あざみ

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パレスチナには50属200種もの棘のある植物があり、いたるところに自生しています。聖書に「あざみ」と訳される草にも「いばら、あざみ、いらくさ」等、複数の名前がつけられています。

アダムとエバが罪をおかしたとき、神はアダムに「土地はいばらとあざみを生えさせ、あなたは、野の草を食べなければならない」(創世3:18 新改訳聖書)と言われました。

鋭い棘をもついばらは罪をおかしたことへののろいと刑罰の意味をもつ草になりました。預言者イザヤも廃墟になった神殿や要塞には「いらくさやあざみが生える」(イザヤ34:14)と預言します。

エデンの園を追われたアダムとエバは「いばらとあざみ」の生えるのろわれた土地に生きることになります。そして「野の草」を食べます。「野の草」のなかには「あざみ」も含まれていました。楽園を追われたアダムとエバが荒れた地で最初に口にした食物は「あざみ」だったのかもしれません。

しかし、驚くことに「あざみ」は食してみると実に美味しい草だったのです。その花のつく部分は美味で、現在も多くの人々に愛好されているのです。

マリヤのあざみ

「あざみ」には「マリヤのあざみ」と呼ばれる草があります。「大薊、オオアザミ」のことで、学名Silybum marianum、英名Milk thistleです。原産地は地中海沿岸で、葉に白いまだら模様があり、ミルクがこぼれたように見えることから、ミルクを聖母マリヤに由来するとして「マリアアザミ」の名があります。マリアアザミの種には薬効があり傷ついた肝臓の修復を助けるとされています。

「あざみ」は罪の痛みを現わすとともに、悔い改める人に神の許しと慰めを示す「野の草」なのです。

あざみの食べ方

あざみは摘んだものを水洗いし(葉の棘に注意! でも茹でれば問題はありません)、さっと茹でたものをみじんに切り、フライパンにサラダ油を引いて炒め味付けします。味付けには味噌もよくあいます。

あざみの炒め物は「ストレス過剰」に効果があるそうです。イライラした時にお試しください。

津軽地方ではあざみの新芽を味噌汁の具に好まれるそうです。

ちなみに観光地でよくみかける「山ごぼうの味噌漬け」はほぼ栽培されたモリアザミの根を加工したものです。

楽園を追われたアダムとエバは最初に地に生えた野の草である「あざみ」を食べました。それは犯した罪の記憶を呼び起こす棘のあるある「野の草」でしたが、食してみると驚くほどに美味しかったのです。それを食べたアダムとエバは悔い改める人の罪をゆるし、罪の記憶を恵みに変える神の御心にどれほど慰められたことでしょうか。

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