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日本人は肉といえば「牛肉」で、油ののった高級牛肉はステーキや焼き肉、すき焼きなど、「御馳走」になりますが、「子牛肉」はあまり一般的とは言えません。

「子牛肉」は欧米では昔から高級肉として食されてきたものです。

聖書の中の子牛肉

アブラハムがマムレの樫の木のそばで昼の太陽が照る頃、天幕の入口にすわっていると、砂漠から3人の旅人が現れアブラハムアの前に立ちます。アブラハムは天幕から走り出てひれ伏し、「どうか素通りしないでください」と乞うて、妻サラに急いでパン菓子を焼かせ、自分は牛の中から「柔らかい、こえた子牛」を選び、料理するように僕に渡します。(創世記18:1~8)

サムエルを失ったサウル王が女霊媒師を頼ったとき、サウル王の身分を知った女霊媒師はサウル王に「肥えた子牛」をほふり料理して差し出しています。(Ⅰサムエル28:24)

放蕩息子が家に帰還したとき、父親は失われた子が見つかったと「肥えた子牛」をほふり、家族と共に喜びます。父親が放蕩息子にしたのは「王の食卓」のような饗宴だったのですね。(ルカ15:23)

「子牛肉」はイスラエルの人々には「特別なごちそう」でした。

しかし、「子牛肉」は特別なときに、王や金持ちなど特別な人に出される食材で、普通に食卓にならぶような食材ではなかったようです。

現代の子牛肉

「子牛肉」は柔らかく、牛肉の臭みもなく淡白な味わいで西欧の人々にも愛されてきました。

「子牛肉」は乳牛として役に立たない雄牛の子が充てられます。生後数日から10日程度、母牛の乳で飼養し、体重45 ~70kgになると屠殺されます。

「子牛肉」はやわらないピンク色をしています。肉がピンク色をしているのは筋肉の「鉄分」の含有量に関係があるとして、子牛は鉄分を制限して育てられます。すると、子牛は鉄分を補おうとして柵の鉄や自分の尿を舐めようとします。尿には微量の鉄分が含まれているからです。そこで、子牛が柵の鉄を舐めたり。土を舐めて鉄分を補給したり、自分の尿を舐めないように、自分の尿に首を伸ばさないように狭い一枚の板の上に座った姿勢で固定して、早く太るように配合された飼料を与えて育てたのです。

(あたかも狭いゲージのなかで飼育されるブロイラーのように子牛を育てるのは動物福祉の問題があるとして、EUでは2007年から、「身動きさせない為の囲い(クレート、ストール)」を用いた肥育期間の短縮」手法は禁止された。 さらにフィンランドでは、体重増加を促進するための「鉄分の栄養制限」(貧血を誘発する)も禁止されている。 ウィキペディア(Wikipedia)より )

日本で購入される「子牛肉」はほぼ輸入によると考えられ、「子牛肉」はの飼育上の問題、そして不自然な飼育法によって強いられ発症する子牛の各種の疾患の問題など、多くのことは見ることのできたいところに隠されています。

こうした問題は子牛に限らず、現代の食生活の全般にわたって広がっていることも想像できます。

人間が生きているのは、他のいのちを摂取することによります。

創世記は神は天と地を創造され、海の魚、空の鳥、地をはうすべての生き物を創造され、地のすべての草と木の実を食料とするように命じられます。(創世記1:29~30)

ノアの洪水の後に、神は「空の鳥、海の魚、地の動くすべてのもの」を食物とすることを認められるのです。(創世記9:2) しかし、それは人間の堕落がもたらされた肉食で、肉食はどのようにしえても良いというのではなく、神の創られたいのちへの畏敬をこめた謙虚な姿勢が求められたのです。

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