俳句短歌2019-4〜2019-6

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<2019.6.30>
優曇華の 頼りのなさや 草の陰
胡瓜にも 案山子立てたる 昔かな
絵の猫が 椅子に座れる われを見て ニャーと甘える コーヒータイム(道子)
巌あり 押すも動かず 退かず ただそこにあれ 祈りの岩よ
潰し見る 蚊に血はなく 冤罪を 一つつくりて 夏はくるらし

<2019.6.23>
加賀千代 ならずも芝の ねじり花
ずぶ濡れて 妻持ち帰る 茄子三つ
身にそわぬ 衣手にとり 追想に ひたりてのちの 引き出しの奥(道子)
藜伸ぶ 丈にもなれば 刈るものを 時にいたらぬ 草の短さ
わが足を あの方のごと 布をもて 拭ひてくれる 妻の背丸し

<2019.6.16>
色かはり 様かはりして 額紫陽花
箸先に 白子を集む 皿の上
はらからの 影はうすくも なりゆきて 賤の伏屋に 三十年をすぐ(道子)
ねじり花 数へて八つ芝の 中踏まぬやうにと 妻は云ふけど
西洋の 大き蜜柑の 酸甘きを ものもいはずに まるごと喰らふ

<2019.6.9>
初河鹿 話をすべて 攫いたり
生半な ことにもあらず 花一つ
庭先を ツィーとかすめし 夏つばめ 今朝は影なく 梅雨に入るらし(道子)
朝摘みの 苺はすべて 辞書並ぶ 書架の脇にて 立ちたまま食ふ
夕方に 庭に育てし 青韮を 何にせむとや 刈り取る妻は

メタセコイア

<2019.6.2>
つんつんと 茗荷の生へる 日影かな
朝おきて 散るも散らぬも 柿の花
友思う 重き病に 在りしかと 問うもならずに 日暮れなずむ(道子)
汁飲めば われも汁のみ 芋刺せば われも芋喰む 夫婦といふもの
ゆきづまる われをよそ眼に 赤茄子の 野太き幹に 青き実はつく

<2019.5.26>
迷ひなき 鋏の音や 赤目垣
憎むとて 嫌とにあらず 地獄蕎麦
夏きざし さつき若葉は ほつほつと 花おし開き 光を讃う(道子)
窓際の 妻の好みの 木の椅子に しばらく座り 珈琲を飲む
君が地に 咲きてやあれや 雛菊の 今朝に新たに 花咲くを見ゆ

<2019.5.19>
床に寝て 窓に見る 雲動きけり
明日葉の 葉にいきおひの 三年目
待ちかねて 耕すわれの すぐ後を 虫ついばみつ 鳥の従う(道子)
芍薬の 添へ木を立てる 細枝の 花の重みは 支えがたきも
庭の妻 水汲む音の 静かさを 部屋に聞きゐる なにせむもなく

<2019.5.12>
近道を させぬつもりや 芝桜
樽拾い 土手をまわれる 花見かな
餌をまてる 野良猫高き 塀のうえ 面おだやかに 夕陽を浴びる(道子)
蒸しタオル 顔拭くわれを はじめから 上手に拭けと 妻は見ており
なが咲くを 厭うにあらず 馬鈴薯の 蕾を摘める われは人の子

<2019.5.5>
春筍の めぐり合わせや 立ち話
桜貝 砂も集めし 瓶の底
初夏の日に 向き合うごとく 赤々と 大輪かざす しゃくなげの花(道子)
爪を切る 音する夜に たゆらにも 植へたる芋の 一葉を思ふ
氷屋の 小豆の匂ふ 白煙を 春の日射しに 思ふことあり

<2019.4.28>
芍薬の つぼみを数ふ 吾子の指
落椿 隅の暗きを 照らしけり
父母と 兄姉逝きし平成を 形見となして 令和にむかう (道子)
色づける 庭のいちごの 一粒を われにすすめる 妻のてのひら
屋根の鳩 常と異なる鳴き声を 真似て音とる 春の朝かも

<2019.4.21>
聖堂の 炎上跡の 復活祭
胸の火の けぶりのぼるや 山櫻
春の空 風の意のまま たゆたえる 雲のごとくに 我もありたし(道子)
子らの手は 絵つき卵に 色づけり 復活祭の 朝の光よ
忘れじと 机のメモを そのままに 今日も出かける 妻の買ひ物

<2019.4.14>
雀の子 小さく鳴ける 朝ぼらけ
人去りて 花息つくや 游の月
降りつづく 雨雪となり 庭すみの みつばつづじは 色極まれり(道子)
ふざけあふ 上を下への さわぎにも 花あらばこそ てふてふの道
庭に咲く つつじは山を 慕ふとや かく年年に 蕾いや増す

<2019.4.7>
まださかず もう開きたり 辛夷咲く
明日葉や 庭の仲間に 馴染めゐず
昂れる 心しずめん はじめての 歌会おえて 春日影道(道子)
ひと山の 桜を見んと のぼりゆき 湧く水のごと 人は帰りく
歯磨きは もうすんだのと 云ふ妻に ああと応へる 夜のしきたり

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