ヨハネによる福音書1章2節

ヨハネによる福音書
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Ⅰ 日本語訳聖書 Jn.1:2

【明治元訳】
Jn.1:2 この道(ことば)は太初(はじめ)に神と偕に在き

【大正文語訳】
Jn.1:2 この言は太初に神とともに在り、

【ラゲ訳】
Jn.1:2 是元始に神の御許に在たるものにして、

【口語訳】
Jn.1:2 この言は初めに神と共にあった。

Ⅱ 英語訳聖書 Jn.1:2

King James Version
1:2 The same was in the beginning with God.

New King James Version
1:2 He was in the beginning with God.

American Standard Version
1:2 The same was in the beginning with God.

Bible in Basic English
1:2 This Word was from the first in relation with God.

Today’s English Version
1:2 From the very beginning the Word was with God.

Darby’s English Translation
1:2 He was in the beginning with God.

Douay Rheims
1:2 The same was in the beginning with God.

Noah Webster Bible
1:2 The same was in the beginning with God.

Weymouth New Testament
1:2 He was in the beginning with God.

World English Bible
1:2 The same was in the beginning with God.

Young’s Literal Translation
1:2 this one was in the beginning with God;

Ⅲ ギリシャ語聖書 Jn.1:2

Stephens 1550 Textus Receptus
ουτος ην εν αρχη προς τον θεον

Scrivener 1894 Textus Receptus
ουτος ην εν αρχη προς τον θεον

Byzantine Majority
ουτος ην εν αρχη προς τον θεον

Alexandrian
ουτος ην εν αρχη προς τον θεον

Hort and Westcott
ουτος ην εν αρχη προς τον θεον

Ⅳ ギリシャ語聖書 Interlinear

ヨハネ1:2

οὖτος ἦν ἐν ἀρχῇ πρὸς τὸν θεόν.

口語訳聖書

この言は初めに神と共にあった

οὖτος   ἦν ἐν ἀρχῇ   πρὸς  τὸν θεόν.
This one was in[the] beginning with   God.

Ⅴ ギリシャ語聖書 品詞色分け

ヨハネ1:2

οὖτος ἦν ἐν ἀρχῇ πρὸς τὸν θεόν.

口語訳聖書

この言は初めに神と共にあった

Ⅵ ラテン語聖書 Jn.1:2

Latin Vulgate

Jn.1:2

Hoc erat in principio apud Deum.
He was with God in the beginning.

Ⅶ 私訳(詳訳)Jn.1:2

【私訳】 「この言<対話、理由、ことば>は、初めに<天と地の初めの起源、根源として>神と共に<神に向かって、面前に>あった。

Ⅷ 聖書引照 Jn.1:2

ヨハネ1:2

οὖτος ἦν ἐν ἀρχῇ πρὸς τὸν θεόν.

口語訳聖書

この言は初めに神と共にあった

[この言は、初めに神と共にあった]  箴言8:22 詩篇90:2 箴言3:19 詩篇104:24 ヨハネ10: 30

Ⅸ 新約聖書ギリシャ語語句研究

ヨハネ1:2

οὖτος ἦν ἐν ἀρχῇ πρὸς τὸν θεόν.

口語訳聖書

この言は初めに神と共にあった

【この言は】 οὖτος  οὗτος フートス houtos {hoo‘-tos}  G3779(apdnm-s 指示代名詞・主男単)

1)その、この、これ 2)この者、この男・女 2)そんな、こんな 3)すなわち、だから 4)そこで、それ故

【初めに】ἐν ἀρχῇἐν  ἐν エン en {en}   G1722 (pd 前置詞・与)

1)~の中に、~の間に 2)~の上に 3)ところに、のそばに 4)で 3)よって 5)に

ἀρχῇ  ἀρχή アルケー archē {ar-khay’}   G746 (n-df-s 名詞・与女単)

1)初め、最初、発端、源、起源、根源、原初 2)原因、根拠 3)権威、王権、支配、統治 4)初めの者、先導者、支配者 5)(物の)末端、角

マタ19:4,8; 24:8,21, マル1:1; 10:6; 13:8; 15:27; ルカ1:1,2; 6:64; 8:44; 15:27; 16:4; 使徒11:15; 26:4; コロ1:18; 2:13; ヘブ1:10; Ⅰヨハ1:1; 2:7,14; 黙示21:6; 22:13; etc.

【神】θεόν θεός てオス theos {theh‘-os}  G2316 (n-am-s 名詞・対男単)

1)神 2)神性 3)唯一の神

θεός の語源は次の二語に求められる
1 τεθειχέναι 万物を自らの基の上に置く
2  θέειν 駆ける

【と共に】πρὸς  πρός プロス pros {pros} G4314 (pa 前置詞・対)

1)~のところへ、~の方へ、~に向かって 2)~の近くに、~の側に、~に接して 3)~のために 4)~に対して 5)~について 6)~の面前で

【あった】ἦν εἰμί エイミ eimi {i-mee‘}  G1510 (viia–3s 動詞・直未完能3単)

1)ある、いる、~である、~です、~だ 2)行われる、おこる、生ずる、現れる、来る 3)いる、滞在する、とどまる 4)存在する 5)生きている

Ⅺ 心のデボーション

「この言は太初に神とともに在り」 ヨハネ1:2 大正文語訳聖書

「この言は初めに神と共にあった」 口語訳聖書

οὖτος ἦν ἐν ἀρχῇ πρὸς τὸν θεόν.

 「永遠から永遠にわたって」

「凡ての智慧は主より來り、永遠(とこしへ)に主と偕(とも)に在り」 πᾶσα σοφία παρὰ κυρίου καὶ μετ᾽ αὐτοῦ ἐστιν εἰς τὸν αἰῶνα ベン=シラの知恵1:1 聖書協会共同訳聖書

ベン=シラの知恵は「すべての知恵」は「παρὰ κυρίου 主から来て」、「εἰς τὸν αἰῶνα 永遠に(わたって) μετ᾽ αὐτοῦ 主と共に、在る。」と記す。「ことば ロゴス」は、永遠(とこしへ)から永遠(とこしへ)にわたって、神と共にあり、神と共に働く、神の知恵である。

(心のデボーション2015)

心のデボーション

「この言は太初に神とともに在り」 ヨハネ1:2 大正文語訳聖書

「この言は初めに神と共にあった」 口語訳聖書

οὖτος ἦν ἐν ἀρχῇ πρὸς τὸν θεόν.

 「創造的業」

すべての創造的業は「神と共にある」ことかすべてである。

「私の家は神と共にある。/神は永遠の契約を私に賜り/すべてを整え、すべてを守られる。/私の救い、私喜びを/すべて神はかなえさせてくださる。」 Ⅱサムエル23:5 聖書協会共同訳聖書

(心のデボーション2017)

Ⅻ 聖書ノート その1

 「働きの初穂」

「この言は初めに神と共にあった。」 ヨハネ1:2 口語訳聖書

関連聖書 箴言8:22

Ⅰ ヨハネ1:1,2について

ヨハネ1:2「 この言は、初めに神と共にあったοὖτος ἦν ἐν ἀρχῇ πρὸς τὸν θεόν」は、ヨハネ1:1「言は神と共にあったὁ λόγος ἦν πρὸς τὸν θεόν,」と同文であるが、同じフレーズの繰り返しではない。ヨハネ1:1は、ヨハネ1:1-18の序としてヨハネ1:2以下を要約し、ヨハネ1:2はヨハネ1:2~18の序としてヨハネ1:3以下を要約する。ヨハ1:1-18はヨハネ全体の序となっている。

Ⅱ その道の初め

ヨハネ1:2の「初めἐν ἀρχῇ」は、天地創造の前を暗示する。そのことは、ヨハネの福音書が、福音の「初め」を天地創造がなされる前から説きおこすことを示すものである。箴言8:22-31は、ヨハネ1:1「ことばὁ λόγος」が神に源を発することを記す。神は「その道の初め(その働きの初穂)」(箴言2:22 フランシスコ会訳聖書)として、「ことばὁ λόγος」を得られた。

Ⅲ 働きの初穂

箴言8:22の「その業の初めに、わたしを造られた。」(箴言2:22フランシスコ会訳聖書)の「造る קנה」は「得る」の意味を持ち、「造る」「創造する」の意である。

「主はその道の初めに私を造った/いにしえの御業の始まりとして。」 箴言8:22 聖書協会共同訳聖書

「主は、その働きの初穂として、その業の初めに、わたしを造られた。」 フランシスコ会訳聖書

神は創造の働きの初穂として、「ことば ロゴス」を造られた。そして、神はものごとの初めに、「ことば ロゴス」によって「私」を造られ、「私」を遣わされる。「私」とは神がその御業の初めとして、「在れ」と言われて存在に至った「私」である。

聖書ノート その2

 「この言は、初めに神と共にあった」

「この言は、初めに神と共にあった。」 ヨハネ1:2 口語訳聖書

関連聖書 詩篇90:2 箴言3:19 詩篇104:24 ヨハネ10: 30

聖書は天地創造前の神について多くを語っていない。しかし、創造前の神を知ることは人間の根源を知るうえで重要な意味を持つ。

Ⅰ 天地創造の前

「山がまだ生れず、あなたがまだ地と世界とを造られなかったとき、とこしえからとこしえまで、あなたは神でいらせられる。」詩篇90:2 口語訳聖書(「とこしえからとこしえまで」は「永遠から永遠に」(フランシスコ会訳聖書)。人間はまだ創造されておらず、天と地も未生の次元に、神は存在された。時と空間の次元を超えて神はおられ、「ことばλόγος」は神と共にあった。

「私の魂よ、主をたたえよ。/わが神、主よ、あなたは大いなる方。/威厳と輝きで身を包む。(104:1)光を衣のようにまとい/幕のように天を張る。(104:2)水の中に自らの高殿を建て/雲を乗り物とし/風の翼で行き巡る。(104:3)風を使いとし/燃える火を従者とする。」(104:4) 詩篇104:1~4 聖書協会共同訳聖書

神は「威厳と輝き」で身を包み、「光」を衣のようにまとい、「幕」のように天を張り、「天の水の中」に高殿を建て、「雲」を乗り物とし、「風」を使いとし。「燃える火」を従者とされていた。「神」と「ことば λόγος」は、時と空間を超えた次元に存在し、「神」は「ことばλόγος」であり、「ことば λόγος」は「神」であった。「神」と「ことば λόγος」は共にあり、会話を交わし、完全な一致があった。

「わたしと父とは一つである」 ヨハネ10: 30 口語訳聖書

Ⅱ 人間の創造

「神」は時と空間を超えた次元で、すでに「ことばλόγος」として活動され、それは即、創造の御業であった。天と地が創造される以前に、人間のイメージは神の内にあり、創造の時を待っていた。

「主は知恵をもって地の基をすえ、悟りをもって天を定められた。」 箴言3:19 口語訳聖書

「主よ、あなたのみわざはいかに多いことであろう。あなたはこれらをみな知恵をもって造られた。地はあなたの造られたもので満ちている。」 詩篇104:24 口語訳聖書

天地創造の前に、「ことばλόγος」は「この言は初めに神と共にあった。」(ヨハネ1:2 口語訳聖書)。「言λόγος」は「神」と共にあり、「ことばλόγος」は「神」であり、「神」は「ことばλόγος」でった。「神とことば(ロゴス)」は完全に一致していた。この「一致」から天と地が創造された。「共にある」は、神の本質としてあり、神の本質から人間は創造された。人間は神と共に、神の創られた天と地と共に、そして、天と地のいのちと共に、天と地に生きるすべての他者と共に、そして、神の創られた自己と共に生きる力を、「存在の初め」におられた神の本質から受けるのである。人間は孤立して存在しない。あらゆる事象、存在の中に生き、自己との一致に調和し、神と共にある自己を見出す。

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