† 福音書縦観 「悪霊論争」 マタイ12:22~37
マタイ12:22~37 マルコ3:19~30 ルカ11:14~23
マタイ12:22~37
Matt.12:37あなたは、自分の言葉によって正しいとされ、また自分の言葉によって罪ありとされるからである」。口語訳聖書
† 日本語訳聖書 Matt.12:37
【漢訳聖書】
Matt.12:37 蓋由爾言而稱義、亦由爾言而見擬以罪也。
【明治元訳】
Matt.12:37 それその曰(いふ)ところの言(ことば)に由(より)て義(ぎ)とせられ又(また)其(その)いふ言(ことば)に由(より)て罪(つみ)ありとせらるる也(なり)
【大正文語訳】
Matt.12:37 それは汝の言によりて義とせられ、汝の言によりて罪せらるるなり』
【ラゲ訳】
Matt.12:37 其は汝其言によりて義とされ、又其言によりて罪せらるべければなり、と。
【口語訳】
Matt.12:37 あなたは、自分の言葉によって正しいとされ、また自分の言葉によって罪ありとされるからである」。
【新改訳改訂3】
Matt.12:37 あなたが正しいとされるのは、あなたのことばによるのであり、罪に定められるのも、あなたのことばによるのです。」
【新共同訳】
Matt.12:37 あなたは、自分の言葉によって義とされ、また、自分の言葉によって罪ある者とされる。」
【バルバロ訳】
Matt.12:37 人は自分のことばによって義とされ、また自分のことばによって罪とされる」。
【フランシスコ会訳】
Matt.12:37 あなたはあなたの言葉によって正しい者とされ、また、あなたの言葉によって正しい者とされ、また、あなたの言葉によって罪のある者とされるのである。
【日本正教会訳】
Matt.12:37 蓋爾は己の言に由りて義とせられ、亦己の言に由りて罪に定められん。
【塚本虎二訳】
Matt.12:37 なぜなら、あなたはあなたの言葉で義とされ、あなたの言葉で罪とされるのだから。」
【前田護郎訳】
Matt.12:37 あなたはみずからのことばで義とされ、みずからのことばで罪とされようから」と。
【永井直治訳】
Matt.12:37 そは汝は汝の言にて義とせられ、また汝の言にて罪に定めらるべければなり。
【詳訳聖書】
Matt.12:37 なぜなら、あなたは自分の言葉のゆえに義とされ<無罪とされ>、また自分の言葉のゆえに有罪とされる<有罪の判決を受ける>からである」。
† 聖書引照 Matt.12:37
Matt.12:37 それは汝の言によりて義とせられ、汝の言によりて罪せらるるなり』
[それは汝の言によりて義とせられ] 箴言13:3
[汝の言によりて罪せらるるなり] ヤコ2:21~25
† ギリシャ語聖書 Matt.12:37
Stephens 1550 Textus Receptus
εκ γαρ των λογων σου δικαιωθηση και εκ των λογων σου καταδικασθηση
Scrivener 1894 Textus Receptus
εκ γαρ των λογων σου δικαιωθηση και εκ των λογων σου καταδικασθηση
Byzantine Majority
εκ γαρ των λογων σου δικαιωθηση και εκ των λογων σου καταδικασθηση
Alexandrian
εκ γαρ των λογων σου δικαιωθηση και εκ των λογων σου καταδικασθηση
Hort and Westcott
εκ γαρ των λογων σου δικαιωθηση και εκ των λογων σου καταδικασθηση
† ギリシャ語聖書 品詞色分け
Matt.12:37
ἐκ γὰρ τῶν λόγων σου δικαιωθήσῃ, καὶ ἐκ τῶν λόγων σου καταδικασθήσῃ.
† ヘブライ語聖書 Matt.12:37
Matt.12:37
מִדְּבָרֶיךָ תִּצָּדֵק וּמִדְּבָרֶיךָ תְּחֻיַּב
† ラテン語聖書 Matt.12:37
Latin Vulgate
Matt.12:37
Ex verbis enim tuis iustificaberis, et ex verbis tuis condemnaberis.
For by your words shall you be justified, and by your words shall you be condemned.”
† 私訳(詳訳)Matt.12:37
【私訳】 「というのは、自身のことばによって義<潔白、正当>とされ、そして、自身のことばによって罪と断定される<有罪とされる>のです」
† 新約聖書ギリシャ語語句研究
Matt.12:37
ἐκ γὰρ τῶν λόγων σου δικαιωθήσῃ, καὶ ἐκ τῶν λόγων σου καταδικασθήσῃ.
【というのは】 γὰρ γάρ ガル gar {gar} (cs 接続詞・従位)
1)なぜなら、というのは、その理由は、だから 2)すなわち、では、いったい、結局 4)確かに、もちろん、だって
(G1063 γάρ A primary particle; properly assigning a reason (used in argument, explanation or intensification; often with other particles): – and, as, because (that), but, even, for indeed, no doubt, seeing, then, therefore, verily, what, why, yet. Internet Sacred Text Archive)
【あなたの】 σου σύ スゆ sou {soo} (npg-2s 代名詞・属2単)
1)あなた 2)汝 3)君
(G4771 σύ The personal pronoun of the second person singular; thou: – thou. See also 4571 4671 4675 and for the plur. 5209 5210 5213 5216. Internet Sacred Text Archive)
【言葉に】 λόγων λόγος ろゴス logos {log‘-os} (n-gm-p 名詞・属男複)
1)言葉、語、言語表現 2)言説、言論、物語、会話、談話、話し合い 3)言表、話、対話、弁舌、説明 4)理性、理解力、理由、根拠 5)計算、勘定、会計、決算、会計報告 6)語、文、句、章、巻 7)評価、秤量 8)神のメッセージ、教理、教義
(G3056 λόγος From 3004 something said (including the thought); by implication a topic (subject of discourse), also reasoning (the mental faculty) or motive; by extension a computation; specifically (with the article in John) the Divine Expression (that is, Christ): – account, cause, communication, X concerning, doctrine, fame, X have to do, intent, matter, mouth, preaching, question, reason, + reckon, remove, say (-ing), shew, X speaker, speech, talk, thing, + none of these things move me, tidings, treatise, utterance, word, work. Internet Sacred Text Archive)
【よって】 ἐκ ἐκ エク ek ex {ek, ex} (pg 前置詞・属)
1)から、~の中から 2)~の外に、~から外へ、~から出て 3)によって 4)で (動作の出発点を示す) 5)のために
(G1537 ἐκ A primary preposition denoting origin (the point whence motion or action proceeds), from, out (of place, time or cause; literally or figuratively; direct or remote): – after, among, X are, at betwixt (-yond), by (the means of), exceedingly, (+ abundantly above), for (-th), from (among, forth, up), + grudgingly, + heartily, X heavenly, X hereby, + very highly, in, . . . ly, (because, by reason) of, off (from), on, out among (from, of), over, since, X thenceforth, through, X unto, X vehemently, with (-out). Often used in composition, with the same general import; often of completion. Internet Sacred Text Archive)
【義とされ】 δικαιωθήσῃ δικαιόω ディカイオオー dikaioō {dik-ah-yo‘-o} (vifp–2s 動詞・直・未来・受・2単)
1)義しいと表示する、義しいと宣言する、潔白であると宣言する 2)正しいと証明する 3)正当化する、正当なことだと考える 4)義とみなす 5)懲らす、罰する
(G1344 δικαιόω From 1342 to render (that is, show or regard as) just or innocent: – free, justify (-ier), be righteous. Internet Sacred Text Archive)
マタ11:19; ルカ7:29,35 etc.
【そして】 καὶ καί カイ kai {kahee} (cc 接続詞・等位)
1)~と、~も、そして 2)~さえ、でさえも 3)しかし 4)しかも、それは 5)それでは、それだのに 6)そうすれば、すなわち 7)のみならず、もまた
(G2532 καί Apparently a primary particle, having a copulative and sometimes also a cumulative force; and, also, even, so, then, too, etc.; often used in connection (or composition) with other particles or small words: – and, also, both, but, even, for, if, indeed, likewise, moreover, or, so, that, then, therefore, when, yea, yet. Internet Sacred Text Archive)
【あなたの】 σου σύ スゆ sou {soo} (npg-2s 代名詞・属2単)
1)あなた 2)汝 3)君
(G4771 σύ The personal pronoun of the second person singular; thou: – thou. See also 4571 4671 4675 and for the plur. 5209 5210 5213 5216. Internet Sacred Text Archive)
【言葉に】 λόγων λόγος ろゴス logos {log‘-os} (n-gm-p 名詞・属男複)
1)言葉、語、言語表現 2)言説、言論、物語、会話、談話、話し合い 3)言表、話、対話、弁舌、説明 4)理性、理解力、理由、根拠 5)計算、勘定、会計、決算、会計報告 6)語、文、句、章、巻 7)評価、秤量 8)神のメッセージ、教理、教義
(G3056 λόγος From 3004 something said (including the thought); by implication a topic (subject of discourse), also reasoning (the mental faculty) or motive; by extension a computation; specifically (with the article in John) the Divine Expression (that is, Christ): – account, cause, communication, X concerning, doctrine, fame, X have to do, intent, matter, mouth, preaching, question, reason, + reckon, remove, say (-ing), shew, X speaker, speech, talk, thing, + none of these things move me, tidings, treatise, utterance, word, work. Internet Sacred Text Archive)
【よって】 ἐκ ἐκ エク ek ex {ek, ex} (pg 前置詞・属)
1)から、~の中から 2)~の外に、~から外へ、~から出て 3)によって 4)で (動作の出発点を示す) 5)のために
(G1537 ἐκ A primary preposition denoting origin (the point whence motion or action proceeds), from, out (of place, time or cause; literally or figuratively; direct or remote): – after, among, X are, at betwixt (-yond), by (the means of), exceedingly, (+ abundantly above), for (-th), from (among, forth, up), + grudgingly, + heartily, X heavenly, X hereby, + very highly, in, . . . ly, (because, by reason) of, off (from), on, out among (from, of), over, since, X thenceforth, through, X unto, X vehemently, with (-out). Often used in composition, with the same general import; often of completion. Internet Sacred Text Archive)
【罪ある者とされる】 καταδικασθήσῃ καταδικάζω カタディカゾー katadikazō {kat-ad-ik-ad‘-zo} (vifp–2s 動詞・直・未来・受・2単)
< κατά 反対して + δικάζω 裁判する
1)有罪と宣言する 2)罪に定める、有罪と宣告する 3)罪を申し渡す 4)罪と断定する 5)とがめる 6)判定する
(G2613 καταδικάζω From 2596 and a derivative of 1349 to adjudge against, that is, pronounce guilty: – condemn. Internet Sacred Text Archive)
マタ12:7,37; ルカ5:6
† 英語訳聖書 Matt.12:37
King James Version
12:37 For by thy words thou shalt be justified, and by thy words thou shalt be condemned.
New King James Version
12:37 “For by your words you will be justified, and by your words you will be condemned.”
American Standard Version
12:37 For by thy words thou shalt be justified, and by thy words thou shalt be condemned.
New International Version
12:37 For by your words you will be acquitted, and by your words you will be condemned.”
Bible in Basic English
12:37 For by your words will your righteousness be seen, and by your words you will be judged.
Today’s English Version
12:37 Your words will be used to judge you-to declare you either innocent or guilty.”
Darby’s English Translation
12:37 for by thy words thou shalt be justified, and by thy words thou shalt be condemned.
Douay Rheims
12:37 For by thy words thou shalt be justified, and by thy words thou shalt be condemned.
Noah Webster Bible
12:37 For by thy words thou shalt be justified, and by thy words thou shalt be condemned.
Weymouth New Testament
12:37 For each of you by his words shall be justified, or by his words shall be condemned.’
World English Bible
12:37 For by your words you will be justified, and by your words you will be condemned.’
Young’s Literal Translation
12:37 for from thy words thou shalt be declared righteous, and from thy words thou shalt be declared unrighteous.’
Amplified Bible
12:37 For by your words [reflecting your spiritual condition] you will be justified and acquitted of the guilt of sin; and by your words [rejecting Me] you will be condemned and sentenced.”
† 細き聲 聖書研究ノート
<それは汝の言によりて義とせられ、汝の言によりて罪せらるるなり>
人はその口から出る告白によって義とされ、その告白によって罪とされる。
<それは汝の言によりて義とせられ、汝の言によりて罪せらるるなり>
「イエス言ひ給ふ『なんぢらも今なほ悟りなきか。 凡て口に入るものは腹にゆき、遂に厠に棄てらるる事を悟らぬか。 されど口より出づるものは心より出づ、これ人を汚すものなり。 それ心より惡しき念いづ、すなはち殺人・姦淫・淫行・竊盜・僞證・誹謗、 これらは人を汚すものなり、されど洗はぬ手にて食する事は人を汚さず』」 (マタイ15:16~20)
† 心のデボーション
「それは汝の言によりて義とせられ、汝の言によりて罪せらるるなり』」 マタイ12:37 大正文語訳聖書
「あなたは、自分の言葉によって義とされ、また、自分の言葉によって罪ある者とされる」 新共同訳聖書
「語られる言葉」
語られる「言葉」が、その人の「義」を証明し、また「罪」と断定する。
「わたしたちは皆、度々過ちを犯すからです。言葉で過ちを犯さないなら、それは自分の全身を制御できる完全な人です」ヤコブ3:2
† 心のデボーション
「それは汝の言によりて義とせられ、汝の言によりて罪せらるるなり』」 マタイ12:37 大正文語訳聖書
「あなたは、自分の言葉によって義とされ、また、自分の言葉によって罪ある者とされる」 新共同訳聖書
「言葉の罪人」
人はみな「言葉の罪人」である。自分の語った言葉の刈り取りをする。刈り取った「義」と「罪」では、「罪」の方が量質ともに多い。だが、人は「言葉」を求めて生きるだろう。「罪」を知ることなしに「義」はわからないのだから。
† 心のデボーション
「それは汝の言によりて義とせられ、汝の言によりて罪せらるるなり』」 マタイ12:37 大正文語訳聖書
「あなたは、自分の言葉によって義とされ、また、自分の言葉によって罪ある者とされる」 新共同訳聖書
「負いつづける十字架」
それほど深く考えずに放った一つの言葉が取り消すことのできない罪をおかすことがある。それは「赦されない」というよりも、負いつづけるべき十字架になる。
† 心のデボーション
「それは汝の言によりて義とせられ、汝の言によりて罪せらるるなり』」 マタイ12:37 大正文語訳聖書
「あなたは、自分の言葉によって義とされ、また、自分の言葉によって罪ある者とされる」 新共同訳聖書
「無害な言葉」
人は口から出すあらゆる言葉によってはかられる。
口から出た虚しい言葉は、虚しさを創る。その意味では無害な言葉というものはない。終りの日には虚しい(無駄な、無益な)言葉によって交わされた事柄が問われる。
† 細き聲 説教
「パリサイ人たちのパン種」
「それは汝の言によりて義とせられ、汝の言によりて罪せらるるなり』」 マタイ12:37 大正文語訳聖書
「あなたは、自分の言葉によって義とされ、また、自分の言葉によって罪ある者とされる」 新共同訳聖書
一つの不用意に発した「ことば」が人生を変えることはよくある。
人は自分の言葉にそれだけの影響力はないと思うかもしれない。事実、言葉の上での軽い物言いだったかもしれないが、人の口からでた「ことば」はその人を離れても独り歩きし、仕事を続けるのである。
「私たちはみな、多くの点で失敗をするものです。もし、ことばで失敗をしない人がいたら、その人は、からだ全体もりっぱに制御できる完全な人です」 ヤコブ3:2 新改訳聖書
さらに、人は心に信じたことが口から出て、それによって「義」を行ない、「罪」をまき散らしもすることを知らなければならない。
「イエス言ひ給ふ『なんぢらも今なほ悟りなきか。 凡て口に入るものは腹にゆき、遂に厠に棄てらるる事を悟らぬか。 されど口より出づるものは心より出づ、これ人を汚すものなり。 それ心より惡しき念いづ、すなはち殺人・姦淫・淫行・竊盜・僞證・誹謗、 これらは人を汚すものなり、されど洗はぬ手にて食する事は人を汚さず』」 (マタイ15:16~20 大正文語訳聖書)
パリサイ人たちの無益な教えは彼ら自身を損なうばかりでなく、人々の信仰を誤った神のことばに導き、多くの罪を生み出したのである。
「パリサイ人のパン種とヘロデのパン種とを、よくよく警戒せよ」 マルコ8:15 口語訳聖書
(皆川誠)
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