† 福音書縦観 「葡萄園の労働者」 マタイ20:1~16
マタイ20:1~16
マタイ20:1~16
Matt.20:14自分の賃銀をもらって行きなさい。わたしは、この最後の者にもあなたと同様に払ってやりたいのだ。口語訳聖書
† 日本語訳聖書 Matt.20:14
【漢訳聖書】
Matt.20:14 屬爾者、取之去、我欲予未後者、如予爾然。
【明治元訳】
Matt.20:14 爾(なんぢ)のものをて往(ゆけ)われ亦(また)この後至者(のちのもの)にも爾(なんぢ)の如(ごと)く予(あた)ふべし
【大正文語訳】
Matt.20:14 己が物を取りて往け、この後の者に汝とひとしく與ふるは、我が意なり。
【ラゲ訳】
Matt.20:14 汝の分を取りて往け。我は此後の者にも、亦汝と齊しく與へんと欲す。
【口語訳】
Matt.20:14 自分の賃銀をもらって行きなさい。わたしは、この最後の者にもあなたと同様に払ってやりたいのだ。
【新改訳改訂3】
Matt.20:14 自分の分を取って帰りなさい。ただ私としては、この最後の人にも、あなたと同じだけ上げたいのです。
【新共同訳】
Matt.20:14 自分の分を受け取って帰りなさい。わたしはこの最後の者にも、あなたと同じように支払ってやりたいのだ。
【バルバロ訳】
Matt.20:14 自分の分け前をもらって行け。私はこの後の人にもそれと同じ賃金を与えようと思っている。
【フランシスコ会訳】
Matt.20:14 あなたの分を取って帰りなさい。わたしはこの最期の人にも、あなたと同じように支払いしたいのだ。
【日本正教会訳】
Matt.20:14 爾の物を取りて往け、我此の後なる者には、爾と等しく與へんと欲す。
【塚本虎二訳】
Matt.20:14 自分の分を取って帰りたまえ。わたしはこの最後の人に、あなたと同じだけやりたいのだ。
【前田護郎訳】
Matt.20:14 あなたの分を取ってお帰り。わたしがしたくてこの最後の人にあなたと同じだけ与えるのだ。
【永井直治訳】
Matt.20:14 汝のものを取りて往け。されど我は此の最終なる者にも、汝に〔與へし〕如く與へんと欲す。
【詳訳聖書】
Matt.20:14 自分の分を受け取って、行きなさい。私はこの最期に雇った人に、あなたに与えるのと同じだけ与えたいと思うのだ。
† 聖書引照 Matt.20:14
Matt.20:14 己が物を取りて往け、この後の者に汝とひとしく與ふるは、我が意なり
[己が物を取りて往け] マタ6:2,6,16; Ⅱ列王10:16,30,31; エゼ29:18-20; ルカ15:31; 16:25; ロマ3:4,19
[この後の者に汝とひとしく與ふるは、我が意なり] ヨハ17:2
† ギリシャ語聖書 Matt.20:14
Stephens 1550 Textus Receptus
αρον το σον και υπαγε θελω δε τουτω τω εσχατω δουναι ως και σοι
Scrivener 1894 Textus Receptus
αρον το σον και υπαγε θελω δε τουτω τω εσχατω δουναι ως και σοι
Byzantine Majority
αρον το σον και υπαγε θελω δε τουτω τω εσχατω δουναι ως και σοι
Alexandrian
αρον το σον και υπαγε θελω δε τουτω τω εσχατω δουναι ως και σοι
Hort and Westcott
αρον το σον και υπαγε θελω δε τουτω τω εσχατω δουναι ως και σοι
† ギリシャ語聖書 品詞色分け
Matt.20:14
ἆρον τὸ σὸν καὶ ὕπαγε· θέλω δὲ τούτῳ τῶ ἐσχάτῳ δοῦναι ὡς καὶ σοί.
† ヘブライ語聖書 Matt.20:14
Matt.20:14
קַח אֶת שֶׁלְּךָ וְלֵךְ, וְאוּלָם רְצוֹנִי לָתֵת לָאַחֲרוֹן הַזֶּה כְּמוֹ לְךָ
† ラテン語聖書 Matt.20:14
Latin Vulgate
Matt.20:14
Tolle quod tuum est, et vade: volo autem et huic novissimo dare sicut et tibi.
Take what is yours and go. But it is my will to give to this last, just as to you.
† 私訳(詳訳)Matt.20:14
【私訳】 「あなたの分を受け取って、帰りなさい。しかし、私はこの最後の者にも、あなたにしたと同じに支払いたいのだ」
† 新約聖書ギリシャ語語句研究
Matt.20:14
ἆρον τὸ σὸν καὶ ὕπαγε· θέλω δὲ τούτῳ τῶ ἐσχάτῳ δοῦναι ὡς καὶ σοί.
【あなたの分を】 σὸν σός ソス sos {sos} (ap-an2s 形容詞・対中2単)
1)あなたの、お前の 2)あなたに
(G4674 σός From 4771 thine: – thine (own), thy (friend). Internet Sacred Text Archive)
【受け取って】 ἆρον αἴρω アイロー airō {ah‘ee-ro} (vmaa–2s 動詞・命・1アオ・能・2単)
1)上へあげる、持ち上げる、引き上げる、拾い上げる 2)抱き上げる、差し上げる 3)取り上げる、下から持ち上げて支える、持ち上げて運ぶ、運ぶ、持って行く、移す、携行する、携える 4)支える、背負う、担ぐ、負う 5)取り除く、除去する、捨て去る、さらっていく、取り上げる
(G142 αἴρω A primary verb; to lift; by implication to take up or away; figuratively to raise (the voice), keep in suspense (the mind); specifically to sail away (that is, weigh anchor); by Hebraism (compare [5375 ) to expiate sin: – away with, bear (up), carry, lift up, loose, make to doubt, put away, remove, take (away, up). Internet Sacred Text Archive)
マタ4:6; 13:12; 14:12; 17:27; 20:14; 21:43; 21:17,18; 25:28,29; マル2:9,11; 4:25; 6:29; 13:15,16; 15:24; etc.
【そして】 καὶ καί カイ kai {kahee} (cc 接続詞・等位)
1)~と、~も、そして 2)~さえ、でさえも 3)しかし 4)しかも、それは 5)それでは、それだのに 6)そうすれば、すなわち 7)のみならず、もまた
(G2532 καί Apparently a primary particle, having a copulative and sometimes also a cumulative force; and, also, even, so, then, too, etc.; often used in connection (or composition) with other particles or small words: – and, also, both, but, even, for, if, indeed, likewise, moreover, or, so, that, then, therefore, when, yea, yet. Internet Sacred Text Archive)
【帰りなさい】 ὕπαγε ὑπάγω フゆパゴー hupagō {hoop-ag‘-o} (vmpa–2s 動詞・命・現・能・2単)
1)引き下がる、下へと導く、去る、退く、退却する、帰る 2)行く、前進する、退かせる 3)逝く、去る 4)告発する、非難する
(G5217 ὑπάγω From 5259 and 71 to lead (oneself) under, that is, withdraw or retire (as if sinking out of sight), literally or figuratively: – depart, get hence, go (a-) way. Internet Sacred Text Archive)
マタ4:10; 5:24,41; 8:4,13,32; 9:6; 13:44; 16:23; 18:15; 19:21; 20:4,7,14; 21:28; 26:18; 27:65; 28:10 etc.
【しかし】 δὲ δέ デ de {deh} (cc 接続詞・等位)
1)ところで、しかし、さて、そして 2)しかも、そしてまた、なお、すると、また 3)次に、さらに 4)否、むしろ
(G1161 δέ A primary particle (adversative or continuative); but, and, etc.: – also, and, but, moreover, now [often unexpressed in English]. Internet Sacred Text Archive)
【この】 τούτῳ οὗτος フートス houtos {hoo‘-tos} (a-ddm-s 形容詞・指示与男単)
1)その、この、これ 2)この者、この男・女 2)そんな、こんな 3)すなわち、だから 4)そこで、それ故
(G3779 οὗτος Or, before a vowel, οὕτως houtōs hoo‘-toce . From 3778 in this way (referring to what precedes or follows): – after that, after (in) this manner, as, even (so), for all that, like (-wise), no more, on this fashion (-wise), so (in like manner), thus, what. Internet Sacred Text Archive)
【最後の者にも】 ἐσχάτῳ ἔσχατος エスかトス eschatos {es‘-khat-os} (ap-dm-s 形容詞・与男単)
1)端の、果ての、末端の、最後の、最終の 2)最も外にある、最も遠隔の、最も奥の 3)終末の 4)最低の、最も悪い 5)極端な
(G2078 ἔσχατος A superlative probably from 2192 (in the sense of contiguity); farthest, final (of place or time): – ends of, last, latter end, lowest, uttermost. Internet Sacred Text Archive)
マタ5:26 マル9:35; 12:22; ルカ8:9; 使徒1:8; 13:47; Ⅰコリ4:9
【あなたに】 σοί σός ソス sos {sos} (npd-2s 代名詞・与2単)
1)あなたの、お前の 2)あなたに
(G4674 σός From 4771 thine: – thine (own), thy (friend). Internet Sacred Text Archive)
【した】 καὶ καί カイ kai {kahee} (ab 副詞)
1)~と、~も、そして 2)~さえ、でさえも 3)しかし 4)しかも、それは 5)それでは、それだのに 6)そうすれば、すなわち 7)のみならず、もまた
(G2532 καί Apparently a primary particle, having a copulative and sometimes also a cumulative force; and, also, even, so, then, too, etc.; often used in connection (or composition) with other particles or small words: – and, also, both, but, even, for, if, indeed, likewise, moreover, or, so, that, then, therefore, when, yea, yet. Internet Sacred Text Archive)
【ように】 ὡς ὡς ホース hōs {hoce} (cs 接続詞・従位)
1)~のように、ちょうど~のように 2)~なので 3)と同じように、~であるかのように 4)おおよそ、ほぼ 5)の時
(G5613 ὡς Probably adverb of compound from 3739 which how, that is, in that manner (very variously used as shown): – about, after (that), (according) as (it had been, it were), as soon (as), even as (like), for, how (greatly), like (as, unto), since, so (that), that, to wit, unto, when ([-soever]), while, X with all speed. Internet Sacred Text Archive)
【支払ってやりたいのだ】 δοῦναι δίδωμι ディドーミ didōmi {did‘-o-mee} (vifa–1s 不定詞・2アオ能)
1)与える、あげる、差し出す、提供する、分け与える、賜う、施す、支払う 2)捧げる、供える、提供する、授ける、賜る 3)ゆだねる、渡す、許す、かなえる、置く
(G1325 δίδωμι A prolonged form of a primary verb (which is used as an alternate in most of the tenses); to give (used in a very wide application, properly or by implication, literally or figuratively; greatly modified by the connection): – adventure, bestow, bring forth, commit, deliver (up), give, grant, hinder, make, minister, number, offer, have power, put, receive, set, shew, smite (+ with the hand), strike (+ with the palm of the hand), suffer, take, utter, yield. Internet Sacred Text Archive)
† 英語訳聖書 Matt.20:14
King James Version
20:14 Take [that] thine [is], and go thy way: I will give unto this last, even as unto thee.
New King James Version
20:14 ‘Take what is yours and go your way. I wish to give to this last man the same as to you.
American Standard Version
20:14 Take up that which is thine, and go thy way; it is my will to give unto this last, even as unto thee.
New International Version
20:14 Take your pay and go. I want to give the man who was hired last the same as I gave you.
Bible in Basic English
20:14 Take what is yours, and go away; it is my pleasure to give to this last, even as to you.
Today’s English Version
20:14 Now take your pay and go home. I want to give this man who was hired last as much as I gave you.
Darby’s English Translation
20:14 Take what is thine and go. But it is my will to give to this last even as to thee:
Douay Rheims
20:14 Take what is thine, and go thy way: I will also give to this last even as to thee.
Noah Webster Bible
20:14 Take that which is thine, and depart: I will give to this last, even as to thee.
Weymouth New Testament
20:14 Take your money and go. I choose to give this last comer just as much as I give you.
World English Bible
Amplified Bible
20:14 Take what belongs to you and go, but I choose to give to this last man [hired] the same as I give to you.
Young’s Literal Translation
20:14 take that which is thine, and go; and I will to give to this, the last, also as to thee;
† 細き聲 聖書研究ノート
<己が物を取りて往け、この後の者に汝とひとしく與ふるは、我が意なり>
ぶどう園の主人は朝一番に雇われた人に、「自分の受け取るべきものを受け取りなさい。後からの人にも同じように与えたいのだ」と言った。
<己が物を取りて往け、この後の者に汝とひとしく與ふるは、我が意なり>
ぶどう園の主人は「一日働いた人」に支払ったと同じものを「最後の一時間働いた人」に与えたいと思う。その逆ではない。
この場合、「喜ぶ人と共に喜び」(ローマ12:15)は、「一日働いて一デナリオンを得た人の喜びと共に「最後の一時間の人も喜べ」である。
したがって、ぶどう園の主人は、「一日働いた人」が自分の報酬に加えて、わずかな時間にもかかわらず自分と同じ報酬を受けた幸運な人への喜びに満たされて「帰るように」と告げたのである。
† 心のデボーション
「己が物を取りて往け、この後の者に汝とひとしく與ふるは、我が意なり」 マタイ20:14 大正文語訳聖書
「自分の分を受け取って帰りなさい。わたしはこの最後の者にも、あなたと同じように支払ってやりたいのだ」 新共同訳聖書
「自分の分を受け取りなさい」
葡萄園の主人は雇い入れた人々を個々に記憶し、それぞれの状況に応じて支払いを命じる。
神はそのようにして私に与えられる。「自分の分を受け取る」は「自分」を受け取ることである。
† 心のデボーション
「己が物を取りて往け、この後の者に汝とひとしく與ふるは、我が意なり」 マタイマタイ20:14 大正文語訳聖書
「自分の分を受け取って帰りなさい。わたしはこの最後の者にも、あなたと同じように支払ってやりたいのだ」 新共同訳聖書
「正しい論理の反対」
曽野綾子さんは次のように解釈する。
「最後の人に1デナリ払う。労働に順当に払うというのも正しい論理なら、一人の人間が妻子を抱えて同じだけ要るから、一日分を払ってやりたいというのも正しい。正しい論理の反対も正しいという見方を聖書は示している。日本では、正しいことの反対は間違いだと決めつける」(曽野綾子『ほどほどの効用』)
(†心のデボーション01183)
† 心のデボーション
「己が物を取りて往け、この後の者に汝とひとしく與ふるは、我が意なり」 マタイ20:14 大正文語訳聖書
「自分の分を受け取って帰りなさい。わたしはこの最後の者にも、あなたと同じように支払ってやりたいのだ」 新共同訳聖書
「蜜の味」
「あな嬉し、隣の蔵が売れていく」と言うし、「他人の不幸は蜜の味」とも言われる。
人の幸運よりも不幸を喜ぶほうが自然かもしれない。しかし、それは自分が不幸な場合で、自分が幸せなら相手の幸運を喜ぶことができるものだ。
† 細き聲 説教
「神の一デナリ」
「己が物を取りて往け、この後の者に汝とひとしく與ふるは、我が意なり」 マタイ20:14 大正文語訳聖書
「自分の分を受け取って帰りなさい。わたしはこの最後の者にも、あなたと同じように支払ってやりたいのだ」 新共同訳聖書
ぶどう園の主人は朝一番に雇われた人に、「自分の受け取るべきものを受け取りなさい。後からの人にも同じように与えたいのだ」と言った。
ぶどう園の主人は「一日働いた人」に支払ったと同じものを「最後の一時間働いた人」に与えたいと思う。
主人は朝一番に雇われ人に、「さあ、あなたの受け取るべきものを受け取りなさい」と言う。
ぶどう園の主人は、朝一番に雇われ人に、「あなたの一デナリと一緒に、他の人の喜びをも受け取りなさい」と言うのである。
神が私に支払われる報酬はまことに大きい。
(皆川誠)
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