マタイによる福音書2章12節

マタイによる福音書
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† 福音書対観 「東方の博士の来訪」 マタイ2:1~12

マタイ2:1~12

Matt. 2:12そして、夢でヘロデのところに帰るなとのみ告げを受けたので、他の道をとおって自分の国へ帰って行った。

口語訳聖書

† 日本語訳聖書 Matt. 2:12

【漢訳聖書】
Matt. 2:12 博士夢中得默示、令勿返見希律、則由他途歸其故土。

【明治元訳】
Matt. 2:12 博士(はかせ)夢(ゆめ)にヘロデへ返(かへ)る勿(なかれ)との默示(つげ)を蒙(かうむ)りて他(ほか)の途(みち)より其(その)國(くに)に歸(かへ)れり

【大正文語訳】
Matt. 2:12 かくて夢にてヘロデの許に返るなとの御告(みつげ)を蒙り、ほかの路より己が國に去りゆきぬ。

【ラゲ訳】
Matt. 2:12 斯てヘロデに返ること勿れとの示(しめし)を夢に得て、他の途より己が國に歸れり。

【口語訳】
Matt. 2:12 そして、夢でヘロデのところに帰るなとのみ告げを受けたので、他の道をとおって自分の国へ帰って行った。

【新改訳改訂3】
Matt.2:12  それから、夢でヘロデのところへ戻るなという戒めを受けたので、別の道から自分の国へ帰って行った。

【新共同訳】
Matt. 2:12 ところが、「ヘロデのところへ帰るな」と夢でお告げがあったので、別の道を通って自分たちの国へ帰って行った。

【バルバロ訳】
Matt. 2:12 そののち夢の中で、ヘロデのところに帰ってはならぬとお告げを受けたので、ほかの道をとって故国に去って行った。

【フランシスコ会訳】
Matt. 2:12 その後、夢に、ヘロデのところに帰るなとのお告げを受けたので、ほかの道を通って自分たちの国に向かって帰って行った。

【日本正教会訳】
Matt. 2:12 既にして 夢の 中に、 イロドに 返る 可からずとの 黙示(つげ)を 得て、 他の 途より 其 本地に 歸れり。

【塚本虎二訳】
Matt. 2:12 それから夢で、ヘロデの所へ引き返すなとのお告げを受けたので、ほかの道から国へ帰っていった。

【前田護郎訳】
Matt. 2:12 そしてヘロデのもとに帰るなと夢にお告げを受け、別の道からおのが国へと立ち去った。

【永井直治訳】
Matt. 2:12 また彼等は夢にて、ヘロデの許に立ち戻る勿れ、との誥(つげ)を蒙りたれば、他の道を經て己が國に立ち退けり。

【詳訳聖書】
Matt. 2:12 そして彼らは、ヘロデのところに戻ってはいけないと夢によって神のご指示<警告>を受けた<彼らの疑問に対する答えを得た>ので、別の道を通って自分たちの国へ去って行った。

† 聖書引照 Matt. 2:12

Matt. 2:12 かくて夢にてヘロデの許に返るなとの御告(みつげ)を蒙り、ほかの路より己が國に去りゆきぬ

[かくて夢にてヘロデの許に返るなとの御告(みつげ)を蒙り]  マタ2:22; 1:20; 27:19; 創世20:6,7; 31:24; ヨブ33:15~17; ダニ2:19
[ほかの路より己が國に去りゆきぬ]  出エ1:17; 使徒4:19; 5:29; Ⅰコリ3:19

† ギリシャ語聖書 Matt. 2:12

Stephens 1550 Textus Receptus
και χρηματισθεντες κατ οναρ μη ανακαμψαι προς ηρωδην δι αλλης οδου ανεχωρησαν εις την χωραν αυτων

Scrivener 1894 Textus Receptus
και χρηματισθεντες κατ οναρ μη ανακαμψαι προς ηρωδην δι αλλης οδου ανεχωρησαν εις την χωραν αυτων

Byzantine Majority
και χρηματισθεντες κατ οναρ μη ανακαμψαι προς ηρωδην δι αλλης οδου ανεχωρησαν εις την χωραν αυτων

Alexandrian
και χρηματισθεντες κατ οναρ μη ανακαμψαι προς ηρωδην δι αλλης οδου ανεχωρησαν εις την χωραν αυτων

Hort and Westcott
και χρηματισθεντες κατ οναρ μη ανακαμψαι προς ηρωδην δι αλλης οδου ανεχωρησαν εις την χωραν αυτων

† ギリシャ語聖書 品詞色分け

Matt. 2:12

καὶ χρηματισθέντες κατ ᾽ὄναρ μ ὴἀνακάμψαι πρς ὸ῾Ηρῴδην, δι ᾽ἄλλης ὁδοῦ ἀνεχώρησαν εἰς τὴν χώραν αὐτῶν.

† ヘブライ語聖書 Matt. 2:12

Matt. 2:12

לְאַחַר שֶׁהֻזְהֲרוּ בַּחֲלוֹם שֶׁלֹּא לַחֲזֹר אֶל הוֹרְדוֹס יָצְאוּ לְאַרְצָם בְּדֶרֶךְ אַחֶרֶת.

† ラテン語聖書 Matt. 2:12

Latin Vulgate
Matt. 2:12

Et responso accepto in somnis ne redirent ad Herodem, per aliam viam reversi sunt in regionem suam.
And having received a response in sleep that they should not return to Herod, they went back by another way to their own region.

† 私訳(詳訳)Matt. 2:12

【私訳】 「それから、彼らは夢<夢、幻影、幻>で『ヘロデのところへ戻るな』と神の警告<お告げ、意味あることば>を受けたので、反対の<他の、もう一つの>道を通って自分たちの国に帰った<後ずさった、人目を避けて去った、戻った>」

† 新約聖書ギリシャ語語句研究

Matt. 2:12

καὶ χρηματισθέντες κατ ᾽ὄναρ μ ὴἀνακάμψαι πρς ὸ῾Ηρῴδην, δι ᾽ἄλλης ὁδοῦἀνεχώρησαν εἰς τὴν χώραν αὐτῶν.

【それから】 καὶ καί カイ kai {kahee} (cc 接続詞・等位)

1)~と、~も、そして 2)~さえ、でさえも 3)しかし 4)しかも、それは 5)それでは、それだのに 6)そうすれば、すなわち 7)のみならず、もまた

【ヘロデの】 ῾Ηρδηνῴ  ῾Ηρῴδης  ヘローデース Hērōdēs {hay-ro‘-dace} (n-am-s 名詞・対男単)

ヘロデ  ギリシャ名「英雄」

(ヘロデ大王 マタ2:1~22;  ルカ1:5)

【ところへ】 πρςὸ  πρός プロス pros {pros} (pa 前置詞・対)

1)~のところへ、~の方へ、~に向かって 2)~の近くに、~の側に、~に接して 3)~のために 4)~に対して 5)~について 6)~の面前で

【帰るな】 μ ὴἀνακάμψαι

【帰る】 ἀνακάμψαι  ἀνακάμπτω  アナカムプトー  anakamptō {an-ak-amp‘-to} (vnaa 不定詞・1アオ能)

< ἀνά  戻る + κάμπτω  曲がる

1)上向きに曲げる 2)後ろ向きに曲げる 3)戻る、行ったり来たりする 4)帰る、元に戻る

マタ2:12;  ルカ10:6;  使徒18:21;  ヘブ11:15

【な】 μὴ μή メー  mē {may} (qn 不変化詞・否定)

1)~ない

【夢で】 κατ ᾽ὄναρ

【夢】 ὄναρ  ὄναρ  オナル  onar {on‘-ar} (n-an-s 名詞・対中単)

1)夢 2)幻影 3)夢で、夢の中で

マタ1:20; 2:12,113,19,22; 27:19

【で】 κατ᾽ κατά カタ kata {kat-ah‘} (pa 前置詞・対)

1)~から下へ、下まで 2)に従って、によって 3)に向って 4)~の向かい側に、の近くに 5)の間に 6)毎に 7)~に逆らって、反対して 8)~に誓って、~にかけて、~を指して 9)~の故に、~に関して、~の為に

【お告げがあった】 χρηματισθέντες  χρηματίζω  くレーマティゾー  chrēmatizō {khray-mat-id‘-zo}

(vpapnm-p 分詞・1アオ受主男複)

< χρῆμα 事務、必要なもの、価値あるもの

1)事務を処理する、用事をはたす、商取引をする 2)神のお告げを受ける、神の警告を受ける

マタ2:12,22;  ルカ2:26; 使徒10:23; 11:26;  ロマ7:3;  ヘブ8:5; 11:7; 12:25

【別の道を】 δι ᾽ἄλλης δοὁῦ

【別の】 ἄλλης  ἄλλος  アるろス  allos {al‘-los} (a–gf-s 形容詞・属女単)

1)けれども、しかし、そうではなくて、それどころか 2)むしろ、反対に、別の、他の、もう一つの 3)異なる、違った

【道を】 ὁδοῦ  ὁδός  ホドス  hodos {hod-os‘} (n-gf-s 名詞・属女単)

1)道、道路、通路、通り 2)旅、旅路、行路、旅行、旅程、歩行 3)生き方、行為、やり方、方法

マタ3:3; 7:14; 13:4; 22:16;   マル1:2,3; 4:4; 12:14;  ルカ1:79; 3:4; 20:21;  ヨハ14:6;  使徒2:28; 9:27;16:17; 19:9;  ロマ1:10; 3:17;  Ⅰコリ10:13; 12:31  ヘブ10:20;  ヤコ5:20;  黙示15:3

【通って】 δι᾽  διά ディア dia {dee-ah‘} (pg 前置詞・属)

1)~を通って、通り抜けて 2)~を通じて、~中ずっと、~の中に、~の中へと 3)~の故に 3)~のために、~の故に 4)~の間で 5)~を経て、~によって、~の後に

【自分たちの国へ】 ες τἰὴν χώραν ατὐῶν 「彼らの国へ」

【自分たちの】 ατὐῶν  αὐτός  アウトス autos {ow-tos‘} (npgm3p 代名詞・属男3)

1)彼、彼女、それ(三人称の代名詞) 2)自身で、自分から、自分として(強調用法) 3)同じ同一の 4)まさに、ちょうど

【国】 χώραν  χώρα  こーラ  chōra {kho‘-rah} (n-af-s 名詞・対女単)

1)余地 2)所、場所、地点 3)国、地域、地;土地、領土

マタ2:12; 4:16; 8:28;  マル1:5; 5:1,10;6:55;  ルカ2:8; 3:1; 8:26; 12:16; 15:13,14,15; 19:12; 21:21;  ヨハ4:35; 11:54,55 etc.

【へ】 εςἰ εἰς エイス  eis {ice}  (pa 前置詞・対)

1)~の中へ 2)~へ 3)~まで 4)~のために 5)~に対して 6)~に向かって 7)~を目標にして 8)の間に

【帰って行った】 ἀνεχώρησαν  ἀναχωρέω  アナこーレオー  anachōreō {an-akh-o-reh‘-o} (viaa–3p 動詞・直・1アオ・能・3複)

< ἀνά  戻る +χωρέω 進む

1)戻る、帰る、去る、後ずさりする、退く 2)退却する、引き下がる 3)危険を避けて逃れ去る、人目を避けて去る

マタ2:12; 4:12; 9:24; 14:13; 15:21 マル2:12,13,14; 12:15; 27:5; ヨハ6:15

† 英語訳聖書 Matt. 2:12

King James Version
2:12 And being warned of God in a dream that they should not return to Herod, they departed into their own country another way.

American Standard Version
2:12 And being warned of God in a dream that they should not return to Herod, they departed into their own country another way.

New International Version
2:12 And having been warned in a dream not to go back to Herod, they returned to their country by another route.

Bible in Basic English
2:12 And it was made clear to them by God in a dream that they were not to go back to Herod; so they went into their country by another way.

Darby’s English Translation
2:12 And being divinely instructed in a dream not to return to Herod, they departed into their own country another way.

Douay Rheims
2:12 And having received an answer in sleep that they should not return to Herod, they went back another way into their country.

Noah Webster Bible
2:12 And being warned by God in a dream that they should not return to Herod, they departed into their own country another way.

Weymouth New Testament
2:12 But being forbidden by God in a dream to return to Herod, they went back to their own country by a different route.

World English Bible
2:12 Being warned in a dream that they shouldn’t return to Herod, they went back to their own country another way.

Young’s Literal Translation
2:12 and having been divinely warned in a dream not to turn back unto Herod, through another way they withdrew to their own region.

Amplified Bible
2:12 And having been warned [by God] in a dream not to go back to Herod, the magi left for their own country by another way.

† 細き聲 聖書研究ノート

<かくて夢にてヘロデの許に返るなとの御告(みつげ)を蒙り、ほかの路より己が國に去りゆきぬ>

博士たちはキリスト(メシア)の居場所が分かったら報告するというヘロデ王との約束を果たすためにエルサレムに戻ろうとしていた。しかし、夢で「ヘロデの許に帰るな」との御告げを受け、来た時とは別の道を通って(エルサレムを避けて)彼らの国に戻っていった。

<お告げ>

「お告げ χρηματίζω  くレーマティゾー」は「商取引」からきた言葉。「どうすべきか」という問いに対して、神から「必要な事柄」として引き出されるのが「戒め、警告」である。価値ある「取引き」である。

<夢の警告>

夢はしばしば、人に警告を発する。しかし、夢の警告を受け取るには、意識が充分に開かれていなければならない。それも一つの「細き聲」である。夢は無意識のイメージである。マギ達はそれを解く知恵をもっていた。

<惑わしの夢>

ギリシャ神話ではゼウスはアガメムノンに「惑わしの夢 ὄνειρος」を送り、偽りの情報を与える。(ホメロス『イリアス』) 夢には、亡びをもたらす「惑わしの夢」もある。

<別の道>

「別の道 δι ᾽ἄλλης δοὁῦ」は「反対の道」の意味。これまでとは反対の方向にも「道」はある。「反対側」は「こちら側」と同じくらいに大切である。

† 心のデボーション

「かくて夢にてヘロデの許に返るなとの御告(みつげ)を蒙り、ほかの路より己が國に去りゆきぬ」 マタイ2:12 大正文語訳聖書

「それから、夢でヘロデのところへ戻るなという戒めを受けたので、別の道から自分の国へ帰って行った」 フランシスコ会訳聖書

「約束」

東の博士たちがヘロデとの約束を果たそうとすれば、いのちの保証はなかった。

「約束」の「約」の「勺」という文字は液体を汲んださまを表した文字で、その「勺」に糸がついた「約」は糸を引き締めて目立たせた「目印」を表し,目印をつけて取り決めするとの意味。「束」は,木を集めて紐で縛ったさまを表す文字で、「約束」は目印をつけて取り決め,身動きが取れないようにすることを意味する。(『語源由来辞典』参考)

「果たすことのかなわぬ約束」というものがある。そうだからといって「約束などしなければよい」ということにはならない。人間は約束しては破り、破りながらも約束する。実現できなかった約束は抱えて生きていけばよい。

† 心のデボーション

「かくて夢にてヘロデの許に返るなとの御告(みつげ)を蒙り、ほかの路より己が國に去りゆきぬ」 マタイ2:12 大正文語訳聖書

「それから、夢でヘロデのところへ戻るなという戒めを受けたので、別の道から自分の国へ帰って行った」 フランシスコ会訳聖書

「御告げ」

「御告(みつげ)crhmati,zw  クレーマティゾー」は日本正教会訳では「黙示」と書いて「つげ」と読み、ラゲ訳は「示(しめし)」、永井訳「誥(つげ)」である。これに対して新改訳は「戒め」とし、詳訳聖書は「警告」の意味を加えている。

「誥」は言(ことば)+告(告る)で、上位の者から下の者への告知を意味する。天使がくだす布告文や高級官吏への辞令なども「誥 コウ」と呼ばれる。

最も大切な「戒め、警告」は神の「誥 コウ」として、「夢」という内的な営みの内に与えられる。

† 心のデボーション

「かくて夢にてヘロデの許に返るなとの御告(みつげ)を蒙り、ほかの路より己が國に去りゆきぬ」 マタイ2:12 大正文語訳聖書

「それから、夢でヘロデのところへ戻るなという戒めを受けたので、別の道から自分の国へ帰って行った」 フランシスコ会訳聖書

「マギの遺骨」

イエスを見出したマギは別の道を通って「東の国」へ帰っていった。聖書はイエスを礼拝するためにエルサレムに現れたマギがどのような人物かについて詳しく語らず、その後のマギについても一切の言及はない。

伝説によれば、彼らはその後洗礼を受け、キリストの布教につとめたという。ドイツのケルン大聖堂 CologneCathedral  にはマギの遺骨を納めたという黄金の棺が安置されている。これは当時大聖堂の建設にはキリストやマリア、聖人等の遺物が必要だったため、ローマから運ばれたものとされている。

大聖堂の中で黄金につつまれた東のマギよりも、荒野に消えていったマギの後姿に会いたいものだ。

† 心のデボーション

「かくて夢にてヘロデの許に返るなとの御告(みつげ)を蒙り、ほかの路より己が國に去りゆきぬ」 マタイ2:12 大正文語訳聖書

「それから、夢でヘロデのところへ戻るなという戒めを受けたので、別の道から自分の国へ帰って行った」 フランシスコ会訳聖書

「夢の御告」

これまでマギを導いたのは「導きの星」だったが、ここでは、ヨセフと同じ「夢の御告(みつげ)」が彼らを導く。

「導き」は一つではない。「星」も「夢の御告(みつげ)」もともに神の導きである。時にかなう方法が選ばれ、マギの霊的経験は深まっていく。今やヨセフとマリアを導いたと同じ光がマギを照らした。

† 細き聲 説教

「その後の博士」

「かくて夢にてヘロデの許に返るなとの御告(みつげ)を蒙り、ほかの路より己が國に去りゆきぬ」 マタイ2:12 大正文語訳聖書

夢で「ヘロデのところへ帰るな」というみ告げを受けた博士たちは「別の道」を通って、自分たちの国に帰っていった。

ベツレヘムでイエスに導かれ、持参した「贈り物」を捧げて、帰省した後、彼らは望むことは何一つ起こらなかった。

それから三十年の間、博士たちは老い、或者は亡くなり、若き者も老人になった。

博士たちは、その後の長い沈黙の期間をどのように導かれたのだろうか?

導きの星は再び動くことなく、彼らを旅に誘わなかった。

しかし、博士たちは夜空を見上げない日は一日としてなかった。

何も語らず、動くこともない星もまた、導きであった。

導きが消えたのではない。「見続けること」が新たな導きとなった。

(皆川誠)

† 細き聲 説教

「信仰生活の祝福」

「かくて夢にてヘロデの許に返るなとの御告(みつげ)を蒙り、ほかの路より己が國に去りゆきぬ」 マタイ2:12 大正文語訳聖書

東の博士たちをベツレヘムに導いた「導きの星」はベツレヘムからの帰路も彼らを導いた。

来る道を先導するものは帰る道も導く。

救い主イエスに出会う者は誰でも、そこに神の導きの不思議を思うに違いない。イエスの出会いには深い霊的な導きによるのである。

しかし、信仰はそれで終わるものではない。救い主イエスに出会った後の信仰は、より大きな「導き」を必要とする。

しばしば、信仰はイエスとの出会いに終わり、その後の信仰生活は精彩を欠くものとなる。

イエスとの出会いなくしてその後の信仰生活の祝福はない。しかし、そこから始まる信仰の深まりは出会いの祝福を上回る豊かさが約束されているのである。

(皆川誠)

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