Chat017-目的から目的が生まれる

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「目的は目的から生まれる」は、「非目的から目的は生まれるか?」という進化論的思考への疑問に対する答えとして、聖書の教えを述べたものです。

Ⅰ 創造の神

創世記1:1 

בְּרֵאשִׁ֖ית בָּרָ֣א אֱלֹהִ֑ים אֵ֥ת הַשָּׁמַ֖יִם וְאֵ֥ת הָאָֽרֶץ

ἐν ἀρχῇ ἐποίησεν ὁ θεὸς τὸν οὐρανὸν καὶ τὴν γῆν

口語訳聖書

はじめに神は天と地とを創造された。

聖書は冒頭に創世記を置き、神は「天地の造り主(創造の神) לְאֵ֣ל עֶלְיֹ֔ון קֹנֵ֖ה שָׁמַ֥יִם וָאָֽרֶץ」(創世記14:19 新共同訳聖書)です。

「はじめに神は天と地とを創造された」(創世記1:1 口語訳聖書)「はじめに בְּרֵאשִׁ֖ית」は「開始、起源、根源、発端」を意味する。LXX「ἐν ἀρχῇ」は「初め、最初、発端、源、起源、根源、原初、原因、根拠」を意味することばです。

「天と地」は無意味から発生したのではなく、「最初、発端、源、起源、根源、原因、根拠」を有し、「神」をもってすべての事物、事柄は存在するのです。

Ⅱ ロゴス

ヨハネ1:1

ἐν ἀρχῇ ἦν ὁ λόγος, καὶ ὁ λόγος ἦν πρὸς τὸν θεόν, καὶ θεὸς ἦν ὁ λόγος.

口語訳聖書

初めに言があった。言は神と共にあった。言は神であった。

Ⅰコリント14:10

τοσαῦτα εἰ τύχοι γένη φωνῶν εἰσιν ἐν κόσμῳ, καὶ οὐδὲν ἄφωνον·

口語訳聖書

世には多種多様の言葉があるだろうが、意味のないものは一つもない。 

はじめに ἐν ἀρχῇ 天と地を創造された神のロゴス ὁ λόγοςは、人間の救いの「はじめ ἐν ἀρχῇ」として、新しいいのちの創造の「最初、発端、源、起源、根源、原因、根拠」となられます。

人間の語ることば(言語)に「意味のないことば」は一つもありません。(Ⅰコリント14:10)人間のことば(言語)には、意味を成らせる力はありません。しかし、創造に先立って神の口からでたことば ὁ λόγοςは、意味をもたらし、意味を成らせる(存在にいたらせる)力です。ここに人間が神の御言葉 ὁ λόγοςによって意味に至る根源があります。

Ⅲ 万物の存在の目的であり、また原因でもある方〔神〕

創世記2:7 

וַיִּיצֶר֩ יְהוָ֨ה אֱלֹהִ֜ים אֶת־הָֽאָדָ֗ם עָפָר֙ מִן־הָ֣אֲדָמָ֔ה וַיִּפַּ֥ח בְּאַפָּ֖יו נִשְׁמַ֣ת חַיִּ֑ים וַֽיְהִ֥י הָֽאָדָ֖ם לְנֶ֥פֶשׁ חַיָּֽה

καὶ ἔπλασεν ὁ θεὸς τὸν ἄνθρωπον χοῦν ἀπὸ τῆς γῆς καὶ ἐνεφύσησεν εἰς τὸ πρόσωπον αὐτοῦ πνοὴν ζωῆς καὶ ἐγένετο ὁ ἄνθρωπος εἰς ψυχὴν ζῶσαν

口語訳聖書

主なる神は土のちりで人を造り、命の息をその鼻に吹きいれられた。そこで人は生きた者となった。

ヘブル2:10

ἔπρεπεν γὰρ αὐτῶ, δι᾽ ὃν τὰ πάντα καὶ δι᾽ οὖ τὰ πάντα, πολλοὺς υἱοὺς εἰς δόξαν ἀγαγόντα τὸν ἀρχηγὸν τῆς σωτηρίας αὐτῶν διὰ παθημάτων τελειῶσαι.

新改訳聖書

神が多くの子たちを栄光に導くのに、彼らの救いの創始者を、多くの苦しみを通して全うされたということは、万物の存在の目的であり、また原因でもある方として、ふさわしいことであったのです。

ロマ11:36

ὅτι ἐξ αὐτοῦ καὶ δι᾽ αὐτοῦ καὶ εἰς αὐτὸν τὰ πάντα· αὐτῶ ἡ δόξα εἰς τοὺς αἰῶνας· ἀμήν.

口語訳聖書

万物は、神からいで、神によって成り、神に帰するのである。栄光がとこしえに神にあるように、アァメン。

神は「土のちりで人を造り、命の息をその鼻に吹きいれられ」、それによって「人は生きた者となった」(創世記2:7 口語訳聖書) 神は「万物の存在の目的であり、また原因で δι᾽ ὃν τὰ πάντα καὶ δι᾽ οὖ τὰ πάντα」あるのです。(ヘブル2:10 口語訳聖書) 人間は非目的から生まれてはいません。「目的と原因」をもって生まれ、存在するのです。人間を創造された神は、「救いの創始者 τὸν ἀρχηγὸν τῆς σωτηρίας」となられます。神は人間を「栄光に導く」ために、「多くの苦しみ(主イエス・キリストの十字架と復活)を通して、救い、すなわち創造された人間の存在の目的と意味を全うされるのです。

万物の存在の目的であり、また原因でもある神は、人間の存在の目的であり、また原因です。「万物は、神からいで、神によって成り、神に帰するのである。栄光がとこしえに神にあるように、アァメン。」(ロマ11:36  口語訳聖書)

皆川誠

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