心のデボーション4081
「御子は神の榮光のかがやき、神の本質の像にして、己が權能の言をもて萬の物を保ちたまふ。また罪の潔をなして、高き處にある稜威の右に坐し給へり」 ヘブル1:3 大正文語訳聖書
「御子は神の栄光の輝きであり、神の本質の真の姿であって、その力ある言葉をもって万物を保っておられる。そして罪のきよめのわざをなし終えてから、いと高き所にいます大能者の右に、座につかれたのである。」 口語訳聖書
「栄光の輝き」
「御子は神の栄光の輝きὃς ὢν ἀπαύγασμα τῆς δόξης」。（へブル1:3） 「輝きἀπαύγασμα」は「放射」の意。新共同訳聖書は「栄光の反映」と訳す。神の栄光そのものの放射である。「「やみの中から光が照りいでよ」と仰せになった神は、キリストの顔に輝く神の栄光の知識を明らかにするために、わたしたちの心を照して下さったのである。」（Ⅱコリント4:6）
（心のデボーション4081）
心のデボーション4082
「我等もしキリストと共に死にしならば、また彼とともに活きんことを信ず。」 ロマ6:8 大正文語訳聖書
「もしわたしたちが、キリストと共に死んだなら、また彼と共に生きることを信じる。」 口語訳聖書
「孤独からの解放」
自らの死を意識するところから人生の危機がはじまる。人が死を恐れるのは、そこに孤独な自分を見るからではないか。孤独の問題を解決しない限り、死は恐怖でありつづける。キリストの中に自分の死を経験する人は、キリストとともに生きる自分を発見する。そして、パウロとともに「もはや私が生きているのではなく、キリストが私のうちに生きておられる」と認める。ここには孤独の恐怖はない。ギリシャ語συζάωは「共に生きる、生を共にする」の意。
（心のデボーション4082）
心のデボーション4083
「忍耐をして全き活動をなさしめよ。これ汝らが全くかつ備りて、缺くる所なからん爲なり。」 ヤコブ1:4 大正文語訳聖書
「だから、なんら欠点のない、完全な、でき上がった人となるように、その忍耐力を十分に働かせるがよい。」 口語訳聖書
「欠けのない人」
「だから、なんら欠点のない、完全な、でき上がった人となるように、」（ヤコブ1:4） 「何ら欠点のないἐν μηδενὶ λειπόμενοι」。「欠点λείπω」は「欠けがある、後に残す（後に残される）」の意。イエスは富める青年に「なんぢ尚ほ一つを缺く」と言われた。他のすべてを守っても、なお「後に残された一つ」があり、それによってすべてが意味を失うような「一つ」があり、それがあれば他の欠け全体を意味あるものに変える「一つ」である。ヤコブの「なんら欠点のない、完全な、でき上がった人」とはイエスの「一つ」を満たした人のことである。
（心のデボーション4083）
心のデボーション4084
「我は我が蒙りたる默示の鴻大なるによりて高ぶることのなからん爲に、肉體に一つの刺を與へらる、即ち高ぶることなからん爲に我を撃つサタンの使なり。」 Ⅱコリント12:7 大正文語訳聖書
「そこで、高慢にならないように、わたしの肉体に一つのとげが与えられた。それは、高慢にならないように、わたしを打つサタンの使なのである。」 口語訳聖書
「しるし子」
身体のアザをひどく気にする娘に母親が「お前のような子は、しるし子と言って、必ず幸せになれるように、神様がおつけ下さった目印なのだ」と教えたそうである。人は誰でも何らかのしるしをもって生まれてくるのではないだろうか。パウロはそれを「一つのとげσκόλοψ（先の尖った杭、棘、釣り針の針の先端）」と呼ふ。パウロの場合、しるしは痛みを伴った。神は｢しるし」を必要としない。ただ、私自身が自分を生き、神に近づくために「しるし」に気づく必要があったのである。
（心のデボーション4084）
心のデボーション4085
「我らは神の中に生き、動きまた在るなり。汝らの詩人の中の或者どもも『我らは又その裔なり』と云へる如し。」 使徒17:28 大正文語訳聖書
「われわれは神のうちに生き、動き、存在しているからである。あなたがたのある詩人たちも言ったように、／『われわれも、確かにその子孫である』」 口語訳聖書
「自己」
マタイがイエスの存在を「系図」から説きおこすのは、人がイエスに到達するには自己の全存在に含まれるものを経なければならないことを示唆する。人の「自己」に含まれる、生きとし生けるものの全体、すなわち全存在、全経験、全出来事、そして全意味についてである。
（心のデボーション4085）
心のデボーション4086
「即ち父なる神の預じめ知り給ふところに隨ひて、御靈の潔により柔順ならんため、イエス・キリストの血の灑を受けんために選ばれたる者に贈る。願はくは恩惠と平安と汝らに増さんことを。」 Ⅰペテロ1:2 大正文語訳聖書
「すなわち、イエス・キリストに従い、かつ、その血のそそぎを受けるために、父なる神の予知されたところによって選ばれ、御霊のきよめにあずかっている人たちへ。恵みと平安とが、あなたがたに豊かに加わるように。」 口語訳聖書
「予知されたところ」
神は「予知されたところによって」選ばれた人に、イエス・キリストに従い、その血のそそぎを受け、聖霊のきよめにあずかせられる。「予知πρόγνωσις」は「前もって知るところ、あらかじめ知るところ」の意。人は自分が神を知り、神に従うとは思いもしなかったことであるが、神は前もってそうなると予知されたところである。（Ⅰペテロ1:2）
（心のデボーション4086）
心のデボーション4087
「信仰の導師また之を全うする者なるイエスを仰ぎ見るべし。彼はその前に置かれたる歡喜のために、恥をも厭はずして十字架をしのび、遂に神の御座の右に坐し給へり」 へブル12:2 大正文語訳聖書
「信仰の導き手であり、またその完成者であるイエスを仰ぎ見つつ、走ろうではないか。彼は、自分の前におかれている喜びのゆえに、恥をもいとわないで十字架を忍び、神の御座の右に座するに至ったのである。」 口語訳聖書
「やり直し」
ドミノ倒しは残酷なゲームだ。一枚のミスから総崩れがはじまり、ボー然と見ているしかない。完成しても総崩れを見ることに変わりはない。しかし、完成の後なら、見事に崩れることが爽快な気分にしてくれる。その違いは、再び最初の一枚からやり直さなければならないか、それをしないで済むかにある。人生にもやり直しはある。しかし、それは元に戻るのではなく、失敗という一つの経験を完成することである。人生にドミノ倒しを持ち込まないことだ。主は「信仰の導き手であり、またその完成者（τελειωτής「完全にする者」）である」（へブル12:2）
（心のデボーション4087）
心のデボーション4088
「イエス・キリストの僕また使徒なるシメオン・ペテロ、書を我らの神および救主イエス・キリストの義によりて、我らと同じ貴き信仰を受けたる者に贈る。」 Ⅱペテロ1:1 大正文語訳聖書
「イエス・キリストの僕また使徒であるシメオン・ペテロから、わたしたちの神と救主イエス・キリストとの義によって、わたしたちと同じ尊い信仰を授かった人々へ。」 口語訳聖書
「同じ尊い信仰」
信仰は、使徒にも名もない信徒にも、「同じ尊い信仰」である。「同じ尊いἰσότιμος」は「同等の重みをもつ、全く同じものを有する」の意。神は「心の貧しい者」に、使徒にあったと同等の信仰をお授けになる。
（心のデボーション4088）
心のデボーション4089
「姦淫するなかれ」と云へることあるを汝等きけり」 マタイ5:27 大正文語訳聖書
「『姦淫するな』と言われていたことは、あなたがたの聞いているところである。」 口語訳聖書
「援助交際」
児童買春を「援助交際」と呼ぶ。「援助交際」という言葉は以前から使われていたが、1996年の流行語大賞になるほど普及した。隠語では「援交」を「円光」とも書くそうである。いかに表現を変えても、買春であり、現代の「姦淫」の一つであることに違いはない。
「汝が姦淫なほ小き事なるや」 エゼキエル16:20
聖書は「姦淫μοιχεύω」を「神の否定」と重ねてとらえ、恐れる。「姦淫」はする者もさせる者も、人格を否定し傷つけることにおいて、決して「小さきこと」ではない。しかし、その行為にある者は「小さきこと」として、分からなければ何でもないと考える。あらゆる「性」の問題は魂・人格の問題である。人の神との関係を問い正さずにはおかない。（マタイ5:27）
（心のデボーション4089）
心のデボーション4090
「御子は神の榮光のかがやき、神の本質の像にして、己が權能の言をもて萬の物を保ちたまふ。また罪の潔をなして、高き處にある稜威の右に坐し給へり」 ヘブル1:3 大正文語訳聖書
「御子は神の栄光の輝きであり、神の本質の真の姿であって、その力ある言葉をもって万物を保っておられる。そして罪のきよめのわざをなし終えてから、いと高き所にいます大能者の右に、座につかれたのである。」 口語訳聖書
「神の本質」
「御子は…、神の本質の真の姿であって」。（へブル1:3） 「神の本質ὑπόστασις」は「ὑπό下に＋ἵστημι立つ、置く」からなり、「土台、実在、実質、実体、本質」の意である。御子イエス・キリストは神の本質の「真の姿」であり、その「力あることば」によて万物を保たれる。
（心のデボーション4090）
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