<2025.10.19>
この色や 膨らむ菊の もう少し
名月を 隠して雲の 薄明かり
ごめんねと 云へば許せる 夫婦なれ 云はねど分かる 夫婦なれこそ
今日の日を 生きながらへし 日となせば 秋の日差しは われにも優し

<2025.10.12>
わが庭に 何用ありて 蜆蝶
昨年よりも 小さき柿や 柿は柿
いつの時 何の仕草か 分からねど 思い出すことありて 母の掌
説教で 地獄の話は しないでと 頼みし人に 哀しみを見つ
<2025.10.5>
竹抜きて あらはる空の 高さかな
ふゐに消え また現れて 秋の蟲
白河を 越へて會津の 街道に 茅葺屋根の 屋並を過ぐる
赤松の 木肌を仰ぐ 枝先に 小鳥の騷ぐ 一群を見つ


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