俳句短歌2024-10〜2024-12

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<2024.11.10>
自然薯や 掘る男らの たわいなき
とる人の なき柿の木の たわわなる
種とりの 種蒔き終へて 夕闇に 月しばらくを 眺めゐし空
利根川の 河原の土手に 手をとりて 空を見たしと 妻は言うかも

<2024.11.3>
今夜にも 日延べの花火 夕月夜
芋蔓の 土に根づくや 秋新芽
秋雨の 音激しきを ひとり聞く 外出先の 妻を思ひつ
古家を ままに住みきて 棲みゆかむ 傷むがままに 生きし身なれば

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Nono Kyoto Shichijo in Kyoto 夜食としていただきました

<2024.10.27>
木守りと いへど残せぬ 熟柿かな
日が落ちて 空の広さや 百舌鳥鳴かず
わけもなく ひたに黙して いたき日に 遠くに子らの 声を拾ひつ
外におきて 淡き光は 満月の 部屋に戻りて 窓に寄り見つ

<2024.10.20>
満月の 原に花させ 枯尾花
陰干しの 菊の枕や 祖母の夢
コロコロの 棒持ち妻は 本を読む われが周囲を めぐりてゆける
身の丈を 見せず隠れし 青虫の キャベツにあけし 大穴や如何

Nono Kyoto Shichijo in Kyoto イタリヤ旅行出発に前泊したときのホテルの”朝食” 不思議なことに一連の旅程で最も上等な食事でした

<2024.10.13>
嬉しさは なんじゃもんじゃの 芋煮かな
鳴砂を ゆるく踏み来し 秋の海
いくらかの 人を運びし 終電の しずかに停まる ホーム停位置
もの安く 売るとふ店に わずかなる 食を選べる 老いし人らも

<2024.10.6>
秋服や しまい忘れし 滲みひとつ
摘まむには 小さき若菜 秋の雨
御言葉を 書き写しゐる 妻の手の 使い古した ちびた鉛筆
秋の雨 音なく降りて 朝明けの 水滴れる菜の 葉の青し

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