マタイによる福音書1章12節

マタイによる福音書
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† 福音書対観 「イエスの系図」 マタイ1:1~17

マタイ1:1~17  ルカ3:23~38  (ヨハネ1:1~18)
マタイ1:1~17

Matt. 1:12バビロンへ移されたのち、エコニヤはサラテルの父となった。サラテルはゾロバベルの父、

口語訳聖書

† 日本語訳聖書 Matt. 1:12

【漢訳聖書】
Matt. 1:12 民見徙於巴比倫後、耶哥尼亞生撒拉鐵、撒拉鐵生所羅巴伯、

【明治元訳】
Matt. 1:12 バビロンに徙(うつ)されたる後(のち)エホヤキン、シアテルを生(うみ)シアテル、ゼルバベルを生(うみ)

【大正文語訳】
Matt. 1:12 バビロンに移されて後、エコニヤ、サラテルを生み、サラテル、ゾロバベルを生み

【ラゲ訳】
Matt. 1:12 バビロンに移されたる後イエコニア サラチエルを生み、サラチエル ゾロバベルを生み、

【口語訳】
Matt. 1:12 バビロンへ移されたのち、エコニヤはサラテルの父となった。サラテルはゾロバベルの父、

【新改訳改訂3】
Matt. 1:12 バビロン移住の後、エコニヤにサラテルが生まれ、サラテルにゾロバベルが生まれ、

【新共同訳】
Matt. 1:12 バビロンへ移住させられた後、エコンヤはシャルティエルをもうけ、シャルティエルはゼルバベルを、

【バルバロ訳】
Matt. 1:12 バビロンに移されてのち、コニアはサラティエルを生み、サラティエルはゾロバベルを生み、

【フランシスコ会訳】
Matt. 1:12 バビロン追放の後は次のとおり。エコニヤの子はシャルテル、シャルテルの子はゼルバベル、

【日本正教会訳】
Matt. 1:12 ワワィロンに徒(うつ)されし後、イエホニヤはサラフィリを生み、サラフィリはゾロワワェリを生み、

【塚本虎二訳】
Matt. 1:12 バビロン追放の後、エコニヤの子はサラテル、サラテルの子はゾロバベル、

【前田護郎訳】
Matt. 1:12 バビロン追放ののち、エコニヤはサラテルの父、サラテルはゾロバベルの父、

【永井直治訳】
Matt. 1:12 かくてバビロンに移されし後、エコニアはサラテエルを生めり。またサラテエルはゾロバベルを生めり。

【詳訳聖書】
Matt. 1:12 バビロン捕囚ののち、エコニヤはサラチエル<サラテル>の父となり、サラチエルはゾロバベルの父、

† 聖書引照 Matt. 1:12

Matt. 1:12 バビロンに移されて後、エコニヤ、サラテルを生み、サラテル、ゾロバベルを生み

[バビロンに移されて後]  Ⅱ列王24:10~20
[エコニヤ]  Ⅱ列王24:8~17; Ⅰ歴代3:17,19~24
[サラテル]  Ⅰ歴代3:17; マタ1:12; ルカ 3:27
[ゾロバベル] エゼ2:1~2; マタ1:12,13; ルカ 3:27

† ギリシャ語聖書 Matt. 1:12

Stephens 1550 Textus Receptus
μετα δε την μετοικεσιαν βαβυλωνος ιεχονιας εγεννησεν τον σαλαθιηλ σαλαθιηλ δε εγεννησεν τον ζοροβαβελ

Scrivener 1894 Textus Receptus
μετα δε την μετοικεσιαν βαβυλωνος ιεχονιας εγεννησεν τον σαλαθιηλ σαλαθιηλ δε εγεννησεν τον ζοροβαβελ

Byzantine Majority
μετα δε την μετοικεσιαν βαβυλωνος ιεχονιας εγεννησεν τον σαλαθιηλ σαλαθιηλ δε εγεννησεν τον ζοροβαβελ

Alexandrian
μετα δε την μετοικεσιαν βαβυλωνος ιεχονιας εγεννησεν τον σαλαθιηλ σαλαθιηλ δε εγεννησεν τον ζοροβαβελ

Hort and Westcott
μετα δε την μετοικεσιαν βαβυλωνος ιεχονιας εγεννησεν τον σαλαθιηλ σαλαθιηλ δε εγεννησεν τον ζοροβαβελ

† ギリシャ語聖書 品詞色分け

Matt. 1:12

Μετὰ δὲ τὴν μετοικεσίαν Βαβυλῶνος ᾽Ιεχονίας ἐγέννησεν τὸν ΣαλαθιήλΣαλαθιὴλ δὲ ἐγέννησεν τὸν Ζοροβαβέλ,

† ヘブライ語聖書 Matt. 1:12

Matt. 1:12

לְאַחַר שֶׁהֻגְלוּ בָּבֶלָה הוֹלִיד יְכָנְיָהוּ אֶת שְׁאַלְתִּיאֵל וּשְׁאַלְתִּיאֵל הוֹלִיד אֶת זְרֻבָּבֶל.

† ラテン語聖書 Matt. 1:12

Latin Vulgate
Matt. 1:12

Et post transmigrationem Babylonis: Iechonias genuit Salathiel. Salathiel autem genuit Zorobabel.
And after the transmigration of Babylon, Jechoniah conceived Shealtiel. And Shealtiel conceived Zerubbabel.

† 私訳(詳訳)Matt. 1:12

【私訳】 「バビロンに強制移住させられた後、エコンヤはシャルティエルをもうけた、またシャルティルはゼルバベルをもうけた」

† 新約聖書ギリシャ語語句研究

Matt. 1:12

Μετὰ δὲ τὴν μετοικεσίαν Βαβυλῶνος ᾽Ιεχονίας ἐγέννησεν τὸν Σαλαθιήλ, Σαλαθιὴλ δὲ ἐγέννησεν τὸν Ζοροβαβέλ,

【また】δὲ  δέ  デ de {deh} (cc 接続詞・等位)

1)ところで、しかし、さて、そして 2)しかも、そしてまた、なお、すると、また 3)次に、さらに 4)否、むしろ

【バビロンへ】 Βαβυλῶνος  Βαβυλών  バブローン Babulōn {bab-oo-lone‘} (n-gf-s  名詞・属女単)

バビロン 「神の門」の意味、バビロニアの首都

Ⅱ列王24:14~15;  エレ27:20; マタ1:11;  使徒7:43;  Ⅰコリ5:13;  黙示14:8; 16;19; 17:5; 18:2,10,21

【強制移住の】 μετοικεσίας  μετοικεσία メトイケシア metoikesia {met-oy-kes-ee‘-ah}  (n-af-s 名詞・対女単)

< μετά  変わる +οἶκος  家 「転居」の意味

1)移動、移送、移住、移転、たちのき、住居の変更 2)虜囚、バビロンへの強制移住

Ⅱ列王24:14~15;  エレ27:20; マタ1:11,12,17

【後】Μετὰ   μέτα  メタ  meta {met-ah‘} (pg 前置詞・属)

1)~の真中に、~の間に 2)~と共に、連結、交際、協力、関与、互いに 3)同行、同伴 4)共働、助力 5)一体になる 6)後に、後方に

【エコンヤは】  ᾽Ιεχονίαν  ᾽Ιεχονίας イエこニアス Iechonias {ee-ekh-on-ee‘-as} (n-nm-s 名詞・主男単)

エコンヤ  ヘブル名「ヤㇵウェは固くする」 別名「エホヤキン」

Ⅱ列王24:8~17;  マタ1:11,12

【シャルティエルを】 Σαλαθιήλ  Σαλαθιήλ  サらてィエーる  Salathiēl {sal-ath-ee-ale‘} (n-am-s 名詞・対男単)

サラテル  ヘブル名「私は神に求める」

Ⅰ歴代3:17;  マタ1:12

【もうけ】ἐγέννησεν  γεννάω  ゲンナオー  gennaō { ghen-nah‘-o } (viaa–3s 動詞・直・1アオ・能・単)

1)(父が子を)もうける、(母が子を)産む、~の父となる 2)生ませる、産出する、発生させる、生ぜしめる 3)生まれつき、生まれながら 4)(事物を)産出する、発生させる、生ずる、生ぜしめる

マタ1:2,16,20;  ヨハ1:13; 3:3,5;  Ⅰヨハ4:7; 5:1

【また】δὲ  δέ  デ de {deh} (cc 接続詞・等位)

1)ところで、しかし、さて、そして 2)しかも、そしてまた、なお、すると、また 3)次に、さらに 4)否、むしろ

【シャルティエルは】 Σαλαθιήλ  Σαλαθιήλ  サらてィエーる Salathiēl {sal-ath-ee-ale‘}  (n-nm-s 名詞・主男単)

サラテル  ヘブル名「私は神に求める」

Ⅰ歴代3:17;  マタ1:12

【ゼルバベルを】Ζοροβαβέλ  Ζοροβαβέλ  ゾロバベる Zorobabel {dzor-ob-ab‘-el} (n-am-s 名詞・対単)

ゾロバベル  ヘブル名「バビロンで生まれた者、バビロンの若枝」 バビロン捕囚から帰還を許されたユダヤ人の首領

エズラ2:1~2;  マタ1:12;  ルカ3:27

【もうけ】ἐγέννησεν  γεννάω  ゲンナオー  gennaō { ghen-nah‘-o } (viaa–3s 動詞・直・1アオ・能・単)

1)(父が子を)もうける、(母が子を)産む、~の父となる 2)生ませる、産出する、発生させる、生ぜしめる 3)生まれつき、生まれながら 4)(事物を)産出する、発生させる、生ずる、生ぜしめる

マタ1:2,16,20;  ヨハ1:13; 3:3,5;  Ⅰヨハ4:7; 5:1

† 英語訳聖書 Matt. 1:12

King James Version
1:12 And after they were brought to Babylon, Jechonias begat Salathiel; and Salathiel begat Zorobabel;

American Standard Version
1:12 And after the carrying away to Babylon, Jechoniah begat Shealtiel; and Shealtiel begat Zerubbabel;

New International Version
1:12 After the exile to Babylon: Jeconiah was the father of Shealtiel, Shealtiel the father of Zerubbabel,

Bible in Basic English
1:12 And after the taking away to Babylon, Jechoniah had a son Shealtiel; and Shealtiel had Zerubbabel;

Darby’s English Translation
1:12 And after the carrying away of Babylon, Jechonias begat Salathiel, and Salathiel begat Zorobabel,

Douay Rheims
1:12 And after the transmigration of Babylon, Jechonias begot Salathiel. And Salathiel begot Zorobabel.

Noah Webster Bible
1:12 And after they were brought to Babylon, Jechonias begat Salathiel; and Salathiel begat Zorobabel;

Weymouth New Testament
1:12 After the Removal to Babylon Jeconiah had a son Shealtiel; Shealtiel was the father of Zerubbabel;

World English Bible
1:12 After the exile to Babylon, Jechoniah became the father of Shealtiel. Shealtiel became the father of Zerubbabel.

Young’s Literal Translation
1:12 And after the Babylonian removal, Jeconiah begat Shealtiel, and Shealtiel begat Zerubbabel,

Amplified Bible
1:12 After the deportation to Babylon: Jeconiah became the father of Shealtiel, and Shealtiel the father of Zerubbabel.

† 細き聲 聖書研究ノート

<バビロンに移されて後、エコニヤ、サラテルを生み、サラテル、ゾロバベルを生み>

民族捕囚によってユダヤ人は神殿も国も失うが、国家再興を願う人々にメシア待望の期待が強くなる。

<系図 マタイ1:12 エコニヤの子>

エコニヤ(エホヤキン) 南王国ユダの第十九代目の王(Ⅰ歴代3:17)

サラテル   (Ⅰ歴代3:17)

ゾロバベル(ゼルバベル)(エゼキエル2:2) バビロンで生まれ、捕囚後主の宮の建設に携わった。

<シャルティエル>

シャルティエル(サラテル)はエコニヤの子。

<ゼルバベル>

ゼルバベルはシャルティエルの子ではない。「ゼルバベル」のへブル名は「ゾロバベル」で「バビロンで生まれた者」の意味である。

「シャルティエル」と「ゼルバベル」の間には「ペダヤ」が省かれている。(Ⅰ歴代3:17~19)

<神の門>

バビロニアの最高神はバビロンの守護神マルドゥクであった。「バビロン」は「神の門」の意味。イスラエルは捕囚によってバビロンの守護神マルドゥクの「門」をくぐった。こうしてイスラエルは自らの「神の門」を出てバビロンの「神の門」を通過した。日本人は民族として、そのような経験をもたない。その悲しみを直接知らない者には、イスラエルの解放への熱い思いと期待、そして解放の喜びを体験として理解することはできないところがある。私たちはそのいくらかを、個人の信仰として共有し、学ぶことを通して体験化しようとするのである。

<強制移住>

強制移住を意味するギリシャ語は「μετοικεσία メトイケシア」は「μετά  変わる + οἶκος 家」で「転居」を意味する言葉から来ている。「ἀποικεσία  アポイケシア」は「 ἀπό  から離れる + οἶκος 家」。共に元々は「転居」を意味したが、ユダヤ人の強制移住の意味に用いられるようになった。強制された転居ほど悲惨なものはない。

<五刑>

日本では大宝律令に「苔・杖・徒・流・死」(ち・じょう・ず・る・し)」が五つの刑罰が定められた。「苔、杖」は棒やむちで臀(しり、臀部)や背中を打つ刑罰、「徒」は懲役刑、「流」は辺地や離島へ送る刑、「死」は死刑であった。「徒刑」は「苔・杖」よりは重く、「流・死」よりは軽い刑罰だった。

「徙」は「うつす」で「辺境への流刑(徒刑)」の意味がある。イスラエルが受けたバビロン移住は「徒刑」にあたるものであった。

† 心のデボーション

「バビロンに移されて後、エコニヤ、サラテルを生み、サラテル、ゾロバベルを生み」 マタイ1:12 大正文語訳聖書

「民族捕囚」

イスラエルの民はその歴史において幾度かの「民族捕囚」を経験した。その都度、イスラエルの民は「神への信仰」を現実の歴史の中で経験することになった。

日本人の歴史には「民族捕囚」は起こらなかった。国が滅びる危機の中で信仰を確かめ、自己を見つめることは未だ経験していない。そのことは日本人キリスト者が見つめるべき新たな経験的課題ではないだろうか。

これから来る「日本」についての、そしてそこに生きる者としての、求める「国」がどのようなものであるのだろうか。「日本人の民族捕囚」は日本に住みながら日本人としての私を見失ったところで、すでに始まっている。

(†心のデボーション00743)

† 細き聲 説教

「捕囚の民」

「バビロンに移されて後、エコニヤ、サラテルを生み、サラテル、ゾロバベルを生み」 マタイ1:12 大正文語訳聖書

「捕囚」は、イスラエルという国家が根こそぎ他国に移されることだった。ユダヤ人は国家を失い、世界に離散した。ユダヤ人の歴史は現代にいたるまで「捕囚」と「離散」によって刻まれている。

しかし、「捕囚」は「離散」によって、ユダヤ人から「国」を奪うことはできなかった。

ダビデに始まるイスラエル国家に貫かれるのは神とアブラハムの契約によって貫かれるメシアの家系である。

イスラエルはバビロン捕囚によって人も物も信仰も根こそぎ移されるが、メシアの家系は「エコニヤ、サラテル、ゾロバベル」と途切れることなく続く。「ゾロバベル」は「バビロンで生まれた者」の意味である。

一つの国家、一つの民族が地上から抹殺されようとし、その計画が実行に移され、途方もない力が発動され何もかもが破壊し尽くされるときに、決して抹殺されることのない一筋のいのちの流れを見出すのは驚きというしかない。

我々は、ユダヤ民族が存続をめぐって、幾多の歴史的な危機を経験することを知っている。それをもってユダヤ民族を特殊な存在とする考えは根強くある。しかし、どの民族であっても、人間の歴史には、いかなる状況を経たとしても、民族意識の中心に「途切れることなく続く一本の系図」が刻まれているのではなだろうか?

日本人がユダヤ人のような「国家意識」を持たないことは明らかである。だが、そこにもユダヤ人と同質のものが底流を形成し、日本人の無意識をなしていることは確認すべきであろう。

ユダヤ人が自らの歴史から存在の意味と方向を探るように、日本人もその歴史の底流を為すものを出発して自己を見出していくことは信仰の課題である。

人間存在の深みにとどかない信仰は、どれほどその人を慰めようと、信じるに値しないのである。

(皆川誠)

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