† 福音書対観 「イエスの誕生」 マタイ1:18~25
マタイ1:18~25
Matt. 1:18イエス・キリストの誕生の次第はこうであった。母マリヤはヨセフと婚約していたが、まだ一緒にならない前に、聖霊によって身重になった。口語訳聖書
† 日本語訳聖書 Matt. 1:18
【漢訳聖書】
Matt. 1:18 夫耶穌基督之生如左、其母馬利亞爲約瑟所聘、未婚之先、彼由聖靈懷孕、而顯露焉。
【明治元訳】
Matt. 1:18 それイエス・キリストの生(うま)れ給(たまへ)ること左(さ)の如(ごと)し其(その)母(はは)マリアはヨセフと聘定(いひなづけ)を爲(なせ)るのみにて未(いま)だ偕(とも)にならざりしとき聖(せい)靈(れい)に感(かん)じて孕(はらみ)しが其(その)孕(はらみ)たること顯(あらは)れければ
【大正文語訳】
Matt. 1:18 イエス・キリストの誕生は左のごとし。その母マリヤ、ヨセフと許嫁(いいなづけ)したるのみにて、未だ偕にならざりしに、聖靈によりて孕(みごも)り、その孕(みごも)りたること顯れたり。
【ラゲ訳】
Matt. 1:18 然(さ)てキリストの生まれ給ひし次第は次の如し。其母マリア ヨゼフに聘定(いひなづけ)せられしに、同居せざる前聖靈によりて懐胎(くわいたい)せる事顯れしが、
【口語訳】
Matt. 1:18 イエス・キリストの誕生の次第はこうであった。母マリヤはヨセフと婚約していたが、まだ一緒にならない前に、聖霊によって身重になった。
【新改訳改訂3】
Matt. 1:18 イエス・キリストの誕生は次のようであった。その母マリヤはヨセフの妻と決まっていたが、ふたりがまだいっしょにならないうちに、聖霊によって身重になったことがわかった。
【新共同訳】
Matt. 1:18 イエス・キリストの誕生の次第は次のようであった。母マリアはヨセフと婚約していたが、二人が一緒になる前に、聖霊によって身ごもっていることが明らかになった。
【バルバロ訳】
Matt. 1:18 イエズス・キリストの誕生は次のようであった。母のマリアはヨゼフのいいなずけであったが、同居するより前に、聖霊によって身ごもっているのがわかった。
【フランシスコ会訳】
Matt. 1:18 イエス・キリスト誕生の次第は次のとおりである。イエスの母マリアはヨセフと婚約していたが、同居する前に、聖霊によって身籠っていることが分かった。
【日本正教会訳】
Matt. 1:18 イイスス ハリストスの生まるること左の如し、其母マリヤ イオシフに聘(へい)せられて、未だ婚(こん)せざる先に、聖神(せいしん)に由りて孕めること現われたり。
【塚本虎二訳】
Matt. 1:18 さてイエス・キリストの誕生はこのようであった。──イエスの母マリヤがヨセフと婚約の間柄で、まだいっしょにならないうちに、聖霊によって身重となっていることが知れた。
【前田護郎訳】
Matt. 1:18 イエス・キリストの生誕はこうであった。母マリヤはヨセフと婚約していたが、彼らがいっしょになる前に、聖霊で身ごもったことがわかった。
【永井直治訳】
Matt. 1:18 またイエス・キリストの出生はかくありき。その母マリアはヨセフに婚約せしが、彼等の一處になるに先立ちて、彼は聖靈にて孕みしことを見出だされたり。
【詳訳聖書】
Matt. 1:18 さて、イエス・キリストの誕生は次のような次第で起こった。彼の母マリヤはヨセフと婚約していたが、彼らが結婚する前に、彼女が聖霊[の力]によって妊娠していることがわかった。
† 聖書引照 Matt. 1:18
Matt. 1:18 イエス・キリストの誕生は左のごとし。その母マリヤ、ヨセフと許嫁(いいなづけ)したるのみにて、未だ偕にならざりしに、聖靈によりて孕(みごも)り、その孕(みごも)りたること顯れたり
[イエス・キリストの誕生] ルカ1:27~38
[イエスの兄弟たち] マタ12:46
[聖靈によりて孕(みごも)り] イザ7:14; ルカ1:26~38
† ギリシャ語聖書 Matt. 1:18
Stephens 1550 Textus Receptus
του δε ιησου χριστου η γεννησισ ουτως ην μνηστευθεισης γαρ της μητρος αυτου μαριας τω ιωσηφ πριν η συνελθειν αυτους ευρεθη εν γαστρι εχουσα εκ πνευματος αγιου
Scrivener 1894 Textus Receptus
του δε ιησου χριστου η γεννησισ ουτως ην μνηστευθεισης γαρ της μητρος αυτου μαριας τω ιωσηφ πριν η συνελθειν αυτους ευρεθη εν γαστρι εχουσα εκ πνευματος αγιου
Byzantine Majority
του δε ιησου χριστου η γεννησισ ουτως ην μνηστευθεισης γαρ της μητρος αυτου μαριας τω ιωσηφ πριν η συνελθειν αυτους ευρεθη εν γαστρι εχουσα εκ πνευματος αγιου
Alexandrian
του δε ιησου χριστου η γενεσισ ουτως ην μνηστευθεισης της μητρος αυτου μαριας τω ιωσηφ πριν η συνελθειν αυτους ευρεθη εν γαστρι εχουσα εκ πνευματος αγιου
Hort and Westcott
του δε ιησου χριστου η γενεσισ ουτως ην μνηστευθεισης της μητρος αυτου μαριας τω ιωσηφ πριν η συνελθειν αυτους ευρεθη εν γαστρι εχουσα εκ πνευματος αγιου
† ギリシャ語聖書 品詞色分け
Matt. 1:18
Τοῦ δὲ ᾽Ιησοῦ Χριστοῦ ἡ γένεσις οὕτως ἦν. μνηστευθείσης τῆς μητρὸς αὐτοῦ Μαρίας τῷ ᾽Ιωσήφ, πρὶν ἢ συνελθεῖν αὐτοὺς εὑρέθη ἐν γαστρὶ ἔχουσα ἐκ πνεύματος ἁγίου.
† ヘブライ語聖書 Matt. 1:18
Matt. 1:18
כָּךְ הָיְתָה הֻלֶּדֶת יֵשׁוּעַ הַמָּשִׁיחַ: מִרְיָם אִמּוֹ הָיְתָה מְאֹרֶסֶת לְיוֹסֵף וּבְטֶרֶם הִתְאַחֲדוּ נִמְצְאָה הָרָה לְרוּחַ הַקֹּדֶשׁ.
† ラテン語聖書 Matt. 1:18
Latin Vulgate
Matt. 1:18
Christi autem generatio sic erat cum esset desponsata mater eius Maria Ioseph antequam convenirent inventa est in utero habens de Spiritu Sancto
Now the procreation of the Christ occurred in this way. After his mother Mary had been betrothed to Joseph, before they lived together, she was found to have conceived in her womb by the Holy Spirit.
† 私訳(詳訳)Matt. 1:18
【私訳】 「またイエス・キリストの誕生<出生、起源、存在、生命>はこのようであった。彼〔ヨセフ〕の母マリヤはヨセフと婚約して<妻に求めて>いたが、彼らが一つになる<共に行く 縁を結ぶ、結婚する、一つになる、夫婦生活をする>よりも前に<先立って>、彼女が聖霊によって<聖霊のうちに>身ごもっている<その状態にある、妊娠中である>ことがわかった<見出された、判明した、明らかになった>」
† 新約聖書ギリシャ語語句研究
Matt. 1:18
Τοῦ δὲ ᾽Ιησοῦ Χριστοῦ ἡ γένεσις οὕτως ἦν. μνηστευθείσης τῆς μητρὸς αὐτοῦ Μαρίας τῷ ᾽Ιωσήφ, πρὶν ἢ συνελθεῖν αὐτοὺς εὑρέθη ἐν γαστρὶ ἔχουσα ἐκ πνεύματος ἁγίου.
【また】 δὲ δέ デ de {deh} (cc 接続詞・等位)
1)ところで、しかし、さて、そして 2)しかも、そしてまた、なお、すると、また 3)次に、さらに 4)否、むしろ
【イエス】 ᾽Ιησοςῦ ᾽Ιησοῦς イエースウース Iēsous {ee-ay-sooce‘ } (n-gm-s 名詞・属男単)
イエス 意味は「ヤㇵウェは救いである」
「イエス」はヘブル語「 יְהוֺשׁוּעַ イェホーシュア Yehowshuwa` {yeh-ho-shoo’-ah} ”Jehovah is
salvation” 主は救い、ヨシュア」の ギリシャ名
マタ16:16; マル5:7; ルカ1:32; ヨハ1:29,36; 14:6; 6:33,51; ロマ1:16; 3:29; 11:26; 14:9; Ⅰコリ1:24;2:8; 15:45; Ⅰテモ6:15; ヘブ2:10; 3:6; 9:11,15; 12:24; 黙示1:5,8; 2:8; 3:14 etc.
【キリストの】 Χριστός Χριστός くリストス Christos { khris-tos‘ } (n-gm-s 名詞・属男単)
キリスト ヘブライ語「םָשִׁיחַメシーハー mashiyach {maw-shee’-akh}」、アラム語の「メシアーハー」のギリシャ名で「油そそがれた者、メシア」の意味
「油そそぎ」は王や大祭司の任職式に行なわれた。(Ⅰサムエル10:1、出エジプト30:22~30「聖なるそそぎ油」(出エジプト30:25)と呼ばれ、「油そそがれたもの」は聖なるものとされた。(出エジプト30:29)
マタ16:16; 24:24; マル8:29; 13:22; ルカ9:20; 24:46; ヨハ4:25; 使徒17:3 ピリ1:15; Ⅰヨハ2:22; 5:1; 黙示20:4
【誕生の次第は】 γένεσιςγνεσις γένεσις ゲネシス genesis { ghen‘-es-is } (n-nf-s 名詞・主女単)
< γίνομαι ギノマイ 成る
1)誕生、血統、世代、出所、系統、起源 2)生成、成立、出生、産出、発生、創造、起源、3)被造物、生物、部族、種族 4)自然、生命、生 5)生存、存在
LXXにおいて「創世記」は「GENESIS ゲネシス Genesis」であり、創世記5:1「系図の書」は
「Βίβλος γενέσεως」と表現される。
ラテン語 generationis は「繁殖、発生、血統、家系、世代」をあらわす。
マタ1:1,18; ルカ1:14; ヤコ1:23; 3:6
【このようなもので】 οὕτως οτωςὕ οὕτω フートー houtō {hoo‘-to} (ab 副詞)
1)次のように、このように、それ程に、こういう風にして 2)さあ、ぐずぐずせずに 3)そこで、かくて 4)それ故、だから 5)それほど、非常に
【あった】ἦν εἰμί エイミ eimi {i-mee‘} (viia–3s 動詞・直・未完・能・3単)
1)ある、いる、~である、~です、~だ 2)行われる、おこる、生ずる、現れる、来る 3)いる、滞在する、とどまる 4)存在する 5)生きている
【彼の】ατοὐῦ αὐτός アウトス autos {ow-tos‘} (npgm3s 代名詞・属男3)
1)彼、彼女、それ(三人称の代名詞) 2)自身で、自分から、自分として(強調用法) 3)同じ同一の 4)まさに、ちょうど
【母】μητρςὸ μήτηρ メーテール mētēr {may‘-tare} (n-gf-s 名詞・属女単)
1)母、生みの親 2)子宮、母胎、胎内 3)祖国、故郷
マタ1:18; 2:11; 12:49,50 マル3;35; ヨハ19:27; ロマ16:13; ガラ4:26; Ⅰテモ5:2; 黙示12:5
【マリヤは】 Μαρίας Μαρία マリヤ Maria {mar-ee‘-ah, } (n-gf-s 名詞・属女単)
マリヤ ヘブル名「頑固、強い」 ヘブル語「ミリアム」のギリシャ名、ヘブル語の「ミリアム」には「海の一滴の水」の意味もある。
(イエスの母マリヤ)マタ1:16,18,20; マル2:1;13:55; 6:3; ルカ1:26~58; 使徒1:24
【ヨセフと】 ᾽Ιωσφὴ ᾽Ιωσήφ イオーセーふ Iōsēph {ee-o-safe‘} (n-dm-s 名詞・与男単)
ヨセフ ヘブル名 「彼は増し加える」
(イエスの父ヨセフ 職業は「大工」マル6:3)マタ1:16~24; ルカ1:27; 2:4,16; 3:23; 4:22; ヨハ1:45; 6:42
【婚約していたが】 μνηστευθείσης μνηστεύω ムネーステウオー mnēsteuō {mnace-tyoo‘-o} (vpapgf-s 分詞・1アオ受属女単)
<μνηστός 婚約している
1)妻に求める、求婚する 2)婚約する 3)求める
マタ1:18; ルカ1:27; 2:5
【彼らが】ατοὐὺς αὐτός アウトス autos {ow-tos‘} (npam3p 代名詞・属男3)
1)彼、彼女、それ(三人称の代名詞) 2)自身で、自分から、自分として(強調用法) 3)同じ同一の 4)まさに、ちょうど
【一緒になる】συνελθενῖ συνέρχομαι スゆネルこマイ sunerchomai {soon-er‘-khom-ahee} (vnaa 不定詞・2アオ能)
< σύν 一緒に、共に + ἔρχομαι 行く、来る
1)共に行く 2)両方から相会する、出会う、集まる 3)縁を結ぶ、結婚する、一つになる、同棲する、夫婦生活をする 4)ぶつかり合う、戦う
マタ1:18; マル3:20;14:53; ルカ5:15; 23:55; ヨハ11:33:18:20; 使徒1:21; 9:39; 10:23;45
【よりも】ἢ ἤ エー ē {ay} (cs 接続詞・従位)
1)あるいは、それとも、または 2)それとも~か 3)より、よりも、に比して
【前に】 pri.nπρνὶ πρίν プリン prin {prin} (ab 副詞)
1)以前に、かつて 2)~する前に、~に先立って 3)~までは 4)以前に、かつて
【聖】ἁγίου ἅγιος ハギオス hagios {hag‘-ee-os} (a–gn-s 名詞・属中単)
1)神聖な、神に献げられた、畏敬すべき 2)畏敬すべき 3)聖なる、聖い 4)清い、正しい 5)至聖所
マタ27:52; マル1:24; ルカ1:49; ロマ1:4,7; 11:16; 12:1; Ⅰコリ7:14; 16:20; エペ1:4; 5:27; ヘブ9:2,3,8,25,24; 12:10; 黙示4:8
【霊】πνεύματος πνεῦμα プネウマ pneuma {pnyoo‘-mah} (n-gn-s 名詞・属中単)
<πνέω 呼吸する、吹く、風が吹く
1)風、運動している空気 2)(生命力としての、生のエネルギーの根源としての)息、気息、息吹、呼吸、3)精神、心、(知、情、意を代表する 精神生活の座としての)霊 4)霊、霊的存在、悪霊 5)神、(神の霊、キリストの霊、聖霊)
マタ1:18; 27:50; マル2:8; ヨハ3:8; 4:24; 使徒16:7; ロマ8:9; Ⅰコリ2:11,12,14; 3:16; 6:11; Ⅱコリ7:1; ガラ4:6; コロ2:5; Ⅱテサ2:8; ヘブ1:14; Ⅰヨハ4:2; 黙示11:11
【に】ἐκ ἐκ エク ek ex {ek, ex} (pg 前置詞・属)
1)から、~の中から 2)~の外に、~から外へ、~から出て 3)によって 4)で (動作の出発点を示す) 5)のために
【身ごもって】
ἐν ἐν エン en {en} (pd 前置詞・属)
1)~の中に、~の間に 2)~の上に 3)ところに、のそばに 4)で 3)よって 5)に
γαστρὶ γαστήρ ガステール gastēr {gas-tare‘} (n-df-s 名詞・与女単)
1)子宮、胎内、腹部、子を宿すころ 2)ἐν γαστρὶ ἐχειν 妊娠中である、身重である、みごもる
マタ1:18,23; 24:19; マル13:17; ルカ1:31; 21:23; 黙示12:23
【いることが】ἔχουσα ἔχω エこー echō {ekh‘-o} (vppanf-s 分詞・現能主女単)
1)持っている、保持している、保存する、保管する、所有する、保つ 2)身につける、帯びる、具備している、着る 3)含んでいる、抱く、とどめる、しっかり捕らえている 4)~とみなす、思う
【明らかになった】ερέθηὑ εὑρίσκω ヘウリスコー heuriskō {hyoo-ris‘-ko} (viap–3s 動詞・直・1アオ・
受・3単)
1)見出す、見つける、発見する、尋ね出す 2)探した末に見つける、捜し出す、判明する、見抜く、看破する、認める3)わかる、悟る 3)考え出す 4)手に入れる、獲得する、我がものとする
マタ1:18; 2:8; 8:10; 13:14; ルカ6:7; 9:36; 17:18; ヨハ18:38; 19:4,6; Ⅱテモ1:17; Ⅱテモ1:17
† 英語訳聖書 Matt. 1:18
King James Version
1:18 Now the birth of Jesus Christ was on this wise: When as his mother Mary was espoused to Joseph, before they came together, she was found with child of the Holy Ghost.
American Standard Version
1:18 Now the birth of Jesus Christ was on this wise: When his mother Mary had been betrothed to Joseph, before they came together she was found with child of the Holy Spirit.
New International Version
1:18 This is how the birth of Jesus Christ came about: His mother Mary was pledged to be married to Joseph, but before they came together, she was found to be with child through the Holy Spirit.
Bible in Basic English
1:18 Now the birth of Jesus Christ was in this way: when his mother Mary was going to be married to Joseph, before they came together the discovery was made that she was with child by the Holy Spirit.
Darby’s English Translation
1:18 Now the birth of Jesus Christ was thus: His mother, Mary, that is, having been betrothed to Joseph, before they came together, she was found to be with child of the Holy Spirit.
Douay Rheims
1:18 Now the generation of Christ was in this wise. When as his mother Mary was espoused to Joseph, before they came together, she was found with child, of the Holy Ghost.
Noah Webster Bible
1:18 Now the birth of Jesus Christ was in this manner: When his mother Mary was espoused to Joseph, before they came together, she was found with child by the Holy Spirit.
Weymouth New Testament
1:18 The circumstances of the birth of Jesus Christ were these. After his mother Mary was betrothed to Joseph, before they were united in marriage, she was found to be with child through the Holy Spirit.
World English Bible
1:18 Now the birth of Jesus Christ was like this; because when his mother, Mary, had been engaged to Joseph, before they came together, she was found pregnant by the Holy Spirit.
Young’s Literal Translation
1:18 And of Jesus Christ, the birth was thus: For his mother Mary having been betrothed to Joseph, before their coming together she was found to have conceived from the Holy Spirit,
Amplified Bible
1:18 Now the birth of Jesus Christ was as follows: when His mother Mary had been [j]betrothed to Joseph, before they came together she was found to be with child by [the power of] the Holy Spirit.
Footnotes:
[j]The first stage of marriage (called shiddukin in Hebrew) in Jewish tradition and law, usually lasting for a year before the wedding night; unlike an engagement, it was legally binding and required a divorce to nullify it. The woman remained with her parents during the betrothal year and was referred to as a “wife” even though the marriage was not consummated during this period of time (cf Deut 22:23, 24).
† 細き聲 聖書研究ノート
<その母マリヤ、ヨセフと許嫁(いいなづけ)したるのみにて、未だ偕にならざりしに、聖靈によりて孕(みごも)り、その孕(みごも)りたること顯れたり>
ヨセフとマリヤは「許嫁(いいなづけ)」の関係にあり、二人は事実上の夫婦とみなされていたが、正式な婚姻がなされる前にマリヤが聖霊によって妊娠したことが明らかになった。マリヤの身に起きたことは、ヨセフにもマリヤ自身にも理解を超えており、二人を「ひどく戸惑わせ」た。(ルカ1:29)
<「私」という存在のはじめ>
「誕生 γένεσις ゲネシス 」は「起源、誕生、生存、存在」の意味。今ここにある「私」は、その誕生の遥か以前に存在の起源をもつのであり、「私」への問いはその「起源」を問うことに始まる。創世記は「私」の「起源」を神の創造から始める。聖書は「私」の「起源、誕生、生存、存在」の意味を、天地のすべての存在との関わりの中に置いている。「私」を問うことは存在そのもの、その全体にいたる。
<ヨセフ>
ヨセフはマタイ13:55で「木匠」と呼ばれている。ギリシャ語 τέκτων テクトーン は「大工」とも「石工」ともとれる。ベツレヘムは「国中にその技術をひろめた石工たちの組合の中心地」であったとされる。(キリスト者学生会『聖書注解』)
<彼「ヨセフ」の母マリヤ>
ヨセフの婚約者マリヤは「τς μητρῆὸς ατοὐῦ テース メトロス アウトウ (彼「ヨセフ」の母)」と呼ばれている。ギリシャ語 μητρςὸ は μητρά「子宮、胎」から来た言葉である。
すべての女性は子どもを産む前に、すでに「母」であり、子を産まない女性も「母」である。
<婚約>
「婚約 μνηστεύω ムネーステウオー」 このとき、ヨセフはマリヤと婚約をしていた。結婚の申し込みが受理され、花嫁の代価が払われると、二人に婚約が成立した。婚約は結婚とほぼ同等の意味に扱われ、二人は夫婦と見なされた。申命記20:7には、婚約した者は兵役を免除され「家に帰る」ことが認められている。婚約の期間は通常一年で、その間、婚約を破棄することは認められず、その関係を中断するには「離縁」するしかなかった。ヨセフとマリヤは婚約によってすでに「夫婦」として認められていた。
<聘定(へいてい)>
漢訳聖書「爲約瑟所聘」、約瑟(ヨセフ)は「聘(てい)」を「爲(なし)」た。「聘(てい)」は結納をおさめて婚約すること。「定聘」は正式に婚約すること。ヨセフは礼をつくして正式にマリヤを妻と迎えた。
ユダヤでは男性が女性の家に「モーハル」と呼ばれる結納金を支払うことで婚約は成立した。それによって女性は事実上結婚と同等の法的拘束をうけた。婚約の解消には離婚の手続きが求められた。婚約の期間は普通1212カ月であり、その後結婚式が行われた。
<夫と妻>
「一緒になる συνέρχομαι スゆネルこマイ」は、「σύν 一緒に、共に + ἔρχομαι 行く、来る」こと。夫と妻は「何かをなさんとして一緒に行く」ために出会う。この言葉にはぶつかり合う、戦う」の意味もある。夫の妻は一つにつになり、ぶつかり合い、戦い、かくして縁を結び、共に行くのである。ぶつかることもなく戦うこともない結婚からは何も生まれない。
<聖霊によって>
すべてのことは「聖霊による ἐκ πνεύματος γίουἁ」。しかし、出来事の一つ一つを黙考しなければ、動作の出発点に「聖霊による」を見出すことはできない。
英語訳聖書は「聖霊による」に幾つかの訳が見られる。
King James Version 「with child of the Holy Ghost」
Noah Webster Bible 「with child by the Holy Spirit」
Weymouth New Testament 「with child through the Holy Spirit」
Young’s Literal Translation 「to have conceived from the Holy Spirit」
<聖霊に感じて>
「未だ偕にならざりしとき聖霊に感じて孕みしが其の孕みたること顕れければ」 明治元訳新約全書元訳は「聖霊によって(evk エク)」を「聖霊に感じて」と訳す。
<わかる>
「わかる εὑρίσκω ヘウリスコー」は「探した末に見つける」ことで強い表現。マリヤが妊娠を「聖霊による」と知ったのは、求めた末に見つけ、看破したことによる。
我が身にかかわる事柄について、人は沈思、探求しなければならない。それは探した末に見つけるのである。探求のために遠方に旅立つ必要はない。すべてのことがらは内にある。自らに向かって出発せよ。
「求めなさい。そうすれば、与えられる。探しなさい。そうすれば、見つかる(εὑρίσκω ヘウリスコー)。門をたたきなさい。そうすれば、開かれる」マタイ7:7
<いのちの誕生>
マリヤは「ἐκ πνεύματος γίουἁ 聖霊によって」「身ごもった ἐν γαστρὶ」。マリヤの妊娠を超自然の現象とすることは正しい。マリヤの場合だけでなく、すべての女性の妊娠、いのちの誕生は「ἐκ πνεύματος γίουἁ 聖霊によって」なされる超自然的事柄である。
<ヘボン訳聖書>
ヘボン訳聖書はマタイ1:18を「それ耶穌キリストのうまれたまふことさのごとし その母マリアはヨセフと契約していまだともにをらざるに 聖靈に感じてはらみしことあらはれしが」として、「結婚」を「契約」と理解する。
† 心のデボーション
「エホバ神土を以て人を造り、生気(いのちのいき)をその鼻にふきいれたまえり。人すなわちいきるものとなりぬ」創世記2:7 明治元訳聖書
「イエス・キリストの誕生の次第は次のようであった。母マリアはヨセフと婚約していたが、二人が一緒になる前に、聖霊によって身ごもっていることが明らかになった」 マタイ1:18 新共同訳聖書
「神の霊われを造り」
「聖霊 πνεῦμα プネウマ」は「神の息、呼吸」である。
人は土をもってつくられ、神はその鼻に「いのちのいき πνεῦμα プネウマ」を吹き込まれ、人は「生きるもの」となった。ここにすべての人は内に「神的起源」をもつのである。すべての人は生まれながらに「尊厳」を有する。
「神の霊われを造り、全能者のいきわれを活かしむ」 ヨブ33:4 明治元訳聖書
(†心のデボーション00791)
† 心のデボーション
「エホバ神土を以て人を造り、生気(いのちのいき)をその鼻にふきいれたまえり。人すなわちいきるものとなりぬ」創世記2:7 明治元訳聖書
「イエス・キリストの誕生の次第は次のようであった。母マリアはヨセフと婚約していたが、二人が一緒になる前に、聖霊によって身ごもっていることが明らかになった」 マタイ1:18 新共同訳聖書
「聖母リタ」
「聖母リタ」(1381年~1467年)はウンブリアのカッシアに生まれ、暴力を振るう粗暴な夫に不幸な人生を送った。夫はリタの祈りによって回心するが、彼を恨む者によって殺害される。2人の息子も失い、アウグスチノ修道院に入会した。
ある日、聖堂で祈っている時、イエス像の茨の冠の棘が飛び、リタの額に当たった。それが化膿し悪臭が発生したので、リタは隔離され独房で隠匿生活を送ったという。1457年、リタは死去するが、その額、遺体から芳香が立ちこめ聖女としての評判が高まり、557年後の1900年に列聖された。
ミイラ化したリタの遺骸はイタリヤのカッシアで公開されている。そこから、マリヤ像が白で表現されるのに対して「聖母リタ」は「黒いマリヤ」とも「黒衣聖母」とも言われる。聖母マリヤには畏れ多く祈れないことでも、「聖母リタ」にはお願いできるとして、多くの悩みを抱える人々がやってくる。
聖母信仰の背後には人間の苦悩が隠されている。
(†心のデボーション00803)
† 心のデボーション
「エホバ神土をもって人を創り、製機(命の域)をその花に噴きいれ給えり。人すなわちいきるものとなりぬ」創世記2:7 明治元訳聖書
「イエス・キリストの誕生の次第は次のようであった。母マリアはヨセフと婚約していたが、二人が一緒になる前に、聖霊によって身ごもっていることが明らかになった」 マタイ1:18 新共同訳聖書
「聖霊による身ごもり」
マタイ福音書はイエスの生涯を母マリヤの「聖霊による身ごもり」という驚きの事実をもって始める。いきなりの衝撃に打ちのめされない者はいないであろう。イエスの存在は人間が解明することのできない事柄を前提にする。そして、我々はすべての存在が同じ前提をもつことに思い至るのである。
(†心のデボーション00810)
† 心のデボーション
「その母マリヤ、ヨセフと許嫁(いいなづけ)したるのみにて、未だ偕にならざりしに、聖靈によりて孕(みごも)り、その孕(みごも)りたること顯れたり」マタイ1:18 大正文語訳聖書
「イエス・キリスト誕生の次第は次のとおりである。イエスの母マリアはヨセフと婚約していたが、同居する前に、聖霊によって身籠っていることが分かった」 フランシスコ会訳聖書
「神の霊」
「主ヱホバ是らの骨に斯言たまふ視よ我汝らの中に氣息を入しめて汝等を生しめん」 エゼキエル37:5
「我わが靈を汝らの中におきて汝らを生しめ汝らをその地に安んぜしめん汝等すなはち我ヱホバがこれを言ひ之を爲たることを知にいたるべし」 エゼキエル37:14 明治元訳聖書
人を造り、いのちを賦与するのは神の霊である。
(†心のデボーション00813)
† 心のデボーション
「その母マリヤ、ヨセフと許嫁(いいなづけ)したるのみにて、未だ偕にならざりしに、聖靈によりて孕(みごも)り、その孕(みごも)りたること顯れたり」マタイ1:18 大正文語訳聖書
「イエス・キリスト誕生の次第は次のとおりである。イエスの母マリアはヨセフと婚約していたが、同居する前に、聖霊によって身籠っていることが分かった」 フランシスコ会訳聖書
「イエスの受肉」
ヨハネ福音書は「初めに言があった。言は神と共にあった。言は神であった」と告げる。(ヨハネ1:1)
「ことば」は万物を創造し、「いのち」であった。(ヨハネ1:3~4) そして、「ことば」は「肉となって、わたしたちの内に宿られた」。(ヨハネ1:14)
イエスの受肉によって、神のことばは「創造の力」、「いのち」として私(肉)に宿る。
(†心のデボーション00724)
† 心のデボーション
「その母マリヤ、ヨセフと許嫁(いいなづけ)したるのみにて、未だ偕にならざりしに、聖靈によりて孕(みごも)り、その孕(みごも)りたること顯れたり」マタイ1:18 大正文語訳聖書
「それ耶穌キリストのうまれたまふことさのごとし その母マリアはヨセフと契約していまだともにをらざるに 聖靈に感じてはらみしことあらはれしが」 ヘボン訳聖書
「聖なる契約」
ヘボン訳聖書はマタイ1:18を「それ耶穌キリストのうまれたまふことさのごとし その母マリアはヨセフと契約していまだともにをらざるに 聖靈に感じてはらみしことあらはれしが」として、「結婚」を「契約」と理解する。
「結婚」は男と女が神の前で結ぶ「聖なる契約」あって、何人もその結びを解くことはできない。
(†心のデボーション00739)
† 細き聲 説教
「聖霊によって」
「その母マリヤ、ヨセフと許嫁(いいなづけ)したるのみにて、未だ偕にならざりしに、聖靈によりて孕(みごも)り、その孕(みごも)りたること顯れたり」 マタイ1:18 大正文語訳聖書
すべては天使ガブリエルがナザレのマリヤに現れた時に始まった。
ガブリエルは部屋にいるマリヤに、「おめでとう、恵まれた方、主があなたとともにおられます」と言った。しかし、マリヤはこの挨拶に「ひどく戸惑い」、何の意味かと考え込んだ。すると、天使ガブリエルは「あなたはみごもって男の子を産みます。その名をイエスと名づけなさい」と告げたのである。
それは驚くべき告知だった。天使の言葉はマリヤが許嫁の夫ヨセフの子を産むという意味ではなく、まだヨセフと「一緒にならない前に」、マリヤがすでに身重になったと告げていたからである。
マリヤの身に何か途方もないことが始まっていた。「どうして、そのようなことになりえましょう」と答えるマリヤに天使は「聖霊があなたの上に臨み、いと高き方の力があなたをおおいます。それゆえ、生まれる者は、聖なる者、神の子と呼ばれます」と告げたのである。
マリヤはひれ伏し「ほんとうに、私は主のはしためです。どうそ、あなたのおことばどおりになりますように」と答えた。(ルカ1:26~38)
マリヤは己が身に聖霊の力が及び、いのちが宿ったと信じた。
マリヤは己の身に何がおこったのかを理解したのではなかった。ただ、「聖霊の力」が身体の奥にあって、いのちとして日々育つという、否定することのできない圧倒的な事実がマリアにあった。
信仰は神のことばは身体の深みの中に入ることに始まる。
アダムは地のちりでつくられた己が身に「いのちの息を吹き込まれて」生きるものとなったと信じた。(創世記2:7)
イエスの誕生についてヨハネは、「言は肉となって,わたしたちの間に宿られた。わたしたちはその栄光を見た」(ヨハネ1:14 新共同訳聖書)と記している。
神の言葉は肉として私に宿り、生きた認識として体験されるのである。
しかし、その経験のことごとくを説明できるのではない。
マリヤは天使ガブリエルの告知通りに男の子を出産し、その名をイエスと名づけた。しかし、イエスが成長される間、マリヤは我が身に起こったことの意味を真に知ることはなかった。イエスが12歳のとき神殿で教師たちと神の言葉につて話すのには驚かせられたが、それ以外ではイエスは「普通の子」として育ち、夫ヨセフの仕事を手伝い、家族とともに暮らしたのである。
マリヤは幾度も天使ガブリエルのことばに「ひどく戸惑い、これはいったいなになのか」と考えた。あの出産の不思議にどのような意味があるのか。誕生したイエスは「メシア(救い主)」なのか。どのようにしてそれはあらわされるのか。
マリヤは「これらすべてのことをすべて心に納めて思いを巡らせていた」(ルカ2:19 新改訳聖書)
マリヤは自らの経験について口を閉ざし、心に納め、思いを巡らせ続けた。人に洩らすことなく、沈黙のうちに神の言葉に思いを沈めた。
受胎告知に「私は主のはしためです。どうそ、あなたのおことばどおりにこの身になりますように」(ルカ1:38 新改訳聖書)と応じる信仰がマリヤの生涯であった。
神の言葉はそのようにして人の肉に宿る。言葉の意味はすぐには伝わらず、「これはいったいなになのか」と戸惑うだろう。しかし、御言葉は営みである。新しいいのちが息づくまで、すべてを心に納め、思いを巡らせるがよい。
「その名はインマヌエルと呼ばれる。(訳すと、神は私たちとともにおられる、という意味である)」 マタイ1:23 新改訳聖書
(皆川誠)
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