Ιωάννης イオーアンネース Iōannēs {ee-o-an‘-nace} (n-nm-s 名詞・主男単)
ヨハネ ヘブライ名「ヤーゥエの賜物」
(バプテスマのヨハネ マタ3:1,2,6,11; マル1:4; 2:18; ルカ3:2,3; ヨハ3:23; 使徒10:37; 13:24,25; 19:3,4)
【自身】 Ατὐὸς αὐτός アウトス autos {ow-tos‘} (npnm3s 代名詞・主男3)
1)彼、彼女、それ(三人称の代名詞) 2)自身で、自分から、自分として(強調用法) 3)同じ同一の 4)まさに、ちょうど
【らくだの】 καμήλου κάμηλος カメーろス kamēlos {kam‘-ay-los} (n-gf-s 名詞・属女単)
1)ὁ らくだ 2)ἡ 駱駝隊
マタ3:4; 19:24; 23:24; マル1:6; 10:25; ルカ18:25
【毛】 τριχνῶ θρίξ とリクス thrix trichos {threeks} (n-gf-p 名詞・属女複)
1)髪、頭髪 2)毛、髪の毛 3)動物の毛
マタ3:4; 5:36; 10:30; マル1:6; 10:25; ルカ7:38; 12:7; 21:18; ヨハ11:2; 12:3; 使徒27:34
【の】 ἀπὸ ἀπό アポ apo {apo‘} (pg 前置詞・属)
1)~から 2)~から離れて 3)~の中から、~のうちの、~のうちから 4)~以来、~の後で 5)によって 6)(人、物、状態から)自由にする、取り去る
【彼の】 ατοὐῦ αὐτός アウトス autos {ow-tos‘} (npgm3s 代名詞・属男3)
1)彼、彼女、それ(三人称の代名詞) 2)自身で、自分から、自分として(強調用法) 3)同じ同一の 4)まさに、ちょうど
【衣を】 ἔνδυμα ἔνδυμα エンどゆマ enduma {en‘-doo-mah} (n-an-s 名詞・対中単
< ἐνύω 着せる
1)衣類 2)衣服 3)着物 4)着衣 5)着る、被せる 6)身に着ける
マタ3:4; 6:25,28; 7:15; 22:11,1228:3; ルカ12:23;
【着】 εχενἶ ἔχω エこー echō {ekh‘-o} (viia–3s 動詞・直・未完・能・3単)
1)持っている、保持している、保存する、保管する、所有する、保つ 2)身につける、帯びる、具備している、着る 3)含んでいる、抱く、とどめる、しっかり捕らえている 4)~とみなす、思う
【そして】 καὶ καί カイ kai {kahee} (cc 接続詞・等位)
1)~と、~も、そして 2)~さえ、でさえも 3)しかし 4)しかも、それは 5)それでは、それだのに 6)そうすれば、すなわち 7)のみならず、もまた
【その】 ατοὐῦ αὐτός アウトス autos {ow-tos‘} (npgm3s 代名詞・属男3)
1)彼、彼女、それ(三人称の代名詞) 2)自身で、自分から、自分として(強調用法) 3)同じ同一の 4)まさに、ちょうど
【腰】 ὀσφνὺ ὀσφύς オスふゆス osphus {os-foos‘} (n-af-s 名詞・対女単)
1)腰 2)臀部
マタ3:4; マル1:6; ルカ12:35; エペ6:14; ヘブ7:5,10; Ⅰペテ1:13
【に】 περὶ περί ペリ peri {per-ee‘} (pg 前置詞・属)
1)~のこと、~について、~に関して、~に言及して、のことで、において 2)の周りに、周囲に 3)~のために、~をめぐって、~の故に 4)大体、約
【皮の】 δερματίνην δερμάτινος デルマティノス dermatinos {der-mat‘-ee-nos} (a–af-s 形容詞・対女単)
1) 皮製の 2)皮の
マタ3:4; マル1:6
【帯を締め】 ζώνηνζνην ζώνην ζώνη ゾーネー zōnē {dzo‘-nay} (n-af-s 名詞・対女単)
1)広帯、帯、腰帯、腰紐 2)財布の役目もある腰衣、胴巻き、財布 3)ベルト、バンド
マタ3:4; 10:9; マル1:6; 6;8; 使徒21:11; 黙示1:13; 15:6
【そして】 δὲ δέ デ de {deh} (cc 接続詞・等位)
1)ところで、しかし、さて、そして 2)しかも、そしてまた、なお、すると、また 3)次に、さらに 4)否、むしろ
【いなご】 ἀκρίδες ἀκρίς アクリス akris {ak-rece‘} (n-nf-p 名詞・主女複)
1)直翅類 2)イナゴ、バッタ、カマキリ、コオロギ等
マタ3:4; マル1:6; 黙示9:3,7
【と】 καὶ καί カイ kai {kahee} (cc 接続詞・等位)
1)~と、~も、そして 2)~さえ、でさえも 3)しかし 4)しかも、それは 5)それでは、それだのに 6)そうすれば、すなわち 7)のみならず、もまた
【野蜜を】 μέλι γριονἄ
【野の】 ἄγριον ἄγριος アグリオス agrios {ag‘-ree-os} (a–an-s 形容詞・対中単)
1)野生の 2)野の、耕作されていない 3)野蛮な、猛々しい、荒々しい、凶暴な
マタ3:4; マル1:6; ユダ13
【蜜を】 μέλι μέλι メり meli {mel‘-ee} (n-nn-s 名詞・主中単)
1)蜜 2)野蜜 3)蜂蜜
マタ3:4; マル1:6; 黙示10:9,10
【食べ物としていた】 τροφ ὴἦν ατοὐῦ
【彼の】 ατοὐῦ αὐτός アウトス autos {ow-tos‘} (npgm3s 代名詞・属男3)
1)彼、彼女、それ(三人称の代名詞) 2)自身で、自分から、自分として(強調用法) 3)同じ同一の 4)まさに、ちょうど
【食べ物】 τροφὴ τροφή トロふェー trophē {trof-ay‘} (n-nf-s 名詞・主女単)
1)生きていく為に必要なもの 2)食物、食べ物、栄養 3)生活、暮らし、生き方 4)養われたもの、子ども、子孫
マタ3:4; 6:25; 10:10; 24:45; ルカ12:23; ヨハ4:8; 使徒2:46; 9:19; 14:17; 27:33,34,36; ヘブ5:12,14; ヤコ2:15
【であった】 ἦν εἰμί エイミ eimi {i-mee‘} (viia–3s 動詞・直・未完・能・3単)
1)ある、いる、~である、~です、~だ 2)行われる、おこる、生ずる、現れる、来る 3)いる、滞在する、とどまる 4)存在する 5)生きている
† 英語訳聖書 Matt. 3:4
King James Version
3:4 And the same John had his raiment of camel’s hair, and a leathern girdle about his loins; and his meat was locusts and wild honey.
American Standard Version
3:4 Now John himself had his raiment of camel’s hair, and a leathern girdle about his loins; and his food was locusts and wild honey.
New International Version
3:4 John’s clothes were made of camel’s hair, and he had a leather belt around his waist. His food was locusts and wild honey.
Bible in Basic English
3:4 Now John was clothed in camel’s hair, with a leather band about him; and his food was locusts and honey.
Darby’s English Translation
3:4 And John himself had his garment of camel’s hair, and a leathern girdle about his loins, and his nourishment was locusts and wild honey.
Douay Rheims
3:4 And the same John had his garment of camels’ hair, and a leathern girdle about his loins: and his meat was locusts and wild honey.
Noah Webster Bible
3:4 And the same John had his raiment of camel’s hair, and a leathern girdle about his loins; and his food was locusts and wild honey.
Weymouth New Testament
3:4 This man John wore a garment of camel’s hair, and a loincloth of leather; and he lived upon locusts and wild honey.
World English Bible
3:4 Now John himself had clothing made of camel’s hair, and a leather belt around his waist. His food was locusts and wild honey.
Young’s Literal Translation
3:4 And this John had his clothing of camel’s hair, and a girdle of skin round his loins, and his nourishment was locusts and honey of the field.
Amplified Bible
3:4 Now this same John had clothing made of camel’s hair and a [wide] leather [d]band around his waist; and his food was locusts and wild honey.
† 細き聲 聖書研究ノート
<このヨハネは駱駝の毛織衣をまとひ、腰に皮の帶をしめ、蝗と野蜜とを食とせり>
バプテスマのヨハネは駱駝の毛で織った衣をまとい、腰には皮の帯をし、野のイナゴと蜜を食べていた。それは預言者エリヤの装束だったので、人々はヨハネの姿に預言者エリヤを重ねることができた。
聖書が人の服装や食事内容などの日常を伝えることは珍しい。マタイがバプテスマのヨハネの装束や食事について言及するのは、それがヨハネの使命を物語るのに欠かせないことだったからである。
<預言者エリヤの装束>
「らくだの毛衣」と「皮の帯」は、「主の大いなる恐ろしい日が来る前に預言者エリヤをあなたがたに遣わす」(マラキ4:5)と約束された預言者エリヤの装束であった。(Ⅱ列王1:8)
「主の大いなる恐ろしい日が来る前に預言者エリヤをあなたがたに遣わす」(マラキ4:5)と約束された預言者エリヤは「毛衣を着て、腰に革帯をしめて」(Ⅱ列王1:8)いた。
ヨハネのいでたちは預言者エリヤのものだった。一つの事柄にはそれ以外のものでは表わされない形というものがある。
<イナゴ>
律法は昆虫は食べてはならないとしたが、「いなごの類、羽ながいなごの類、大いなごの類、小いなごの類」の4種類は食べてよいと定められていた。(レビ11:20~22)
バプテスマのヨハネはイナゴを水と塩でゆでて、蜜と一緒に食べたのかもしれない。
日本で「イナゴ」は「コバネイナゴ、ハネナガイナゴ」をいうが、長野、群馬、岐阜などでは貴重なタンパク源として食べられてきた。私は群馬の出身だが、子どもの頃、水田で捕まえたイナゴの羽をむしり、生きたままフライパンでいり、醤油と砂糖で煮付けて佃煮にして食べた。
中国では油で揚げるのが一般的だという。
ハディースには預言者ムハンマドが遠征したとき、イナゴを食べたことが記されている。
<イナゴと野蜜>
「蝗と野蜜とを常食と為し居たりき」(ラゲ訳聖書) イナゴと野蜜はヨハネの「常食」だった。いなごも蜂も荒野に多く生息する。「イナゴと野蜜」は荒野の食糧である。
いなごも蜂も共に荒野の生きもので、それを食糧とするには苦労する。荒野に棲むことの出来る者でなければ「荒野に叫ぶ聲」は発せまい。
<貧しい食事>
ヨハネの「イナゴと野蜜」は貧しい食事だった。「貧しい食事」をしたからといって、そのこと自体に特別な意味はない。しかし、飽食の時代には人は、貧しい人の在ることを記憶して、節度ある「貧しい食事」を摂ることは一つの姿勢である。食事の度に他者の食卓を想像することによっても、人はわずかであっても他者と共に在ることになろう。それ以上に、「貧しき食事」はその人を神に導くのである。飽食にくれる人の中に「祈りの人」を見つけるのは難しい。しかし、だからといって「貧しき食卓」の人がすべて「祈りの人」であるのでもない。
<バプテスマのヨハネの装束>
現代でも「バプテスマのヨハネ」のように荒い衣を身にまとう者がいる。だが、その形と言動から、彼を「預言者」と思うのは愚かである。彼はパフォーマンスをしているにすぎない。
バプテスマのヨハネの装束はヨハネだけのものである。
† 心のデボーション
「このヨハネは駱駝の毛織衣をまとひ、腰に皮の帶をしめ、蝗と野蜜とを食とせり」 マタイ3:4 大正文語訳聖書
「ヨハネは、身にらくだの毛衣をまとい、腰には皮の帯をしめていた。食べ物はいなごと野蜜であった」 フランシスコ会訳聖書
「聖なる衣装」
ヨハネは「ラクダの毛で織った衣」を身に着けていた。子どもの頃の防寒着に「らくだの股引」があった。あれは正確には「らくだ色の股引」で、本物のラクダの毛で織った股引は高価なものであるそうな。
「らくだの毛衣」は荒野に棲む者にふさわしい装束であり、ヨハネには「聖なる衣装」であった。
† 心のデボーション
「このヨハネは駱駝の毛織衣をまとひ、腰に皮の帶をしめ、蝗と野蜜とを食とせり」 マタイ3:4 大正文語訳聖書
「ヨハネは、身にらくだの毛衣をまとい、腰には皮の帯をしめていた。食べ物はいなごと野蜜であった」 フランシスコ会訳聖書
「フィレンツェ市の守護聖人」
駱駝の毛織衣をまとったことから、バプテスマのヨハネは駱駝の皮をなめしたとして、毛織物、皮産業の盛んであったフィレンツェ市の守護聖人とされている。オルサンミケーレ教会には毛織物商組合が造ったバプテスマのヨハネ像がある。毎年6 月24日に祭りが行なわれる。
フィレンツェの毛織物商たちはバプテスマのヨハネに何を守ってもらおうとしたのだろうか?
† 心のデボーション
「このヨハネは駱駝の毛織衣をまとひ、腰に皮の帶をしめ、蝗と野蜜とを食とせり」 マタイ3:4 大正文語訳聖書
「ヨハネは、身にらくだの毛衣をまとい、腰には皮の帯をしめていた。食べ物はいなごと野蜜であった」 フランシスコ会訳聖書
「貧しさ」
牧師にとって「貧しさ」を知ることは大切な経験である。
筆者が聖書学塾で修業中のことである。
ある日、一人の男が教会を訪れ、金銭を乞うた。与える金もなく、ちょうど昼時だったので、「食事ならありますが」と言うと、嬉しそうに「食べる」と答えた。そこで食堂から一人分の、その日の昼食を運んだ。すると男はプレートを一目見て「乞食だからと言ってバカにするな」と顔色を変えて怒り、帰っていった。
男を怒らせたのは「貧しい食事」だったのか、それとも「プレート」に貧しさを見せた私に(その意思はなかったが)何らかの憤りを感じたものか、今となってはわからない。
† 心のデボーション
「このヨハネは駱駝の毛織衣をまとひ、腰に皮の帶をしめ、蝗と野蜜とを食とせり」 マタイ3:4 大正文語訳聖書
「ヨハネは、身にらくだの毛衣をまとい、腰には皮の帯をしめていた。食べ物はいなごと野蜜であった」 フランシスコ会訳聖書
「一狐裘三十年」
春秋時代、斉の名医であった晏子(あんし)は一枚の狐の皮衣を三十年間も着通したという。「一狐裘(いっちこきゅう)三十年」は倹約のたとえである。「狐裘」は狐の脇の下の皮を集めてつくった白い皮衣である。倹約にしては豪華な衣のようだ。
人にはそれぞれ長く着通す衣がある。
† 細き聲 説教
「荒野に叫ぶ声」
「このヨハネは駱駝の毛織衣をまとひ、腰に皮の帶をしめ、蝗と野蜜とを食とせり」 マタイ3:4 大正文語訳聖書
「ヨハネは、身にらくだの毛衣をまとい、腰には皮の帯をしめていた。食べ物はいなごと野蜜であった」 フランシスコ会訳聖書
先駆者としてのバプテスマのヨハネの役割は大きかった。そのことは、イエスの弟子の大半がヨハネの弟子であったことからも確認することができる。
バプテスマのヨハネは「身にらくだの毛衣をまとい、腰には皮の帯をしめ」、その食べ物は「いなごと野蜜であった」。その姿は荒々しく野人的である。
ヨハネに対してエルサレムの祭司、パリサイ人は長い衣を着て、胸に経札をつけ、清潔で敬虔な生活ぶりをしのばせていた。
しかし、バプテスマのヨハネは祭司、パリサイ人の宗教生活にある嘘に気づいていた。そこに神との真の関係はなく、生ける神との関わりを抜いた宗教生活があった。
人びとがバプテスマのヨハネの説教を聞くために荒れ野に赴いたのはヨハネが神殿礼拝を中心とする祭司長、パリサイ人の敬虔な宗教生活の偽りに気づき、その荒廃した状況に鋭く悔い改めを説くヨハネに真のことばを受け取ったからに違いない。
我々も荒野に赴き、荒々しい心に呼びかけるヨハネに聞く必要がある。しかし、バプテスマのヨハネのが「荒野に呼ばわる者の声」であったのは、祭司長、パリサイ人たちの神殿宗教の荒廃を暴いたからではない。バプテスマのヨハネが「荒野に呼ばわる声」であったのは、ヨハネが荒野でキリストを指したからである。来るべき、見るべき、信ずべき方、真に人間を救う神のことば、メッセージを伝えたからである。
(皆川誠)
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