俳句短歌2022-1〜2022-3

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<2022.3.27>
幾度でも 同じこと云ふ 春霞
菜種梅雨 見れば仕事の 先延ばし
春の雪 庭の青葉を 白くして 外の面の景色 ただ静かなり(道子)
時ならぬ とは云ふものの 雪見るは 幼き頃の われにも通ず
日增しにも 太くなりゆく 白葱の 汁の旨さを 人よ忘るな

<2022.3.20>
貝寄風や 言問い難く 拾ふ浜
青陽の 窓のひかりや 聖書読む
茶をこぼし 恥じらう母を 慕わしと なれそめかたる 父微笑みて(道子)
地は搖れて 妻の手をとる 道端に 鄰家の奧に 人叫ぶを聞く
春雨は 民家の屋根を 濡らしをり 曙草は いまだ開かず

<2022.3.13>
手をあはぜ 祈るこころや 白木蓮
仏の座 どこまで続く 散歩道
積みあげし 堆肥の中より 一匹の 蛙ひょっこり まだ浅き春(道子)
冬の菜は 莖强くなり 春近く 花咲くまでの 新芽をちぎる
馬鈴薯の 種を植へたり 成る頃は いかなる空ぞ ここにひろがる

<2022.3.6>
春めくを 怯へる子らも 北の空
枯れ葱も 引けば根太き 白さ哉
流星を 幼心に 美しと 母と見上げし 空のなつかし(道子)
ストーブの 朝餉の後に 暖とりて 歌詠み交はす 時の通ひ路
きぬた打つ 場所にもよしか 音絶へし 川面に見れば 水鳥の浮く

<2022.2.27>
潰されて 輝くマリヤ 絵踏哉
幼子と ごみ出すパパや 木の芽風
尾をふりて 跳びくる犬に 後ずさる 未だ変わらぬ 幼きしぐさ(道子)
名を知れば 珍し鳥と 思ほゆに 知らぬはままに 聲聞きをれる
昼さ中 西洋菓子の 一皿と 銀のスプーンと 珈琲と妹

<2022.2.20>
牧師とて 見れば嬉しき 蕗の薹
手をあぶる 背中に迫る 餘寒かな
朝もやに 白き太陽 あらわれて 明るむ部屋に うす茶いただく(道子)
わが爲に 祈れる妻の 寄り添へる われも寄り添ふ 如月の月
燒き芋の 車近づき 去りゆける 書齋の奧に われはひとりゐ

<2022.2.13>
仕事待つ 机の筆や 凍返る
ギリシャ語の 辭書引く指に 餘寒なを
うす曇り 心は晴れず こもり居る 世に日だまりの 明日あれかし(道子)
節つけて 歌うがごとき 子の聲の 聞こへる窗は 春を待つらし
一椀の 汁を朝餉に 妻とをる 暖とる朝を 家と云ふかも

<2022.2.06>
木漏れ日を 塵のごとくに 手につまむ
曇天や 降り出す氣配 猫になし
しののめの 窓にきこえる 鳴く鳥の 声すがやかに しばし微睡む(道子)
深深と ひれ伏すやうに 祈りをり 御堂の壁の 十字架の下
久步く 街に見知らぬ 家建ちて 家族のものや 布團陽を浴ぶ

<2022.1.30>
少し前 われでありしも 白き息
あちこちに 句を散らばせり 寒の部屋
ふり返る あまたの出会いに 育まれ 今ある我に そそぐ陽光(道子)
冬最中 おつきりこみの 鐵鍋を 圍める鄕に われは生まれき
上弦の 月わずかにも かすむ見ゆ 畑濟むあと まんが洗ひす

<2022.1.23>
何時までも 終らぬ話 冬の夜
眼鏡增へ 部屋のあちこち 去年今年
実をつけぬ 柿の小枝を切りつめて 芽吹く明日の 空を見上げる(道子)
しまひをくを はりのリンゴの 皮を剥く われ半分と 妻に半分
この年は 見には行けない 蠟梅の 花膨らむを 思ふ枕邊

<2022.1.16>
アバ父の 意味を調べる 話初
掃初や ついでにもの云ふ 妻の聲
雪ぐもの 去りて明ければ 晴天の 凍えるあした 湯をわかしおり(道子)
次見るは 二十年後の 滿月を なれと見たしと 妻は語りぬ
甘菓子で お茶にしませう 午後三時 妻の誘ひに 書架を離れる

<2022.1.9>
初雪を 御堂に向かふ 人の足蹟
あかぎれの ふさがる閒なし 妻の指
はじめての シンボルタワーに 見る夜景 家並みに点る 街の穏しさ(道子)
寢室を 暖めをくが このごろの 妻の務めと なりし冬の日
吹き寄せて 集まる塵の 色どりも 花をぞ見ゆる 冬の枯れ叢

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