マタイによる福音書4章6節

マタイによる福音書
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† 福音書縦観 「荒野の試み」 マタイ4:1~11

マタイ4:1~11  マルコ1:12~13  ルカ4:1~13
マタイ4:1~11

Matt.4:6言った、「もしあなたが神の子であるなら、下へ飛びおりてごらんなさい。
『神はあなたのために御使たちにお命じになると、
あなたの足が石に打ちつけられないように、
彼らはあなたを手でささえるであろう』
と書いてありますから」。 口語訳聖書

† 日本語訳聖書 Matt. 4:6

【漢訳聖書】
Matt. 4:6 謂之曰、爾若神之子、則自投下、蓋錄有云、其將爲爾而命其使、彼將以手扶爾、免足觸石。

【明治元訳】
Matt.4:6 爾(なんぢ)もし神(かみ)の子(こ)ならば己(おの)が身(み)を下(した)に投(なげ)よ蓋(そは)なんぢが爲(ため)に神(かみ)その使(つかひ)等(たち)に命(めい)ぜん彼等(かれら)手(て)にて支(ささ)へ爾(なんぢ)が足(あし)の石(いし)に觸(ふれ)ざるやうすべしと録(しる)されたり

【大正文語訳】
Matt. 4:6 『汝もし神の子ならば己が身を下に投げよ。それは 「なんぢの爲に御使たちに命じ給はん。 彼ら手にて汝を支へ、その足を 石にうち當つること無からしめん」 と録されたるなり』

【ラゲ訳】
Matt. 4:6 云ひけるは、汝若神の子ならば身を投げよ、其は録して「神汝の為に其使等に命じ給へり、汝の足の石に衝當らざる様、彼等手にて汝を支へん」とあればなり。

【口語訳】
Matt.4:6 言った、「もしあなたが神の子であるなら、下へ飛びおりてごらんなさい。『神はあなたのために御使たちにお命じになると、あなたの足が石に打ちつけられないように、彼らはあなたを手でささえるであろう』と書いてありますから」。

【新改訳改訂3】
Matt.4:6 言った。「あなたが神の子なら、下に身を投げてみなさい。『神は御使いたちに命じて、その手にあなたをささえさせ、あなたの足が石に打ち当たることのないようにされる』と書いてありますから。」

【新共同訳】
Matt.4:6 言った。「神の子なら、飛び降りたらどうだ。『神があなたのために天使たちに命じると、/あなたの足が石に打ち当たることのないように、/天使たちは手であなたを支える』/と書いてある。」

【バルバロ訳】
Matt. 4:6 「あなたが神の子なら下に身を投げよ。<神はあなたのために天使たちに命じ、天使たちはあなたの足が石に打ち当たらぬよう手で支える>と書かれているのだから」と言った。

【フランシスコ会訳】
Matt. 4:6 言った。「もし、あなたが神の子なら、身を投げなさい。『神はあなたのために天使たちに命じ、あなたの足が石に打ちあたらないように、手であなたをささえさせる』と書き記されているからです」。

【日本正教会訳】
Matt. 4:6 かくて彼に云ふ、汝もし神の子ならば、汝自身を投げ落せ。そは彼は汝に就きてその使等に命じ給はん、されば汝の足を石に衝(つ)き當(あ)つることなからんために、彼等は手にて汝を支(ささ)ふべし、と録されたればなり。

【塚本虎二訳】
Matt. 4:6 言った、「神の子なら、下へ飛びおりたらどうです。“神は天使たちに命じて、手にてあなたを支えさせ、足を石に打ち当てないようにしてくださる。”と(聖書に)書いてあります。(人々はそれを見て信じ、たちどころにあなたの国が出来ます。)」

【前田護郎訳】
Matt. 4:6 「もし神の子なら、あなた自身を下に投げなさい。聖書にいわく、『彼はなんじのために天使たちを動かし、彼らは手のうちになんじを支えよう、なんじが足を石に打ちつけないように』と」。

【永井直治訳】
Matt. 4:6 かくて彼に云う、汝もし神の子ならば、汝自身を投げ落せ。そは彼は汝に就(つ)きてその使等(つかいたち)に命じ給うはん。されば汝の足を石に衝(つ)き當(あ)つることなからんために、彼等は手にて汝を支ふべし、

【詳訳聖書】
Matt. 4:6 そして悪魔は言った、「もしあなたが神の子であるならば、飛び降りてみなさい。なぜなら、『神はあなたのことをみ使いたちに命じ、彼らはあなたの足が石に打ち当たることのないようにその手であなたをささえる』と書いてあるからである」。

† 聖書引照 Matt. 4:6

Matt. 4:6 『汝もし神の子ならば己が身を下に投げよ。それは 「なんぢの爲に御使たちに命じ給はん。 彼ら手にて汝を支へ、その足を 石にうち當つること無からしめん」 と録されたるなり』

[それは]  マタ4:4; Ⅱコリ11:14
[なんぢの爲に御使たちに命じ給はん]   詩篇91:11,12; ルカ4:9~12; ヘブ1:14
[彼ら手にて汝を支へ、その足を 石にうち當つること無からしめん]  ヨブ1:10; 5:23; 詩篇34:7,20

† ギリシャ語聖書 Matt. 4:6

Stephens 1550 Textus Receptus
και λεγει αυτω ει υιος ει του θεου βαλε σεαυτον κατω γεγραπται γαρ οτι τοις αγγελοις αυτου εντελειται περι σου και επι χειρων αρουσιν σε μηποτε προσκοψης προς λιθον τον ποδα σου

Scrivener 1894 Textus Receptus
και λεγει αυτω ει υιος ει του θεου βαλε σεαυτον κατω γεγραπται γαρ οτι τοις αγγελοις αυτου εντελειται περι σου και επι χειρων αρουσιν σε μηποτε προσκοψης προς λιθον τον ποδα σου

Byzantine Majority
και λεγει αυτω ει υιος ει του θεου βαλε σεαυτον κατω γεγραπται γαρ οτι τοις αγγελοις αυτου εντελειται περι σου και επι χειρων αρουσιν σε μηποτε προσκοψης προς λιθον τον ποδα σου

Alexandrian
και λεγει αυτω ει υιος ει του θεου βαλε σεαυτον κατω γεγραπται γαρ οτι τοις αγγελοις αυτου εντελειται περι σου και επι χειρων αρουσιν σε μηποτε προσκοψης προς λιθον τον ποδα σου

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και λεγει αυτω ει υιος ει του θεου βαλε σεαυτον κατω γεγραπται γαρ οτι τοις αγγελοις αυτου εντελειται περι σου και επι χειρων αρουσιν σε μηποτε προσκοψης προς λιθον τον ποδα σου

† ギリシャ語聖書 Interlinear

Matt.4:6

καὶ λέγει αὐτῷ, Εἰ υἱὸς εἶ τοῦ θεοῦ, βάλε σεαυτὸν κάτω γέγραπται γὰρ ὅτι τοῖς ἀγγέλοις αὐτοῦ ἐντελεῖται περὶ σοῦ καὶ ἐπὶ χειρῶν ἀροῦσίν σε, μήποτε προσκόψῃς πρὸς λίθον τὸν πόδα σου.

καὶ  λέγει   αὐτῷ,   Εἰ  υἱὸς   εἶ      τοῦ θεοῦ, 
And   says   to him,   If    Son   thou art    of God,

βάλε  σεαυτὸν  κάτω   γέγραπται γὰρ ὅτι       τοῖς   ἀγγέλοις  αὐτοῦ
cast    thyself   down:   for it has been written[,]   To the   angels     of him

ἐντελεῖται           περὶ      σοῦ  καὶ  ἐπὶ  χειρῶν  ἀροῦσίν      σε, 
he will give command  concerning  thee:  and  on   hands   they will bear  thee,

μήποτε  προσκόψῃς  πρὸς   λίθον    τὸν  πόδα  σου.
lest      thou strike   against  a stone   the   foot   of thee.

† ギリシャ語聖書 品詞色分け

Matt. 4:6

καὶ λέγει αὐτῷ, Εἰ υἱὸς εἶ τοῦ θεοῦβάλε σεαυτὸν κάτω γέγραπται γὰρ ὅτι τοῖς ἀγγέλοις αὐτοῦ ἐντελεῖται περὶ σοῦ καὶ ἐπὶ χειρῶν ἀροῦσίν σεμήποτε προσκόψῃς πρὸς λίθον τὸν πόδα σου.

† ラテン語聖書 Matt. 4:6

Latin Vulgate
Matt. 4:6

et dixit ei: Si Filius Dei es, mitte te deorsum. Scriptum est enim: Quia Angelis suis mandavit de te, et in manibus tollent te, ne forte offendas ad lapidem pedem tuum.
and said to him: “If you are the Son of God, cast yourself down. For it has been written: ‘For he has given charge of you to his angels, and they shall take you into their hands, lest perhaps you may hurt your foot against a stone.’ ”

† ヘブライ語聖書 Matt. 4:6

Matt. 4:6

אָמַר לוֹ: “אִם בֶּן־הָאֱלֹהִים אַתָּה, הַשְׁלֵךְ עַצְמְךָ לְמַטָּה, שֶׁהֲרֵי כָּתוּב, ‘כִּי מַלְאָכָיו יְצַוֶּה־לָּךְ, עַל־כַּפַּיִם יִשָֹאוּנְךָ, פֶּן־תִּגֹּף בָּאֶבֶן רַגְלֶךָ’

† 私訳(詳訳)Matt. 4:6

【私訳】 「そして、〔悪魔は〕彼〔イエス〕に言った。『もし、あなたが神の子なら、自分自身を下に投げ落とせ<飛び降りてみよ、投げつけてみよ>。というのは、「彼〔神〕が彼〔神〕の天使たち<使者、使節、布告者、御使、神の使い>にあなたについて命じる<指示する>と、彼らはあなたの足を石に打ち当てる<衝突する、ぶつかる>ことの決してないように、その手であなたを持ち上げる<抱き上げる、引き上げる、抱き上げる、差し上げる、持ち上げて運ぶ、背負う>」と書いてあるからである』」

† 新約聖書ギリシャ語語句研究

Matt. 4:6

καὶ λέγει αὐτῷ, Εἰ υἱὸς εἶ τοῦ θεοῦ, βάλε σεαυτὸν κάτω γέγραπται γὰρ ὅτι τοῖς ἀγγέλοις αὐτοῦ ἐντελεῖται περὶ σοῦ καὶ ἐπὶ χειρῶν ἀροῦσίν σε, μήποτε προσκόψῃς πρὸς λίθον τὸν πόδα σου.

【そして】 καὶ καί カイ kai {kahee} (cc 接続詞・等位)

1)~と、~も、そして 2)~さえ、でさえも 3)しかし 4)しかも、それは 5)それでは、それだのに 6)そうすれば、すなわち 7)のみならず、もまた

【彼に】 αὐτῷ αὐτός  アウトス autos {ow-tos‘} (npdm3s 代名詞・与男3)

1)彼、彼女、それ(三人称の代名詞) 2)自身で、自分から、自分として(強調用法) 3)同じ同一の 4)まさに、ちょうど

【言った】 λέγει λέγω れゴー legō {leg‘-o} (vipa–3s 動詞・直・現・能・3)

1)言う、告げる、語る、話す、言い表す、述べる 2)呼ぶ、命ずる、指図する、言いつける 3)名づける、称する、呼びかける 4)意味する、指す

マタ1:20; 2:23; 5:44; 9:14,34;  マル2:11; 5:9; 12:18;  ルカ5:39; 6:46; 20:41;  ヨハ1:29; 2:6; 16:12;etc.

【もし】 Εἰ εἰ エイ  ei {i } (cs 接続詞・従位)

1)もし 2)もしも、かりに 3)もし~であれば 4)~かどうか 5)~ならば 6)決して~ない

【神の】 θεοῦ θεός てオス  theos {theh‘-os} (n-gm-s 名詞・属男単)

1)神 2)神性 3)唯一の神

θεός の語源は次の二語に求められる

1 τεθειχέναι 万物を自らの基の上に置く
2  θέειν 駆ける

【子】 υἱὸς  υἱός フゅィオス huios {hwee-os’} (n-nm-s 名詞・主男)

1)息子、子、子供、男の子、兄 2)子孫、末裔 3)従者、弟子、仲間 4)客、深い関係にあるもの 5)(ロバの)子

「υἱός フィオス」はヘブライ語「בֵּן  ベーン ben {bane}  息子」にあたり、「בֵּן ベーン ben {bane}」は「בָּנָה バーナー banah {baw-naw’} 建てる」に由来する。「家を建ち上げる、興す者」の意味である。

マタ1:1; 3:17; 16:16; 22:42,45;  Ⅱコリ6:18;  ガラ3:7 etc.

【であるなら】 εἶ  εἰμί エイミ  eimi {i-mee‘} (vipa–2s 動詞・直・現・能・2単)

1)ある、いる、~である、~です、~だ 2)行われる、おこる、生ずる、現れる、来る 3)いる、滞在する、とどまる 4)存在する 5)生きている

【下へ】 κάτω  κάτω  カトー  katō {kat‘-o, } (ab 副詞)

1)下に 2)~から下へ 3)~の下に

【あなた自身】 σεαυτὸν  σεαυτοῦ セアウトウー  seautou {seh-ow-too‘} (npam2s 代名詞・対男2単)

1)あなた自らの(を、に) 2)あなた自身の(を、に)

【飛び降りたら】 βάλε  βάλλω  バるろー  ballō {bal‘-lo} (vmaa–2s 動詞・命・2アオ・能・2単)

1)投げる、投げつける、投じる、投げ捨てる、落とす 2)撒く、ふりかける 3)打つ 4)突進する、ぶつかる 5)置く、入れる、横たえる 6)注ぐ 7)納める

(元来、武器や飛び道具を投げること)

マタ3:10; 4:6; 5:29; 6:30; 7:6,19; 13:42,50; 18:8,9;  マル9:22,42,45,47,12:41,42,43,44;  ルカ3:9; 4:9;12:28,58; 21:1,2,3,4;  ヨハ15:6 etc.

【なぜなら】 γὰρ  γάρ  ガル gar {gar} (cs 接続詞・従位)

1)なぜなら、というのは、その理由は、だから 2)すなわち、では、いったい、結局 4)確かに、もちろん、だって

【主はあなたのために御使いに命じて】 原文「彼(神)が命じられると」

【彼の】 αὐτοῦ  αὐτός  アウトス autos {ow-tos‘} (npgm3s 代名詞・属男3)

1)彼、彼女、それ(三人称の代名詞) 2)自身で、自分から、自分として(強調用法) 3)同じ同一の 4)まさに、ちょうど

【天使たちに】 ἀγγέλοις  ἄγγελος  アンゲろス  aggelos {ang‘-el-os} (n-dm-p 名詞・与男複)

1)使者、使節、布告者、使いの者 2)天使、御使、神の使い

マタ1:20; 2:13; 4:6; 18:1,5;  マル1:2;  ルカ1:11,26; 16:22; 22:43;  ヨハ20:12;  使徒7:35; 10:3; 12:23;27:23;  ガラ3:19;  黙示9:11; 14:8; 16:5  etc.

【あなた】 σοῦ  σύ スゆ sou {soo} (npg-2s 代名詞・属2単)

1)あなた 2)汝 3)君

【について】 περὶ  περί ペリ peri {per-ee‘} (pg 前置詞・属)

1)~のこと、~について、~に関して、~に言及して、のことで、において 2)の周りに、周囲に 3)~のために、~をめぐって、~の故に 4)大体、約

【命じると】 ἐντελεῖται  ἐντέλλομαι  エンテるろマイ entellomai {en-tel‘-lom-ahee} (vifd–3s 動詞・直・未来・能欠・3単)

1)命令する、命じる、命令を与える 2)課する 3)指令する

マタ4:6; 17:9; 19:7; 28:20;  マル10:3; 13:34;  ルカ4:10; ヨハ8:5; 14:31; 15:14,17;  使徒1:2; 13:47; ヘブ9:20; 11:22

【そして】 καὶ  καί カイ kai {kahee} (cc 接続詞・等位)

1)~と、~も、そして 2)~さえ、でさえも 3)しかし 4)しかも、それは 5)それでは、それだのに 6)そうすれば、すなわち 7)のみならず、もまた

【あなたの】 σοῦ  σύ スゆ sou {soo} (npg-2s 代名詞・属2単)

1)あなた 2)汝 3)君

【足を】 πόδα  πούς  プース  pous {pooce} (n-am-s 名詞・対男単)

1)足

マタ4:6; 7:6; 10:14; 15:30; 18:8;  マル5:22; 6:11; 9:45; 12:36; etc.

【石】 λίθον  λίθος  リとス  lithos {lee‘-thos} (n-am-s 名詞・対男単)

1)石 2)石ころ 3)石版 4)ひきうす、大きい石 5)宝石、大理石

マタ3:9; 4:3,6; 7:9; 21:42,44; 24:2; 27:60,66; 28:2;  マル5:5; 12:10; 13:1;,2; 15:46: 16:3,4;  ルカ3:8;4:3,11; 17:2; 19:40,44; 20:17,18; 21:5,6; 22:41; 24:2; ヨハ8:7,59; 10:31; 11:38,39,41; 20:1 etc.

【に】 πρὸς  πρός プロス pros {pros} (pa 前置詞・対)

1)~のところへ、~の方へ、~に向かって 2)~の近くに、~の側に、~に接して 3)~のために 4)~に対して 5)~について 6)~の面前で

【打ち当てる】 προσκόψῃς   προσκόπτω プロスコプトー proskoptō {pros-kop‘-to} (vsaa–2s 動詞・仮・1アオ・能・2単)

1)打ち当てる 2)ぶつける、ぶつかる 3)衝突する、突き当たる 4)立腹する、不快を覚える

マタ4:6; 7:27;  ルカ4:11;  ヨハ11:9,10;  ロマ9:32; 14:21;  Ⅰペテ2:8

【ないように】 μήποτε  μήποτε  メーポテ mēpote {may‘-pot-eh} (cs 接続詞・従位)

1)決して~ない、いまだかつて~ない 2)ないように 3)するといけなから 4)あるいは、多分、おそらく

【その手】 χειρῶν  χείρ  けイル  cheir {khire } (n-gf-p 名詞・属女複)

1)手 2)行為、行動 3)人手、軍勢 4)(神の力、支配、活動をあらわす)手

マタ3:12; 4:6; 5:30: 8:3,15; 9:25; 12:10;,13,40; 15:2;,20; 17:22; 18:5; 19:13,15; 23:13; 26:23,45,50,51;27:24 etc.

【で】 ἐπὶ  ἐπί  エピ epi{ep-ee‘} (pg 前置詞・属)

1)の上に、近くに 2)よって 3)に向かって 4)に 5)を 6)へ

【あなたを】 σε  σύ スゆ sou {soo} (npa-2s 代名詞・対2単)

1)あなた 2)汝 3)君

【支える】 ἀροῦσίν  αἴρω  アイロー  airō {ah‘ee-ro} (vifa–3p動詞・直・未来・能・3複)

1)上へあげる、持ち上げる、引き上げる、拾い上げる 2)抱き上げる、差し上げる 3)取り上げる下から持ち上げて支える、持ち上げて運ぶ、運ぶ、持って行く、移す、携行する、携える 4)支える、背負う、担ぐ、負う 5)取り除く、除去する、捨て去る、さらっていく、取り上げる

マタ4:6; 13:12; 14:12; 17:27; 20:14; 21:43; 21:17,18; 25:28,29;  マル2:9,11; 4:25; 6:29; 13:15,16; 15:24;etc.

【と】 ὅτι   ὅτι  ホティ hoti {hot‘-ee} (cc 接続詞・等)

1)~ということ 2)なぜなら~だから、というのは~だから、すなわち 3)~であるから 4)というのは

【書いてある】 γέγραπται  γράφω  グラふォー  graphō {graf‘-o} (virp–3s 動詞・直・完了・受・3単)

1)引っ掻く、刻み込む、掻き傷をつける 2)字を刻む、書き記す、記録する、銘記する、筆記する、書送る、焼印を押す

マタ4:4;  マル1:2;  ルカ10:20;  Ⅰコリ10:11;  Ⅱコリ3:2,3;  ピリ4:3;  ヘブ12:23;  黙示20:12;21:27

† 英語訳聖書 Matt. 4:6

King James Version
4:6 And saith unto him, If thou be the Son of God, cast thyself down: for it is written, He shall give his angels charge concerning thee: and in [their] hands they shall bear thee up, lest at any time thou dash thy foot against a stone.

American Standard Version
4:6 and saith unto him, If thou art the Son of God, cast thyself down: for it is written, He shall give his angels charge concerning thee: and, On their hands they shall bear thee up, Lest haply thou dash thy foot against a stone.

New International Version
4:6 “If you are the Son of God,” he said, “throw yourself down. For it is written: “`He will command his angels concerning you, and they will lift you up in their hands, so that you will not strike your foot against a stone.’ “

Bible in Basic English
4:6 If you are the Son of God, let yourself go down; for it is in the Writings, He will give his angels care over you; and, In their hands they will keep you up, so that your foot may not be crushed against a stone.

Darby’s English Translation
4:6 and says to him, If thou be Son of God cast thyself down; for it is written, He shall give charge to his angels concerning thee, and on their hands shall they bear thee, lest in anywise thou strike thy foot against a stone.

Douay Rheims
4:6 And said to him: If thou be the Son of God, cast thyself down, for it is written: That he hath given his angels charge over thee, and in their hands shall they bear thee up, lest perhaps thou dash thy foot against a stone.

Noah Webster Bible
4:6 And saith to him, If thou art the Son of God, cast thyself down, for it is written, He shall give his angels charge concerning thee: and in their hands they shall uphold thee, lest at any time thou dash thy foot against a stone.

Weymouth New Testament
4:6 and said, ‘If you are God’s Son, throw yourself down; for it is written, ”To His angels He will give orders concerning thee, and on their hands they shall bear thee up, lest at any moment thou shouldst strike thy foot against a stone.”

World English Bible
4:6 and said to him, ‘If you are the Son of God, throw yourself down, for it is written, ‘He will give his angels charge concerning you.’ and, ‘On their hands they will bear you up, So that you don’t dash your foot against a stone.”

Young’s Literal Translation
4:6 and saith to him, ‘If Son thou art of God — cast thyself down, for it hath been written, that, His messengers He shall charge concerning thee, and on hands they shall bear thee up, that thou mayest not dash on a stone thy foot.’

Amplified Bible
4:6 And he said [mockingly] to Him, “If You are the Son of God, throw Yourself down; for it is written, ‘He will command His angels concerning You [to serve, care for, protect and watch over You]’; and ‘They will lift you up on their hands, So that You will not strike Your foot against a stone.’”

† 細き聲 聖書研究ノート

<『汝もし神の子ならば己が身を下に投げよ。それは 「なんぢの爲に御使たちに命じ給はん。 彼ら手にて汝を支へ、その足を 石にうち當つること無からしめん」 と録されたるなり』>

第一の試みにイエスから聖書をもって応答されたことを受けて、サタンも聖書を引用してイエスに「もし、あなたが神の子ならば今立っている神殿の屋根から下に身を投げよ。神は御使いに命じて空中であなたを支え、無傷で地上に置かれると聖書に書かれています」と誘惑した。

本節は詩篇91:11~12の引用である。「主はあなたのために御使いに命じて、あなたの道のどこにおいても守らせてくださる。彼はあなたをその手にのせて運び、足が石に当たらないように守る」

<大審問官と復活のキリスト>

ドストエフスキーの『カラマーゾフの兄弟』(細き聲 聖書研究 マタイ4:3 研究ノート参照) で第二の試みについて老大審問官はいう。

「ここに三つの力がある。つまり、これらのいくじない反逆者の良心を、彼らの幸福のために永久に征服して、俘(とりこ)にすることのできる力は、この地上にたった三つよりないのだ。その力というのは、奇跡と神秘と政権である」。

「人間は奇跡を否定すると同時に、ただちに神をも否定する。なぜならば、人間は神よりもむしろ奇跡を求めているのだから、――この理(ことわり)をおまえは知らなかったのだ。人間というものは奇跡なくして生きることができないから、自分で勝手に新しい奇跡を作り出して、果ては祈禱 師(きとうし)の奇跡や、巫女(みこ)の妖術(ようじゅつ)まで信ずるようになる。そして相手が百倍もひどい悪党で、邪教徒で、不信心者であっても意としないのだ」

だから、サタンはキリストを宮殿の頂きに立たせて、「反逆者たる人間の求めに応じて神殿の屋根から飛び降り、奇跡と神秘と政権を示せ。そうするなら人間はお前のものだ」という。

<飛び降りてみよ>

本節は詩篇91:11~12の引用である。詩篇が「あなたの道のどこにおいても守らせてくださる。彼はあなたをその手にのせて運び、足が石に当たらないように守る」と旅の安全を歌っているのに対して、悪魔は「神殿の屋根」というあり得ない場所に立たせて「飛び降りてみよ」とささやく。

悪魔も「神のことば」を語る。しかし、悪魔は常に「神の口から出るもの」とは違った方向にことばを導く。

<神の助け>

人生は「旅」である。神は御使いをつかわし、旅人をその手で「ai;rw  アイロー 抱き上げる」ようにして旅人の足を守られる。

† 心のデボーション

「『汝もし神の子ならば己が身を下に投げよ。それは 「なんぢの爲に御使たちに命じ給はん。 彼ら手にて汝を支へ、その足を 石にうち當つること無からしめん」 と録されたるなり』」 マタイ4:6 大正文語訳聖書

「言った。『神の子なら、飛び降りたらどうだ。「神があなたのために天使たちに命じると、/あなたの足が石に打ち当たることのないように、/天使たちは手であなたを支える」/と書いてある。』」 新共同訳聖書

「鈴の鳴る道」

高見澤潤子さんに星野富弘さんの「鈴の鳴る道」についての文章がある。

友人からきれいな銀色の鈴をもらったが、手を動かせない富弘さんは電動車椅子にぶらさげ、鈴の音を聞きながら、外の景色や草花の風景を楽しもうとした。しかし、電動車椅子がでこぼこ道にさしかかると、車椅子が大きく揺れ、脳までひびく振動が来る。なるべくでこぼこ道を通らないようにしていたが、その日はでこぼこ道に入ってしまった。慎重に車椅子を導いたが、車椅子は大きく揺れた。それで「鈴」も揺れて、チリンと鳴った。それは「心にしみる澄んだ音色」だった。富弘さんは「もう一度、その音をききたくて、引き返して、でこぼこ道にのってみた。富弘さんは後に「整えられた道を歩いていたのでは鳴ることがなく、でこぼこ道にさしかかった時、ゆれて鳴る鈴がある。私の行先にある道のでこぼこを、なるべく迂回せずに進もうと思う」と書いている。(高見澤潤子 『九十三歳の伝言』)

星野富弘さんは、このとき御使いの手で抱き上げられてでこぼこ道を通過したのであろう。しかし、再び「鈴」の音を聞きたくなって、でこぼこ道を「引き返して」はいけないのではないだろうか。「鈴の音」はでこぼこ道ではなく御使いが鳴らしたものだからである。行く先にでこぼこ道があるなら、遠くても迂回したい。そのために、天使は「鈴」を鳴らしてくれたのだから。天使の鈴の音は一度だけ「チリン」とそれは澄んだ音で鳴る。

† 心のデボーション

「汝もし神の子ならば己が身を下に投げよ」 マタイ4:6 大正文語訳聖書

「あなたが神の子なら下に身を投げよ」 バルバロ訳聖書

「人間の弱さ」

「人間の本性というものは、奇跡を否定するようにはできていないのだ。いわんや、そのような生死に関する恐ろしい瞬間に、――最も恐ろしい、根本的な、苦しい精神的疑問の湧き起こった瞬間に、自由な心の決定にのみ頼っていくようにはできていないのだ」(ドストエフスキー『カラマーゾフの兄弟』)

人間のその弱さは認めよう。しかし、老大審問官は「それ十字架の言は亡ぶる者には愚なれど、救はるる我らには神の能力なり」(Ⅰコリント1:18 大正文語訳聖書)と告白する「愚かな人間」がいることを見落としている。

† 細き聲 説教

「信仰に求めるもの」

「『汝もし神の子ならば己が身を下に投げよ。それは 「なんぢの爲に御使たちに命じ給はん。 彼ら手にて汝を支へ、その足を 石にうち當つること無からしめん」 と録されたるなり』」 マタイ4:6 大正文語訳聖書

「言った。『神の子なら、飛び降りたらどうだ。「神があなたのために天使たちに命じると、/あなたの足が石に打ち当たることのないように、/天使たちは手であなたを支える」/と書いてある。』」 新共同訳聖書

第一の試みに失敗したサタンは、イエスをエルサレム神殿の屋根の先端に立たせ、そこから身を投げたらよいと誘惑する。聖書に神が天使を遣わしてイエスを支え、石に当たることなく地上に置くだろうと書かれているではないかと言う。

サタンの誘惑は二重である。

一つにサタンはイエスに「もし、あなたが神の子メシアであるなら、人間の期待に応えるべきだ」とメシアの在り方に注文をつける。

他方に、それは神のかたちに創られた人間をその堕落した欲望を描くことによって否定しようとする。

第二の誘惑が「エルサレム神殿の屋根の上」でなされたことから、第二の誘惑が「信仰の問題」に関わっていることは明らかである。

サタンは、「もし人間がパンだけで生きるのではなく、神の口から出る一つ一つのことばによって生きるのであれば、よろしい、ではその人間が神に期待するものが何であるかを教えよう。「神の口から出る一つ一つのことばによって生きる」という人間が心から期待するのは「奇跡」にすぎない。そこで、彼らの見ている神殿の屋根から飛び降りるがよい。聖書に神は天使を遣わして、その身体を空中で支え、地の石に傷つかせることもないとあり、それを見れば祭司もパリサイ人もエルサレムの住民もあなたを「真の神の子メシア」と崇めるだろう。あなたはメシアとして信仰の対象になり、エルサレム神殿の真の大祭司になり、人間の解放者として宗教の頂点に立てるだろう」というのである。

神のことばに生かされる人間が信仰に求めるものは何か?

もしそれが、サタンの「奇跡を祈るだけの人間」であるならば、その信仰はサタンの誘惑に屈しているのである。

そして、もし私たちが「奇跡を祈る」ことを全くしないならば、その信仰はイエスに従うものではない。

(皆川誠)

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