研究ノート「アングゅラ 錨」

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ヘブル6:19 

ἣν ὡς ἄγκυραν ἔχομεν τῆς ψυχῆς, ἀσφαλῆ τε καὶ βεβαίαν καὶ εἰσερχομένην εἰς τὸ ἐσώτερον τοῦ καταπετάσματος

口語訳聖書

この望みは、わたしたちにとって、いわば、たましいを安全にし不動にする錨であり、かつ「幕の内」にはいり行かせるものである。

【中心聖句】 ヘブル6:19

【聖書引照】 ヘブル6:19 使徒27:29,30,40  

Ⅰ 用語 ἄγκυρα アングゅラ 錨

ἄγκυρα アングゅラ agkura {ang‘-koo-rah} 

<ἂγκος 湾曲

①錨 ②錠 ③比 支え

[錨]  使徒27: 30,40  
[四つの錨]  使徒27:29
[たましいを安全にし不動にする錨]  ヘブル6:19

(ἄγκυρα 使徒27:29,30,40  ヘブル6:19)

Ⅱ 錨

使徒27:30 

τῶν δὲ ναυτῶν ζητούντων φυγεῖν ἐκ τοῦ πλοίου καὶ χαλασάντων τὴν σκάφην εἰς τὴν θάλασσαν προφάσει ὡς ἐκ πρῴρης ἀγκύρας μελλόντων ἐκτείνειν,

口語訳聖書

その時、水夫らが舟から逃げ出そうと思って、へさきからいかりを投げおろすと見せかけ、小舟を海におろしていたので、

使徒27:40 

καὶ τὰς ἀγκύρας περιελόντες εἴων εἰς τὴν θάλασσαν, ἅμα ἀνέντες τὰς ζευκτηρίας τῶν πηδαλίων, καὶ ἐπάραντες τὸν ἀρτέμωνα τῇ πνεούσῃ κατεῖχον εἰς τὸν αἰγιαλόν.

口語訳聖書

そこで、いかりを切り離して海に捨て、同時にかじの綱をゆるめ、風に前の帆をあげて、砂浜にむかって進んだ。

古来より、停泊する舟が流されないために「錨 ἂγκος」を投げ入れて固定した。積荷を捨てなければならないほどの暴風に座礁の危機に遭遇する中では錨を切り離して海に捨てることもなされた。(使徒27:40)

Ⅲ 四つの錨

使徒27:29 

φοβούμενοί τε μή που κατὰ τραχεῖς τόπους ἐκπέσωμεν, ἐκ πρύμνης ῥίψαντες ἀγκύρας τέσσαρας ηὔχοντο ἡμέραν γενέσθαι.

口語訳聖書

わたしたちが、万一暗礁に乗り上げては大変だと、人々は気づかって、ともから四つのいかりを投げおろし、夜の明けるのを待ちわびていた。

ヘブル6:19 

ἣν ὡς ἄγκυραν ἔχομεν τῆς ψυχῆς, ἀσφαλῆ τε καὶ βεβαίαν καὶ εἰσερχομένην εἰς τὸ ἐσώτερον τοῦ καταπετάσματος

口語訳聖書

この望みは、わたしたちにとって、いわば、たましいを安全にし不動にする錨であり、かつ「幕の内」にはいり行かせるものである。

ギリシャ語には「ἐπὶ δυοῖν ἀγκυραῖν ὁρμεῖν 二つの錨で錠泊する」という表現があり、「しっかりした支え(安心)」の意味に用いられる。使徒27:29には船が暗礁に乗り上げないように、「四つのいかり」を投げおろししたことが記されている。「安心」のために「二つの錨」の倍を投じたのである。「救いの希望」は「たましいを安全にし不動にする「錨 ἄγκυρα」(「しっかりとした支え、二つの錨」)であり、これによって魂は大胆に「至聖所の垂れ幕の内側」に入るのである。(ヘブル6:19 新共同訳聖書)

(聖書研究ノート 00114-58-6-19-1 「アングゅラ 錨」 ヘブル6:19) 

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