うお ペテロの魚

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魚は聖書の時代から主要な食料とされました。ガリラヤ湖でには40種類もの魚がおり、多くの漁師が人々の食生活を支えたのです。

聖書に出てこない食べられる魚の数も多くあり、聖書の食べ物として魚を分類することは難しいことですので、聖書に登場する、私たちに馴染み深い魚を取り上げてみたいと思います。

その一つは「ペテロの魚」でしょう。

ペテロはガリラヤ湖の漁師でしたが、召されてイエスの弟子になりました。イエスの十字架と復活の後、12使徒の一人としてエルサレムからローマにかけて宣教者として活躍しましたが、ローマ皇帝ネロに捕えられローマで処刑されます。ペテロの墓の上に建てられたのが「サン・ピエトロ大聖堂(サン・ピエトロはイタリア語で聖ペテロの意味)」です。

細き聲ホームページの短歌・俳句にホームページの管理者ひろしさん所有の「ペテロの椅子」の写真があります。それは初代ローマ教皇とされるカソリック教会の「司教座」として1647年から1653年にジャン・ロレンツォ・ベルニーニによって作られ、大聖堂の最奥に設置されている歴代教皇だけが座ることが許される特別な椅子です。

ペテロはエルサレムの神殿におさめる納入金のことで、神の子であるイエスは神殿に税を納める義務はないことを教えられます。しかし、イエスは人々につまずきを与えないようにとペテロにガリラヤ湖に行って釣りをするようにと命じられます。最初に釣り上げた魚の口を開けると銀貨が一枚みつかり、それをイエスとペテロの分として神殿に納めたのです。(マタイ17:24~27) 

そこからガリラヤ湖でとれるこの魚が「ペテロの魚」として、現在も聖地旅行ではレストランの人気メニューの一つになっています。

ペテロの魚

「ペテロの魚」がガリラヤ湖で獲れるどの種類の魚だったのか、いくつかの説はあるものの、実はよくわかっていないのです。

聖地旅行で出される「セントピーターフィッシュ 聖ペテロの魚」はガリラヤ湖で獲れる「黒すすめ鯛」だそうです。現在はあるキブツで養殖もされているそうです。

鯛類の魚に特有の淡白な味で、油で揚げてレモンを絞って食べます。(この魚料理には大抵、魚にポテトフライがついて出てきます。日本ならご飯つきですが…) 現地のツアーガイドの中には醤油を用意して日本人によろこばれる人もいるそうです。日本人は何といっても醤油ですね。でも、ガリラヤ湖の漁師だった魚好きのペテロなら醤油で味わう魚料理を気に入るかもしれません。

「黒すすめ鯛」は、口の中で卵を孵化し、稚魚の世話をするマウスブリーダー(mouth brooder)をする種類があることが知られています。(熱帯魚のシクリットやディスカス、一部のメダカなどによく見られます) 稚魚は母魚の口の周りにいて危険がせますと口のなかに逃げ込んだりします。しかし、ある時期がくると母魚は湖底の小石を口に含んで稚魚が口に入るのを拒むようになります。そうやって稚魚の親離れを促すわけです。「ペテロの魚」は湖底の小石を口に含む魚の習性から小石の代わりに銀貨をくわえたのではないかと考える人もいます。

「ペテロの魚」を特定できない以上、「ペテロの魚」の料理法や味を調べることはできません。せめて、「黒すすめ鯛」とか「マトウダイ」とか「ムシュト(テラピア)」とかの魚料理から「ペテロの魚」をしのぶしかないようです。

聖書の時代のユダヤ人は魚を塩漬けするか、焼いて塩味でたべるのが普通でした。現在ほど魚を美味しく味付けしたり、ましてやお刺身で食べるなど、当時の人々には想像もできないことであるに違いありません。

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