心のデボーション500

デボーション1
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心のデボーション4991

「かくて彼らに言ひ給ふ『われ苦難の前に、なんぢらと共にこの過越の食をなすことを望みに望みたり。』」 ルカ22:15

「イエスは彼らに言われた、「わたしは苦しみを受ける前に、あなたがたとこの過越の食事をしようと、切に望んでいた。」 口語訳聖書

 「苦しみ」

「入門者にとって必要なことは、何かを学び知ることではなく、 自分の中にある変化が生じて、教えを受けるにふさわしい状態とされることである。 ギリシャ語で「パトス(πάθος)」とは、同時に「苦しみ」と「変容」とを意味する。」(シモーヌ・ヴェイユ「重力と恩寵」岩波文庫2017/3)「内にたたえられた苦悩は、変化をもたらす」、(田辺保「シモーヌ・ヴェイユ」講談社現代新書 昭和43/10)

(心のデボーション4991)

心のデボーション4992

「語りかつ論じあふ程に、イエス自ら近づきて共に往き給ふ。」 ルカ24:15  大正文語訳聖書

「語り合い論じ合っていると、イエスご自身が近づいてきて、彼らと一緒に歩いて行かれた。」 口語訳聖書

 「あなたと会えてよかった」

この人と会えてよかったという思いは、気づき育てるものではないか。出会っているのに、それとわからずにいることが多い。出会いに恵まれない人などいない。イエスも、それとわからないかたちで私に近づき、共に歩まれる。そして、心に燃えるものを感じたとき、やっとイエスに出会っていたと知るのである。出発はいつも、その出会いからはじまる。

(心のデボーション4992)

心のデボーション4993

「キリスト・イエスの僕、召されて使徒となり、神の福音のために選び別たれたるパウロ――」 ロマ1:1  大正文語訳聖書

「キリスト・イエスの僕、神の福音のために選び別たれ、召されて使徒となったパウロから――」 口語訳聖書

 「選び分かたれ」

パウロのみならず人はみな「キリスト・イエスの僕、神の福音のために選び別たれ、召され田」者である。(ロマ1:1) 「選び分かたれ」の英語訳は「separated unto the gospel of God」(King James Version)で、「separate」はラテン語のseparatus、separare「引き裂く」に由来し、「apart」(別々に)を意味するse-」+「準備する」を意味するparareから成り立ち、この言葉には「離れる、備える」が原意である。神は私をそれまでの絆から離し、主のために備えられる。切り離しは新しい絆への備え付けである。

(心のデボーション4993)

心のデボーション4994

「言を寡くする者は知識あり 心の靜なる者は哲人なり」 箴言17:27  大正文語訳聖書

「言葉を少なくする者は知識のある者、心の冷静な人はさとき人である。」 口語訳聖書

 「おまち、して、おり、まあーす」

大切なときに、つまらないことが気になる。お昼ごろになると小型の飛行機がやってきて、空を旋回しながらデパートの宣伝をし、いかにものんびりした声で「おまち、して、おり、まあーす」と去っていく。ちょうどそのとき、中学校で試験を受けていた子の頭の中を「おまち、して、おり、まあーす」がぐるぐるまわりはじめ、問題を解くことができなくなってしまった。英知のある人とは、ちょっと注意をそらせることのできる人かもしれない。

(心のデボーション4994)

心のデボーション4995

「この故に我らこの事を聞きし日より、汝等のために絶えず祈りかつ求むるは、汝ら靈のもろもろの知慧と穎悟とをもて神の御意を具に知り、」 コロサイ1:9  大正文語訳聖書

「そういうわけで、これらの事を耳にして以来、わたしたちも絶えずあなたがたのために祈り求めているのは、あなたがたがあらゆる霊的な知恵と理解力とをもって、神の御旨を深く知り、」 口語訳聖書

 「洞察する知性」

「知恵は万物に先立って造られ、洞察する知性(σύνεσις)は永遠から存在する」。(旧約聖書外典ベン=シラの知恵1:4 フランシスコ会訳聖書) 「知恵」は「万物に先立って」神の中に、神と共にあり、「〔知恵を〕洞察する知性σύνεσις φρονήσεως ἐξ αἰῶνος」は「永遠から〔神の中に、神と共に〕存在する」。「洞察する知性σύνεσις」は「の御旨を深く知る知性」のことである。

(心のデボーション4995)

心のデボーション4996

「かれらの目の涙をことごとく拭ひ去り給はん。今よりのち死もなく、悲歎も號叫も苦痛もなかるべし。前のもの既に過ぎ去りたればなり」 黙示21:4  大正文語訳聖書

「人の目から涙を全くぬぐいとって下さる。もはや、死もなく、悲しみも、叫びも、痛みもない。先のものが、すでに過ぎ去ったからである」 口語訳聖書

 「忠臣ハインリッヒ」

グリム童話「蛙の王様(1名)鉄のハインリッヒ」では忠臣ハインリッヒは王子が魔女の魔法によって蛙に変えられた悲しみで、胸が張り裂けそうになり、胸に三本の鉄の輪をはめてもらう。魔法がとけて王子が元の姿に戻り、お姫様と結婚すると、国に帰る馬車で、ハインリッヒの三本の鉄の輪が大きな音を立てて胸から外れる。悲しみを抑える「鉄の輪」は三本あり、一度にではなく、一本づつ、音をたてて外れる。

(心のデボーション4996)

心のデボーション4997

「汝は施濟をなすとき、右の手のなすことを左の手に知らすな」 マタイ6:3 大正文語訳聖書

「あなたは施しをする場合、右の手のしていることを左の手に知らせるな。」 口語訳聖書

 「両手のなかで汗をかかせる」

「あなたの施しは誰に与えたらよいかわかるまで、両手のうちに温存すべきである」 (「十二使徒の教え(ディダケー 第一章6」)

「両手のうちに温存する」は「両手のなかで汗をかかせる、汗をかく ἱδρόω 」である(「十二使徒の教え(ディダケー 第一章6 注)

「施し」はそれを真に必要とする行先を見出すまで、両手のうちで汗ばむまで待つべきである。「施し」は両手で温められた贈り物である。

(心のデボーション4997)

心のデボーション4998

「是はその施濟(ほどこし)の隱れん爲なり。さらば隱れたるに見たまふ汝の父は報い給はん」 マタイ6:4 大正文語訳聖書

「それは、あなたのする施しが隠れているためである。すると、隠れた事を見ておられるあなたの父は、報いてくださるであろう。」 口語訳聖書

 「人目につかせない」

「人目につかせないκρυπτός」は「覆う、覆い隠す、埋める、埋葬する、隠す、秘密にする」こと。「施し」は誰がしたか知られないように、それがなされる度に穴を掘り、人知れずに埋葬しなければいけない。埋葬は密やかに、かつ迅速になされるべきである。

(心のデボーション4998)

心のデボーション4999

「なんぢら祈るとき、僞善者の如くあらざれ。彼らは人に顯さんとて、會堂や大路の角に立ちて祈ることを好む。誠に汝らに告ぐ、かれらは既にその報を得たり」 マタイ6:5 大正文語訳聖書

「それは、あなたのする施しが隠れているためである。すると、隠れた事を見ておられるあなたの父は、報いてくださるであろう。」 口語訳聖書

 「報い」

会堂であれ、街角であれ、立ち止まって祈ることには何の問題もない。だが、彼らは「らしく見せ」ようとしてそうする。彼らはすでに「報いἀποδίδωμι」を受けている。神からの報いではなく、自らが自らに与える「報い」である。

すでに「支払い」は済んでいる。偽善に支払われるものはなにもない。

(心のデボーション4999)

心のデボーション5000

「或人は御靈によりて智慧の言を賜はり、或人は同じ御靈によりて知識の言」 Ⅰコリント12:8  大正文語訳聖書

「すなわち、ある人には御霊によって知恵の言葉が与えられ、ほかの人には、同じ御霊によって知識の言、」 口語訳聖書

 「知恵の言と知識の言」

神はある人に「知恵の言葉λόγος σοφίας」を、ある人に「知識の言λόγος γνώσεως」を与えられる。「知恵の言葉」は「神よりの叡智」、「知識の言」は「神にかんする認識」であり、「知恵の言葉」も「知識の言」も共に「同じ御霊によって」与えられる賜物である。「すべてこれらのものは、一つの同じ御霊の働きであって、御霊は思いのままに、それらを各自に分け与えられるのである」。(Ⅰコリント12:11) 

(心のデボーション5000)

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