G575 ἀπό アポ apo {apo‘} ~から
〔品詞〕前置詞
〔語源〕
〔意味〕分離、起源
〔使用頻度〕646回
Ⅰ 分離
①局所的分離 場所からの動きを表す動詞の後に、ある場所から出発、逃げる、取り除く、追い出す、投げるなどの意。
マタイ5:29 βάλε ἀπὸ σοῦ συμφέρε「それを抜き出して捨てなさい」
マタイ7:4 Αφες ἐκβάλω τὸ κάρφος ἐκ τοῦ ὀφθαλμοῦ σου,「あなたの目からちりを取らせてください」
ルカ1:52 καθεῖλεν δυνάστας ἀπὸ θρόνων, 「権力ある者を王座から引きおろし」
ルカ22:41 καὶ αὐτὸς ἀπεσπάσθη ἀπ᾽ αὐτῶν ὡσεὶ λίθου βολήν,「そしてご自分は、石を投げてとどくほど離れたところへ退き」
②全体の一部
マタイ27:21 τίνα θέλετε ἀπὸ τῶν δύο ἀπολύσω ὑμῖν; 「ふたりのうち、どちらをゆるしてほしいのか」
マルコ5:35 ἔρχονται ἀπὸ τοῦ ἀρχισυναγώγου 「会堂司の家から人々がきて」
(マタイ 9:16、ルカ 24:42、ヨハネ 21:10、27:44、使徒 5:2、使徒 2:17、etc.参照)
③隠蔽と妨害、秘密、警戒等の動詞の後に
ルカ12:1 προσέχετε ἑαυτοῖς ἀπὸ τῆς ζύμης, ἥτις ἐστὶν ὑπόκρισις, τῶν φαρισαίων.「パリサイ人のパン種、すなわち彼らの偽善に気をつけなさい」
ルカ18:34 καὶ ἦν τὸ ῥῆμα τοῦτο κεκρυμμένον ἀπ᾽ αὐτῶν「この言葉が彼らに隠されていたので」
Ⅱ 出発点、起点 ~から
①空間、物、場所からの分離
マルコ13:27 ἀπ᾽ ἄκρου γῆς ἕως ἄκρου οὐρανοῦ.「地のはてから天のはてまで」
マルコ15:38 καὶ τὸ καταπέτασμα τοῦ ναοῦ ἐσχίσθη εἰς δύο ἀπ᾽ ἄνωθεν ἕως κάτω.「そのとき、神殿の幕が上から下まで真二つに裂けた。」
ルカ1:38 ἀπῆλθεν ἀπ᾽ αὐτῆς ὁ ἄγγελος「御使は彼女から離れて行った」
(マタイ7:4,23,55; 23:34; 8:30 マルコ12:34; 15:38; 16:8,9; ヨハネ21:8etc.参照)
②時間
マタイ9:22 ἡ γυνὴ ἀπὸ τῆς ὥρας ἐκείνης.「この女はその時に、いやされた」
ルカ7:45 αὕτη δὲ ἀφ᾽ ἧς εἰσῆλθον οὐ διέλιπεν καταφιλοῦσά μου τοὺς πόδας.「彼女はわたしが家にはいった時から、わたしの足に接吻をしてやまなかった」
Ⅱペテロ3:4 πάντα οὕτως διαμένει ἀπ᾽ ἀρχῆς κτίσεως.「すべてのものは天地創造の初めからそのままであって」
(「その時から」マタイ 9:22; 17:18 ヨハネ 19:27 「その日から」マタイ 22:46 ヨハネ 11:53 「最初の日から」使徒 20:18; ピリピ 1:5 「初めのころ」使徒 15:7 「今」ルカ 8:43 ロマ15:23 「古くから」ルカ 1:70 「最初から」マタイ 19:4,8,etc. 「世の初めから」マタイ 13:35,etc.。「天地創造から」ロマ1:20 「子供の頃から」Ⅱテモテ3:15。 「処女から」ルカ 2:36 ἀφ’ ἧς (ἡμερας) 「以来」ルカ 7:45 使徒 24:11 Ⅱペテロ3:4 ἀφ’ ἧς ἡμερας、コロサイ 1:6,9。 ἀφ’ οὗ は ἀπο τουτο ότε に相当する。ルカ 13:25。 ルカ 24:21。 黙示16:18。 τρία ἔτη 「の後の」 ἀφ’ οὗ、ルカ 13:7「以下」ルカ 1:48 ルカ 5:10; 12:52; 22:69 使徒 18:6 Ⅱコリント5:16 「それ以来」、マタイ 4:17; 16:21; 26:16 ルカ 16:16 「昨年、一年前」Ⅱコリント8:10; 9:2 「朝から」使徒28:23)
③順序、地位、階級
ルカ24:27 ἀπὸ μωϊσέως καὶ ἀπὸ πάντων τῶν προφητῶν「モーセやすべての預言者からはじめて」
使徒8:10 πάντες ἀπὸ μικροῦ ἕως μεγάλου「小さい者から大きい者にいたるまで皆」
(「2 歳以下」マタイ 2:16 「アブラハムからダビデまで」 マタイ 1:17 「アダムから7代目」ユダ1:14 「最も小さいものから最も大きいものまで」使徒 8:10 へブル 8:11 「最後に来た者から」マタイ 20:8 ルカ 23:5ヨハネ 8:9 「この聖句から始めて」使徒 8:35,37)
Ⅲ 出所、起源 ~からの
①移動
マタイ15:27 καὶ γὰρ τὰ κυνάρια ἐσθίει ἀπὸ τῶν ψιχίων τῶν πιπτόντων ἀπὸ τῆς τραπέζης τῶν κυρίων αὐτῶν.「小犬もその主人の食卓から落ちるパンくずは、いただきます」
ヨハネ3:2 οἴδαμεν ὅτι ἀπὸ θεοῦ ἐλήλυθας διδάσκαλος「わたしたちはあなたが神からこられた教師であることを知っています」
使徒15:38 παῦλος δὲ ἠξίου τὸν ἀποστάντα ἀπ᾽ αὐτῶν ἀπὸ παμφυλίας καὶ μὴ συνελθόντα αὐτοῖς εἰς τὸ ἔργον μὴ συμπαραλαμβάνειν τοῦτον.「しかし、パウロは、前にパンフリヤで一行から離れて、働きを共にしなかったような者は、連れて行かないがよいと考えた」
②生まれ、出所
ヨハネ1:44 ἦν δὲ ὁ φίλιππος ἀπὸ βηθσαϊδά, ἐκ τῆς πόλεως ἀνδρέου καὶ πέτρου.「ピリポは、アンデレとペテロとの町ベツサイダの人であった」
使徒6:9 τῶν ἀπὸ κιλικίας「キリキヤからきた人々」
使徒12:1 τῶν ἀπὸ τῆς ἐκκλησίας「教会のある者たちに」
(「天からの天使」ルカ 22:43 「天から語る」へブル12:25 「出身地、国、州、町、村の名前」マタイ 2:1; 4:25 ヨハネ 1:44 「シナイ山から」ガラテヤ4:24 「ナザレ人ナザレ」マタイ 21:11 「アリマタヤの者」マルコ 15:43 ヨハネ 19:38 「イタリア出身者、イタリア人」へブル13:24)
③素材
マタイ3:4 ὁ ἰωάννης εἶχεν τὸ ἔνδυμα αὐτοῦ ἀπὸ τριχῶν καμήλου「ヨハネは、らくだの毛ごろもを着物にし」
④要求、願望
マタイ5:42 τῷ αἰτοῦντί σε δός, καὶ τὸν θέλοντα ἀπὸ σοῦ δανίσασθαι μὴ ἀποστραφῇς.「求める者には与え、借りようとする者を断るな」
(「誰かの模範から学ぶこと」マタイ 11:29; 24:32; マルコ 13:28 コロサイ 1:7 へブル 5:8 求める、尋ねる、要求する動詞の後にἀπείτεινルカ 12:20 Ⅰテサロニケ2:6)
⑤知覚、知識
マタイ7:16 ἀπὸ τῶν καρπῶν αὐτῶν ἐπιγνώσεσθε αὐτούς.「あなたがたは、その実によって彼らを見わけるであろう」
ガラテヤ3:2 τοῦτο μόνον θέλω μαθεῖν ἀφ᾽ ὑμῶν,「わたしは、ただこの一つの事を、あなたがたに聞いてみたい」
Ⅳ 作用、行動の出所
①原因、動機、理由、手段 ~のために、~によって、~から
マタイ18:7 οὐαὶ τῶ κόσμῳ ἀπὸ τῶν σκανδάλων「この世は、罪の誘惑があるから、わざわいである」
ルカ22:45 εὖρεν κοιμωμένους αὐτοὺς ἀπὸ τῆς λύπης,「彼らが悲しみのはて寝入っているのをごらんになって」
黙示18:15 οἱ πλουτήσαντες ἀπ᾽ αὐτῆς「彼女から富を得た商人は」
(「背が低かったので」ルカ 19:3 「魚が多くとれたので」ヨハネ21:6 「栄光の輝きのために」使徒 22:11。
「喜びから」マタイ 13:44 「恐れのために」マタイ 14:26; 28:4 ルカ 21:26 「誰を恐れる」マタイ 10:28 ルカ 12:4 「誰かを恐れて逃げる」ヨハネ 10:5 マルコ 14:52)
②創始者、行為者
マタイ12:38 θέλομεν ἀπὸ σοῦ σημεῖον ἰδεῖν.「先生、わたしたちはあなたから、しるしを見せていただきとうございます」
ガラテヤ1:1 οὐκ ἀπ᾽ ἀνθρώπων「人によってでもなく」
ヨハネ5:19 ὁ υἱὸς ποιεῖν ἀφ᾽ ἑαυτοῦ οὐδὲν ἐὰν μή τι βλέπῃ τὸν πατέρα「子は父のなさることを見てする以外に」
Ⅱコリント3:5 οὐχ ὅτι ἀφ᾽ ἑαυτῶν ἱκανοί ἐσμεν λογίσασθαί τι ὡς ἐξ ἑαυτῶν,「もちろん、自分自身で事を定める力が自分にある、と言うのではない」