俳句短歌2022-4〜2022-6

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<2022.7.17>
夏料理 庭の畑から とれにけり
あぢさいや 終はりとともの 年支度
背を丸め 水車押す 夫につき 乾ける畑に 水くれにゆく(道子)
明日の日を 心幼く 語りけむ 妻とわれとの 夏の短夜
ゴミだしの パパの後から 瓶一つ 持ちて従ふ 二歳児の子

<2022.7.10>
炎昼に 濡れ布巻ける 牧師かな
瓜の花 葉に隠れ咲く 日の静か
近くても 会うことまれなる 友に逢い お元気ですかと 薬局の前(道子)
狭庭の おくらの花を 愛でとほる 人ありがたし われも又見つ
滾つ湯を だましだましつ 静かなる 珈琲容れる 酷暑真昼間

<2022.7.3>
引く草を 畑に残し 夏来たる
梅雨寒は どこにゆきしや 猫の顔
時わすれ 何思うなく 草取れば 地現れて 新たなるかな(道子)
六月の 仕舞苺は なめくじと 蟻にと庭に 妻は殘し來
玉葱を 食みてやありし エジプトの ヘブルの詩は 今に新し

<2022.6.26>
人待つや 栴檀青く ちりぼへる
小松菜の 種の袋や 日を添へて
身を賭して 守る暮らしの 理に 劣るわが身と いかで語らむ(道子)
西日入る 小窓を塞ぐ 板探す 小屋の出入りは 久しなるかも
菜の屑は すべて埋めたる 庭に茄子 つくれる妻は 時過たず

<2022.6.19>
焼烏賊に しばし無口の 必死かな
近づくも 近づかざるも 夜の雷
つゆ晴れの 芝生に咲ける ねじり花 ゆれて幼き 心にふれる(道子)
産土の 真白き浜に 捨て貝は 鈍き光を 見せて横たふ
八十に 一つ足らざる この年を わずかばかりも 惜しむわれかも

<2022.6.12>
夏は来ぬ 日に日を過ごし 翁さぶ
茄子の花 ひきこもごもに 咲きにけり
雨のなか 百舌鳥のきに来て せわしなく 飛び立つ空は 梅雨に入るらし(道子)
初なりの 胡瓜を刻む 夕暮れに 来る夏近く 幾年過ぎし
ことごとく 見れば新し この月の 光をあびる 庭の木隠

<2022.6.5>
祈りもて おにぎり喰らふ 清和かな
青時雨 すみやくやうな 用もなし
子ら思う 母の心に 添えぬまま 尊き母は 一人逝きしか(道子)
薔薇園に 歩道を歩む 幼子は 花より愛し 落花を摘まむ
一日に 祈り足らざる ことあらし 床に臥すまま 妻は祈れる

マイソール(インド)にて

<2022.5.29>
とりこめる 妻の手早し 遠雷す
なにげなき 日に先立つや 柿落花
あと十年 やりたいことの あるという 夫に寄り添う われが十年(道子)
花の名を 思ひ出せずに 日が暮れて 遂に妻より 出でりガーベラ
わが文の 判じがたきは われさへも 趣深きものと思はず

<2022.5.22>
異国の 聖書を調む 夏の朝
小松菜の 種の筵や 夏来たる
つゆ空を つきぬくがごと 子らの声 いかな楽しき ことやありなむ(道子)
母の日の カーネーションは 時経しも 母よ母よと 咲き続けをり
梅雨寒に かける布団の ひややかに 身のぬくもりを 伝ふ時の間

<2022.5.15>
老いゆくに 追ひつかぬかな 五月雨
半分は 虫に分かちて いちご摘む
悩みいる 我に声かけ そのままで 良いと気づかう 夫はやさしき(道子)
パラソルを さして歩ける 隣家の子 三歳児には 背丈たらずも
診察を 終へし老女は 窓口に ありがとよとぞ 云ひて帰れる

<2022.5.8>
時折は 挟みて痛し 妻の散髪
初夏や 眼鏡を変へて 聖書読む
母の日の 花あかあかと 母ならぬ 我にもち来し 友は喜寿なり(道子)
いにしへの もののふもあれ 城蹟の 土手の櫻を 運ぶ花風
試みし ことなき味を 旨しやと われに聞きくる 妻がこの頃

<2022.5.1>
つくしから スギナに代はる 空地かな
おとなしく 風よけの中 なすび哉
祭壇に 百寿の君は ほほえみて ついの別れは いとも美し(道子)
これあれば 妻とわれとの 夕餉には 閒に合ふ太さ 葱一本
茄子植へる 場所を圖面に 妻描き われに見せれば 云ふこともなし

<2022.4.24>
注文の 図書届きたり 暮れの春
あたたかや 衣に迷ふ 書斎かな
老う身には 庭の花木も 手にあまり 切りてはすがし 空の広がり(道子)
土掘れば 一羽の鴉 いつのごと さもありぬべく 跳ねて從ふ
われ引けば 妻が運べる 畑中の 春の終はりは せはしかりけり

<2022.4.17>
菜の花が 種まで育つ 畑の端
歯を磨き 口すすぐ音 春日かな
臥せばすぐ 眠りに入りて 一日の あれこれ思う 時の間もなし(道子)
小雀の 跳ね音伝ふ 書の部屋に 聖書をめくる 音のかそけさ
春過ぎて 衣一枚 へらしたる 日に戻りくる 寒の厳しさ

<2022.4.10>
花にすや 芽掻きにするや 靑菜汁
子らのごと 笑ふことあり 衣替へ
菅塩の 桜の下の 写生会 幼にほめられ 吹く風やさし(道子)
里庭に 置けば眩しく 咲く花の 華やかなりき 山を思へば
百年を 筆使ひたき 上質の 白紙の束を 納屋に收める

<2022.4.3>
種浸す 雲の動きの 気忙しき
春の泥 足跡ふたつ 妻とわれ
見るたびに みつばつつじは 下枝より 花ひらきゆき 今さかりなり(道子)
朝靄を 墨絵のごとき 一枚の 絵と見そなはす 甍街並
白杖を つきて行者の 信濃路の 櫻吹雪ける 夜の公園

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