マタイによる福音書1章16節

マタイによる福音書
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† 福音書対観 「イエスの系図」 マタイ1:1~17

マタイ1:1~17  ルカ3:23~38  (ヨハネ1:1~18)
マタイ1:1~17

Matt. 1:16ヤコブはマリヤの夫ヨセフの父であった。このマリヤからキリストといわれるイエスがお生れになった。 口語訳聖書

† 日本語訳聖書 Matt. 1:16

【漢訳聖書】
Matt. 1:16 雅各生約瑟、卽馬利亞之夫、馬利亞生耶穌稱基督者。

【明治元訳】
Matt. 1:16 ヤコブ、マリヤの夫(をつと)ヨセフを生(うめ)り此(この)マリヤよりキリストと稱(となふ)るイエス生(うま)れ給(たま)ひき

【大正文語訳】
Matt. 1:16 ヤコブ、マリヤの夫ヨセフを生めり。此のマリヤよりキリストと稱ふるイエス生れ給へり。

【ラゲ訳】
Matt. 1:16 ヤコブ マリアの夫ヨゼフを生み、此マリアよりキリストと稱するイエズス生まれ給えり。

【口語訳】
Matt. 1:16 ヤコブはマリヤの夫ヨセフの父であった。このマリヤからキリストといわれるイエスがお生れになった。

【新改訳改訂3】
Matt. 1:16 ヤコブにマリヤの夫ヨセフが生まれた。キリストと呼ばれるイエスはこのマリヤからお生まれになった。

【新共同訳】

Matt. 1:16 ヤコブはマリアの夫ヨセフをもうけた。このマリアからメシアと呼ばれるイエスがお生まれになった。

【バルバロ訳】
Matt. 1:16 ヤコブはマリアの夫ヨゼフを生み、このマリアからキリストと呼ばれるイエズスが生まれた。

【フランシスコ会訳】
Matt. 1:16 ヤコブの子はマリアの夫ヨセフである。キリストと呼ばれるイエスは、このマリアからお生まれになった。

【日本正教会訳】
Matt. 1:16 イアコフはイオシフを生めり、卽ちマリヤの夫なり、マリヤよりハリストスと稱(とな)ふるイイススは生まれたり。

【塚本虎二訳】
Matt. 1:16 ヤコブの子はマリヤの夫ヨセフで、このマリヤから救世主と呼ばれるイエスがお生まれになった。

【前田護郎訳】
Matt. 1:16 ヤコブはマリヤの夫ヨセフの父であり、彼女からキリストといわれるイエスがお生まれになった。

【永井直治訳】
Matt. 1:16 またヤコブはヨセフ、卽ちマリアの夫(をっと)を生めり。その〔マリア〕よりキリストと云はるるイエスは生まれ給へるなり。

【詳訳聖書】
Matt. 1:16 ヤコブはマリヤの夫ヨセフの父であり、このマリヤからキリストと呼ばれるイエスがお生まれになった。

† 聖書引照 Matt. 1:16

Matt. 1:16 ヤコブ、マリヤの夫ヨセフを生めり。此のマリヤよりキリストと稱ふるイエス生れ給へり。

[ヤコブ]  マタ1:15,16
[マリヤ] マタ1:16,18,20;  マル2:1;13:55; 6:3;  ルカ1:26~58;  使徒1:24
[マリヤの夫ヨセフ]  マタ1:18~25; 2:13; ルカ1:27; 2:4,5,48; 3:23; 4:22
[此のマリヤよりキリストと稱ふるイエス生れ給へり]  ルカ2:1~20
[キリストと稱ふるイエス]  マタ27:17.22; ルカ2:11; ヨハ4:25

† ギリシャ語聖書 Matt. 1:16

Stephens 1550 Textus Receptus
ιακωβ δε εγεννησεν τον ιωσηφ τον ανδρα μαριας εξ ης εγεννηθη ιησους ο λεγομενος χριστος

Scrivener 1894 Textus Receptus
ιακωβ δε εγεννησεν τον ιωσηφ τον ανδρα μαριας εξ ης εγεννηθη ιησους ο λεγομενος χριστος

Byzantine Majority
ιακωβ δε εγεννησεν τον ιωσηφ τον ανδρα μαριας εξ ης εγεννηθη ιησους ο λεγομενος χριστος

Alexandrian
ιακωβ δε εγεννησεν τον ιωσηφ τον ανδρα μαριας εξ ης εγεννηθη ιησους ο λεγομενος χριστος

Hort and Westcott
ιακωβ δε εγεννησεν τον ιωσηφ τον ανδρα μαριας εξ ης εγεννηθη ιησους ο λεγομενος χριστος

† ギリシャ語聖書 品詞色分け

Matt. 1:16

᾽Ιακὼβ δὲ ἐγέννησεν τὸν ᾽Ιωσὴφ τὸν ἄνδρα Μαρίας, ἐξ ἧς ἐγεννήθη ᾽Ιησοῦς ὁ λεγόμενος Χριστός

† ヘブライ語聖書 Matt. 1:16

Matt. 1:16

יַעֲקֹב הוֹלִיד אֶת יוֹסֵף בַּעַל מִרְיָם אֲשֶׁר מִמֶּנָּה נוֹלַד יֵשׁוּעַ הַנִּקְרָא מָשִׁיחַ.

† ラテン語聖書 Matt. 1:16

Latin Vulgate
Matt. 1:16

Iacob autem genuit Ioseph virum Mariae de qua natus est Iesus qui vocatur Christus
And Jacob conceived Joseph, the husband of Mary, of whom was born Jesus, who is called Christ.

† 私訳(詳訳)Matt. 1:16

【私訳】 「またヤコブはマリヤの夫ヨセフをもうけた。この[マリヤ]からキリスト<メシア、救い主>と呼ばれる<名づけられる>イエスが生まれた」

† 新約聖書ギリシャ語語句研究

Matt. 1:16

᾽Ιακὼβ δὲ ἐγέννησεν τὸν ᾽Ιωσὴφ τὸν ἄνδρα Μαρίας, ἐξ ἧς ἐγεννήθη ᾽Ιησοῦς ὁ λεγόμενος Χριστός

【また】 δὲ  δέ  デ de {deh} (cc 接続詞・等位)

1)ところで、しかし、さて、そして 2)しかも、そしてまた、なお、すると、また 3)次に、さらに 4)否、むしろ

【ヤコブは】 ᾽Ιακώβ  ᾽Ιακώβ  イアコーブ Iakōb {ee-ak-obe‘}  (n-nm-s 名詞・主男単)

ヤコブ  ヘブル名「踵をとる」

マタ1:14,15

【マリヤの】 Μαρίας  Μαρία マリヤ  Maria {mar-ee‘-ah, } (n-gf-s 名詞・属女単)

マリヤ  ヘブル名「頑固、強い」 ヘブル語「ミリアム」のギリシャ名、ヘブル語の「ミリアム」には「海の一滴の水」の意味もある。

(イエスの母マリヤ)マタ1:16,18,20;  マル2:1;13:55; 6:3;  ルカ1:26~58;  使徒1:24

【夫】 ἄνδρα  ἀνήρ  ἀνδρός  アネール anēr {an‘-ayr}  (n-am-s 名詞・対男単)

1)男、夫、成人、おとな、人間、人、者 2)許嫁の夫

ロマ7:2~3;  Ⅰコリ7:1~16;  エペ5:21~33;  コロ3:18~19:;  テト1:6; 2:5;          Ⅰペテ3:1~7

【ヨセフを】 ᾽Ιωσὴφ  ᾽Ιωσήφ  イオーセーふ  Iōsēph {ee-o-safe‘} (n-am-s 名詞・対男単)

ヨセフ  ヘブル名 「彼は増し加える」

(イエスの父ヨセフ 職業は「大工」マル6:3)マタ1:16~24;  ルカ1:27; 2:4,16; 3:23; 4:22;  ヨハ1:45; 6:42

【もうけ】 ἐγέννησεν  γεννάω  ゲンナオー  gennaō { ghen-nah‘-o } (viaa–3s 動詞・直・1アオ・能・単)

1)(父が子を)もうける、(母が子を)産む、~の父となる 2)生ませる、産出する、発生させる、生ぜしめる 3)生まれつき、生まれながら 4)(事物を)産出する、発生させる、生ずる、生ぜしめる

マタ1:2,16,20; ヨハ1:13; 3:3,5;  Ⅰヨハ4:7; 5:1

【この】 ἧς  ὅς  ホス  hos {hos}  (aprgf-s 関係代名詞・属女単)

1)この~ 2)これ 3)ところの、そして

原文に「マリヤ」の名はなく「その(マリヤ)より」

【から】 ἐξ  ἐκ エク  ek ex {ek, ex}  (pg 前置詞・属)

1)から、~の中から 2)~の外に、~から外へ、~から出て 3)によって 4)で  (動作の出発点を示す) 5)のためにἐκ エク  ek ex {ek, ex} (pg 前置詞・属)

【キリストと】 Χριστός  Χριστός  くリストス Christos { khris-tos‘ } (n-nm-s 名詞・主男単)

キリスト ヘブライ語「םָשִׁיחַ メシーハー mashiyach {maw-shee’-akh}」、アラム語の「メシアーハー」のギリシャ名で「油そそがれた者、メシア」の意味

「油そそぎ」は王や大祭司の任職式に行なわれた。(Ⅰサムエル10:1、出エジプト30:22~30「聖なるそそぎ油」(出エジプト30:25)と呼ばれ、「油そそがれたもの」は聖なるものとされた。(出エジプト30:29)

マタ16:16; 24:24;  マル8:29; 13:22;  ルカ9:20; 24:46;  ヨハ4:25;  使徒17:3;  ピリ1:15;  Ⅰヨハ2:22;

5:1;  黙示20:4

【呼ばれる】 λεγόμενος  λέγω れゴー legō {leg‘-o} (vpppnm-s 分詞・現主男単)

1)言う、告げる、語る、話す、言い表す、述べる 2)呼ぶ、命ずる、指図する、言いつける 3)名づける、称する、呼びかける 4)意味する、指す

【イエスが】 ᾽Ιησοῦς  ᾽Ιησοῦς イエースウース  Iēsous {ee-ay-sooce‘ } (n-nm-s 名詞・主男単)

イエス 意味は「ヤㇵウェは救いである」

「イエス」はヘブル語「 יְהוֺשׁוּעַ イェホーシュア Yehowshuwa` {yeh-ho-shoo’-ah} ”Jehovah is salvation” 主は救い、ヨシュア」の ギリシャ名

マタ16:16;  マル5:7;  ルカ1:32;  ヨハ1:29,36; 14:6; 6:33,51;  ロマ1:16; 3:29; 11:26; 14:9;  Ⅰコリ1:24;

2:8; 15:45;  Ⅰテモ6:15;  ヘブ2:10; 3:6; 9:11,15; 12:24;  黙示1:5,8; 2:8; 3:14

【お生まれになった】 ἐγεννήθη  γεννάω  ゲンナオー  gennaō { ghen-nah‘-o } (viaa–3s 動詞・直・1アオ・能・単)

1)(父が子を)もうける、(母が子を)産む、~の父となる 2)生ませる、産出する、発生させる、生ぜしめる 3)生まれつき、生まれながら 4)(事物を)産出する、発生させる、生ずる、生ぜしめる

マタ1:2,16,20; ヨハ1:13; 3:3,5;  Ⅰヨハ4:7; 5:1

† 英語訳聖書 Matt. 1:16

King James Version
1:16 And Jacob begat Joseph the husband of Mary, of whom was born Jesus, who is called Christ.

American Standard Version
1:16 and Jacob begat Joseph the husband of Mary, of whom was born Jesus, who is called Christ.

New International Version
1:16 and Jacob the father of Joseph, the husband of Mary, of whom was born Jesus, who is called Christ.

Bible in Basic English
1:16 And the son of Jacob was Joseph the husband of Mary, who gave birth to Jesus, whose name is Christ.

Darby’s English Translation
1:16 and Jacob begat Joseph, the husband of Mary, of whom was born Jesus, who is called Christ.

Douay Rheims
1:16 And Jacob begot Joseph the husband of Mary, of whom was born Jesus, who is called Christ.

Noah Webster Bible
1:16 And Jacob begat Joseph the husband of Mary, of whom was born Jesus, who is called Christ.

Weymouth New Testament
1:16 and Jacob of Joseph the husband of Mary, who was the mother of JESUS who is called CHRIST.

World English Bible
1:16 Jacob became the father of Joseph, the husband of Mary, from whom was born Jesus, who is called Christ.

Young’s Literal Translation
1:16 and Jacob begat Joseph, the husband of Mary, of whom was begotten Jesus, who is named Christ.

Amplified Bible
1:16 Jacob was the father of Joseph the husband of Mary, by [i]whom Jesus was born, who is called the Messiah (Christ).

Footnotes:
[i]The Greek singular feminine pronoun hes, translated “whom,” shows that Jesus was born of Mary alone, without Joseph’s participation; however, Jesus was considered Joseph’s legal son and heir. Accordingly, Matthew’s genealogy confirms Jesus as a legitimate descendant of David.

† 細き聲 聖書研究ノート

<ヤコブ、マリヤの夫ヨセフを生めり。此のマリヤよりキリストと稱ふるイエス生れ給へり>

「メシアの系図」は長い沈黙を破り、ダビデの家系に属するヨセフにキリストすなわちメシア(救い主)と称えられるイエスが誕生することを告げる。

<ヤコブ、マリヤの夫ヨセフを生めり。此のマリヤよりキリストと稱ふるイエス生れ給へり>

イエスの母マリヤの夫ヨセフはヤコブの子でダビデの末裔であった。ヨセフは大工を家業とし、ベツレヘムの出身であったがガリラヤのナザレに住んでいた。ヨセフはマリヤと結婚し、二人の間にイエスがお生まれになった。

<系図 マタイ1:16 エリウデの子>

ヤコブ  ヤコブはマリヤの夫ヨセフの父 マタ1:15

ヨセフ = マリヤ  イエスには、ヤコブ、ユダ、シモン、
ヨセなどの兄弟と他の姉妹がいた。
(マタ13:55~56,  マル6:3)

イエス

<ヤコブ>

ヤコブについては、母マリヤの夫ヨセフの父で、マタンの子である以外のことはわからない。

<ヨセフの役割>

「ヨセフはイエスをもうけた」と言うべきところを、「このマリヤからメシアと呼ばれるイエスがお生まれになった」とある。イエスの誕生における父親としてのヨセフの立ち位置を示すものである。

新約聖書にヨセフの名は誕生物語以外にルカ4:22をのぞいて、出てこないところから、早く亡くなったとする説もある。

<マリヤ>

ヨセフとマリヤの間にはイエスと4人の兄弟と2人の姉妹がいた(マルコ6:3)。夫ヨセフが早く世を去ったとすれば、マリヤは夫亡き後大勢の家族を支え、その生活は貧しく、苦労の多いものであったに違いない。

<イエス・キリスト>

「イエス・キリスト」は「キリスト(םָשִׁיחַ メシーハー mashiyach {maw-shee’-akh} メシア)と呼ばれたイエス」との意味である。通常は「イエス」と呼ばれる。

「メシア」はヘブル語 מָשַׁת m@shach (Aramaic)(油を注ぐ)という動詞から転じた名詞で「油を注がれた者」の意味である。王や祭司長の就任の際に、頭に油を注いだことから来ている。

New Living Translationは「キリスト」を「Messiah メシア」と訳す。

† 心のデボーション

「此のマリヤよりキリストと稱ふるイエス生れ給へり」 マタイ1:16 大正文語訳聖書

「このマリヤからキリストといわれるイエスがお生れになった」 口語訳聖書

「系図の終着点」

マタイの「系図」の終着点は「キリスト(メシア)と呼ばれるイエス」である。人間の終着点であるとともに、出発点である。

「生きているのは、もはや、わたしではない。キリストが、わたしのうちに生きておられるのである」(ガラテヤ2:20 口語訳聖書)

「キリスト(メシア)と呼ばれるイエス」が、わたしの内に「お生まれになった」。

(†心のデボーション00751)

† 心のデボーション

「此のマリヤよりキリストと稱ふるイエス生れ給へり」 マタイ1:16 大正文語訳聖書

「このマリヤからキリストといわれるイエスがお生れになった」 口語訳聖書

「聖母マリヤ」

「マリヤ Μαρία」の名は、 ヘブル名で「頑固、強い」の意味がある。「聖母マリヤ」のイメージから美しく優しい女性を思い浮かべるが、芯のつよい、頑固で、強い女性であったのかもしれない。様々な画家が聖書の人物を描いているが、それらは画家のイメージからくるもので、天国では容易に探し出せないかもしれない。

(†心のデボーション00760)

† 細き聲 説教

「イエス生れ給へり」

「此のマリヤよりキリストと稱ふるイエス生れ給へり」 マタイ1:16 大正文語訳聖書

聖書の主題は「人間」である。「人間とは何か」という問いに対する神の応答である。
聖書は「人間」の意味を解く二つの鍵を与えている。

第一の鍵

「元始に神天地を創造たまへり」(創世記1:1 大正文語訳聖書)

人間存在について創世記は、「そのはじまり」を「天地創造」から説おこす。神は一人の人間存在の意味を説明するために「天地創造」から始める。
人は自らの「はじまり」を天地創造の地点まで遡り、そこから自らの存在する時点まで来なければならない。世界と人間の全歴史におきたすべての出来事に関わって「私」は存在する。
そのような全体的存在として神は個々の人間を創造された。
神はそのような人間を「アダム(人間)」という名で呼ばれた。
人は神にその名を呼ばれて「人間」になる。
しかし、人はそれだけで神の創造された「人間」を完成することはできない。
人間には「それ以外の存在」への意思が与えられており、アダムはそれを望んだからである。

第二の鍵

「此のマリヤよりキリストと稱ふるイエス生れ給へり」(マタイ1:16 大正文語訳聖書)

イエス・キリストは「第二のアダム」と呼ばれる。(Ⅰコリント15:45~49)
イエスは神の子であり、一人の完全な人間である。
第一のアダムは死をもたらしたが、第二のアダムはすべての人にいのちを与える。
このイエスにおいて、神の創造は完成する。

「凡ての人、アダムに由りて死ぬるごとく、凡ての人、キリストに由りて生くべし」 Ⅰコリント15:22 大正文語訳聖書

「人間とは何か」という存在の秘密は「二つの鍵」がなければ解くことができない。一つは他を、他は一つを明かしてくれる。「二つの鍵」は互の扉を開き、「私」へと導いてくれる。

(皆川誠)

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