くるみ

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「くるみ」は堅くて、割って中身を取り出すのに一苦労します。

特に子どもの頃に食べた「姫胡桃」は青い実の殻を剥こうとすると黄色の液で汚れて水で洗っても落ちません。そればかりか青い実の殻は無理に剥いても奇麗にはできません。そこで庭に穴を掘って青い実を埋め、一月ほど待って、殻を腐らせてやっとくるみがとれるのです。でも、姫胡桃の殻は堅くて、金槌で割るのですがうっかりすると指を打って痛い思いをしたものです。

そこで各種の「くるみ割り道具」が登場するわけです。金属製の大きなペンチ様のくるみ割り器が一般てきですが、チャイコフスキーの「くるみ割り人形」を思い出す人もおられることでしょう。

「くるみ割り人形」はドイツの伝統的な工芸品で、木製の兵隊人形で、大きくあいた口にくるみをはさみ、背後のレバーを押すと人形の口が堅いくるみを噛み砕く仕組みです。人形には兵隊の他にも王様や憲兵や政治家などいろいろあって楽しいものです。

聖書に登場するくるみ

食べる楽しみにくらべて食べるまでの苦労の多いくるみですが、聖書に登場するくるみはそれほど堅くない種類で、イスラエル人には食べるのにさほどの苦労をしなくてもよい食材でした。

くるみにはいわゆる「鬼胡桃 Juglans mandshurica var.」や「姫胡桃)Juglans mandshurica var.」など殻の堅いものに対して「菓子胡桃 Juglans regia L. var.」と呼ばれるくるみがあって、これは殻がそれほど堅くない種類です。聖書に登場するのはこの「菓子胡桃 Juglans regia L. var.」の変種と思われます。

聖書には、雅歌6:11のただ一ヵ所にだけくるみが登場します。

 「私はくるみの木の庭へ下って行きました。谷の新緑を見るために。ぶどうの木が芽を出したか、ざくろの花が咲いたかを見るために」 雅歌6:11 新改訳聖書

雅歌の「くるみの木の庭へ下って行った」のは高貴な人で、彼はくるみの実ではなく、「くるみの新緑」を見

る為に谷に下っていくのです。それというのも「菓子胡桃 Juglans regia L. var.」は「鬼胡桃 Juglans 

mandshurica var.」や「姫胡桃)Juglans mandshurica var.」にはない、葉に独特な芳香があり、貴人は胡桃の

葉の芳香を楽しもうとくるみの木の下に行ったのです。

聖書に登場するくるみの作り方

聖書の胡桃は収穫したものに水をかけて一種間ほど寝かせれば殻が外れ、それを乾燥させてそのまま食卓にだせば、殻は手で強く押せば簡単に割れ、そのまま食べることができました。

しかし、くるみは貴重なもので「貴人の食卓」に添えられる贅沢なもので、貧しい人々はなかなか手に入らなかったと思われます。

クリスマスツリーのくるみ

くるみにはビタミンEを始め様々なビタミンやミネラルが豊富に含まれていることから、健康食品としてもすぐれた食材として親しまれ、生活に豊かな色どりを添えています。

ドイツではクリスマスツリーに金紙で包んだくるみを下げる習慣があります。クリスマスの日には、家族が暖炉の前に集まって、ツリーから外したくるみをくるみ割り人形で割りながら会話を楽しむのです。

アメリカには結婚式に子宝に恵まれるようにとくるみを撒く習慣もあるそうです。

日本では縄文時代の遺跡からくるみが出土していて、古くから採取されていたことがわかります。栗やドングリと並んで大切な食料だったようです。

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