マタイによる福音書27章26節

マタイによる福音書
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† 福音書縦観 「死刑判決」 

マタイ27:15~26  マルコ15:6~15  ルカ23:13~25  ヨハネ18:39~40,19:1~16

Matt.27:26そこで、ピラトはバラバをゆるしてやり、イエスをむち打ったのち、十字架につけるために引きわたした。 (それで、ピラトは群衆を満足させようと思って、バラバをゆるしてやり、イエスをむち打ったのち、十字架につけるために引きわたした。マルコ15:15  ピラトはついに彼らの願いどおりにすることに決定した。 23:25そして、暴動と殺人とのかどで獄に投ぜられた者の方を、彼らの要求に応じてゆるしてやり、イエスの方は彼らに引き渡して、その意のままにまかせた。ルカ23:24~25

19:1そこでピラトは、イエスを捕え、むちで打たせた。 19:2兵卒たちは、いばらで冠をあんで、イエスの頭にかぶらせ、紫の上着を着せ、 19:3それから、その前に進み出て、「ユダヤ人の王、ばんざい」と言った。そして平手でイエスを打ちつづけた。 19:4するとピラトは、また出て行ってユダヤ人たちに言った、「見よ、わたしはこの人をあなたがたの前に引き出すが、それはこの人になんの罪も見いだせないことを、あなたがたに知ってもらうためである」。 19:5イエスはいばらの冠をかぶり、紫の上着を着たままで外へ出られると、ピラトは彼らに言った、「見よ、この人だ」。 19:6祭司長たちや下役どもはイエスを見ると、叫んで「十字架につけよ、十字架につけよ」と言った。ピラトは彼らに言った、「あなたがたが、この人を引き取って十字架につけるがよい。わたしは、彼にはなんの罪も見いだせない」。 19:7ユダヤ人たちは彼に答えた、「わたしたちには律法があります。その律法によれば、彼は自分を神の子としたのだから、死罪に当る者です」。 19:8ピラトがこの言葉を聞いたとき、ますますおそれ、 19:9もう一度官邸にはいってイエスに言った、「あなたは、もともと、どこからきたのか」。しかし、イエスはなんの答もなさらなかった。 19:10そこでピラトは言った、「何も答えないのか。わたしには、あなたを許す権威があり、また十字架につける権威があることを、知らないのか」。 19:11イエスは答えられた、「あなたは、上から賜わるのでなければ、わたしに対してなんの権威もない。だから、わたしをあなたに引き渡した者の罪は、もっと大きい」。ヨハネ19:1

19:13ピラトはこれらの言葉を聞いて、イエスを外へ引き出して行き、敷石(ヘブル語ではガバタ)という場所で裁判の席についた。 19:14その日は過越の準備の日であって、時は昼の十二時ころであった。ピラトはユダヤ人らに言った、「見よ、これがあなたがたの王だ」。 19:15すると彼らは叫んだ、「殺せ、殺せ、彼を十字架につけよ」。ピラトは彼らに言った、「あなたがたの王を、わたしが十字架につけるのか」。祭司長たちは答えた、「わたしたちには、カイザル以外に王はありません」。 19:16そこでピラトは、十字架につけさせるために、イエスを彼らに引き渡した。ヨハネ19:1~16

口語訳聖書

† 日本語訳聖書 Matt.27:26 

【漢訳聖書】
Matt.27:26 於是釋巴拉巴於衆、鞭耶穌、付之釘十字架。

【明治元訳】
Matt.27:26 是に於てバラバを彼等に釋しイエスを鞭ちて之を十字架に釘ん爲に付したり

【大正文語訳】
Matt.27:26 ここにピラト、バラバを彼らに赦し、イエスを鞭うちて、十字架につくる爲に付せり。

【ラゲ訳】
Matt.27:26 総督バラバを彼等に釈し、イエズスをば鞭たせて十字架に釘けん為彼等に付せり。

【口語訳】
Matt.27:26 そこで、ピラトはバラバをゆるしてやり、イエスをむち打ったのち、十字架につけるために引きわたした。

【新改訳改訂3】
Matt.27:26 そこで、ピラトは彼らのためにバラバを釈放し、イエスをむち打ってから、十字架につけるために引き渡した。

【新共同訳】
Matt.27:26 そこで、ピラトはバラバを釈放し、イエスを鞭打ってから、十字架につけるために引き渡した。

【聖書協会共同訳】
Matt.27:26 そこで、ピラトはバラバを釈放し、イエスを鞭打ってから、十字架につけるために引き渡した。

【バルバロ訳】
Matt.27:26 ピラトはバラバをゆるし、イエズスをむち打たせ、十字架につけるために引きわたした。

【フランシスコ会訳】
Matt.27:26 そこで、ピラトはバラバを釈放し、イエスを鞭打たせた後、十字架につけるために引き渡した。

【日本正教会訳】
Matt.27:26 其時ワラウワを彼等に釋し、イイススを鞭ちて、十字架に釘せん爲に付せり。

【塚本虎二訳】
Matt.27:26 そこでピラトはバラバを赦してやり、イエスの方は鞭打ったのち、十字架につけるため(兵卒)に引き渡した。

【前田護郎訳】
Matt.27:26 そこでバラバをゆるしてやり、イエスは鞭打ってから、十字架につけるために引き渡した。

【永井直治訳】
Matt.27:26 そのとき彼はバラバを彼等に釋したり。されどイエスをば鞭ちて〔後〕、十字架につけられ給ふために付せり。

【詳訳聖書】
Matt.27:26 そこで彼らは彼らのためにバラバを放免してやり、イエスをむちで打〔たせ〕てから、十字架にかけるために引き渡した。

† 聖書引照 Matt.27:26

Matt.27:26 そこで、ピラトはバラバを釈放し、イエスを鞭打ってから、十字架につけるために引き渡した。

[そこで、ピラトはバラバを釈放し]  マル15:15; ルカ23:25
[イエスを鞭打ってから、十字架につけるために引き渡した]  マタ20:19; イザ50:6; 53:5; マル10:34; ルカ18:32,33; 23:16,24,25; ヨハ19:1,16; Ⅰペテ2:24

† ギリシャ語聖書 Matt.27:26

Stephens 1550 Textus Receptus
τοτε απελυσεν αυτοις τον βαραββαν τον δε ιησουν φραγελλωσας παρεδωκεν ινα σταυρωθη

Scrivener 1894 Textus Receptus
τοτε απελυσεν αυτοις τον βαραββαν τον δε ιησουν φραγελλωσας παρεδωκεν ινα σταυρωθη

Byzantine Majority
τοτε απελυσεν αυτοις τον βαραββαν τον δε ιησουν φραγελλωσας παρεδωκεν ινα σταυρωθη

Alexandrian
τοτε απελυσεν αυτοις τον βαραββαν τον δε ιησουν φραγελλωσας παρεδωκεν ινα σταυρωθη

Hort and Westcott
τοτε απελυσεν αυτοις τον βαραββαν τον δε ιησουν φραγελλωσας παρεδωκεν ινα σταυρωθη

† ギリシャ語聖書 Interlinear

Matt.27:26

τότε ἀπέλυσεν αὐτοῖς τὸν βαραββᾶν, τὸν δὲ ἰησοῦν φραγελλώσας παρέδωκεν ἵνα σταυρωθῇ.

聖書協会共同訳聖書

そこで、ピラトはバラバを釈放し、イエスを鞭打ってから、十字架につけるために引き渡した。

τότε    ἀπέλυσεν    αὐτοῖς   τὸν βαραββᾶν,
Then    he released   to them       Barabbas,

τὸν δὲ  ἰησοῦν   φραγελλώσας   παρέδωκεν     ἵνα     σταυρωθῇ.
but     Jesus    having scourged   he delivered     that   he might be crucified.

† ギリシャ語聖書 品詞色分け

Matt. 27:26

τότε ἀπέλυσεν αὐτοῖς τὸν βαραββᾶν, τὸν δὲ ἰησοῦν φραγελλώσας παρέδωκεν ἵνα σταυρωθῇ.

† ヘブライ語聖書 Matt.27:26

Matt.27:26

ָז שִׁחְרֵר לָהֶם אֶת בַּר־אַבָּא, וְאֶת יֵשׁוּעַ הִלְקָה וּמָסַר לִצְלִיבָה

† ラテン語聖書 Matt.27:26

Latin Vulgate
Matt.27:26

Cœnantibus autem eis, accepit Iesus panem, et benedixit, ac fregit, deditque discipulis suis, et ait: Accipite, et comedite: hoc est corpus meum.
Now while they were eating the meal, Jesus took bread, and he blessed and broke and gave it to his disciples, and he said: “Take and eat. This is my body.”

† 私訳(詳訳)Matt.27:26

【私訳】 「そこで、彼はバラバを彼らに解き放ち、そしてイエスを鞭打たせ、十字架にかけるために引き渡した」

† 新約聖書ギリシャ語語句研究

Matt.27:26

τότε ἀπέλυσεν αὐτοῖς τὸν βαραββᾶν, τὸν δὲ ἰησοῦν φραγελλώσας παρέδωκεν ἵνα σταυρωθῇ.

聖書協会共同訳聖書

そこで、ピラトはバラバを釈放し、イエスを鞭打ってから、十字架につけるために引き渡した。

【そこで】τότε  τότε トテ tote {tot‘-eh}  (ab 副詞)

1)そのとき 2)それから 3)そうすれば 4)そのあとで 5)そこで 6)その時間に 7)次に 8)同時に

(G5119 τότε From (the neuter of) 3588 and 3753 the when, that is, at the time that (of the past or future, also in consecution): – that time, then.  Internet Sacred Text Archive)

【バラバを】βαραββᾶν  Βαραββᾶς バラブバス Barabbas {bar-ab-bas‘} (n-am-s 名詞・対男単)

人名  バラバ 「父の子」の意味

(G912 Βαραββᾶς Of Chaldee origin ([1347 and 5 (Greek)); son of Abba; Bar-abbas, an Israelite: – Barabbas.   Internet Sacred Text Archive)

マタ27:16

【彼らに】αὐτοῖς  αὐτός  アウトス autos {ow-tos‘} (npdm3p 代名詞・与男3)

1)彼、彼女、それ(三人称の代名詞) 2)自身で、自分から、自分として(強調用法) 3)同じ同一の 4)まさに、ちょうど

(G846 αὐτός From the particle αὖ au (perhaps akin to the base of 109 through the idea of a baffling wind; backward); the reflexive pronoun self, used (alone or in the compound of 1438 ofthe third person, and (with the proper personal pronoun) of the other persons: – her, it (-self), one, the other, (mine) own, said, ([self-], the) same, ([him-, my-, thy-]) self, [your-] selves, she, that, their (-s), them ([-selves]), there [-at, -by, -in, -into, -of, -on, -with], they, (these) things, this (man), those, together, very, which. Compare 848.  Internet Sacred Text Archive)

【解き放ち】ἀπέλυσεν  ἀπολύω  アポりゆオー apoluō {ap-ol-oo‘-o} (viaa–3s 動詞・直・1アオ・能・3単)

< ἀπό  ~から + λύω 解く、ほどく

1)追い出す、解く、解き放つ、解放する、自由にする、弛める、ほどく 2)離婚する、去らせる、バラバラにする、解散する 3)清算する 4)罪をゆるす、釈放する

(G630  ἀπολύω From 575 and 3089 to free fully, that is, (literally) relievereleasedismiss (reflexively depart), or (figuratively) let diepardon, or (specifically) divorce: – (let) depart, dismiss, divorce, forgive, let go, loose, put (send) away, release, set at liberty.  Internet Sacred Text Archive)

マタ1:19; 14:15,22,23; 15:32,39; 27:15,17,21,26;   マル6:36,45; 15:6,9,11,15;  ルカ2:29; 8:38; 9:1,22;  ヨハ18:39; 19:10,12;  使徒23:22;  etc.

【そして】δὲ  δέ  デ de {deh} (ch 接続詞・完)

1)ところで、しかし、さて、そして 2)しかも、そしてまた、なお、すると、また 3)次に、さらに 4)否、むしろ

(G1161 δέ A primary particle (adversative or continuative); butand, etc.: – also, and, but, moreover, now [often unexpressed in English].  Internet Sacred Text Archive)

【イエスを】ἰησοῦν  ᾽Ιησοῦς イエースウース  Iēsous {ee-ay-sooce‘ } (n-am-s 名詞・対男単)

イエス 意味は「ヤㇵウェは救いである」。「イエス」はヘブル語「 יְהוֺשׁוּעַ イェホーシュア Yehowshuwa` {yeh-ho-shoo’-ah} ”Jehovah is salvation”主は救い、ヨシュア」の ギリシャ名。

(G2424  ᾽Ιησοῦς Of Hebrew origin [3091; Jesus (that is, Jehoshua), the name of our Lord and two (three) other Israelites: – Jesus.  H3091 יְהוֹשׁוַּע יְהוֹשׁוַּע ‎ yehôshûa‛ yehôshûa‛ yeh-ho-shoo‘-ah,yeh-ho-shoo‘-ah From 3068 and 3467 Jehovah-saved; Jehoshua (that is, Joshua), the Jewish leader: – Jehoshua, Jehoshuah, Joshua. Compare 1954 3442.  Internet Sacred Text Archive)マタ16:16;  マル5:7;  ルカ1:32;  ヨハ1:29,36; 14:6; 6:33,51;  ロマ1:16; 3:29; 11:26; 14:9;  Ⅰコリ1:24; 2:8; 15:45;  Ⅰテモ6:15;  ヘブ2:10; 3:6; 9:11,15; 12:24;  黙示1:5,8; 2:8; 3:14 etc.

【鞭打たせ】φραγελλώσας  φραγελλόω ふラゲるろオー phragelloō {frag-el-lo‘-o} (vpaanm-s 分詞・1アオ能主男単)

1)むち打つ

(G5417 φραγελλόω From a presumed equivalent of the Latin flagellum ; to whip, that is, lash as a public punishment: – scourge.   Internet Sacred Text Archive)

マタ27:26

【十字架につける】σταυρωθῇ  σταυρόω  スタウロオー stauroō {stow-ro‘-o} (vsap–3s 動詞・仮・1アオ・受・3単)

1)柵で囲う 2)十字架にかける、磔刑にする

(G4717 σταυρόω From 4716 to impale on the cross; figuratively to extinguish (subdue) passion or selfishness: – crucify.  Internet Sacred Text Archive)

マタ20:19; 26:2; 27:22,23,26,31,35,38; 28:5;  マル15;13,14,15,20,24,25,27: 16:6;

【ために】ἵνα  ἵνα ヒナ hina {hin‘-ah} (cs 接続詞・従)

1)そこに(へ) 2)~するために 3)~する事を 4)~ので 5)という事は 6)~であるところの 7)~するように 8)すなわち(G2443  ἵνα Probably from the same as the former part of 1438 (through the demonstrative idea; compare 3588 ; in order that (denoting the purpose or the result): – albeit, because, to the intent (that), lest, so as, (so) that, (for) to. Compare 3363.  Internet Sacred Text Archive)

【引き渡した】παρέδωκεν  παραδίδωμι  パラディドーミ  paradidōmi {par-ad-id‘-o-mee} (viaa–3s 動詞・直・1アオ・能・3単)

1)手渡す、引き渡す、捕える、手渡す 2)委ねる、任せる、預ける、託す 3)生命を死の危険にさらすこと 4)伝える、口頭で伝える 5)裏切る

(G3860 παραδίδωμι From 3844 and 1325 to surrender, that is, yield up, intrust, transmit: – betray, bring forth, cast, commit, deliver (up), give (over, up), hazard, put in prison, recommend.  Internet Sacred Text Archive)

マタ4:12; 10:17,19,21,22; 17:22; 18:34; 20:18,19; 24:9,10; 26:15,16,45; 27:2,18,26;  マル9:31; 10:33; 13:9;,11,12;   14:11,41; 15:1,10,15 etc.

† 英語訳聖書 Matt.27:26

King James Version
27:26 Then released he Barabbas unto them: and when he had scourged Jesus, he delivered [him] to be crucified.

New King James Version
27:26 Then he released Barabbas to them; and when he had scourged Jesus, he delivered Him to be crucified.

American Standard Version
27:26 Then released he unto them Barabbas; but Jesus he scourged and delivered to be crucified.

New International Version
27:26 Then he released Barabbas to them. But he had Jesus flogged, and handed him over to be crucified.

Bible in Basic English
27:26 Then he let Barabbas go free: but after having Jesus whipped, he gave him up to be put to death on the cross.

Today’s English Version
27:26 Then Pilate set Barabbas free for them; and after he had Jesus whipped, he handed him over to be crucified.

Darby’s English Translation
27:26 Then he released to them Barabbas; but Jesus, having scourged him, he delivered up that he might be crucified.

Douay Rheims
27:26 Then he released to them Barabbas, and having scourged Jesus, delivered him unto them to be crucified.

Noah Webster Bible
27:26 Then he released Barabbas to them: and when he had scourged Jesus, he delivered him to be crucified.

Weymouth New Testament
27:26 Then he released Barabbas to them, but Jesus he ordered to be scourged, and gave Him up to be crucified.

World English Bible
27:26 Then he released to them Barabbas, but Jesus he flogged and delivered to be crucified.

Young’s Literal Translation
27:26 Then did he release to them Barabbas, and having scourged Jesus, he delivered him up that he may be crucified;

† 細き聲 聖書研究ノート

Matt.27:26

τότε ἀπέλυσεν αὐτοῖς τὸν βαραββᾶν, τὸν δὲ ἰησοῦν φραγελλώσας παρέδωκεν ἵνα σταυρωθῇ.

聖書協会共同訳聖書

そこで、ピラトはバラバを釈放し、イエスを鞭打ってから、十字架につけるために引き渡した。

 <そこで、ピラトはバラバをゆるしてやり、イエスをむち打ったのち、十字架につけるために引きわたした>

遂に総督ピラトはバラバを釈放し、イエスには囚人としてむち打ちを加えたうえで、十字架につけるために身柄をローマの兵士たちに引き渡した。

 <ここにピラト、バラバを彼らに赦し>

総督ピラトは過越の祭りの慣例に従って、凶悪な囚人バラバを釈放しイエスを十字架につけるためにローマ兵に引き渡した。ピラトは「群衆を満足させようと思い」(マルコ15:15)、「彼らの要求に応じて」(ルカ23:25)、「彼らの願いどおりにすることに決定し」(ルカ23:24)、「イエスの方は彼らに引き渡して、その意のままにまかせた」(ルカ23: 25)。

 <イエスを鞭うちて、十字架につくる爲に付せり>

イエスは処刑に先立ってピラトの命令により、鞭打たれた。

「鞭打ち」はユダヤの刑で、犯罪の量刑に従って打つ数が定められ、40を超えてはならないと定められていた。(申命25:2~3) イエスの受けられた「鞭打ち」はローマの体刑としてのより残忍な鞭打ちであった。

兵士はイエスを鞭打ち、いばらで冠をあんで、イエスの頭にかぶらせ、紫の上着を着せ、その前に進み出て、「ユダヤ人の王、ばんざい」と言った。ピラトは出て行ってユダヤ人たちの前にイエスを立たせ、「見よ、この人だ」と言ったが、祭司長たちと群衆は「十字架につけよ」と叫び続けた。ピラトは官邸に戻り、イエスに「あなたは、もともと、どこからきたのか」と尋ねたがイエスはその問に何もお答えにならなかった。さらにピラトの「あなたを許す権威があり、また十字架につける権威があることを、知らないのか」という問いに、イエスは「あなたは、上から賜わるのでなければ、わたしに対してなんの権威もない。だから、わたしをあなたに引き渡した者の罪は、もっと大きい」とお答えになった。

ピラトは、遂に、イエスを外へ引き出して行き、敷石(ヘブル語ではガバタ)という場所で裁判の席につき、(その日は過越の準備の日であって、時は昼の十二時ころであった)、ユダヤ人らに「見よ、これがあなたがたの王だ」と告げたが、ユダヤ人たちは「殺せ、殺せ、彼を十字架につけよ」と叫んだ。ピラトが、「あなたがたの王を、わたしが十字架につけるのか」と尋ねると、祭司長たちは「わたしたちには、カイザル以外に王はありません」と答え、ピラトは遂に、十字架につけさせるために、イエスを彼らに引き渡すのである。(ヨハネ19:1~16口語訳聖書)

 <釘十字架>

漢訳聖書は「付之釘十字架」として「十字架に釘ん爲に付したり」と読ませる。囚人の手足を釘で十字架に打ちつけたからである。

† 心のデボーション

「ここにピラト、バラバを彼らに赦し、イエスを鞭うちて、十字架につくる爲に付せり」 マタイ27:26 大正文語訳聖書

「そこで、ピラトはバラバを釈放し、イエスを鞭打ってから、十字架につけるために引き渡した」 フランシスコ会訳聖書

 「十字架の道」

遂に総督ピラトによってイエスは十字架に引き渡された。イエスは人々の「Staurwqh,tw スタウローテート! 十字架にかけろ!」の声によって十字架に釘つけられることになった。しかし、イエスの十字架は敗北ではなく完成である。いのちの消滅ではなく新しいいのちの誕生である。

大胆にイエスとともに己の十字架を負って歩み行け。

† 細き聲 説教 

 「彼らの願い通りに」

「ここにピラト、バラバを彼らに赦し、イエスを鞭うちて、十字架につくる爲に付せり」 マタイ27:26 大正文語訳聖書

「そこで、ピラトはバラバを釈放し、イエスを鞭打ってから、十字架につけるために引き渡した」 フランシスコ会訳聖書

遂に、総督ピラトは過越の祭りの慣例に従って、凶悪な囚人バラバを釈放しイエスを十字架につけるためにローマ兵に引き渡した。ピラトは「群衆を満足させようと思い」(マルコ15:15)、「彼らの要求に応じて」(ルカ23:25)、「彼らの願いどおりにすることに決定し」(ルカ23:24)、「イエスの方は彼らに引き渡して、その意のままにまかせた」(ルカ23: 25)。

イエスは処刑に先立ってピラトの命令により、鞭打たれた。

「鞭打ち」はユダヤの刑で、犯罪の量刑に従って打つ数が定められ、40を超えてはならないと定められていた。

(申命25:2~3) イエスの受けられた「鞭打ち」はローマの体刑としてのより残忍な鞭打ちであった。

兵士はイエスを鞭打ち、いばらで冠をあんで、イエスの頭にかぶらせ、紫の上着を着せ、その前に進み出て、「ユダヤ人の王、ばんざい」と言った。ピラトは出て行ってユダヤ人たちの前にイエスを立たせ、「見よ、この人だ」と言ったが、祭司長たちと群衆は「十字架につけよ」と叫び続けた。ピラトは官邸に戻り、イエスに「あなたは、もともと、どこからきたのか」と尋ねたがイエスはその問に何もお答えにならなかった。さらにピラトの「あなたを許す権威があり、また十字架につける権威があることを、知らないのか」という問いに、イエスは「あなたは、上から賜わるのでなければ、わたしに対してなんの権威もない。だから、わたしをあなたに引き渡した者の罪は、もっと大きい」とお答えになった。

ピラトは、遂に、イエスを外へ引き出して行き、敷石(ヘブル語ではガバタ)という場所で裁判の席につき、(その日は過越の準備の日であって、時は昼の十二時ころであった)、ユダヤ人らに「見よ、これがあなたがたの王だ」と告げたが、ユダヤ人たちは「殺せ、殺せ、彼を十字架につけよ」と叫んだ。ピラトが、「あなたがたの王を、わたしが十字架につけるのか」と尋ねると、祭司長たちは「わたしたちには、カイザル以外に王はありません」と答え、ピラトは遂に、十字架につけさせるために、イエスを彼らに引き渡すのである。(ヨハネ19:1~16口語訳聖書)

十字架は囚人に最も厳しい苦痛を与えるために考え出された処刑である。イエスは十字架にかかられる前に、さらに厳しくむち打ちという苦痛が与えられた。何故、それほどに苦痛を与える必要があったろうか。だが、苦痛を与えれば与えるほどに群衆はさらなる苦痛を与えようとする。今やイエスは憎しみの対象であった。

(皆川誠)

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