聖書研究ノート「バプテスマのヨハネ」

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ヨハネ1:6

ἐγένετο ἄνθρωπος ἀπεσταλμένος παρὰ θεοῦ, ὄνομα αὐτῶ ἰωάννης·

聖書協会共同訳聖書

一人の人が現れた。神から遣わされた者で、名をヨハネと言った。

【中心聖句】 ヨハネ1:6

【聖書引照】 ルカ1:17 ヨハネ1: 15

「バプテスマのヨハネ」

バプテスマのヨハネ ᾽Ιωάννης ὁ βαπτιστὴς John the Baptist  ヘブライ語 ヨハナン 「ヤハウエは恵み深い」の意味。

Ⅰ 出生と育ち ルカ福音書1~2章

バプテスマのヨハネはヘロデ大王の時代に、祭司ザカリヤ ζαχαρίας と妻エリサベツ(アロンの子孫)ἐλισάβετ  の間に生まれた。エリサベツは「不妊の女」であったが老年の子としてヨハネを身籠った。ヨハネ「ヤハウエは恵み深い」の名前は主の使いの御告げによった。(ルカ1:5~14)

ヨハネはメシアに先立ちとして、「逆らう者に正しい人の思いを抱かせ、整えられた民を主のために備える」ルカ1:17(聖書協会共同訳聖書)ために、神から遣わされた預言者であった。

エリサベツはイエスの母マリヤの「親類」であった。(ルカ1:36)しかし、エリサベツがマリヤとどのような親戚関係にあったのかは不明である。

ルカ1:17

καὶ αὐτὸς προελεύσεται ἐνώπιον αὐτοῦ ἐν πνεύματι καὶ δυνάμει ἠλίου, ἐπιστρέψαι καρδίας πατέρων ἐπὶ τέκνα καὶ ἀπειθεῖς ἐν φρονήσει δικαίων, ἑτοιμάσαι κυρίῳ λαὸν κατεσκευασμένον.

聖書協会共同訳聖書

彼は、エリヤの霊と力で主に先立って行き、父の心を子に向けさせ、逆らう者に正しい人の思いを抱かせ、整えられた民を主のために備える。

バプテスマのヨハネは、その使命のために、生まれながらのナジル人として成長した。(ルカ1:15,16) ナジル人は「分離された者」の意味で、特別な使命の為に、誓約によってその身を神に聖別した。ナジル人は葡萄酒や濃い酒を飲むこと、髪の毛を切ること、死体に触れることが厳しく禁じられた。(民数6:1~21)サムエル、サムソンはナジル人であった。

Ⅱ 荒野に呼ばわる者の声

イエスが宣教を開始される頃、バプテスマのヨハネは、死海に近いユダの荒野に現れ、イスラエルの民に罪の悔い改めを迫り、ヨルダン川で人々にバプテスマを施し、神から遣わされるメシアの出現を預言した。ことの時、バプテスマのヨハネは駱駝の毛の衣をまとい、腰に皮の帯を締め、イナゴと野蜜を食した。それは預言者エリヤの装束だったので、人々はヨハネの姿に預言者エリヤを重ねることができたのである。

イエスはヨルダン川に着かれ、バプテスマのヨハネからバプテスマを受けた。(マタイ3:13~17) バプテスマのヨハネの使命はメシアとして来られたイエスを証しすることであった。

ヨハネ1: 15

ἔσται γὰρ μέγας ἐνώπιον [τοῦ] κυρίου, καὶ οἶνον καὶ σίκερα οὐ μὴ πίῃ, καὶ πνεύματος ἁγίου πλησθήσεται ἔτι ἐκ κοιλίας μητρὸς αὐτοῦ,

聖書協会共同訳聖書

ヨハネは、この方について証しをし、大声で言った。「『私の後から来られる方は、私にまさっている。私よりも先におられたからである』と私が言ったのは、この方のことである。」

Ⅲ バプテスマのヨハネの死

バプテスマのヨハネは国主ヘロデが妻を離縁し、その兄弟ピリポの妻ヘロデヤを娶った罪を糾弾して、国主ヘロデに捕らわれ、投獄された。(ルカ3:1920) ヘロデヤはバプテスマのヨハネを恨み、ヘロデの誕生日に娘サロメに踊りを踊らせ、その褒美にバプテスマのヨハネの首を求めた。国主ヘロデは人々の手前、申し出を退けることができず、護衛兵に命じて、バプテスマのヨハネの首をはね、盆にのせてサロメに与えたのである。(マルコ5:19~28)

(聖書研究ノート 00038-43-01-06-1 「バプテスマのヨハネ」 ヨハネ1:6)

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