俳句短歌2026-1〜2026-3

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<2026.2.22>
再会を いきなり告げて 春の息
春がきて シモーヌ・ヴェーユに 遭いに行く
緣石を 机となして 羊皮紙に 刀を當てる 緋の修道士
各各に 聲あるごとく 書架に聞く 交はす言葉の 海の小波

<2026.2.15>
蕪漬けや 仕舞いの菜に いちに枚
残雪や 氷踏みゆく 音の朝
一片の 文したためる 幸ぞ 今生きてあらねば そもなき今を
老いの背を 照らして温し 冷へし身を 包むがごとく 抱くがごとく

<2026.2.8>
何もかも 今は埋めて 雪の下
この下に 道あらざるや 雪積もる
降りこめて 嬉しともなす 初雪の 白きかぶりは 枝にも重し
早朝に 起きるわがため 順番に 着替へを置きて 妻は眠むかも

<2026.2.1>
寒月は 孤高にあらず わが見れば
寒き夜 お茶一杯の 安堵かな
ひと声を 残して去れる 冬鳥の 柿の梢は 跳ねて鋭し
雪原の 風吹く夜に 渇きたる 魂の息吹を もろ手に包む

<2026.1.25>
かくあれと 窓に射しこむ 冬日和
静かさに 白く透けたる 昼の月
老いの身を 影にうつして 月光は われを照らせり われが今をも
一月の 思いを綴る 夢に入る 時の儀式を 終と思はず

<2026.1.18>
寒柝の 打ち損じたる 寒さかな
白鳥の 音なく寄りて 多々良沼
去年の暮 家に届きし シクラメン ややにも高き 棚に置き見つ
冬日射す 窓に身を寄せ 恙なき 日の照らさるる われもありなむ

<2026.1.11>
ぬくもりを こよなく愛し 初雀
弾初や しどろもどろも 新しく
元日に ほがらに笑う 妻ありて 貧にも耐へし 背中の丸みは
夜の明けし 空は見つれど この朝を 限りと見れば 明るきを見つ

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