聖書研究ノート「神の真実」

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ロマ3:3,4

聖書協会共同訳聖書

それはどういうことか。彼らの中に真実でない者がいたにせよ、その不真実のせいで、神の真実が無にされるとでもいうのですか。

決してそうではない。人はすべて偽り者であるとしても、神は真実な方であるとすべきです。/「あなたは、言葉を述べるとき、正しいとされ/裁きを受けるとき、勝利を得られる」と書いてあるとおりです。

【中心聖句】 ロマ3:3,4

【聖書引照】 

「神の真実」

Ⅰ 問題提起

パウロはロマ3:3で、人間の不信実によって神の真実は無に帰するかという問題提起を行う。

ロマ3:3

聖書協会共同訳聖書

それはどういうことか。彼らの中に真実でない者がいたにせよ、その不真実のせいで、神の真実が無にされるとでもいうのですか。

そこには、人間は「不信実 ἄπιστος 」であるという前提がある。「ἄπιστος 」は「 α + πιστός  忠実な」で「不信実(忠実)な、不信仰な、信じない」を意味し、異教徒は「ἄπιστος 」と呼ばれる(Ⅰコリ6:6)。神の真実は異教徒をはじめ、不信仰な人々の信によって否定されるだろうか?

Ⅱ 絶対にそのようなことはない

パウロは、この設問に対して、「絶対にそのようなことはない μὴ γένοιτο」ときっぱりと否定する。

ロマ3:4

聖書協会共同訳聖書

決してそうではない。人はすべて偽り者であるとしても、神は真実な方であるとすべきです。

たとえ、すべての人が「偽り者 ψεύστης(欺く者)*この語は悪魔にも用いられる(ヨハネ8:44)」であっても、神は真実な方であり、神の真実は失われることはない。

Ⅱテモテ2:13

口語訳聖書

たとい、わたしたちは不真実であっても、彼は常に真実である。彼は自分を偽ることが、できないのである。

たとえ、わたしたちが不信実(不信仰)であっても、神は真実である。それは、神は「ご自分を偽る(否定する)ことをなさらない(できない ἀρνήσασθαι γὰρ ἑαυτὸν οὐ δύναται.)からである。「否定する ἀρνέομαι」は「 拒絶する、~でないと言う」の意味で、神はご自分を「神ではない」と拒絶することは決してない。

Ⅲ 神は不信実から人を守られる

たとい、わたしたちが不信実であっても、神は失われることのない真実によって、不信実な者から信じる者を守ってくださる。

Ⅱテサロニケ3:3

口語訳聖書

しかし、主は真実なかたであるから、あなたがたを強め、悪しき者から守って下さるであろう。

Ⅱテモテ2:13

口語訳聖書

たとい、わたしたちは不真実であっても、彼は常に真実である。彼は自分を偽ることが、できないのである

Ⅳ 信仰の希望

Ⅰテサロニケ5:24

新改訳聖書

あなたがたを召された方は真実ですから、きっとそのことをしてくださいます。

ヘブル10:23

新改訳聖書

約束された方は真実な方ですから、私たちは動揺しないで、しっかりと希望を告白しようではありませんか。

「真実 πιστός  ピストス」は「信用できる、当てになる、確かな」の意味で、約束を果たす確かさを現わすものである。神は真実をもって人を召され、約束を果たされる。このゆえに、私たちは自らの不信実に動揺することなく、信仰の希望をかたく告白するのである。

(聖書研究ノート 00018-45-03-03-1 「神の真実」 ロマ3:3,4)

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